575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

大晦日                 愚足

2007年12月31日 | Weblog
 私の大晦日の仕事はスーパーで買い揃えた御鏡セットを神棚・仏壇・玄関に置き
四百円の玉飾りを戸口に吊るし、神棚の埃を叩いてお終い。
 あとは、お節の匂いを気にしながら読み損ねた本の背表紙をため息ついて眺めるのみ。

 気を取り直して愛読の村上護氏の「けさの一句」、大晦日のページを読んで見た。選ばれた句は蕉門許六の「大晦日分別ばかり残りけり」西鶴の「大晦日定めなき世の定めかな」に並んで、蕪村の「いざや寝ん元日はまた翌(あす)の事」が選ばれている。いたく共感する。
 
 そこへ「ちょつと 味見てくれない。」と連れ合いが小皿を持ってやって来たので、この本で知ったこんな句を披露してゴマを摺った。
 
 天命は天にあづけて鴛鴦流る     長谷川秋子
 
 
※今年も一年間週の初めを駄文でお騒がせし済みませんでした。来年もご辛抱の程を。では読者の皆様も良いお年をお迎えになりますように。    愚足
 
 
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年越し蕎麦             愚足

2007年12月30日 | Weblog
年越しそばの由来については古来数多くの説があります。

 ・そばは長く伸びるので延命長寿や身代が細く長くのびるようにと願う説。「寿命そば」「のびそば」などとも言う。

 ・金銀細工師が散らかった金粉を集めるのにそば粉を使うために、金を集める縁起で始まったという説。

以上の2つがよくいわれていることですが他にも、

 ・そばは切れ易いから、旧年の労苦や災厄をきれいさっぱり切り捨てようと「縁切りそば」「年切りそば」と言う説。

 ・一年中の借金を打ち切る意味で「借銭切り」「勘定そば」といい、必ず残さずに食べなければいけないと言う説。など色々あるようです。

 私は個人的にはそば粉で金粉・銀粉を集めるというのがお金(かね)に縁があっていいですが肝心の金のかけらも無くてだめです。

 さて去年は 年越し蕎麦を食いたかったのですが家人たちは出かけて、写真のような物が残してありました。

  深酒し年越し蕎麦に起こされず       愚足

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年つまるこれ上五なりまずは酒     朱露

2007年12月29日 | Weblog

   紅白歌合戦というものを見たことがない。
   昔は仕事がぶつかり定年後は9時に寝る。
   3時頃目が覚め民放を聴いて眼が冴える。
   4時 N H K心の時代を聴くと益々冴える。
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門松の雌雄は?            草女

2007年12月28日 | Weblog
11月の下旬にはホームセンターでもう門松を販売していた。高さ80センチほどの小ぶりだけれど本格的なものであった。ところがその一方に「右」と表示された紙が貼ってあった。「えっ 門松に右と左がある!!」と驚いたが、きっと竹の組み方の違いで左右があるんだと勝手に解釈して立ち去った。
 ところが翌日の新聞に門松の写真が載っていたので良く見るとどの門松も竹の並び方は同じではないか。 
それでは 門松の左右とは?
「日本植物文化誌」など色々な本に当たってみたが、門松の左右についての記事は見当たらない。そこでネットで調べてもらうと次のような情報が載っていた。

 「門松には左右があり、それは飾る松の雌雄によって決められる。
 本式の門松は向かって右側に雌松を、左側に雄松(葉が短くて細い)を配置し左右 一対で飾る。」
 「クロマツの別名がオマツでアカマツの別名がメマツ。雌雄の松を飾り子孫繁栄 を願う。」

とも記されている。しかし植物に関する手持ちのどの本にもそうした記述は見当たらない。そのうえネットに記された「雄松=葉が短くて細い」というのは完全な誤りで、それは雌松の特徴である。
 その後スーパーなどに行くたびに「門松」を観察しているが「雄松・雌松」の組み合わせの物に出会う事はなかつた。
 ところがである、この話を「植物の観察仲間」にしておいたところ、地元での門松飾りだと言って、雄松・雌松ばかりか雄門松には白い葉牡丹、雌門松には赤い葉牡丹という念の入った証拠写真が転送されきた。

 門松は本来正月に神様が降り立つ「依代」の役目で一対で無くて良いし、松でなくても常緑樹ならば良かったのである。
 それがいつしか、当初の素朴さが失われ、松竹梅、一対、実物飾り、雌雄etcと華美になり装飾性や縁起性が競われるようになったのかもしれない。でもそこには商魂も垣間見える。

   幾霜に心ばせをの松飾            芭蕉
   雑巾のほしどころなり門の松         一茶
   菜の花に門松立てて安房郡          富安風生
   門松や藍師の青き石畳            江藤駿吉
   日本一高き駅なり松飾            橋本美代子

