575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

この星に争い止まず梅雨に入る  亜子

2024年08月15日 | Weblog

今日は79回目の終戦の日です。理不尽に310万人ものかけがえのない命が奪われた戦争。人の記憶はおよそ80年で失われると言われますので戦争の記憶を持つ人も数少なくなって来ました。二度と戦争をしないと誓った日本ですが、今も地球上には争いが絶えません。先の見えないウクライナ、ガザ、もろもろの内戦。一体いつになったら人間は愚かな争いをやめることができるのでしょう。。。憎しみしか生み出さないのに。。。

作者の亜子さんは毎年8月には平和を願って戦争の句を詠まれます。作者の切実な思いがこの句からも伺えます。

能登さん:酷い現実が止まらぬ地域あり、日常がそのままに過ぐる地域あり。

童子さん:「梅雨に入る」を、また別の季語でも色々と表現出来そう。秀逸と感じます。

       ★★★

確かに他の季語でも句が成り立ちそうですが、梅雨時の重苦しい感じが言いようのない無力感や憂鬱感を感じさせてくれるような気もします。

今日正午には黙とういたします。麗子

 

 

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初蝉や今生の日々始まりぬ  麗子 

2024年08月09日 | Weblog

計測史上に残るこの暑さ、生きものすべて必死で命をつないでいることでしょう。

生きもの二題の紹介です。コメントも読みごたえがあります。

 竹葉さん: 「今生の」から今迄の長い地下の数年間からやっと開放されて、現世の本物の生の始まり感がよく出ていると思いました。

 須美さん: 蝉の今生の日々始まると言うのが面白い。蝉の地上での短く貴重な日々が伝わる。

 晴代さん: 蝉の大切な一日の始まり。今日を大切に(人間も)。

 能登さん: うまい!! 私、羽化後の蝉の短い生を詠みたいと、何度も試みましたがうまくいきませんでした。 「今生の日々始まりぬ」がうまい。

 泉さん:  蝉は土の中に長いこといて、やっと地上に出ても短い、その短い命を大切に一生懸命生きている。

 亜子さん: ◎の句。蝉が土の中で長い年月を過ごしサナギとなって木に登り、脱皮して蝉になる。皮を脱いだばかりの初蝉の数日の日々が始まった。精一杯鳴いて「生を全うする」という祈りのようなものを感じる。

「今生」というのは「この世に生きている間」という意味。重みのある表現で、小さな命にむける作者の温かいまなざしを上手く表しています。

はかない命でも、やはり空を飛びまわってこその「生」ということなのでしょうか

 

 

 ででむしやだんだん手間の身ごしらえ  晴代

 麗子さん:「ででむし」のゆっくりした動きとだんだん手間取る身支度の様子。「でんでん」と「だんだん」の音の組み合わせもうまいと思いました。

 郁子: でんでんむしむし♪ と歌っていた頃が懐かしい。無警戒でゆっくりのんびりの動きが、思うようない動けない自分に重なります。

 千香子さん: 確かに何事につけ手間取るようになりました。

 

   

新見南吉のでんでんむしの悲しみを思い出しました。

生きている限り、悲しみはつきものです。その悲しみを分け合いながら少し笑って受け入れる日々。

一生懸命生きているひとに、たまにはご褒美をあげたいです。

 

 ででむしや今生の悲しみ背負いたり  郁子

 

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堰を切る言葉はある日の夕立  容子

2024年08月08日 | Weblog

自由題でトップ賞になった容子さんの秀句。なんと詩情豊かな俳句でしょう。いろんな物語が想像できます。何があったのでしょうか?ある日の夕立を機に堰を切ったように溢れ出す言葉たち。何か心にしまっていた思いがあったはず。誰かにその心のうちを打ち明けたのでしょうか?こういう俳句を私もいつか作ってみたいです。では皆さんの絶賛コメントです。

竹葉さん:言いたかった事をやっとどどーと言い出せた勢いを「夕立」とは凄い発想だと感心しました。

晴代さん:夕立の音が日頃の思いを言わしめたのか。

郁子さん:堪えていた気持ちが突然ダーッと。夕立の降り始めもこんな感じです。575の調子が定型でないのも効果的。

童子さん:ドラマティック!

