575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

隆慶の太刀風逃れ探梅行   朱露

2009年01月31日 | Weblog

    隆慶一郎の絶筆「花と火の帝」惜読。
    バカ「惜読」なんていう言葉はない。
    モーツアルトと隆慶に会えたこの世。
    ああ見苦しや聞き苦しや醜女の深情。

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  アジアンタム          草女

2009年01月30日 | Weblog
 スーパーの鉢物売り場でアジアンタムを498円で売っていた。サラサラとした美しい葉に心が動くが買わない。アジアンタムを長く楽しんだことがないのだ。

 アジアンタムはシダ植物でホウライシダ科の一群で鑑賞価値の高いものが多く、一部は観葉植物として栽培されている。園芸種は、たいてい学名仮名書でアジアンタムと呼ばれている。日本産としてはハコネシダやクジャクシダがある。鑑賞価値は高いが栽培はとても難しいので、商品にならない。

 森を歩けばシダはいやになるほどある。植林された杉や檜の下草はシダばかり。かといって我が家の庭に移植するのはかなり難しいのだ。好ましくない条件に置かれると植物は黙って消えていく。シダは土地の好き嫌いがことに激しいらしい。我が家の裏庭には2種類のシダ、ベニシダとイノモトソウが自生していて、なにもしないのに生き続け退治できないし、お隣まで侵入しいる。しかし、ここに正月用にウラジロを植えても、美しいタチシノブを植えてもたぶん無駄だろう。
 冬でも青々し、夏は涼しげなシダ植物は観葉植物として多く利用されている
が、日本産とはかぎらない。売られているアジアンタムの原産地は熱帯アメリカで、そこでは下草として普通にはえているそうだ。

 うまく栽培するには水分、殊に空気中の水分と温度が要求される。10度前後で越冬すると書いてあるが、うまくいきそうもないので買わない。でも、本当はとても好き。 
 繊細でうまくお世話できないところが魅力なのかもしれない。アジアンタムは長寿でないのが売り?
   
 『涼しげにハート型の葉を揺らすアジアンタムの姿は若い女性に人気だが、枯れはじめると救いようのないほどの繊細さを持つ。アジアンタムのそんな性質を小説や映画にしたのが、阿部寛・松下奈緒主演の純愛ストーリー「アジアンタム・ブルー」。原作は、大崎善生による同名のベストセラー小説。愛らしいハート型の葉をもつシダ科の植物、“アジアンタム”。その性質は極めて繊細で、枯れ始めると手の施しようがなくなる危うさを孕んでいるが、ごくまれにその宿命を逃れ、再び美しい葉を茂らすことがあるという――。アジアンタムのような女性・続木葉子(松下奈緒)。雑誌編集者の山崎隆二(阿部寛)は、新進カメラマンである彼女に魅せられ、ふたりは次第に愛し合うようになる。しかし、葉子の身体に潜んでいた病魔が、残酷にも余命1か月という運命を彼らに突きつけた。すべてを捨てて、葉子が憧れるフランス・ニースに旅立つふたりに待ち受ける運命とは…?』

 という次第である。
              
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春信   麗

2009年01月29日 | Weblog
最近知った言葉です。
「春信」。春の訪れ、花が咲いたというたよりのことだそうです。
今日はまさに春信を体感できる1日になりそうです。

さて、このところ575の会で物議を醸す雪女の句。

朱露さんの

   雪女雪をしゃぶって溶けにけり

狗さんの

   降る雪に小手かざしゆく雪女

いずれもいい句なのになぜか句会で
女性票を得られない不思議。

女は雪女が好きでないかも?という大胆な説も生まれつつあります。

ところが先日私の好きな雪女の句を発見したのでご紹介します。

   雪女シャネルの靴に網タイツ   森田欣也

現代的な雪女になぜかひかれます。こんな雪女、男性陣はいかがですか?
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戦争が廊下の奥に立っていた   渡辺白泉

2009年01月28日 | Weblog
なんだこりゃ俳句。最高点の句です。
番組のなかのやりとりを紹介します。

☆  なんだこりゃ俳句というよりも、廊下の奥に立っていたのは、
なんだこりゃ?という俳句。
日本家屋、庭の見える廊下、取っ付きにはトイレが有るような家。
その我家の廊下の一番奥に得体の知れないモノが立っている。
それを何故、戦争と言ったのか?
これから戦争に向かう時代、戦争が迫っているような時代。
それまでは家の外にいたものが、我家の廊下にまで入ってきた。
ゲートルを巻いた足が見える。
怖くて前に進めない。うしろに戻ることも出来ない。
廊下の奥にいるものは、明日になると、
こっちへさらに近づいてくるかも知れない。
なにも言わずに立っている怖さ。

