575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

一月   麗

2013年01月31日 | Weblog
今日で早くも一月が終わります。
本当にあっという間で驚いてしまいます。
改めて歳時記を見てみると「一月」は冬の季語なのですね。新年なのでもう春かと思っていました。ちなみに「一月尽」ということばはありませんでした。

昨日、冬物最終バーゲンのデパートに行ってきました。
店内は春物も増え、バレンタインのチョコ売り場はすごい人でした。
春隣の景色ですね。

   冬麗ぽかんと晴れた空見上げ   麗
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初めての歌会      遅足

2013年01月30日 | Weblog
奥さんの友人Iさんのお誘いで、初めて歌会に出席しました。
題詠の「異」と自由題の2首をあらかじめ提出しておきます。
すべての歌(作者名のない)を事前に送って下さって、
当日は選んだ3首を係りの方に提出します。

選ばれた歌と選んだ人の名が発表され、
司会者が、一首づつ、選んだ理由を聞いていきます。
選ばなかった理由も述べることになっていて、これは、席順。
全部の歌の講評が終って、作者を記した一覧表が配布されます。
ここで作者がはじめて明らかとなります。

皆さん活発に感想や意見を述べ合い、とても勉強になりました。
1時から始まって終ったのは4時半でした。
最高点をとった歌は、最後に全員で読みあげていました。

選ばなかった理由を話し合うこと、我が句会でも、
やってみても良いかな?と思いました。

ちなみに私の歌は

  右左異なる顔を首にのせ七十年を生きてきました

でした。                    遅足

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あなたの「そして」   鳥野

2013年01月29日 | Weblog

 ・ なにげなく「そして」と言つて口噤む
   青空の色 あなたの「そして」

今週の中日歌壇、松田宗匠の入選歌です。

中日新聞を購読していない方の、お役に立ちたいと
始めたものが、今に続いています。
「そして」今や宗匠は入選の常連。
まだまだ私のお役目は、御免とは参りません。

選者、小島ゆかりの<評>

 ・ 短編小説の一場面、あるいは上質な詩のような、
   この作者らしいセンスが冴えている。二回の「そ
   して」と、二つの空白。あなたはどんな人か想像
   を楽しむ。



 
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風を受け背筋伸ばして咲く水仙    麗子

2013年01月28日 | Weblog
昨日、今日と名古屋でも雪が・・・寒いです。
我が家の水仙の花もようやく蕾を膨らませてきましたが、
この寒さに開花を伸ばしているようです。

この句、受け→伸ばして→咲く、と、ふんだんに動詞が使われています。
普通は、動詞が少ない方が、句は引き締まるとされています。
それが苦になりません。句の内容とリズムに調和があるのでしょう。
きりっとした水仙の姿が浮かんできます。

    水仙花背筋伸ばして風に咲く

とした時とは違う力強さが感じられます。 

もうすぐ立春。春はそこまで来ているはずですが・・・

                       遅足


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水仙の香に救われる多忙な日   すみ

2013年01月27日 | Weblog
多忙な中、ふっと匂ってくる水仙の香り。
それを救われる、と表現しました。とても良い句です。

「忙しくて句がつくれない」と思っている人にも参考になります。
こころを少しずらして周囲を感じ取ることによって生まれた詩です。
また、雑事と思っていることを、ちょっと立ち止まってみる・・・

   寒玉子花を咲かせるやうに割る   神戸周子

日常のなかに「詩」を発見しています。
私も見習いたいと思っています。

                  遅足



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羅(うすもの)や人悲します恋をして    鈴木真砂女

2013年01月26日 | Weblog
「真砂女」という劇をみてきました。
恋を貫くゆえに、老舗旅館の女将から、銀座の小料理屋「卯波」の女将へ。
恋の句を詠み続けた俳人・鈴木真砂女の一代記です。

鈴木真砂女(本名まさ)は、千葉鴨川の老舗旅館の三女として生まれました。
22歳で日本橋の靴問屋の次男と恋愛結婚。
娘に恵まれますが、バクチで借金をつくった夫は失踪。
真砂女は、娘を婚家に残したまま鴨川に戻ります。

