575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

わたくしを探して老いぬ初鏡   亜子

2015年01月31日 | Weblog
未だに探し当たりません。
今では鏡を見ることさえ忘れて、と鳥野さん。

私の人生って何だったのか?そもそも私は何者なのか?
ずっと探してきたような気がします。
年の初めに鏡の前に座った時には改めて、と作者。

  初鏡娘のあとに妻坐る   日野草城

昭和の早い時代に生まれた男は鏡をあまり見ません。
しかし自分探しは男女の差はありません。

  水中の河馬が燃えます牡丹雪   

坪内捻典さんのこの句。
自分探しを詠ったものとも。

          

応答の一日一句

  冬の日や梨のタルトにミルクティ  孝

  冬の日や朝の焙じ茶午後のティー  亜子

もう一月も終わり。時の経つのの早いこと。
とくに齢を重ねるにしたがって早くなっているようです。
そんな日はミルクティで午後を。
                     遅足

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頭からどうぞと皿に寒すずめ     遅足

2015年01月30日 | Weblog
今週の初めに京都に行ってきました。
今回のテーマは「食」。目的地は伏見大社。
外国人観光客の人気ナンバーワンだとか。
こんな寒い頃なのに清水寺に負けない人出。

目標はこの時期限定の「寒すずめ」
門前の店先には鶉の串焼きが並んでいました。
「寒すずめ」はありませんとのこと。
諦めずに探していくと・・・ありました。
先客がひとり。寒すずめで一杯と良いご機嫌。
伏見に来る時は必ず寄る店と。

待つこと10分。やってきました。
小さな黒々とした鳥らしきものが皿の上に。

「頭からどうぞ」と言われて、おそるおそるガブリと。
ゴリゴリとした音がして・・・やがて味が口いっぱいに。
お腹の部分には肉があってレバーのような味です。
ちょっと苦みの強い鳥レバと思えば良いでしょうか。

生きものを殺して食べるという感覚がよみがえりました。
切り身になった魚や、部品のような鳥のささ身など。
料理していても、命を食べているということは意識しません。

無数の殺生のうえに現代日本があるんですね。

            

応答の一日一句

  小走りで黙礼のみの寒の内    孝

  人気なき金勢明神寒の内     亜子


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春信    麗

2015年01月29日 | Weblog
冷たい雨上がりの次の日、ミニ盆栽の冬至梅がほころんだという春信が知人から届きました。
まだまだ外は寒いけど確実に春は近づいています。立春ももうすぐ。
秋に植えた球根たちも芽を出し始めています。日の出も少しずつ早くなってきました。
心滅入るニュースばかりで落ち込んでいた私には嬉しい画像つきのメールでした。

お礼に一句お返ししました。ありがとうございました。

      春を待つ我に嬉しき便りあり   麗

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無秩序が秩序となりて初雀   郁子

2015年01月28日 | Weblog
初雀。聞きなれた雀の声。
年の改まった元日には、めでたく感じます。

元日の朝も、我が家の庭には雀がやってきます。
サツマイモや林檎の皮を食べようと。
雀は冬は群で過ごし、10羽くらいでしょうか。

一見すると無秩序に集まっている雀。
しかし餌を取り合っている姿をよく見ると・・・
ちゃんと雀なりの秩序があるようです。
鵯がやってきて一斉に飛び立つ雀。
先頭の雀を追うように次々と・・・

世界は混沌に始まり、秩序が生まれていく不思議。
初雀に、そんな自然の摂理を感じ取ったのでしょうか。

冬の群雀も、春になると繁殖のために番に。

          

応答の一日一句

  寒風やお召列車の通過駅      孝

  寒風やひと来たらずと告ぐみくじ  亜子

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見上げてごらん   鳥野

2015年01月27日 | Weblog
 福引で小さなヒツジの縫いぐるみが当たりました。
フワフワと優しい手触り、円らな目。ヒツジは今年
の干支とあって、新年早々から引っ張りダコです。
思えばヒツジは人間の役に立つ動物の随一。
約一万年前から家畜として飼われていたようです。
従順で粗食に耐え、肉は美味。低カロリー高タンパク。
その毛はウールとして愛用されてきました。