○ 戦前にもレジスタンス俳句はあったんだ。

○ 戦争とは、こうやって来るのか、という句。

◎  作者の話では、立っていたのは憲兵、
場所は公会堂のような広い場所だったということ。
憲兵を戦争という大きなものに拡大したというか、
抽象化したところがスゴイ。
憲兵じゃ小さくなってしまう。

○  たった4文字を変えただけで、こんなにスゴイ句に。

○ 人が来る時は玄関からコンニチワとかいって入ってくる。
それが、もう家のなかに勝手に入っていた。怖い句。

○  時代というものを詠んだメッセージ性のある句。


遅足の感想 俳句は読者がつくるものとも言いますが、
この句などは正に読者の読みがスゴイ。

昭和14年、渡辺白泉らの新興俳句作家は、「京大俳句」に
戦争を詠んだ句を発表。特高から監視される。
昭和15年、治安維持法違反で監獄へ。
俳句も自由に詠めない時代があった。


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行ってみたいな、オニの宴   鳥野

2009年01月27日 | Weblog
店先に福豆や鬼の面が並び始めました。
2月3日は節分、春はすぐそこです。

 ・ 鬼やらふにも何という海の暗さ 山口誓子

こころに残る一句です。

豆を撒いて、邪鬼や疫病を追い払うという追儺の行事は、7世紀後半から社寺や民間で行われたらしい。

柊の小枝に鰯の頭を刺して、門口に下げたり、太巻き寿司を丸かじりしたり、恵方の寺へタレントが登場したりと、伝承と商魂が綯い混ざって、いろいろと楽しい。

豆で追われて行き場所のない鬼どもを、”福はうち鬼もうち”と迎え入れて、「鬼火の祭典」を開くのは、吉野山の金峯山寺。
修験道の総本山という由緒ある寺です。オニの正体を考えると、救われる思いです。

  ・ 豆に追われし鬼ども集いて宴する金峯山寺の灯は明からん  鳥野

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言は意を尽くさず      575女

2009年01月26日 | Weblog
★俳句ブログ「かわうそ亭」にこんな一文がありいろいろ考えさせられました。

*******************************************************************

池田澄子さんの句集『たましいの話』を読む。

  夕月やしっかりするとくたびれる
  永遠に泣いていたいの心太
  山法師捻挫と恋は長引くぞ
  太陽が仕事している猫やなぎ
  春月がとろんと高しさようなら
  性格のよからんいそぎんちゃくぴんく
  (以上『たましいの話』から)
 
まだまだ、たくさん気に入った句はあるのだが、こういうちょっと軽めでどこかお茶目な雰囲気が、広範な読者に「へえ俳句って意外と面白いじゃん」と受け入れられているのではないかと思う。

もうひとつ、池田澄子さんについては戦争にまつわる作品群があるのだが、たとえば俳句総合誌に掲載された次の句(『たましいの話』所収)をめぐっていささか困った非難があったとのことであります。

  忘れちゃえ赤紙神風草むす屍

つまりこれを、戦争の話なんてかったるいからもう忘れちゃえと作者が言っているのだと解釈した人がかなりいるらしいのですね。「うぜえんだよ、じいさん、戦争、戦争っていつまでも」と言われたように思ったわけであります。

 けしからん死者を冒涜するにもほどがある、なんてのはまあいいとして、たとえばあるサイトでは、わたしたちはあの戦争の惨禍を次世代に伝えているだろうか。「『忘れちゃえ赤紙神風草むす屍』の句に対しては、『忘れてはいけない』ときちんと反論ができるでしょうか。」なんて意見があったりして、まあ、大半の俳句ファンは「あっちゃあ」と困惑したのではないかしらと思うんですね。

 もちろん、そんな風に受け取るのは読み手がバカである、あるいは俳句の読み方を知らないだけなんだから相手にしてもしょうがないわなという立場もあると思うが、厳密な意味で、このような解釈が誤読だとこの句だけから証明もできないと思う。念のためにいっておくけれど、わたし自身はこの句をそういう風にはまったく読まないよ。小さな娘が泣きながら「お父さんなんて大っ嫌い」というのと同じ文脈で読めなければ、いったいあんたは何年生きているんですか、と思う。

「易」に「言は意を尽くさず」という言葉があるそうですが、俳句という短詩型は、わざと意を尽くさないことをもって上とする文芸なので、こういうことはおこりがちなのですね。困ったことだが、これは仕方がない。

