奥日光高原の温泉ホテルで早朝に目が覚めると、小鳥の声が聞こえる中で小雨が降っていたが、朝湯に浸りながら静かな季節の移り気を感じていた。
ホテルを出るころには、雨もあがり晴れ間が見え始めていたが この日も絶好のハイキング日和を迎えて意気揚々と戦場ヶ原へと向かう・・・・湯の湖の兎島を経由して木道を進み、前日と同じく湯滝を眺めながら観漠台へ降りていくが、この日も大量の水が流れ落ちており迫力がある。
聞けば、この多量の水は湖底から湧きだしているそうで、湯滝から湯川へと流れて小田代ケ原、戦場ヶ原の湿原へと流れており、今日のコースはその湯川に沿って紅葉を楽しみながら龍頭の滝へと約3時間をのんびりと歩いた。
湯滝から泉門池まで湯川沿いに小滝、小田代橋を経て木道を白樺林や紅葉に彩られた木々の景色を楽しみながら約1時間弱で到着し、秋深くなった池の畔で小休止・・・。このコースでは最も人が集まるところと聞いていたが、この日は時間も早かったためか、数人のハイカーの姿だけでした。
青木橋を経て戦場ヶ原に入ると、景色は一変して素晴らしい壮大な草もみじの湿原が視界に飛び込んでくる。
戦場ヶ原と言えば、昔の合戦の後だろうかと思いきや、案内板によると その名前の由来は、昔 男体山と赤城山が領地をめぐって、大蛇(男体山)と大ムカデ(赤城山)に化けて戦ったという、おとぎ話のような伝説によるものだそうである。
広大な戦場ヶ原には、燃えるような赤や黄金色に染められた草モミジと遠方の山々の紅葉が映えており、別世界のような湿原が広がり、さながらパッチワークを貼りめぐらしたようだった。また、高山植物の宝庫とも言われているようで、ラムサール条約の湿地区域に登録されているそうです。
木道では、珍しい草花や自然の造りなすオブジェなどにも出くわして、飽きることがない風景が限りなく続き疲れも感じないほどである。
そんな世界に没頭していたらいきなり目の前に2匹のシカが現れてカメラを向ける間もなく走り去って行ったが、アフリカの草原地帯にいるような錯覚を覚えていた。
戦場ヶ原から赤沼への分岐点を過ぎて間もなく、「龍頭の滝」の滝頭に着くと、景観は一変して約200Mの滝に沿っての観覧ロードには大勢の観光客で賑わっていた。
滝を正面に眺める観瀑台には、龍の頭を思わせる巨岩とその脇を流れる景観をカメラに撮ろうと争って場所取りしていたが、撮影ポイントでは最近はどこでも見受けられる光景で高級カメラを胸にして他人迷惑も考えずシャッターチャンスを待つ輩が多いが、トラブルとなるケースも少なくない。
一休みした後、バスで中禅寺湖畔へ移動して最後の目的地である「華厳の滝」へ到着。
華厳の滝を訪れたのも遠い昔であるが、紅葉が進んだ渓谷に落ちる約100mの滝は、周りの景色やダイナミックさからも、日本三名瀑と言われる所以で圧巻であった。
紅葉真っ盛りの幸運に恵まれての「奥日光三名瀑」と「戦場ヶ原」の自然を満喫しての2日間のハイキングを無事終えて帰路に着いた。
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