近縁種の山羊は、上質な乳をたっぷりと出して貢
献。さまざまな加工品も工夫されています。
里山の農民を悩ませる除草の役割りも完璧。

数々の労が報いられて、牡羊も山羊も星座となり、
夜空に輝いています。

 ・ ラムチョップ程よく焼けて外は雪  鳥野
               





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念じつつ振り動かしぬ初みくじ   晴代

2015年01月25日 | Weblog
凶と出るか、吉なのか、一瞬の緊張、さて ?と、鳥野さん。

答えは、「大吉」「今年の色」は赤だったそうです。
何を念じたのでしょうか?
「人に明かせば叶わないのでヒミツ」だそうです。

この上五は、念じつつ、です。
同じ意味で、祈りつつ、もあります。

  祈りつつ振り動かして初みくじ

では、どこか軽い感じがしないでしょうか?

念ずるには、耐え忍ぶという意味もあるそうです。
また、念じ、の2つのN音。動かしぬ、のN音。
この句の印象を決定づけているようです。

             

応答の一日一句

  冬帽子正して駅の待ち合わせ   孝

  冬帽子後ろ姿の父に似て     亜子

(ちょっと京都へ行ってきます。  遅足)



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新発意に初雪重き網代笠   結宇

2015年01月24日 | Weblog
新発意(しんぼち)は、発心(ほっしん)して僧になったばかりの人。
網代笠は、竹の網代で作った笠。夏の季語になっています。
この場合、初雪が季語で冬の句です。

僧になったばかりの若者が網代笠を被って托鉢へ。
そこへ初雪。寒さも重さも身に沁みるようです。
でも決心は固く・・・足取りも確かに。
初雪が新発意と響きあっています。

作者によれば禅僧を詠んだものだそうです。
禅寺では、師が弟子に公案が出されます。
卒業試験のようなものでしょうか。
「禅問答」として知られています。

物の本によれば、公案には正解はないとのこと。
言葉を離れて直観で師の教えを体得するための試練だとの説明。

そのなかの一つです。

  趙州が修行中に、師の南泉(なんぜん)に尋ねた。
 「仏の道とは何でしょうか」
 「平常心(普段の心)が道である」
 「では、平常心が目標なのですね」
 「いや、目標ではない」
 「目標でないなら、どうやって道を求めるのですか」
 「道というのは、求めるとか求めないといった問題ではないのだ」

            

        応答の一日一句

  雪時雨少年塾へまっしぐら   孝

  寒風や九十秒の赤信号     亜子

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1月句会の最終結果です。     遅足

2015年01月23日 | Weblog
初句会は7人の出席。
題詠は静荷さんが最高得点に。時代を映した句です。

題詠「初」
①新発意(シンボチ)に初雪重き網代笠(結宇)晴代・遅足
②念じつつ振り動かしぬ初みくじ(晴代)智恵・麗子・鳥野・静荷
③無秩序が秩序となりて初雀(郁子)能登・智恵・結宇・すみ・亜子・狗子
④わたくしを探して老いぬ初鏡(亜子)能登・鳥野・静荷・結宇・郁子
⑤お隣も向ひも独居初あかり(静荷)佐保子・能登・麗子・鳥野・郁子・すみ・亜子・晴代・狗子
⑥小さき手とニューシューズ履き初詣(立雄)遅足
⑦咲き初むる蠟梅に顔寄せにけり(佐保子)智恵
⑧完璧な初夢なので出られない(遅足)佐保子・麗子・郁子
⑨初富士がランナー越しにそびえ立つ(麗子)晴代・立雄
⑩初化粧隠したき事多くなり(すみ)佐保子・結宇・狗子・立雄
⑪凧揚げのできる公園初ググり(能登)亜子
⑫初売りの魔界の如し福袋(狗子)静荷・すみ・遅足・立雄

