575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

野太さ    麗

2006年08月31日 | Weblog

夜になると虫の声がにぎやかになってきました。
子供たちの夏休みも今日で終わりですね。

高校時代の国語の先生が卒業文集の寄せ書きに
「遠くを見つめるまなざしと近くをやりぬく力を」というメッセージを
書いて下さり私の好きな言葉のひとつとなっていました。

あれから20年以上。その先生が母校の校長を退職されたとの同窓会紙
が届きました。
「高い志の育成」と「野太さ」を高校生に望んでおられました。
どちらも現代を生きていく上で大切なことだと思いました。
いつまでたっても恩師の言葉に励まされています。
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ペットでも待っててくれる大暑かな  加藤ふみ

2006年08月30日 | Weblog

八事福祉会館の俳句の会に出席、この句に出会いました。
最初、ペットというから犬か猫か?金魚かな?
と思ったのですが、ロボットのペットだそうです。

「おはよう。朝ごはん食べた?」
「今日はお誕生日。おめでとう」
「七夕のお願い事は何を書いたの?」

データを入力しておけば、お話し相手にもなってくれるペット。
先生はもちろん私も意外でしたが、
かなり人生のベテランの方が多いのか、
頷く人が多かったです。

      


 草取りが趣味と言われて幾久し 大江克己

 施餓鬼会や五色の旗に娑婆の風 高田勇


いずれも人生の達人らしい句ですね。 遅足


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草紅葉かき分け星の王子さま  朱露

2006年08月29日 | Weblog

「星の王子さま」の作者サン・テグジュペリは
私が10才の時44才で死んだパイロットだ。
あの頃、世界中でおびただしい若者が死んだ。
ズレて生きた私は星の王子さまに偶然会った。 

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季語の常識をまた一つ知りました        愚足

2006年08月28日 | Weblog
 花は「さくら」    芋は「里芋」
 歳時記には、「芋」 里芋・親芋・小芋・芋の子・八つ頭
           芋煮る・芋の鍋・芋の味・芋喰う・芋畑・芋の露
           芋の秋・芋の葉・芋掘る・芋洗う・芋水車・芋嵐
           芋名月・芋煮会など (季寄せ・・角川書店)
俳句の伝統に従った方が、幅広く作れそうですね。

      里芋の茎の太きも母郷なり     山口いさお
      酔いさめて芋の鶴川村遠し     藤田湘子
      芋堀りし泥足脛は美しく       平畑静塔
      芋の葉の夜露おもたくなりにけり  杉山彩霄子
      かけて見せ外しても見せ芋水車   高浜虚子
      三日月の頃より肥ゆる小芋かな   正岡子規

      二三日いけられており芋の花(夏)  田中王城

里芋は孫が美味しいキヌカツギ   草女 (愚足の愚妻)

※ 写真は「里芋の花」です。
                 

  
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次回の題詠「里芋」について

2006年08月27日 | Weblog

次回の題詠は「里芋」と決まりました。

その時は「里芋」という4文字ということでしたが、
歳時記では、単に芋といえば、里芋のことだそうです。

東南アジア原産の里芋。いろいろな名前を持っています。
親芋だけを食べるのが八頭、子芋を食するのが土垂など。
親子ともに食べるのは海老芋。
子芋を皮のまま茹でたものが衣被(きぬかつぎ)だそうです。

 芋洗ふ女西行ならば歌よまむ  芭蕉

この句も里芋だったんですね。サツマイモと思っていました。

したがって、題詠は「芋」でもOKにしたいと思います。
いかがでしょうか?


名月には、お米でつくった団子が供えられますが、
時代を遡ると、芋のほうが古いとか。
そういえば、芋名月には、里芋のカタチの餅を食べますね。
私は黒砂糖のほうが好きです。

                  遅足


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句会の結果です。

2006年08月26日 | Weblog

題詠「踊り」

ねむさうな月ある浜の盆踊り(變足)○○○○○○○
相聞歌踊る網笠深くして(亜子)○
踊り手の笠は七難かくしをり(龍)○○○○
櫓も輪もオバンばかりの踊りかな(立雄)
盆踊り明けて広場のラムネかな(愚足)○
下駄の音一斉に止む郡上のな(朱露)○○○○○
免状を宿屋に貰う阿波踊(静荷)○
踊り子のうなじの白きおわらかな(能登)○○
盆踊ひとふりおくれ小さき手(晴)○○○○○○○○○○
踊りの輪ひろがりやがて月一輪(遅足)○○
異次元の扉が開く盆踊り(麗子)○○
唄い手の声遠雷のよう盆の夜(童子)○
不器用な踊り手もいる村の盆(鳥野)○○
ひょっとこを踊る背(そびら)や秋簾(ほたる)○○○
あやかしの影たはむれて盆おどり(郁子)○○


      


