「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「遠く近くガタゴトと…」

2009年09月09日 | つれづれ噺
日を追うごとに秋の気配が濃くなるこの頃では、瀬戸の海を渡ってきた肌寒いくらいの風が、開け放った東の窓から遠慮無しに入ってくる。
その涼しい風は、瀬戸内海沿岸を縫うように走る山陽本線の電車の音も引き連れてやってくる。

時に遠く、時に近く、ガタゴトガタゴト…なにかしら郷愁をそそる夜汽車の響きが心地よい。
♪♪ ……遠くで汽笛を聞きながら 何もいいことがなかったこの町で……♪ と唄っているが、住みなれたこの町、特にいいことばかりがあるわけでもない、かといって悪いことばかりあるわけもない。

以前、瀬戸内に浮かぶ島影が、気圧の変動によって見え隠れする話をしたことがある。
夜汽車の音もまさにその通り。気圧の変動で音の響きが異なるのをはっきり感じる。
その前に、風向きによって音の流れはモロに影響を受ける。

普段は、眠りに着く頃の夜汽車のガタゴトは心地よい。耳に馴染み、眠りを誘う。
ところが海風の強い夜は、300㍍の距離を飛び越えて、すぐ近くを走りすぎるようにガタゴトが耳につく。眠りかかった最高の気分を揺り起こされることもある。

かつては東京や大阪に向けて、夜行列車とか寝台車などと呼ばれ重宝された夜汽車。今では貨物列車だけの世界になった。昔を知る者には淋しさが募る。

代わりに超高速の新幹線があるじゃないか…という声が聞こえる。時にはそんな急がなくてもよい旅もあるはずだ。第一、新幹線は深夜走らない。スローライフの象徴のような在来線。夜汽車のガタゴトを楽しもう。

          ( 写真: 長短30両も引っ張る貨物列車 )
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横幅を広げる

一行の文字数を増やしたい