自由題  
①だんだんと空透けてゆく春隣(晴代)能登・麗子・鳥野・結宇・狗子・立雄
②孫の言う「オラフにして」と雪うさぎ(郁子)すみ
③病床の母のくぐもる初電話(麗子)智恵・結宇・すみ・亜子・晴代・遅足
④悪童の初荷追はへて町はずれ(結宇)智恵・静荷
⑤御降りや振袖姿見ずじまい(静荷)能登
⑥寒雀手毬のごとく飛び跳ぬる(佐保子)能登・智恵・鳥野・郁子・すみ・亜子・晴代・狗子
⑦緞帳(どんちょう)の揚がらんとする淑気かな(亜子)佐保子・麗子・静荷・遅足
⑧書初めは夜空の星にとんどの火(立雄)結宇・郁子
⑨ビニールのシートかぶせてあって 雪(遅足)佐保子・狗子・立雄
⑩冬帽子目まで被って眠る子や(すみ)佐保子・郁子・遅足
⑪老犬の遠吠えかなし冬銀河(能登)麗子・立雄
⑫門松も少なくなりし城下町(狗子)鳥野・静荷・亜子・晴代

次回は2月18日(水)午後1時   東鮨
題詠は「椿」です。

番外
初ヨダレ何気に拭い傾聴す   智恵
(お父さんの介護で一年が始まりました。)

              

応答の一日一句

  婚約の指輪の光る白子干し        孝

  それぞれに黒き眸(め)のあり白子干し  亜子

                
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初句会      麗

2015年01月22日 | Weblog
錦織圭君のテニスを見ていて遅くなってしまいました。
二回戦突破おめでとう!!
さて、残念ながら今年最初の句会も断念。そこで恒例になってしまった一人句会です。

題詠
①新発意(シンボチ)に初雪重き網代笠     しんぼちを初めてしりました。
②念じつつ振り動かしぬ初みくじ        ○(情景が目に浮かびます。じゃらじゃらと音も聞こえそう。動かしぬの「ぬ」が?)
③無秩序が秩序となりて初雀            どんな秩序か?面白い俳句。
④わたくしを探して老いぬ初鏡           私も。。。
⑤お隣も向ひも独居初あかり         ○(本当にそんな景色が増えてきました。初あかりは皆に平等です)
⑥小さき手とニューシューズ履き初詣      「と」がもったいない?
⑦咲き初むる蠟梅に顔寄せにけり        いい香りがしそう。
⑧完璧な初夢なので出られない       ○(どんな初夢だったのでしょう。きっとすばらしい初夢。私は人の初夢に出てきたそうです)
⑨初富士がランナー越しにそびえ立つ
⑩初化粧隠したき事多くなり          初化粧に限らず。。。
⑪凧揚げのできる公園初ググり        そんなことも検索する世の中になってしまいました。それだけ遠いものに。
⑫初売りの魔界の如し福袋          魔界がやや重?

自由題  
①だんだんと空透けてゆく春隣       ○(だんだん空の様子が変わってきました。春隣は好きな季語です)
②孫の言う「オラフにして」と雪うさぎ    アナ雪の雪だるまのオラフ。大好きなキャラクターです。
③病床の母のくぐもる初電話
④悪童の初荷追はへて町はずれ        「町はずれ」が?
⑤御降りや振袖姿見ずじまい         元旦に降る雨や雪のことを御降りというのですね。今年は特に残念でした。
⑥寒雀手毬のごとく飛び跳ぬる        手毬のごとくが?
⑦緞帳(どんちょう)の揚がらんとする淑気かな  ○(始まり、始まり)
⑧書初めは夜空の星にとんどの火        壮大ですね。
⑨ビニールのシートかぶせてあって 雪    この間は?
⑩冬帽子目まで被って眠る子や        暖かそう。
⑪老犬の遠吠えかなし冬銀河       ○(最近あまり耳にしないけど、寂しい冬の風景が浮かびます)
⑫門松も少なくなりし城下町         本当にその通り!