亜子さん:リズムは違うがきちんと17音になっている。訴える力のあるリズム。どんなシチュエーションかわからないが、ある日の夕立の勢いで堰を切ったように出て来る言葉。許されるなら心の内をわかってくれる人がいて安心してしゃべりたい。

      ★★★

それにしてもこれだけ猛暑が続くと夕立が待ち遠しいです。夕立のざぁーっという音に言葉はかき消されるかも?でもそれだからこそ思いは溢れ出るのかも知れません。今日こそ一雨欲しいです。麗子

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閉塞のため息二つ熱帯魚  麗子

2024年08月02日 | Weblog

題詠「熱帯魚」のいろんな発想や気づきの句を見ながら、連日の危険な暑さと言われる毎日を凌いでいます。

美しくて涼やかで可愛くて軽やかにいきたいものですが、少々ネガティブな色合いの心情句もありました。

そのひとつ、麗子さんの句に寄せられたコメントです。

竹葉さん:「二つ」は水槽の閉塞感から来るものでしょうから、海に帰りたい願望の強さを表してるのでしょうね。

郁子:美しいアクアリウムに何の不自由もなく優雅に泳ぐ熱帯魚ですが、本当に幸せなのか。聞くわけにもいきません。メランコリーな作者の気持ちを投影しているかもしれません。

佐保子さん、童子さんも採られ高得点でした。

 

 熱帯魚委ねる生の幸ありき  容子

亜子さん:心境句。熱帯魚の動きを見て心の中に沸いて来た思い。いろんなことを全て定めと思い受け止めて生きて行く。一種の悟りのような心境を詠んだ句。

 

そして

 不夜城を舞う名前無き熱帯魚  郁子

着飾って、楽しくやってはいるけれど・・と見た私の句です。

竹葉さん:竜宮城では軽々しいけれど、「不夜城」は休みなく泳ぎ続ける哀れさを感じさせてくれます。

須美さん:熱帯魚の水槽を不夜城と表現しているのが面白い。

 

名古屋栄辺りに、理由もなく集まってくる未成年が増えているそうです。

彼ら彼女らは互いの名前も知らないけれど、SNSでつながり集団で行動するためお巡りさんが、警戒と指導のパトロールを強化しているという話を聞き浮かんだ一句です。

 

麗子さんと二人句会をした時に「わたしたち疲れているのかなア・・?」と笑ってしまいました。

この暑さ。片陰に生きものみんなが身を寄せて、掛け合う言葉は優しくありたいと思うこの頃です。

 片陰に雀二羽と信号待ち  郁子

 

 

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海沸騰東京湾に熱帯魚  能登

2024年08月01日 | Weblog

今日から8月です。まだまだ耐え難い猛暑が続きます。能登さんのこの句はまさに今年の夏を表現していますね。

灼熱の東京湾の様子。海沸騰とは!ゴツゴツした漢字の多さにも暑さが感じられます。東京湾が効いていると思いました。このままこのような暑さが続いたら東京の海も熱帯の海になり、いつの日か熱帯魚も生息しそうですね。

晴代さん:まさしく海水温の上昇危機を訴えているようです。

泉さん:年々、海水の温度も上がり、南の海の魚も珍しくない。

 

暑いと言えばこちらはお熱い熱帯魚の様子。

     口寄せて相思の仲や熱帯魚  亜子

アツアツカップルのように口を寄せてキスする熱帯魚。作者の亜子さんはなかなか熱帯魚を実際に見る機会がないので、ご自宅の原色百科事典で熱帯魚を調べたそうです。そこで目にした「キッシンググラミー」という熱帯魚。淡いピンクのかわいい観賞魚。タイやインドネシア、マレーシアなど東南アジア圏に生息しているそうです。

私もネットで検索してみました。確かにぶちゅっと唇を合わせています。ラブラブかと思いきや、実はオス同士の縄張り争い?ということです。そんなことはともかく二匹の熱帯魚が口を寄せている様子はほほえましいですね。

