575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

山笑う笑わぬ者ら裾に増え    朱露

2011年03月31日 | Weblog
     低くだらだら流れる東の多米連山。
     春の朝日に煙ってこりゃ笑ってる。
     日に日に人間が増える山裾の平野。
     先住民の末席を汚す私の機嫌悪し。

             


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年度末   麗

2011年03月31日 | Weblog
今日で三月も終わり、明日から新年度が始まります。
例年なら気持ちも一新、桜も咲いて待ちに待った春到来という時期ですが
今年は東日本大震災の被害や原発への不安なので気もそぞろ。
新しい服を買う気持ちも起こりません。健全な消費活動が経済を救うなどと言われても
心が弾まないのです。

昨日、桜の時期散歩に行く公園を歩いてみました。また一輪2輪ほころび始めたばかり。でも春はやってきています。

前回の句会で、厳しい現実を前に文芸は何ができるのかという話になりました。
阪神大震災のあとも多くの俳句が詠まれているはずという意見がでましたが
今月28日の毎日新聞に「悲傷と鎮魂 阪神大震災を詠む」(朝日出版社)という本が紹介されていました。

そこからの抜粋です。「国一つたたきつぶしてのなゐ」(安藤次男)

          「白梅や天没地没虚空没」(永田耕衣)

          「寒暁や神の一撃もて明くる」 (和田悟朗)

実際に被災された方の句が多いようです。
東北の方がまたいつの日か俳句を詠んだり、鑑賞できる日が来ることを願いながらの年度末です。


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桜咲くこの川筋は誰も来ぬ    朱露

2011年03月30日 | Weblog
    低い山を下る川筋両側が延々と桜。
    木が若いのでわざわざ見に来ない。
    こっちが居なくなった頃が楽しみ。
    山裾が花見客と屋台でゴッタ返す。

            



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戦場が生まれる前の街に蝶   遅足

2011年03月30日 | Weblog
船団・岡野ドクターの診断です。

今ですとリビアでしょうか、
チュニジアから始まったジャスミン革命の北アフリカ?
またはテレビで観るかぎり瓦礫で埋まった東北被災地も戦場のようです。
俳句は今、目の前のものを詠むのが基本とされていますが、
少し前まで、一瞬前までそこに存在していたもの、
あるいはその幻を詠むのも大いにありと、
この句を前にして、そう思いました。
一見観念的ですが、描かれたことはとても具体的です。

   ありがとうございます。



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第2打はころがり出たり芝桜 立雄

2011年03月30日 | Weblog
第一打は慎重に、注意深く。
よし!まずまずだ。

最初が上手く行った時ほど、第二打がおろそかに・・・
しまった!と思ったら、グリーンに転がり出てきた。ラッキー!

芝桜も笑っている。

ゴルフばかりでなく、人生のいろいろな場面にもありそうなシーンですね。
ユーモアの味のある上手い句だと思います。

芝桜は、地面を覆い尽くすように広がり、
寒さ暑さ、乾燥にも強く、常緑のために
芝生代わりに植えられていることも多いそうです。
ゴルフ場にはぴったりの花ですね。

                    遅足


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信夫冬菜、受難    鳥野

2011年03月29日 | Weblog
「信夫冬菜」シノブフユナという優しい呼び名の葉菜を知りました。
放射能の汚染野菜にランクされて、という哀しい出会いです。

名古屋圏などには滅多に出回ることのない蕪菜の仲間。福島県中通り北部で栽培されています。
もともとは、桑の間作として植え付けが始まり、昭和初期には県の農会によって命名されたものといいます。

信夫とは、福島県北部、福島盆地の西半分の古い地名。大和朝廷の勢力の北限として、国造も置かれていました。

現代の放射能禍、安全神話の崩壊、やがての春にも花は見られないのです。

 ・ 天の火を弄ぶ世の罰として信夫冬菜の黄の花の凍つ

                    鳥野

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春光やサラ・ヴォーン聴き缶ビール    朱露

2011年03月28日 | Weblog
    彼女は1990年66才で死んだジャズ歌手。
    私現役当時10才上のお姉さんスターだった。
    黒人しか出せない伸びと艶のある低音の凄さ。
    「ラヴァズ・コンチェルト」を聴いてただ涙。

                 


                 

