575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

桜のトンネル    麗

2016年03月31日 | Weblog
昨日、久しぶりに近くの公園に桜の様子を見に行きました。
まだ二分咲きという感じでした。
満開になるとこの桜のトンネルが見事で毎年飽きもせず朝に夕にお散歩に行きます。

今、これまでの俳句をまとめる作業をしています。フォトブックを利用して小さな句集を作っています。
懐かしい桜の俳句がありました。

  初恋が桜の道をくぐり抜け

  夕暮れの桜に恋して逢いにいく

  何事か桜に祈る母がいて

  花びらのシャワーを浴びて桜道

  春雨や広げた傘に花の落ち

  ひよどりの重さに揺れる桜かな

  手のひらに受けとめきれぬ落花かな


桜の俳句は毎年作っても新鮮な気持ちがします。今年はどんな俳句がこのトンネルから生まれるかな?
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春日傘さして姉様黄泉の国   静荷

2016年03月30日 | Weblog
あの世へ旅立つ姉。
棺には春日傘を添えて・・・と、立雄さん。

静荷さんのお姉さんを詠んだ句とのこと。
婚期が、戦争と重なったこともあって、生涯独身。
娘時代に習ったお稽古ごとの先生で暮しをたてたそうです。
まさに「芸は身を助く」ですね。
静荷さんにとっては、まさに「ねえさま」でした。
春日傘をさして、毅然とした姿が浮かぶようです。

           

昨日は桜をみようと平和公園に。
多くの車が駐車。いつもの場所から遠く離れたところに。
今日、明日には満開でしょうね。
                  遅足


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ほんとうの私になれる春日傘  遅足

2016年03月29日 | Weblog
傘をさしていると、周囲の視線を避けることが出来ます。
街を歩いていても、妙に心が落ち着く時も。
こころが歩くリズムにシンクロしてきます。
無我の状態です。
そんな時こそ、ほんとうの自分に出会えるのでは?

夏では、こうはいかないでしょう。春だからこそ。

 ほんとうの私にあえる春日傘

車にはねられて、危険かな


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春日傘LOVEと彫られし墓のあり  佐保子

2016年03月28日 | Weblog
名古屋の平和公園を、時々散歩しています。
一体、どれだけのお墓があるのか・・・
お墓もずいぶん様々な形のものが増えてきました。
LOVEとだけ書いたものも。

平和公園ではありませんが、こんな墓が。

  最愛の人(DEAREST)
  1/6000000000

日本語は一字もありませんでした。

まだ、家の墓が多いですが、夫婦墓や個人墓など
新しい墓も増えています。
家制度の崩壊を映し出しているようです。

                 遅足
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尼寺の低き門より春日傘   亜子

2016年03月27日 | Weblog
尼さんではない女性が、ゆるり動作で腰をかがめて 、
出てきました、と智恵さん。
傘をさしていたのは、多分尼さんだったでしょうが、
静かな大人のムードが感じられる句でした、と等さん。

この尼寺のモデルは、京都・嵯峨野にある寂庵。
低き門は、尼寺のイメージにぴったりです。

春日傘をさし、顔を隠すように出て来た女性。
尼さんか?そうではないか?
この春日傘には、どんな物語が秘められているのでしょうか?

                  遅足


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眼鏡橋渡る夢二の春日傘   立雄

2016年03月26日 | Weblog
夢二と春日傘と眼鏡橋が、絵画のようです、と智恵さん。
絵から詠んだ句が3点ありますが、大体、非現実なため描写が弱いようです。
しかしこの句は”眼鏡橋渡る”と現実的で、情景も一番鮮やかでした、と等さん。

竹久夢二には1918年(大正7年)に長崎へ。
二年後に「長崎十二景」の連作を完成させました。
なかでも「眼鏡橋」がよく知られています。

西洋から伝わったアーチ式の眼鏡橋。
夢二の女が傘をさして渡ろうとしています。

         

立雄さんの奥様は絵描きさんです。
眼鏡橋の話も奥様から聞いたことがあったんでしょうね。  遅足

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貴婦人を真似て背伸びの春日傘    郁子

2016年03月25日 | Weblog
ハイヒールを履いて。洋風の傘を手に。
ゆっくりと開いて・・・。
少女は、貴婦人をまねて背伸びをします。
ミュージカルの一場面を思い出したのかも。

早く大人になりたい。
そんな気持ちが背伸びに込められているようです。
夏ではなく、春ならではの景です。

早く大人になりたい。この気持ち。
思い出しました。お酒やタバコを呑んでみたい。
そんな動機だったのでしょうか?
でも大人になることが少しコワイかったような気も。

             

