「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「秋空に向かって」

2009年09月16日 | 思い出話
  ♪♪ 空に向かって上げた手に 
            若さがいっぱい飛んでいた
                青春広場で 肩組み合って……♪♪

遠い遠い去りにし青春をふと思い出させるように、秋空に向かって奔放に伸びるススキの穂が目に入った。
ススキの穂といえば、「ユウレイの 正体見たり 枯れ尾花」で代表されるように、煌々と冴える秋の月が雲間に隠れ一瞬の闇夜となる。そこへ一陣の風が吹く。ススキの穂がユラユラ揺れる。遠目に見れば間違いなくドキッとする…。「キャーッ…あれはナニ??」とすがりつく柔らかな手をそ~っと押しやり、「ススキじゃろ…」っと渇いた喉を悟られないようにささやく…。

こんな経験を一度はしてみたかったな~…。とうとうそんな場面にも恵まれず現在に至り、今では風が吹こうが揺れようが、ユウレイなどと思いもしなくなった。

ススキは一応花なのだ。それも秋の七草の代表格でもある。
遠い昔には茅葺き屋根の材料とされたため、村落には必ず茅場といわれるススキやヨシなどの群落を維持した空間があったものだが、今ではすっかり陰を潜めた。

海や川の土手の傾斜に束になって生えていたのを思い出す。子供の頃葉っぱに触っただけで指の先が切れて血が噴き出すこともしばしば。成長して、学校帰りに二組・三組のカップルが土手の茅の群生を頼りに散歩コースに使っていたとかいなかったとか…。

何故かススキの話になると、自分にはなかった艶っぽい遠い昔が思い出される。秋という季節に最盛期を迎えるもの悲しさを秘めた花だからなのか。やっぱり秋は罪作りのような……。

        ( 写真: まるで両手を広げたように秋の空に向かって伸びるススキ。)
コメント (6)
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