自由題

楽しくも切なくもあり盆の郷(童子)○
八月や不孝を詫びる兵の遺書(亜子)○○○○
犬じゃれて逝くせみ息を吹きかえす(郁子)○○○○
秋暑し土手かけぬける救急車(晴)○○○○
ケルン背に端の笑顔よ初盆会(立雄)○○○○
キッチンの灯を入れをんな家となる(遅足)○○○○
静けさや庭に残りし花火殻(ほたる)○
滝水に祈る老婆や原爆忌(變足)○○
差し手真似踊る幼なの逆まわり(静荷)
語り部の庭ひまわりの重く垂れ(愚足)○○○○○○○
空蝉の夢は大空翔けること(龍)○○
膝裏のまず暗みゆく秋日暮れ(鳥野)○○○○○
寂しさを切り裂きジャック百舌猛る(朱露)○○
白樺の木漏れ日優し八ヶ岳(麗子)
空蝉やぷっつり静かな一分間(能登)○○○


     


番外
鰻の日捌くは丑という男(變足)
鰻焼く奥行寝床のやうな店(變足)
そうめんの踊ってびっくり水に遭う(遅足)
輪を抜けて遠くに聞きし踊り唄(愚足)


次回は9月20日(水) 午後6時 安田屋。
題詠の一句は「里芋」です。

                 (遅足)

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この本にカバーを掛けますか

2006年08月25日 | Weblog
丸善のレジでそう尋ねられました。いつもならお断りするのに、今回ばかりは「おねがいします」
人前で広げるのが少々気がひけるからです。「悪党芭蕉」。

先週の、「路通についてご教示ください」に、愚足氏からこの本のことを知らされました。
これが、なかなかの面白さ。数知れず掘り返されている評伝や、研究書のなかで、最異色。
悪党としての、数々をあげつらいながら、底辺にある温かさや、甘やかさがいい。

たしかに問題児は多い。中でも杜国と路通。門下内の軋轢の火種になる路通。万菊丸の名で師と「笈の小文」の道行きを楽しんだ杜国。
杜国は水もしたたる美青年であったというが、路通も情報は少ないが、美しい乞食さんではなかったでしょうか。三井寺の小姓だったともいうし。

美形が好きなことは、罪ではない。事は美しいにかぎります。

  芦の穂やまねく哀れよちるあはれ   路通

寄り道は止めて、「悪党芭蕉」を真剣に読むことにします。やっぱり俳聖として。

                                鳥野
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句会雑感

2006年08月24日 | Weblog
残暑厳しい中、8月の句会が昨日開かれました。

兼題は「踊り」

盆踊りの句の中で圧巻だったのは、平川さんの

   「盆踊ひとふりおくれ小さき手」

見よう見まねで踊る幼子の小さな手に皆、ぎゅっと心をつかまれました。

    
   立雄さんの「櫓も輪もオバンばかりの踊りかな」

実景すぎてあまりに辛辣?女心をとらえるのはなかなか難しいですね。

    愚足さんの「語り部の庭ひまわりの重く垂れ」

語り継がれる戦争体験。ひまわりと共に私たちの頭も自然に下がります。

鳥野さん、お風邪はいかがですか?

   「膝裏のまず暗みゆく秋日暮れ」
膝裏に注目されたところが新鮮でした。

途中、郡上音頭も飛び出した今回の句会。来月は「里芋」。食欲の秋。
おいしそうな俳句ができそうですね。楽しみです。麗

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8月句会の投句がそろいました。

2006年08月23日 | Weblog
23日の句会では、題詠、自由ともに3句づつ
選句して下さい。○のみです。(遅足)

題詠「踊り」

ねむさうな月ある浜の盆踊り
相聞歌踊る網笠深くして
踊り手の笠は七難かくしをり
櫓も輪もオバンばかりの踊りかな
盆踊り明けて広場のラムネかな
下駄の音一斉に止む郡上のな
免状を宿屋に貰う阿波踊
踊り子のうなじの白きおわらかな
盆踊ひとふりおくれ小さき手
踊りの輪ひろがりやがて月一輪
異次元の扉が開く盆踊り
唄い手の声遠雷のよう盆の夜
不器用な踊り手もいる村の盆
ひょっとこを踊る背(そびら)や秋簾
あやかしの影たはむれて盆おどり


   


自由題

楽しくも切なくもあり盆の郷
八月や不孝を詫びる兵の遺書
犬じゃれて逝くせみ息を吹きかえす
秋暑し土手かけぬける救急車
ケルン背に端の笑顔よ初盆会
キッチンの灯を入れをんな家となる
静けさや庭に残りし花火殻
滝水に祈る老婆や原爆忌
差し手真似踊る幼なの逆まわり
語り部の庭ひまわりの重く垂れ
空蝉の夢は大空翔けること
膝裏のまず暗みゆく秋日暮れ
寂しさを切り裂きジャック百舌猛る
白樺の木漏れ日優し八ヶ岳
空蝉やぷっつり静かな一分間