能登さん:微笑ましき景。「相思の仲」がいいですね。

泉さん:可愛く仲良しの感じがする。

             ★★★

パリオリンピック真っ只中。時差が厳しく寝不足の方も多いと思います。トライアスロン競技が行われるセーヌ川の水質がとても気になりました。川に魚はいるのかな? 皆様猛暑の中くれぐれもご自愛くださいね。 

                           麗子

 

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寄りひらりおはじきのごと熱帯魚  晴代

2024年07月26日 | Weblog

季語だけを詠んでつくる一物仕立ての句。熱帯魚の動きを上手く表現している秀句と思いました。

 

須美さん:熱帯魚が近寄りパッと散る様子をおはじきになぞらえているところが面白い。

千香子さん:よく見ていると確かに、よったり離れたりしています

亜子さん:熱帯魚のすばやい身のこなしをおはじきにたとえたところがよい。

童子さん:熱帯魚の動きそのまんまの比喩が素晴らしい涼やかな句

私もいただきました。

ひらりという表現がどうかという意見もありましたが、おはじきのように弾かれていろんな角度に散る俊敏さと優雅さを上手く捉えています。

 

そして、「色」に注目の一物仕立て。

 みずいろのひかりゆらして熱帯魚  遅足

 

能登さん:ひらがな表記が水の揺れを感じさせる。

晴代さん:みずいろのひかりが熱帯魚の色をひきたてているようです。

ひらがな使いの効果で幻想的な一句になっています。

水槽のみずがきらきらして熱帯魚を包むようでもあり、体のメタリックブルーの色がネオンのように光るのか。そもそも泳いでいるのか飛んでいるのか、自分の立ち位置までゆれてるように思いました。

 

子どもの頃、父に伴われてよく行った薄暗い金魚屋さんを思い出します。

異世界に紛れ込んだような錯覚、水槽のこちらとあちらを行き来できるような自由な想像力を育ててもらいました。

最近はどうも頭がカチカチ。。 郁子

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美ら海に砲弾と船熱帯魚  泉

2024年07月25日 | Weblog

熱帯魚句会いかがでしたでしょうか?熱帯魚が舞う様子、待合室の水槽、自らの心境を委ねた句などさまざまな熱帯魚が17文字の海を泳ぎました。そんな中、泉さんのこの句が見事トップ賞を射止めました。おめでとうございました!!

まず、熱帯魚と沖縄の戦争の傷跡を結びつけたところに感服しました。 美しい沖縄の海の底には今も砲弾や沈没した船などがたくさん残っていることでしょう。そこに住み着く色鮮やかな熱帯魚が目に見えるようでした。二度とこのようなことが起こらないようにとの思いが感じられる秀句でした。

竹葉さん:あの美しい沖縄の海に、戦争で沈められた船に群がる美しい熱帯魚、反戦の気持ちが伝わります。

須美さん:沖縄の海かをよく表現されていると思う。

晴代さん:砲弾と熱帯魚 沖縄の戦禍が今も海には残っているのでしょうね。

郁子さん:かつての激戦地、沖縄の海にひらりひらりと泳ぐ熱帯魚の姿を想像しました。このまま透明な海であれと願いたいです。

千香子さん:船は海を守ろうという人たちのことを言っているのかなーと考えておりました。

亜子さん:◎の句。沖縄の海。熱帯魚は平和そのままに泳いでいる。しかし海の底には砲弾や船が眠っている。戦争をくぐり抜けた海。かつての戦争を忘れてはいけないといういうことを思い起こさせてくれる一句。

 

作者の泉さんのコメントです。「沖縄の海は美しい。世界でも海に潜ると美しくてびっくりするとダイバーが言っています。その美しい海に過去の戦争の傷跡が今でも残っている。」

その海が美しければ美しいほど悲しい記憶が呼び覚まされる一句でした。麗子

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7月句会「熱帯魚」結果発表!