これは、姉の急逝により義兄と結婚、旅館の女将となるために。
俳句を始めたのは、ちょうどその頃から。

やがて日本は戦争の時代に。この頃、運命の人、海軍士官と出逢い恋に落ちます。
そして駆け落ち、しかし恋人は戦地へ。真砂女は鴨川に連れ戻されます。
 
戦後、恋人は帰還。この恋が原因で、吉田屋から去ることとなります。
いわば追い出されたかたちで、真砂女は、娘のところに身を寄せます。
そして銀座に小料理屋「卯波」を開店。この時50歳。
世間のしがらみから自由になって第二の人生をスタートさせます。

   あるときは船より高き卯浪かな

お店の名前となった句。

   長き夜や日本酒一点張りの客

恋人が卯波で飲んでいる姿を詠んだもの。
やがて恋人も亡くなり、通夜の日、一人こっそりと見送っています。

   かくれ喪にあやめは花を落としけり

生きる目的を失った真砂女ですが、句を詠む力は衰えを見せません。
八十歳を超えて詠んだ句。

  今生のいまが倖せ衣被

96歳でこの世を去るまで俳句人生、現役を貫きました。

  戒名は真砂女でよろし紫木蓮

真砂女を演じたのは藤真利子さん。
少女時代は「姫」と呼ばれていた真砂女役にはピッタリ。
また、真砂女の娘さんは、文学座の女優本山可久子さん。
この劇では舞台に登場し、ナレーター役をとつめていました。
母娘の葛藤もドラマの見せ場になっていました。

  羅(うすもの)や人悲します恋をして

まさにこの句のようなドラマでした。 遅足


 
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水仙花抱きて崖の高さかな       亜子

2013年01月25日 | Weblog
海からの風をまともに受けて、なだりに立つ人、と鳥野さん。

この句、主語をどう読むのか?によって3通りに読めます。
最初は鳥野さんが読まれたように、人間が水仙の花を抱いて、
高い崖のうえに立っている。
この場合、少年でしょうか?少女でしょうか?あるいは・・・
もう一つは擬人化で、水仙の花を崖が抱くようにして聳えている。
最後は、水仙が高い崖を抱くように一杯咲いている。

作者は、崖が水仙の花を抱いている景として詠んだとのことです。

                          遅足



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一気に    麗

2013年01月24日 | Weblog
明日から公開されるというミステリー映画「さよならドビュッシー」。
映画を見る前に原作を読んでおこうと文庫本を買いました。
原作は中山七里さんという岐阜出身の方。舞台が名古屋なので親近感があふれ、芸文やしらかわホールなども作中に出てきます。

火事で重傷を負った女性のピアノコンクールまでの復活の様子。そこにミステリーとしての事件がからみ。。。ラストは絶対言えません。

ピアニストからも絶賛されたというドビュッシーの音楽の解釈や描写で珠玉の音楽ミステリーです。なんと1日で読み上げてしまいました。
本の中に出てくるベートーヴェンの「皇帝」やドビュッシーの「アラベスク」や「月の光」などのピアノ曲を実際にCDで聞きながら読み進めていきました。
本と映画が少し違うと思いますが映画もますます楽しみになりました。
あまりに面白かったので次は「おやすみラフマニノフ」を読もうと思っています。

      大寒にこもり小説読みふける    麗
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客人(まれびと)の独り語りや水仙花    結宇

2013年01月23日 | Weblog
客人の語源は、稀な人、遠方から稀に訪れる神聖な旅人。
今では客、という意味ですが、まれびと、と書かれています。
私は、翁を連想しました。
年上のお客さんがやってきて、自分のことばかり話しています。
接待する方は、少しもてあましているようです。
その座敷には水仙の花が・・・
老人の話も少し浮世離れしたものかも知れません。

作者は、実体験ではなく、水仙の花のなかから現れた客人を
イメージして詠んだそうです。
水仙のお話を聞いている・・・
客人は翁ではなく老女(おうな)かも知れませんね。