東山動物園は桜がチラホラ。
家族連れや若いカップルでにぎわっていました。
イクメンのゴリラ舎の前は人で一杯。
幼稚園児が赤い帽子をかぶって一列に。
                   遅足



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旅立ちの朝     麗

2016年03月24日 | Weblog
今日は姪がカナダに留学のため出発します。
これから送って行きます。
無事に帰ってくることを祈りながら。

花冷えの朝姪の旅立ちぬ   麗
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春日傘磯をそろりと伝いゆく   晴代

2016年03月23日 | Weblog
海が好きな作者。磯を散歩です。
強い日差しを避けるために日傘は欠かません。
おそるおそる、磯をつたっていきます。
海の青、空の青、日傘の白。絵の様な一句です。

磯遊びという季語があります。
3月3日の節句前後の大潮のころに、
潮干狩りをしたり、飲食を楽しむ行事。

町では、人形を飾る雛祭りのほうに重点が移りましたが、
九州や沖縄県の島々では、最近まで磯遊びが残っていたそうです。
沖縄では、3月3日は家にいてはいけない日。
村中の人がお弁当を持って海辺に繰り出し、
食べたり踊ったりして過ごしたそうです。

           

潮干狩り。もう何年も行っていません。
腰を悪くしてからはダメです。
あの姿勢を長くは続けられません。
飲食を楽しむだけだったら良いでしょうね。
でも貝がとれないのはクヤシイし・・・

                遅足


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貝拾う母と娘の春日傘  麗子

2016年03月22日 | Weblog
春の一日、母子で貝拾いに興じました。
母の傘、娘の傘。それぞれ、どんな色なのでしょう。
結婚を前にした母娘でしょうか・・・
お互いに拾った貝を見せあっています。
どんな話をしたのでしょうか?
忘れられない一日になったと思います。

作者は、お母さんと貝拾いに行ったことがあるそうです。
たった一度だけの貝拾い。大切な思い出ですね。
それぞれの思いを日傘の中に。
季語が効果をあげている句だと思います。

        

昨日は名城公園に。親子連れなどの姿も。
桜祭りの準備の進むなか、桜はまだほとんどが蕾でした。

                 遅足

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春日傘子を脇に寄せマダム・モネ   結宇

2016年03月21日 | Weblog
モネの「日傘の女」を題材にした句です。
マダム・モネとはカミーユ夫人のこと。
日傘の女は3枚あります。
3枚とも夫人を描いたとされています。
最初の絵だけに息子のジャンも登場しています。
この頃、ジャンは5歳だったそうです。

絵を見ると、ジャンは少し離れたところに立っています。
夫人も子供も視線は絵をみている人に。
つまりモネに向けられています。

絵が動き出すなら、この後、夫人は息子を
呼び寄せたのでしょうね。

マダム・モネは、まもなく亡くなります。
残りの2枚には夫人の死後に描かれています。
なぜか、顔ははっきりとは描かれていません。

         

昨日はお墓参りに。そのあと猿投神社へ。
早い桜は満開でした。なんという種類なのか?
神社にはトヨタ関連の会社が「左鍬」を奉納。
昔は豊作祈願でしたが、今では安全祈願です。

                   遅足


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目を伏せて空へのびゆくキリンの子 月の光はかあさんのいろ

2016年03月20日 | Weblog
歌集「キリンの子」のなかの一首です。
作者は、鳥居さん。ペンネームです。

  亡き母の日記をよめば「どうしてもあの子を私の子とは思えない」

  花柄の籐籠いっぱい詰められたカラフルな薬飲みほした母

  くちあけてごはんいれてものみこまず死を知らぬ子は死にゆくひとに

  冷房をいちばん強くかけ母の体はすでに死体へ移る

2歳の時、両親が離婚。小学校5年の時、母が目の前で自殺。
養護施設でも虐待を受けました。

義務教育もまともに受けられず、新聞などで字を覚え、
短歌を作りはじめたという。

  渡された本が読めずにルビふりを頼んだ 8日に貰いに来ます

また、紺の制服という連作は友人の鉄道自殺を詠んだもの。

  友達の破片が線路に落ちていて私とおなじ紺の制服

クローズアップ現代にVTRで姿を見ました。セーラー服姿です。

  慰めに「勉強など」と人は言う その勉強がしたかったのです

現代の「貧困」が当事者によってリアルに詠われています。
ドキュメンタリーを読み進むようでした。
あっという間に読み終えました。     遅足


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春日傘母呼ぶ声の転(まろ)び来て  等

2016年03月19日 | Weblog
春日傘をさして母は外出。
幼子が「ママ、抱っこ」と転ぶように駆けてきます。
あるいは、道草を食っていた子供が泣きながら
春日傘を追って転ぶように駆けたきたのでしょうか。
明るい春の昼、母と子の風景です。