 ただ池田さんのこの句には、普遍的な戦争に対するこの世代の方の感情とは別に、池田さん自身のおそらく父親への思いがこめられているという気がしてならない。次のような句が、空想を誘うのである。

  雁や父は海越えそれっきり
  鉄剤を恃みぬファザーコンプレックス
  雪黒しここは亡父の家路であった
  TV画面のバンザイ岬いつも夏
  泉あり父の若死以前から
  玉砕の島水筒の腐りがたき
  茄子焼いて冷やしてたましいの話

 池田澄子さんは昭和11年(1936)生まれ、敗戦のときは十歳くらい。玉音放送を実際に聞いた記憶をお持ちの方です。
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「なんだこりゃ俳句」再々録        愚足

2009年01月26日 | Weblog
出席者は、主宰が金子兜太、司会役兼選者いとうせいこう。
選者が、 假屋崎省吾、高橋源一郎、冨士眞奈美、吉行和子、明川哲也、
大宮エリー、なぎら健壱、南海キャンディーズ、箭内道彦。

番組で取り上げられた二十句と批評を記憶の断片から紹介します。なにしろ二時間の深夜番組面白さと眠さだけが残って言葉にはなりませんでした。
  
  福助のお辞儀は永遠に雪が降る     鳥居真理子・・京都にお福とかいうお菓子があり店頭でずーとお辞儀をしている。永久の都の雪中も健気に(ぐ)
 
  唇は黒いマスクの下に惜しげもなくなくふる雪で必死の暮しも阻む冬はなほ更に思う     橋本夢道・・長すぎると無残にも定型に刈り込まれました

  じゃんけんで負けて蛍に生まれたの 池田澄子 ・・勝ったらどうなるの突っ込み

  足のうら洗へば白くなる  尾崎放哉・・死ぬ間際の句とかで納得

  青蛙おのれもペンキぬりたてか  芥川龍之介・・「も」が効いている

  露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す  西東三鬼・・終戦直後白眼視されていたロシア人の苛立ち体験句

  性格が八百屋お七でシクラメン  京極杞陽・・シクラメンは篝火花でお七

  粉屋が哭く山を駆けおりてきた俺に  金子兜太・・体験句であるが空想句

  法医學・櫻・暗黒・父・自瀆   寺山修司・・寺山が嫌いなもの

  とととととととととと脈アマリリス   中岡敏雄・・生命・脈動・血のイメージとアマリリスの拍子

  ワタナベのジュースの素です雲の峰   三宅やよい・・本歌取りの遊び句

  噴水や戦後の男指やさし  寺田京子・・戦後のイカシタ女と男の姿と心意気

  戦争が廊下の奥に立ってゐた  渡辺白泉・・最高に不気味で怖い名句 

  春は曙そろそろ帰ってくれないか  櫂美千子・・倦怠の男女、分かるの声多

  まっすぐな道でさみしい  種田山頭火・・山頭火では下の句
  
  夜のダ・カポ ダ・カポのダ・カポ 噴火のダ・カポ   高柳 重信・・抽象画的とか、人生の繰り返しの苛立ちとか
                     
  鞦韆は漕ぐべし愛は奪ふべし  三橋鷹女(鞦韆:ブランコの意)・・取り合わせの妙、不安定感や断定的決意、かっこいい女に拍手

  栃木にいろいろ雨のたましいもいたり   阿部完市・・埼玉でも群馬でもなく栃木が語感的に正解

  魔がさして糸瓜となりぬどうもどうも  正木ゆう子・・蛍の句の同類、居直りの良さあり

  夏みかん酸っぱしいまさら純潔など  鈴木しづ子・・戦後女性のキッパリした生きざまに拍手

 ★なお作者は基地の女として生き黒人兵士を愛人として看取り忽然と失踪した伝説の女性俳人です     
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「なんだこりゃ俳句」再録         愚足

2009年01月25日 | Weblog
 先週、遅足さんがこのブログで紹介した「なんだこりゃ句会」は、句会でも話題になり「どんな句が出てきたの?」とその番組を見なかった方は興味深々でした。
 金曜日の深夜再放送がNHKであったので、選ばれた高点句を紹介します。

 この番組は、自分が「なんだこりゃ」と思った句を投句し皆で得点を入れるもの。
 一人三点持ちで十人だから最高点は三十点となる。
 出席していたのは、女優の吉行さんと富士真奈美さん、歌手のなぎらさん、華道のカリヤザキさん、映画監督大宮さん、文芸評論の高橋源一郎、司会役のイトウセイコウさん等で助言役が金子兜太さん。激論の結果ベストテンは。