                       遅足


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凛と咲く  鳥野

2013年01月22日 | Weblog
句会の当月の兼題は水仙。
秀句揃いで、選ぶのに苦労しました。
私が水仙と聞いて思い出すのは、また遠い日のこと。

冬のその日本海は波が高く、越前海岸沿いの国道には
波の花が舞っていました。
その烈風をまともに受ける海岸段丘に、一面咲いてい
たのが水仙。

今は、広大な水仙ランドとして整備され、その中の
「水仙の館」では、特殊な技術で栽培された水仙を、
年中鑑賞することが出来るそうです。

雪中花とも呼ばれる水仙。
その凛とした野生の姿に後押しされたのか、若者が
挨拶に来ました。

迷っていたけど、決断しました。「結婚します」と。

 ・ いきなりの入籍ですと雪中花

 ・ 剣の葉を添えて優しも水仙花

             鳥野
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弁慶の名乗りを上げる初謡     遅足

2013年01月21日 | Weblog
今日、初謡の日です。橋弁慶のシテ、つまり弁慶を謡います。
このお話、私が聞いていたものと逆です。
五条の橋で待ち伏せているのが牛若丸。
退治にやってくるのが弁慶です。
この弁慶、五条の橋に化生のものが出ると聞いて
最初は行くのをやめようと思います。
しかし、いやいや、弁慶ほどの者が・・・と思い直す。
ちょっとカワイイところもあるようです。

歳時記を見ると「初」のつく季語が一杯。
初句会、初釜、初髪などお正月に関するモノ。
初蛙、初桜、初鰹など・・・
日本人は「初」を大切にしてきたんだな、と改めて感じました。


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大寒や水はうごいて湯となりぬ   八田木枯

2013年01月20日 | Weblog
今日は大寒。一年で一番寒い日です。
名古屋はお日様も顔をみせて、おだやかな日になりそうです。

この句、大寒と取り合わされたのが水です。
水は命の母。命とは動くこと。
水も分子たちが動いて、動いて、やがて沸点に。
大寒でも動くことを忘れなければ怖くはありません。
命が動くことならば、動きが終わった時が、命の終りかな?

ところで、昨日からセンター試験です。
私の頃はセンター試験はありませんでした。入試のみ。
試験問題の用紙が配られてきた時の緊張感は今も忘れません。
ざっと目を通して分かる問題から手をつけるように、と先生の指導。
たしかに一問が解けると、心が落ち着きました。
受験生のみなさんも、落ち着いて問題に取り組んで下さい。

  大寒へ少し遅れてひらくドア   遅足




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大根を買ってイエスの妻いそぐ     遅足

2013年01月19日 | Weblog
イエスというのが、今ひとつ理解しがたいのですが。
でも、何となく捧げるというか、その種の大切な人への配慮を感じます。
それが、味つけに手間とるだろう大根とは・・・、と結宇さん。

イエス様はどなた? 奥方には必ずや厚い恩寵が、と鳥野さん。

この句は、イエスの妻、というコトバから生まれました。
日本の仏教や神道では、阿弥陀様の妻、とか、
スサノオの尊の奥さんという発想はあまり聞いたことがありません。
民話などでは、大蛇の妻になるというお話が残っていますから
神様の妻になるという発想はあったのかも知れません。

キリスト教の場合、女性が神の妻となるという発想は
あり得るのでは?と思いました。
(間違っていたらゴメンナサイ)
神の妻、というより実在の人だったイエスの妻というコトバから
どんな女性を想像してもらえるのか?に、この句の成否がかかっています。
聖なる感じの女性を想像していただけたらと思います。