   


番外
鰻の日捌くは丑という男(變足)
鰻焼く奥行寝床のやうな店(變足)
そうめんの踊ってびっくり水に遭う(遅足)
輪を抜けて遠くに聞きし踊り唄(愚足)
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これまた熱戦だ!!! 愚

2006年08月22日 | Weblog
    第九回俳句甲子園 決勝戦の結果

       愛媛県立松山東高校    VS   熊本信愛女学院高校

先鋒  転校の日に生き生きと夾竹桃 3-4   白地図を展げて生まるる新樹光

次峰  扇風機ぎしぎし母の生返事  5-2   不器用な生き方ですが鰯雲

中堅  水澄むや生命線の太きまま  2-5   生卵呑んで深まる祖父の秋

副将  シーソーに一人割れない落花生 5-2  生まれつき人見知りです姫胡桃

大将  クレマチス生放送の眉太く  1-6  草の絮まあるく生きていたりする

 の 愛媛 二勝 熊本 三勝 で 熊本信愛女学院高等学校が優勝しました。

 〇それにしても後世畏るべし、俳句歴二年足らずでこれだものね。

            
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鷺草や何故にくわしく知りたき事  永田耕衣

2006年08月22日 | Weblog

柴田さんの撮影した鷺草の写真です。
私も同じ花を撮ったことがありますが、
上手くいきませんでした。
カメラの違い?いや腕の違いでしょう。

鷺草は、ランの仲間で、
夏の季語になっています。

 鷺草のおくれ咲きしも翔(か)けそろふ

水原秋桜子の句は、写生の句ですね。

 翔(か)けそろふ

という一見なんでもない言い方ですが、
簡単には言えない表現です。

一方、耕衣の句は・・・・???  遅足

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第九回俳句甲子園 決勝戦を判定してください。   愚足

2006年08月21日 | Weblog
 松山市青年会議所主催の全国俳句甲子園第九回大会が今年も開催されました。
 以下は決勝戦に、両校から提出された対戦句です。皆様ならどちらに軍配を上げるかお決めください。兼題は「生」

       愛媛県立松山東高校    VS   熊本信愛女学院高校

先鋒  転校の日に生き生きと夾竹桃    白地図を展げて生まるる新樹光

次峰  扇風機ぎしぎし母の生返事     不器用な生き方ですが鰯雲

中堅  水澄むや生命線の太きまま     生卵呑んで深まる祖父の秋

副将  シーソーに一人割れない落花生   生まれつき人見知りです姫胡桃

大将  クレマチス生放送の眉太く    草の絮まあるく生きていたりする

 ちなみにこの大会の最優秀句は愛媛県立宇和島東高校の本多秀光君の

  「宛先はゑのころぐさが知ってをる」 です。

                         
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青春俳句              愚足

2006年08月21日 | Weblog
 今年の高校野球は熱戦も多くなかなか面白い。
 水原秋桜子の句に
   「高校野球勝ち歌大暑はらひけり」
 というのがあります。

 青春はいいなあと思って今時の青春句を探してみました。
   「まっすぐな風を道場に入れて夏」   松尾駿介
   「バスケ部を引退する日や髪洗ふ」   千田彩英子
   「総立ちの応援席や草の花」      房安博美

 では私の青春句を
   「青嵐白きページのはらはらと」    愚 足

                 
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「で」と「に」

2006年08月20日 | Weblog

NHKの俳句番組を見ていたら、宇多喜代子さんが、
次の様な添削をしていました。

 現句  映像で見るふるさとの盆踊り

 添削後 映像に見るふるさとの盆踊


映像で、を、映像に。

これについては宇多さんは、「ひろがりが、あった方がいい」
と、説明していました。


盆踊り、を、盆踊。

これは説明はありませんでした。


ふたつとも、なるほどと思いましたが、
今ひとつ何が悪いのか?
納得するところまでいきませんでした。

どなたか教えて下さい。    遅足

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「俳句は写生」論の落とし穴  

2006年08月20日 | Weblog
「俳句は写生」
入門書の多くは、そう書いています。
しかし写生したことを、どう575の定型におさめていくのか?
これについては、余り親切には書いてありません。

私も入門書を何冊か読みました。
読んだ直後は、良い句がつくれそうに思うのですが・・・
実際には、全然です。
なぜでしょう?

入門書が悪いのか?
読者が力がないのか?

    

そのうちにある事に気づきました。
絵は鉛筆や絵の具で描きます。
俳句はなにで描くのか?

言葉です。

入門書は、言葉で写生するという
極めて単純明白なことに無頓着では?
という疑問がわいてきました。

入門書は熱心に解説しています。
しかし分かりにくい。
ここのところは理論的じゃないように思われます。
経験が書かれています。
それはそれで役に立つのですが、
どこかスッキリしないものが残ります。

何故なんでしょう?

                   遅足

写真は、庭で朝寝坊している蝶です。

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