私の初富士の句はテレビの駅伝観戦の富士山。初めてスタートから箱根駅伝をじっくり見ました。数々のドラマに涙涙。
富士山がランナー達を見下ろしていました。
そして自由句の初電話は入院している母の声が元気がなくて。ちょっと悲しい初電話でした。


       初句会参加できずに一人酒    麗

もちろん、飲んでいません。そんな気分でした。
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初句会の投句が集まりました。   遅足

2015年01月21日 | Weblog
今回の題詠は「初」でした。
初句会の句はありませんでしたが、色々な「初」が集まりました。
昨日が大寒。この地方で一番寒いのは月末とか。
まだまだ気が抜けませんね。

題詠「初」
①新発意(シンボチ)に初雪重き網代笠
②念じつつ振り動かしぬ初みくじ
③無秩序が秩序となりて初雀
④わたくしを探して老いぬ初鏡
⑤お隣も向ひも独居初あかり
⑥小さき手とニューシューズ履き初詣
⑦咲き初むる蠟梅に顔寄せにけり
⑧完璧な初夢なので出られない
⑨初富士がランナー越しにそびえ立つ
⑩初化粧隠したき事多くなり
⑪凧揚げのできる公園初ググり
⑫初売りの魔界の如し福袋

自由題  
①だんだんと空透けてゆく春隣
②孫の言う「オラフにして」と雪うさぎ
③病床の母のくぐもる初電話
④悪童の初荷追はへて町はずれ
⑤御降りや振袖姿見ずじまい
⑥寒雀手毬のごとく飛び跳ぬる
⑦緞帳(どんちょう)の揚がらんとする淑気かな
⑧書初めは夜空の星にとんどの火
⑨ビニールのシートかぶせてあって 雪
⑩冬帽子目まで被って眠る子や
⑪老犬の遠吠えかなし冬銀河
⑫門松も少なくなりし城下町

番外
初ヨダレ何気に拭い傾聴す
沈黙は想像の翼広げ時

           

応答の一日一句

  幕間におでん一皿酒少々      孝

  たて皺の眉間のゆるぶおでんかな  亜子

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思いやりの女正月   鳥野

2015年01月20日 | Weblog
 一面真っ白な雪の原に、若緑の松の葉を挿してゆく。
なんと言う清々しさ。
東北から北陸地方に伝承されている「庭田植え」と聞
きました。
 秋の豊作を祈願して、1月15日の小正月に行なわ
れる予祝行事の一つです。
 暦の普及していなかった古来、新年は小正月の日か
ら始まるとされ、行事も集中していました。
成木責め、嫁叩き、左義長、粥占い、餅花、繭玉・・。
何れも、多産、豊穣を願う祈り。形を変えながら、現
在に継承されています。

そして、またの名が女正月。何かと気忙しく、休む間
の無かった女性の労を労う、思い遣りの日でもありま
した。

 ・新しきオンナ生れよと女正月  鳥野
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今日は初謡       遅足

2015年01月19日 | Weblog
十年ほど前から始めた謡。
一年間習ってきた演目を謡う初謡が今日です。
今年は「小鍛冶」私はシテです。

天皇から剣を打つように命じられた名人、三条の小鍛冶宗近。
相槌を打つ人がいなくて困惑。神頼みしかないと、日頃から信心の稲荷明神へ。
小鍛冶はワキ。
シテは稲荷明神、狐ですが、童子の姿で登場。
やってくる宗近に声をかけます。

  のうのうあれなるは三条の小鍛冶、宗近にて渡り候か

これがシテの最初の詞(セリフ?)です。
童子は宗近に呼びかけるのですが、どのくらい離れているのか?
テキストには何も書いてありません。
演者が自分で考えなくてはなりません。

鉢の木という雪の日の能。
演者が登場すると舞台に雪がふったと感じたそうです。

この呼びかけで、場所が明神であることを感じさせないと・・・

先生からは、役になるとともに、役の自分を俯瞰する
もう一つの眼を持つように、との教え。
本はいわば冷凍された言葉。
シーンを映像として思い浮かべ、読み解いて声にしていくように、と。