その聖なる女性が、大根を買って家路を急ぐ、という景をつくってみました。
日々の生活に追われる私たち、聖なるモノがあって欲しいという願望かも・・・



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1月句会の最終結果です。     遅足

2013年01月18日 | Weblog
今年初めての句会は8人の出席でした。
寒中にしては暖かな昼下がり、さまざまな水仙が咲きました。

題詠「水仙」
①客人(まれびと)の独り語りや水仙花(結宇)遅足・狗子
②水仙花抱きて崖の高さかな(亜子)鳥野・晴代・えみ・静荷・立雄
③水仙の香に救われる多忙な日(すみ)晴代
④風を受け背筋伸ばして咲く水仙(麗子)えみ
⑤水仙や祠の奥に日のとどき(晴代)遅足・結宇
⑥水仙と笑み交わすかに道祖神(立雄)能登・智恵・麗子・静荷
⑦手に取ればいのち冷たき水仙花(遅足)郁子・亜子・狗子
⑧風は聴く水仙香る夜の道(えみ)能登・すみ・遅足・結宇
⑨人知れず覚悟決めたる野水仙(郁子)すみ・智恵・麗子・亜子
⑩水仙のつよき意志持つ人かなし(能登)鳥野・郁子・亜子・えみ
⑪水仙花小首かしげて呟きぬ(智恵)すみ・麗子・立雄
⑫水仙の暗き客間の匂ひかな(狗子)能登・鳥野・智恵・結宇・郁子・晴代・立雄・静荷


自由題  
①昧爽(まいそう)の寒さに慣れし身の動き(晴代)遅足
②人間は一枚の皮冬林檎(遅足)能登・亜子・晴代・立雄・静荷
③餅つきの音を競ひて代替わり(結宇)能登・麗子・郁子・亜子・立雄
④箸紙に名前を書いて集まれり(麗子)鳥野・遅足・結宇・郁子・えみ・狗子
⑤老夫婦屠蘇の器を省略す(すみ)鳥野・亜子・えみ・静荷
⑥節(せち)囲み延命不可を告げにける(立雄)すみ・智恵・結宇・晴代
⑦山河荒れ帰郷叶はぬ寒さかな(亜子)智恵・晴代・狗子
⑧夜半から降り出したのか冬の雨(えみ)すみ・遅足
⑨言の葉の迷宮の淵寒の入り(郁子)狗子
⑩広げたる新聞冷たき寒の入(能登)鳥野・すみ・智恵・結宇・麗子・立雄・静荷
⑪スマホ手に夫フリーズ指凍る(智恵)能登・郁子
⑫アリア聞く幸田浩子の冬銀河(狗子)麗子・えみ

えみさん、失礼しました。

次回は2月20日(水)午後1時 東鮨
題詠は「春の雪」です。
今回は自由題はありません。
その代わり当日、席題を出し、5分で詠み、選句を行います。
席題は5文字の季語にします。



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皇居では歌会始の日、初句会が行われました   麗

2013年01月17日 | Weblog
今年初めての575の句会。8名の参加者でにぎやかに始まりました。お題は「水仙」。
香り高い色んな水仙が咲き競いました。

客人の話を聞く水仙、越前の崖が抱く一面の水仙、多忙な日にも香りで癒され、日本海の風を受けながらも背筋を伸ばす水仙、昼下がりの祠には一筋の陽が差し込み、手に取れば冷たい、でもそこにある確かな命。夜道に香る水仙、さて、「風は何を聴いたのでしょうか?」。水仙の覚悟、水仙のつよき意志、小首をかしげて呟き、客間の水仙は香りを放ちながら客人(まれびと)を静かに待ちます。

水仙の花について語る時、水仙の矜持、孤高の花、凛とした覚悟のある水仙の姿がその濃厚な香りとともに浮かびあがりました。
水仙のように背筋を伸ばし、覚悟を決めて生きていきたいという己の姿を求める一面も出てきました。

さて、昨日は皇居では歌会始め。お題は「立」。
最年少の中学1年の少年の

「実は僕家でカエルを飼っている夕立来るも鳴かないカエル」

の歌が選ばれたと亜子さんが句会の後のお茶会で披露してくださりました。
夏休みの宿題の短歌が見事入選。
「実は僕。。。」と語る所が瑞々しい感性でステキですね。

こういう新しい風に吹かれるとまた今年もがんばろうという気がしてきます。来月の自由題は当日会場で出題されるという初めての試み。
5分で作れるか自信はありませんが新しいことにチャレンジしていきましょう!
ねぇ、安藤さん!!
ちなみに兼題は「春の雪」です。ヨン様の映画のタイトルですね(笑)

皆様今年もどうぞよろしくお願いします。
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