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手にとればいのちの重み落椿  亜子

2011年03月28日 | Weblog
落ちている椿の花びらを手にとってみました。
しっとりとして、意外に分厚く感じた質感。

落ちた椿をさらに良く見ると、底が抜けています。
めしべがありません。
落ちていたのは花弁とおしべ。

めしべは種となるために木に残っていました。

やがて種も地上に落ちて、小鳥などによって運ばれていきます。
動物のように動けない植物の生き残り作戦。
みごとというほかありません。

一方で、子孫を残して消えていく個体。
中七の、いのちの重み、という表現が重たいものを伝えています。

名古屋で桜が開花しました。
桜前線の早い北上を・・・・      遅足


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植込みをパンジー犇めき縁取りす  晴代

2011年03月27日 | Weblog
パリのベルサイユ宮殿の庭園に足を踏み入れた時、
ちょっとした違和感がありました。
日本にも西洋スタイルの庭園が数多くありますが、
微妙に違っているようにも感じました。
それは、直線が中心の設計にあったようです。
日本の西洋庭園には、どこかに日本人の自然観が感じられるのです。

絵画も、日本は余白にも意味がありますが、
西洋の絵は、余白は不完全なものとされるようです。

句は、植込みを縁取るために、パンジーが犇いていると、詠っています。
びっしりと植えられて、犇いているパンジーは幸せかな?
と思ってしまいます。

                  遅足



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N 響の B S 2見る春の朝    朱露

2011年03月27日 | Weblog
  何と3月20日のアメリカ公演!
  「震災直後」ということになる!
  何かに付け「震災」を絡ませる。
  親は「関東大震災」が口癖・・・

           


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三月や寝ぼけ柱に鼻ぶつけ     朱露

2011年03月26日 | Weblog
  激痛鼻血三時間経ったので句を作る。
  数十年血を見た事がないので大驚愕。
  八時 N H K 「消えた連合艦隊」観た。
  横須賀時代遊んだ水兵達を思い出す。

            


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シャンプーのふわふわもこもこヒヤシンス  郁子

2011年03月26日 | Weblog
日本列島に北風が吹いています。
名古屋でも寒いから、東北の皆さんは、もっと寒いでしょうね。
避難所に灯油は届いたのでしょうか?

被災地の皆さんの願いの一つが「お風呂に入る」こと。
風呂に入った時の良い笑顔が、とても印象的でした。

この句、シャンプーの泡のふわふわもこもこ、と、
ヒヤシンスの取り合わせが面白いですね。

シャンプー、ヒヤシンスの「S」音。
ふわふわの「a」音。
もこもこの「O」音がとても効果的。

被災地で福寿草の咲き始めたところもあるとか。
桜前線が、北風小僧を追いやって、北上しますようね。

写真はわが庭のヒヤシンスです。
栄養不足かな?          遅足





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アズタイム時は過ぎ行き桜咲く    朱露

2011年03月25日 | Weblog
    アズタイムゴーズバイはカサブランカ。
    1942年の米映画で何回も観ている。
    今夜会える?そんな先の事は分らない。
    バーグマンとボガートはもう居ないし。

               


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亡き人の前庭に咲く桜草   麗子

2011年03月25日 | Weblog
さいたま市田島ケ原には、桜草の自生地があり、
特別天然記念物に指定されています。

この桜草を、園芸植物として楽しむようになったのは江戸時代。
平和になって時間を持て余した武士たちが、品種改良に精を出し、
白、桃、紅、紫、絞りなどの色変わりを作り出したそうです。

句の作者と亡き人とは、どんな関係だったのでしょう?
そんなに親しいものではなく、通りすがりに声を交わす
ご近所さんだったのかもしれません。
桜草が、亡き人の人柄を感じさせます。

津波で、行方不明になったり、連絡のない方々が
2万人以上になるかもしれないということ・・・・
とても心が痛みます。

ギリシャ神話では、許婚を失った青年が悲しみのあまり死に、
桜草(プリムラ)に変身したとされています。
このために、西洋では、桜草は、悲しみや死のシンボル。
イギリスでは、棺を飾る花とされているそうです。

                       遅足

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春陰や昭和九年の古畳    朱露

2011年03月24日 | Weblog
   ある女優と生年月日が同じなので、
   対談の前に言ったら横を向かれた。
   自分が言われたらやっぱりイヤか。
   お目にかかれたら謝りたいと思う。

           



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