ちょっと無理がありますが、こうも読めます。
母の春日傘をさしていたのは幼子。
追いつこうと「ママ、ママ」と転ぶように・・・
春日傘が声を発しているとも読めます。
「転び来て」という下五に不思議な力があるようです。

春日傘は止まって振り返るのか?
あるいは、ネグレクトするのか?
そこまでは句はなにも言いません。
読者に任されています。

        のち

もう雨はあがり晴れ間が出てきました。
今日も暖かく、桜が開花しそうです。  遅足


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3月句会の最終結果です。

2016年03月18日 | Weblog
句会には9人が出席。郁子さんの司会で楽しい2時間。
あっという間に過ぎました。
亜子さんが題詠、自由題ともにトップでした。

題詠「春日傘」

①春日傘母呼ぶ声の転(まろ)び来て(等)能登・亜子・静荷
②春日傘子を脇に寄せマダム・モネ(結宇)すみ・狗子・静荷
③貝拾う母と娘の春日傘(麗子)遅足・晴代・郁子
④春日傘磯をそろりと伝いゆく(晴代)
⑤貴婦人を真似て背伸びの春日傘(郁子)能登・亜子・狗子・晴代・静荷
⑥眼鏡橋渡る夢二の春日傘(立雄)佐保子・等・智恵・遅足・結宇
⑦尼寺の低き門より春日傘(亜子)佐保子・等・智恵・麗子・すみ・晴代・結宇・郁子・立雄
⑧春日傘LOVEと彫られし墓のあり(佐保子)能登・麗子・すみ
⑨ほんとうの私になれる春日傘(遅足)
⑩春日傘さして姉様黄泉の国(静荷)麗子・亜子・立雄
⑪春日傘運命(さだめ)を回す出会いかな(能登)佐保子・等・智恵・遅足・結宇・郁子・立雄
⑫地黒には少し恥かし春日傘(すみ)狗子
⑬印象派の絵画のごとく春日傘(狗子)

自由題  
①扁額の文字春陰に太くはね(晴代)能登・等・遅足・亜子・狗子・結宇・郁子
②ふられ猫傷跡なめてとぼとぼと(立雄)麗子・すみ
③跳ね橋の上がり初むるや春疾風(佐保子)等・すみ・結宇
④春の風邪治りて祝いの席につく(麗子)智恵
⑤春の雲猿が石から生まれた日(遅足)狗子・立雄
⑥明るみの増えて囀ずり匂ひけり(郁子)晴代
⑦一合の米研ぐ水の余寒かな(亜子)佐保子・能登・等・智恵・すみ・結宇・静荷・郁子・立雄
⑧やよひ弥生とつぶやきて暖かし(静荷)佐保子・智恵・遅足・麗子
⑨汚染土でお腹膨れて山笑う(能登)佐保子・亜子・狗子・晴代・静荷・立雄
⑩鑿(のみ)突けば桜指添ふ磨崖仏(結宇)郁子
⑪ひとり湯に春潮聴けば乾く星(等)能登・静荷
⑫二人して桜湯前に背すじ伸び(すみ)麗子
⑬鶯の初音はいまだ整わず(狗子)遅足・亜子・晴代

次回は4月20日(水)午後1時 東鮨
題詠は「火」です。
季語ではありませんが、春の句をお願いします。  遅足


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春日傘句会     麗

2016年03月17日 | Weblog
春日傘はまだ必要なかった昨日の句会。
モネの絵画を思わせる日傘が句会を彩りました。では恒例の一言講評。

1、光景が目に浮かぶ動きのある一句。
2、モネの絵画をスマホで検索。[Woman with a parasol]を皆で観賞。
3、嫁入り前の母と娘の貝殻拾いと詠んでくださいました。母との懐かしい思い出の海岸。
4,波打ち際を歩く磯遊び。
5,ハイヒールをはいて日傘を持って大人ぶってみたあの頃。
6,長崎の眼鏡橋、夢二の絵画。
7,低き門をくぐるのは参拝客か、尼さんかで議論。やはり参拝客でしょう。嵯峨野の寂庵。
8,現代のさまざまなお墓事情。お散歩途中に見つけたそうです。
9,違う自分になれるような。男性作者でした。
10,89歳で鬼籍に入られたお姉様を偲んだ一句。
11,物語の始まりを思わせる一句。
12,シミも出来て今さらと思われるかと思いながら、やはり日傘は必要です。
13,印象派の絵画には春日傘がよく登場します。

優雅な春日傘が似合う女性になりたいものです。
彼岸の入り。そろそろ春日傘の出番かな?

次回は「火」が兼題です。
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