 22点 戦争が廊下の奥に立っている
 22点 露人ワシコフ叫びて石榴打ち落とす
 21点 噴水や戦後の男指やさし
 21点 夏みかん酢っぱしいまさら純潔など
 21点 足のうら洗へば白くなる
 21点 粉屋が哭く山を駆けおりてきた俺に
 20点 じやんけんで負けて蛍に生まれたの
 20点 性格が八百屋お七でシクラメン
 18点 青蛙おのれもペンキぬりたてか
 18点 春は曙そろそろ帰ってくれないか
 
★さて番外、これらの句の作者当ててください。五人当てればあなたは「どんな人
 じゃコリャ」
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寝返れば脊柱軋む寒最中  朱露

2009年01月25日 | Weblog

   セキチュウキシムカンサナカの音。
   カサタ行の連続で母音が響かない。
   音が出しにくくてイライラするし。
   起きれば滅茶苦茶日本で嫌になる。

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新年の句会の最終結果です。      

2009年01月24日 | Weblog
新年句会は、8人の参加者でおこなわれました。
新しく参加された結宇さんの句もあります。
立雄さん、童子さんの選句も頂いています。
最終結果です。

題詠「寒椿」

①箒目の右下隅に寒椿      (能登)晴代・亜子・麗子・遅足・鳥野
②静寂を冠りて清し寒椿     (郁子)愚山・愚足
③寒椿口笛パリの屋根の下    (朱露)晴代・静荷・亜子・立雄
④春を待つ乙女椿の蕾たち    (麗子)郁子・狗子
⑤飛び石のごとき記憶や寒椿   (晴代)麗子・狗子・結宇・愚足・立雄
⑥縁日の法話は聞こゆ寒椿    (立雄)麗子・結宇  
⑦今年また決意危うし寒椿    (静荷)晴代・郁子・狗子・遅足・朱露・鳥野 
⑧地下鉄のシートに眠る寒椿   (遅足)  
⑨武士の世に武士を嫌ひて寒椿  (亜子)静荷・朱露・能登・愚山・立雄
⑩寒椿と小さきつぶやき垣むこう  (結宇)能登・鳥野 
⑪静もれる里海の見え寒椿    (愚足)静荷・能登
⑫一段と茶室華やぐ寒椿     (愚山)郁子・愚足  
⑬庭園は旧子爵邸寒椿      (狗子)亜子・遅足・朱露・結宇・愚山


自由題

①菩薩にも夜叉にもなれず初鏡  (亜子)静荷・結宇・愚山・立雄  
②銀の耳たてて子猫の売られけり (遅足)晴代・亜子・麗子・狗子・鳥野・童子・立雄 
③ベランダを行ったり来たり初茜  (麗子)朱露・立雄
④鏡餅そろりと笑みの罅を入れ   (晴代)静荷・郁子・狗子・遅足・鳥野
⑤もの言わず清純可憐水仙花   (能登)
⑥初詣で願いつきずに時間切れ  (郁子)能登・愚山
⑦焚火して背中が寒い馬鹿話    (朱露)晴代・郁子・亜子・愚足
⑧合わす手に祈り温くまり初松籟  (結宇)晴代・遅足  
⑨献体を言い張りて孤り小正月   (愚足)亜子・麗子・狗子・遅足・朱露・結宇・能登・童子                 
⑩蕪ひき今なほ我は家の嫁    (静荷)能登・鳥野・愚足  
⑪降る雪に小手かざしゆく雪女   (狗子)朱露・愚足
⑫孫二人背にまたがりて年賀かな  (立雄)静荷・麗子・結宇・愚山・童子
⑬索麺を干して見上る三輪の山  (愚山)郁子  

★次回は、2月18日(水)6時 安田屋です。
 詠題は、早春に関連した季語で「春」の字を含んだものです。
     立春・初春・春立つ・春来る・春浅し・浅き春・浅春
     春寒・春寒し・寒き春・惷寒・春めく・春動く など


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大寒や足暖めてデイバイデイ    朱露

2009年01月24日 | Weblog


    ジョー・スタッフォードが歌っていて、
    炬燵の中で足先を暖める二月初めの朝。
    消費税を毎日むしり取りたい麻生内閣。
    デイバイデイが消費税になる日本人私。