   初謡オサメテかるくはっきりとシテの童子は謡い始める

              

応答の一日一句

   足止めを食らいし宿の雪見酒    孝

   逃避行めく離れ屋の雪見酒     亜子


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花の声聞かむとかがみ寒牡丹   鷹羽狩行

2015年01月18日 | Weblog
花や木と話が出来ると感ずるのが詩人。
実際に会話が出来たら素晴らしいでしょうね。

植物と話が出来るのでは?
そう考えたのが作曲家の神津善行さん。
「植物と話がしたい」という本を書いています。
着目したのが植物の発信する電波。大学の研究者と一緒に研究。
なにが分かったのでしょう?

木にも、人間でいえば頭のあたる働きをするところがあること。
植物は、根から水分や養分を取り入れ、葉で光合成を行っています。
この2つの仕事を調整しているのが、幹の一番下の部分。
そこから信号を送って調節しているらしい・・・とのこと。

また樹木が発信する電波に着目。固有のリズムを解明。
それをもとに木の歌を作曲もしたそうです。
こうした研究はまだまだ始まったばかり。
いつかは植物と話が出来る時代が来るかも・・・

  露けさの木が話すとや嘆くとや 大木あまり

植物といえば蘭の花も不思議に満ちています。
受粉を虫に託しています。ある種の蘭は虫を決めています。
雄の虫を引き寄せるために、雌の虫そっくりの花を持つ蘭。
目が見えずに、どうやって真似をするのでしょうか?
見えないが目がみえている???
人間以上の力を持っているとしか考えられません。

          応答の一日一句

  束の間は弾丸(たま)と思ひし玉霰   孝

  背なの子の爪先立ちて霰かな      亜子



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水鳥の影もろともに潜りけり  遅足

2015年01月17日 | Weblog
名古屋城のお堀には今、冬の鳥たちが。
金黒羽白、尾長といった鴨。バン。カイツブリ。
ゆりかもめ。川鵜。それに白鳥です。
白鳥はここに棲みついたもので、今は一羽。

白鳥が一直線に泳いで行きます。
あとを追っていくと・・・
子供を連れたお母さんが餌を与えています。
小さく切った食パン。大きな鯉もご相伴に。

冬に水上にいる鳥たち、水鳥は冬の季語です。
眠っている鳥は浮寝鳥と。

           

応答の一日一句

  風邪の妻感染源の定まらず     孝

  インフルエンザ唐突に羽交い絞め  亜子

センター試験の今日。名古屋は曇り空。
雪の心配はなさそうです。

大学の試験場だった名古屋城の旧連隊兵舎。
校庭に誰もいません。場所を間違えたか?
心配しながら、と教室に入ったら・・・
もう皆、机に座っていました。
半世紀ほどまえのことです。
もちろんセンター試験はありませんでした。

                  遅足

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ひとところ人の色濃き寒牡丹   遅足

2015年01月16日 | Weblog
先日、名古屋の徳川園に冬牡丹を見に行きました。
成人式をすませた振袖姿もちらほらと。
お孫さんの姿をカメラにおさめるお祖父さんも。
あまりに熱心さに、お孫さんのほうがウンザリと。

園内では、色とりどりの牡丹が美しさを競っていました。
白は「連鶴」、淡い黄色は「真昼間」、ピンクは「八千代椿」、
紫は「島大臣」と名が付けられています。

  雄蕊みな色同じうす冬牡丹

説明書きによれば、冬牡丹と寒牡丹は違うそうです。
春咲き品種を温室などを使って、冬に咲かせたものが冬牡丹。
温室から取り出した鉢ごと埋め込んであるそうです。

一方、自然に寒に咲くものが寒牡丹。
そう言われれば、寒牡丹のほうに野性味が感じられました。

歳時記では、冬に咲くから冬牡丹。
寒に咲くから寒牡丹と使い分けているようです。

             

応答の一日一句

  炉火赤し音色変わらぬ古時計   孝

  炉火赤し一つ少なく鳴る時計   亜子


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