2024年07月24日 | Weblog

2024年7月兼題「熱帯魚」

  1. 美ら海に砲弾と船熱帯魚 (泉)  竹葉 容子 遅足 須美 晴代 麗子 郁子 千香子 亜子
  2. 口寄せて相思の仲や熱帯魚 (亜子)  麗子 能登 泉
  3. 寄りひらりおはじきのごと熱帯魚 (晴代)  容子 佐保子 須美 郁子 千香子 亜子 童子
  4. みずいろのひかりゆらして熱帯魚 (遅足)  佐保子 晴代 能登
  5. 熱帯魚色鮮やかに舞い遊ぶ (須美)
  6. 不夜城を舞う名前無き熱帯魚 (郁子)  竹葉 須美 
  7. 海沸騰東京湾に熱帯魚 (能登)  容子 遅足 晴代 麗子 泉
  8. 待合室の大き水槽熱帯魚 (佐保子)
  9. 旧友のお喋り笑い熱帯魚 (竹葉)  千香子
  10. 熱帯魚委ねる生の幸ありき (容子)  亜子
  11. 閉塞のため息二つ熱帯魚 (麗子)  竹葉 佐保子 郁子 童子
  12. ピラルクのうろこ1枚キーホルダ (千香子)  遅足 能登 泉 童子

 

 

自由題

  1. この星に争い止まず梅雨に入る (亜子)  能登 童子
  2. 身を落とし更に高みへ揚羽蝶 (遅足)  容子 佐保子 麗子 童子
  3. ででむしやだんだん手間の身ごしらえ (晴代)  麗子 郁子 千香子
  4. 気がつけばダイヤモンド婚楠落ち葉 (千香子)  能登 亜子
  5. 朝早き落ち熊蝉に蟻のゐる (佐保子)  容子 遅足 泉
  6. 初蝉や今生の日々始まりぬ (麗子)  竹葉 須美 晴代 能登 泉 亜子
  7. 堰を切る言葉はある日の夕立 (容子)  遅足 佐保子 竹葉 晴代 麗子 郁子 亜子 童子
  8. 南瓜蔓一雨二坪席巻す (竹葉)  容子 佐保子 須美 晴代
  9. 炎昼下アラートに負けじテニスかな (泉)  千香子
  10. 宿題の観察日記オクラです (郁子)  須美
  11. 園庭のすもも食む食む子等笑顔 (須美)  竹葉 郁子 泉
  12. 菅笠にクッキリルージュ藍ゆかた (能登)  遅足 千香子

 

「熱帯魚」涼しさを呼ぶよい季題だったと思います。

トップ賞は  兼題 泉さん

       自由題 容子さん でした!!

   おめでとうございます 

 

 

 

 

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熱帯魚句会の投句が揃いました。

2024年07月23日 | Weblog

連日の酷暑。熱帯魚の俳句鑑賞でしばし暑さを忘れられるといいですね。明日の結果をお楽しみに!!

 

兼題「熱帯魚」

①      美ら海に砲弾と船熱帯魚 

②      口寄せて相思の仲や熱帯魚 

③      寄りひらりおはじきのごと熱帯魚  

④      みずいろのひかりゆらして熱帯魚  

⑤      熱帯魚色鮮やかに舞い遊ぶ 

⑥      不夜城を舞う名前無き熱帯魚 

⑦      海沸騰東京湾に熱帯魚 

⑧      待合室の大き水槽熱帯魚  

⑨      旧友のお喋り笑い熱帯魚 

⑩      熱帯魚委ねる生の幸ありき 

⑪      閉塞のため息二つ熱帯魚 

⑫      ピラルクのうろこ1枚キーホルダ 

 

自由題

①      この星に争い止まず梅雨に入る 

②      身を落とし更に高みへ揚羽蝶 

③      ででむしやだんだん手間の身ごしらえ 

④      気がつけばダイヤモンド婚楠落ち葉 

⑤      朝早き落ち熊蝉に蟻のゐる 

⑥      初蝉や今生の日々始まりぬ 

⑦      堰を切る言葉はある日の夕立 

⑧      南瓜蔓一雨二坪席巻す 

⑨      炎昼下アラート負けじテニスかな 

⑩      宿題の観察日記オクラです 

⑪      園庭のすもも食む食む子等笑顔 

⑫      菅笠にクッキリルージュ藍ゆかた 

 

 