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苺             草女

2009年01月23日 | Weblog
 この冬、苺が安いように思う。燃料高騰の最中に、ハウスを温めていただろうにこの値段で大丈夫かなと心配してしまう。2,30年も前に八百屋さんに苺の旬は1月と教えらて驚いたが、今も事情は同じだろう。苺の出荷が一番多いのは1月、クリスマスケーキ用だそうだ。その続きで1月の苺が旬というわけか。

 12月、奈良の道の駅でアスカルビーという苺を買った。確かに苺は宝石のように美しい。幼い頃、苺は薄い木の箱に檜の葉をひきその上にならんでいた。緑の上の赤は味より美しさが魅力的だった。                    子供のころは、貧しかったこともあったし、今のように果物を食べなかったこともあって,苺はいつも高嶺の花だった。だから味より見た目の印象が残っている。

 私達が買う苺はバラ科オランダイチゴ属の多年草の果実。表面のつぶつぶが種子で食べる部分は花床が肥大したもの。草であるから品種改良が進みどんどん新しい品種が店頭に並ぶ。江戸時代末期オランダからやってきて、栽培されてから200年。1980年から90年位の間、三重県で開発された「とよのか」栃木県の「女蜂」が市場を席巻していた。栃木県農業試験場がこの二つを交配させ「とちおとめ」をつくりだして以来、これらや各地に伝わる品種を交配させ新しい苺が売られている。
 アスカルビーも「アスカウェイブ」「女蜂」を奈良農業試験場が交配して作り出したもの。 一粒一粒には高度な技術と努力が込められている。

 俳句では苺の花が春、苺が夏の季語。露地で普通に栽培すればこの通りになる。 今の日本では夏は苺の端境期。高度な技術も努力も素晴らしいけれど、これでいいのかな。

  花の芯すでに苺のかたちなす       飴山 實
  幾畝の苺の花の月夜かな         長谷川櫂
  岬より帰路は岐れて花苺          古舘曹人
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大寒やオバマはスリム事起すな   朱露

2009年01月22日 | Weblog

   起きたら大統領就任式が行われていた。
   私の人生はアメリカの重圧下にあった。
   と言うとキョトンとする同胞が多いか。
   ジャズ・西部劇・大リーグ・ヨコスカ。

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初句会   麗

2009年01月22日 | Weblog
2009年の初句会の題詠は「寒椿」。
大寒の下、赤白さまざまな椿が咲き競いました。
日本庭園に、パリの街角、お寺、地下鉄、お茶室、旧子爵邸と場所もさまざま
で花の少ないこの時期にも凛と咲く椿はまさに「清し」ですね。

実は私も句を提出したあとにもう一句出来ました。

    虚と実の違いはいずこ寒椿

というもの。最近気になっている虚学・実学について考えた句です。

ところで、亜子さんの

    菩薩にも夜叉にもなれず初鏡

から
「下面如菩薩内心如夜叉」という言葉を知りました。松籟も罅も初めて読んだ漢字でした。
日々勉強の1年、今年も楽しい句会となりそうです。

P・S 昨日献体の話がでましたが帰って夫に聞いたら
お骨になって戻ってくるとのことでした。1,2年後ということもあるそうです。
いい加減な情報で申し訳ありませんでした。
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1月句会の投句があつまりました。   遅足

2009年01月21日 | Weblog
今回の題詠は「寒椿」です。
新しく結宇さんの句もあります。


題詠「寒椿」

①箒目の右下隅に寒椿
②静寂を冠りて清し寒椿
③寒椿口笛パリの屋根の下
④春を待つ乙女椿の蕾たち
⑤飛び石のごとき記憶や寒椿
⑥縁日の法話は聞こゆ寒椿  
⑦今年また決意危うし寒椿  
⑧地下鉄のシートに眠る寒椿  
⑨武士の世に武士を嫌ひて寒椿  
⑩寒椿と小さきつぶやき垣むこう  
⑪静もれる里海の見え寒椿
⑫一段と茶室華やぐ寒椿  
⑬庭園は旧子爵邸寒椿


自由題

①菩薩にも夜叉にもなれず初鏡    
②銀の耳たてて子猫の売られけり  
③ベランダを行ったり来たり初茜
④鏡餅そろりと笑みの罅を入れ
⑤もの言わず清純可憐水仙花
⑥初詣で願いつきずに時間切れ
⑦焚火して背中が寒い馬鹿話
⑧合わす手に祈り温くまり初松籟  
⑨献体を言い張りて孤り小正月
⑩蕪ひき今なほ我は家の嫁  
⑪降る雪に小手かざしゆく雪女
⑫孫二人背にまたがりて年賀かな  
⑬索麺を干して見上る三輪の山  


さて句会の結果は?楽しみですね。

 
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