芸術の秋を迎えて藤沢浮世絵館の新しい展示「おもしろ東海道の名優たち~」が始まり見学してきました。
今回の展示会では、東海道の各宿場をコミカルな表情を見せる妖怪や動物のような生き物と共に各宿場の様子が描かれていました。
今回は、「東海道五十三次コーナー」・「藤沢宿コーナー」・「江の島コーナー」・「企画展示コーナー」の4コーナーで、88点の名品が展示されていました。
東海道五十三次コーナーでは、歌川芳員の「おもしろ東海道」の作品30点、日本橋から舞坂までの東海道五十三次の名所のご当地キャラクターや宿場の場面を描かれた名作が展示されています。
東海道五十三次内 程ヶ谷と藤沢の画では、旅人のユーモラスな姿や遊行寺を背景に小栗判官と鬼鹿毛が仲良く碁を打っている光景が描かれています。
東海道五十三次内、小田原・三島の画では、小田原宿の雨の中で合羽を着た旅人が河童に出会った光景と三島神社の神事が描かれています。
東海道五十三次内 興津・府中の画では、興津川を渡る布袋や地面から巨大なミミズが飛び出す姿が描かれています。
東海道五十三次内 金谷・掛川の画では、宿屋で化粧する飯盛り女や杖を持ち三味線を背負って橋を渡る光景が描かれています。
藤沢宿コーナーでは、「東海道名所」の歌川広重が描いた東海道名所の遊行寺や江の島、箱根などの光景10点の錦絵作品が展示されています。
「東海道名所 藤沢遊行寺」の作品では、現在の光景とは異なる情景の雪景色が美しい遊行寺の参道や仁王門が描かれています。
「東海道名所 江の島」の作品では、現在の弁天橋は無く、砂浜の砂州を渡る光景が描かれています。
「東海道名所 七里ガ浜」の作品では、現在も人気のスケッチポイントである富士山と七里が浜、小動岬が描かれています。
江の島コーナーでは、江の島や七里ガ浜などを明治時代から昭和初め頃に描かれた「江の島からこんにちは~」と題した絵葉書の作品が展示されています。
江の島全景をとらえた構図で現在も名所となっている構図で描かれています。
七里ヶ浜から江の島を望む構図の作品
企画展示コーナーでは、「おもしろ東海道」の続編として東海道五十三次の浜松から京都までの作品と鎌倉の戦いを描かれた作品37点が展示されています。
鎌倉時代末期の鎌倉合戦の絵図
蚕から絹糸をつくる過程を描いた作品ですが、作業員の中に交じって七福神が働いている姿も描かれています。
現代絵とは異なる浮世絵を描く発想やその制作過程など想像しながら東海道の旅人気分を想い浮かぶひと時を楽しんでいました。