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句のうかぶモードにあらず冷奴  遅足 

2024年07月19日 | Weblog

  昨日東海地方は梅雨が明け、待ってましたとばかり太陽が全力で照り付けました。

そして夏の土用入りです。今年の土用の丑は二日あります。今月24日と8月5日。

高嶺(高値)の花のうなぎですが、どちらかの日でいただきたいものと願っています。

 

さて、表題の一句。高潔な武士のような物言いで庶民の味 冷奴を食しています。(笑)

私はとても親近感を覚えました。いつも早々に送ってくださる皆さんの投句に焦る 麗子郁子ふたりがこの句を採っています。                      

麗子さん:こういう気分よくわかります。冷奴との取り合わせが絶妙。「モード」がいいですね。

郁子:なかなか句ができないことあります。私は右脳が動かないと言ったりしますが、「モードにあらず」と横文字つかいでスカしているところが面白い。そしてそれでも食べているのは純和食の冷奴なのですね。

 

佐保子さんから「自由題の句はできたかとせっついたら、夕飯の皿を食べつつ、何とかひねり出したものです」と伺いました。

仲睦まじいお二人の夫婦の会話がそのまま一句になったようで楽しいです。

今月の熱帯魚句は??いかがでしたか。まもなく句の一覧の発表です。 郁子

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ひとつでもきのうよりきょう明易し  容子

2024年07月18日 | Weblog

いよいよ本格的な猛暑の到来です。明け方汗をかいて目覚める日々です。

容子さんのこの句。とても魅かれました。兼題の方に入れたいほどでした。

ひらがなが何かを意味しているのでしょう。昨日より少しでも前進して行こうという気持ちでしょうか?今日が一番いい日のような。

能登さん:毎日、少しでも前進! 若い頃の気構えを思い出しました。もしかして、全然違うかな?

童子さん:平仮名にすることで、丁寧に生きようという姿勢を感じます。

亜子さん:俳句は物を詠むのが基本だが、心境を詠んでもいい。「ひとつでもきのうよりきょう」というフレーズが素敵。具体的にはわからないがここに至るまでの心持ちが想像できる。一日一日を大切に生きている姿勢が伺えるが、解釈は読者にまかせられている。

 

作者の容子さん曰く

「そうでも思わないと、なかなかモチベーションが保てないので、何とか他人と比べないように、そう考えています。」とのことでした。

確かに!!何かひとつでも昨日と違うことや新しいことをすることが心を活性化するような気がします。自分なりのペースで。皆さん、暑さに負けずこの夏を乗り切りましょうね!今朝またサボテンの白い花が咲きました。麗子

 

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貝塚の貝の白さや夏の雲  竹葉 

2024年07月12日 | Weblog

夏空に広がる雲や積乱雲、その姿形からいろいろな連想が生まれると思いますがその色。白さから貝塚を取り合わせる発想が素晴らしいと思いました。

作者は日本最大級の縄文貝塚である特別史跡指定の加曽利貝塚にいらしたそうです。お住まいの千葉県は、日本の貝塚のおよそ1/4が集中するのだそうですね。

 麗子さん:10番の句と迷いましたが、なかなか貝塚の貝を見る機会がないので新鮮でした。縄文人も見たであろう夏の白い雲。

 千香子さん:古の人と、目の前の雲、とても広がりを感じました。

 晴代さん:貝の白が夏雲の白さを引き立てているようです。

竹葉さんからは、以前チバニアンの地層について教えていただいたことがあります。大賀ハスといい千葉は縄文ロマンの香りも漂う魅力あるところです。

 

 アクセルを一直線に夏の雲  郁子 

麗子さんが迷ったという10番の句は同じ夏の雲を呼んだ私の拙句です

 亜子さん:とても気持ちのいい句。単刀直入に一言で言い切っている。一直線は信号のない北海道の道を思い出した。夏の雲の力強さと一直線の道、そしてアクセルを踏む私。

 竹葉さん:「アクセル」を一直線」とはギュと踏み込んで真っ直ぐな道を進むということでしょうか。その先には海の上に真っ白な積乱雲の景色が見えました。

 童子さん:あっぱれ爽快な句  

素敵なコメントをありがとうございます。

もくもくとち立ちあがる夏の雲、入道雲には、とてつもないエネルギーを感じます。怒りの拳と重ねて一句作った覚えもあります。落ち込んでいるときは元気を注入してくれるビタミン剤です。

