「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「仏の苦笑い」

2009年09月01日 | 趣味・・エッセイ
一度つまずくと、立ち直りにかなり時間のかかる弱い性格。
そんなことが関係するのかどうなのか? 252文字の随筆に挑戦するがなかなかうまくいかない。

一旦うまくいかなくなると、落ち込みも激しい、益々視野が狭くなる。
こんなものじゃダメだ…と自分でダメ出ししてはまた書いてみる。やはりよくない。繰り返す。
しまいには、苦しいときの神頼み。オット…今回は行き詰まったときの仏頼みになってしまった。



「早く食べて」と催促の声が聞こえてきそうなイチジクが、赤く大きな口を開き始めた。
一番生り、最も食べ頃な旬の味。
熟れたて、もぎたてをほおばる。「こりゃ、うまい!」 また手が伸びる。
散々賞味した後で「うまいものは宵の口」「初物は東を向いて笑って食べる」
と言っていた母の言葉が頭をよぎる。
はたと気付いた。初物は先ず仏壇へ。生き仏はお下がりを頂くのがしきたり、だったことを。
順番をたがえたが、あれは毒味だったとの言い訳を込めて、最も形のいいおいしそうなのを、東向きの仏壇に供え手を合わす。
母は苦笑いしてるかな。     
               ( 2009.8.31、毎日新聞はがき随筆掲載 「仏の苦笑い」 )

           ( 写真: お盆提灯を仕舞う前のお仏壇 )

    
コメント (17)
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