夏の雲を前方に見ながら車を走らせた私、何があったか今ではすっかり忘れてしまいました。  郁子

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青嵐突っきってゆくベビーカー  晴代

2024年07月11日 | Weblog

6月の自由題でトップ賞になった晴代さんの勢いある一句。景が鮮やかに目に浮かびます。初夏の青葉を吹き渡るやや強い風。それをものともせずベビーカーを押す母親のたくましさを感じます。

竹葉さん:青嵐が持つ若々しさがベビーカーに、強さが突っきってゆくに呼応してる感じがします。また漢字「突っ切って行く」よりやさしい感じがしていいと思いました。

能登さん:颯爽と押すママの姿を想像してしまう。季語が生きている。

須美さん:爽やかな勢いを感じる。突っきってゆくが面白い。

泉さん: 最近、前より歩くスピードが遅くなってきた。その中、若いママが風の中をベビーカーを押して追い越していく。

亜子さん:日常の光景。ベビーカーを若いママが押している。やや強い風を受け万緑の中「突っ切ってゆく」。育児に追われる親の気概を感じる。

遅足さん、容子さんも採られています。生命力のある俳句ですね。寝ているのか喜んでいるのか、赤ちゃんの様子も想像できます。それにしてもこれだけ暑いとベビーカーを押すのも大変だと思います。雨の日は連れ出せないし。。。子育ては喜びと同時に忍の一字と言う人も。でも「つっきってゆく」にその日一日を乗り越えて行く軽やかさが感じられます。

皆様、猛暑、大雨にご注意くださいね。   麗子

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明け易し二度寝の至福うつうつと  泉

2024年07月05日 | Weblog

そうなんです。この時期とても早く目覚めてしまうのです。

もう一度寝られる♪と嬉しいのは若い証拠かも。カーテンや天井の明るさが気になりどんどん目が冴えて・・明易し

晴代さん:まことに気持ちのよいものです。

亜子さん:誰でも味わう二度寝の心地よさ。夏の夜を惜しむ気持ちが出ている。

 

 「夢であって」と願いつみる夢明易し  能登

亜子さん:字余りだが、心理を巧みに詠んでいる。夢であるとわかっていても続きが見たかったと。もうじきこの夢は覚める。その微妙な気持ちを詠んでいる。

 この夢はどんな夢だったでしょう。早く覚めて!という怖い夢? それとも「夢で逢って」と漢字変換するとロマンチックです。

短夜の夢は短編 愛しい人が現れる夢ならば、二度寝、三度寝とさらに続きが見たくなりそうです。

 

 明易しうたた寝重ぬ膝に猫  須美

まるで私の日常を切り取ったようでいただきました。作者も猫を飼っているのでしょうか。

猫が来るから眠くなるのか、うたたねしているから猫が来るのか・・謎ですね。  郁子

 

 

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短夜やスマホ画面のほの白き  郁子

2024年07月04日 | Weblog

明け方早く目が覚め、何時だろう?とスマホを見る生活となりました。もうすでに外は明るいので、ブルーライトのスマホの画面も、飛び込んで来る明るさではなく、ほのかな白さ。現代の日常生活の一コマを切り取った句だと思いました。作者の郁子さんは白夜のイメージで作られたそうです。

泉さん:秋の夜長とは対照的になんだか明るい時間が多くスマホの画面もやさしく感じる。

「ほの白き」がいいですね。もう一句。ご紹介します。

   明易し庭にしらじら十日月  佐保子

早い夜明け。窓を開けると明るくなった空に十日の月が出ている。幻想的な感じがしました。

人工的なスマホの光と月の弱い光。明け易い朝の白い風景を詠みこまれました。それにしても梅雨明けしたような暑さです。熱帯夜で朝から灼熱の光が差し込み寝不足気味です。来月のお題、熱帯魚ではなく熱帯夜の方が作りやすかったかも知れませんね((笑)

皆様ご自愛くださいね。              麗子

 

 

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