※ この一年読みにくい文章にお付き合いいただきありがとうございました。
  来年も宜しくお願いいたします。

 
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時間の波   麗

2007年12月27日 | Weblog
   「年の瀬や時間の波に押し出され」  

という句を前回の句会の前に作りました。

   「加速度に絡め取られて年の暮れ」

とどちらにしようかと迷いました。
どちらも年末にてんてこ舞いする私の心情を
詠んだもの。
明日から天気が崩れると聞き今日のうちにマット類を洗おうと
またまた洗濯機がフル回転。
同じ24時間なのになぜか時間の波が速く感じるのです。
来年は「落ち着く」を目標にします。
今年1年ブログを読んで下さりありがとうございました。
皆様よいお年をお迎え下さい。麗
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今日はボクシング・デー   遅足

2007年12月26日 | Weblog
オーシトラリアのカレンダーを見ていたら
25日がクリスマス、そして今日26日は
BOXING DAY と書かれている。

えっ、ボクシングの日?あの拳闘の?

全然、違っていました。

クリスマスの翌日で、元々は、教会が貧しい人たちのために
寄付を募ったクリスマスプレゼントの箱を開ける日であったことから
"Boxing Day"と呼ばれる。
スポーツのボクシングと直接の関係はない。

ということでした。

クリスマスも仕事をしなければならなかった召使い達に
翌日、家族と過ごさせるための休日。
主人が箱(Box)に贈り物を入れて召使いに配った。
また、クリスマスにカードやプレゼントを届けてくれた郵便配達員にも、
労いの意を込めて今日(当日が日曜日の場合は27日)に
箱入りのプレゼント(Christmas box)をする。
また、バーゲンセールが行われるそうです。

   

日本でいうと、女正月みたいな風習でしょうかね。


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二つの影はとぼとぼと     鳥野

2007年12月25日 | Weblog
荻原教室の先回の題は「砂」。様々の砂が連想されていましたが、目立ったのは”月の砂漠”でした。
子どもの頃に誰もが聞いたあの歌。

なにかしら寂しく、やるせなく、涙ぐみながら、遠い異国の砂漠を行く王子と王女を思い描いていたものです。

それが、実は南房総の御宿海水浴場の浜のことで、砂丘には像が建てられ、「月の砂漠の記念館」もあるのです。
大洋に向かって広々と開けた砂浜に立ってみたいと、途中下車し一泊した御宿で、像と出会った時には驚きました。
そして、一瞬の幻滅。

 おぼろにけぶる月の夜を、対のラクダでとぼとぼと
 砂丘を越えて行きました
 だまって越えて行きました

やっぱり景はアラビア、遥か南の砂漠でなくっては。

  ・ 眼を閉じて月の砂漠に暫し立つ  池内友次郎

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散歩          愚足

2007年12月24日 | Weblog
 禁酒による過食と運動不足が重なって絵に描いたようなメタポリ。
 医者から糖尿病の警告。
 一日一時間の散歩の勧め。
 
 散歩はせっかちな性格のわたしには大の苦手。
 家にいるほうが余程退屈しない。

 しかし 俳句の入門書には句作のための散歩が奨励されていた。

  遠くまで行く秋風と少し行く     矢島渚男
  しんしんと寒さがたのし歩みゆく   星野立子
  さくらから次のさくらへ行くところ  佐藤和枝
  紅葉狩とはひたすらに歩くこと    黛まどか
  枯野より枯野へひとの渡りけり    角川春樹

 さあ手帳を持って歩いてくるか。 
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北風や金剛力士侍らせて   朱露

2007年12月24日 | Weblog

    興福寺金剛力士の写真を千円で買い、
    居間にぶら下げたら女房めが外した。
    生身の弱虫金剛だけでうんざりだと。
    枕元へ移し憤怒の形相を見つつ眠る。

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吾影の吹かれて長き枯野かな  漱石

2007年12月23日 | Weblog

 明治40年の句  初めての本格的な小説・虞美人草を書き終えた頃とか。
 手帳に書き残されていたもの。

     

I LOVE YOU を俳句で・・・

春の川を隔てて男女(おとこおみな)哉  漱石

 大正4年の作   京都の木屋町に宿をとりて川向の御多佳さんに
          と、前書きが
 木屋町の北大嘉(きたたいが)に宿泊。
 御多佳さんは鴨川の対岸の祇園、大友の女将さん。祇園一の名妓。
 
 I LOVE YOU を、今夜の月は綺麗ですね と、翻訳したという漱石。
 この句にも、言外のものが含まれているようですね。


       (漱石さんの俳句・大高翔より)遅足


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こだわりのバタピーカノン聴く師走   朱露

2007年12月23日 | Weblog

  やめようやめようとバタピーを噛む。 
  パッヘルベルのカノンを聴いている。
  神様を信じている人の音楽はこうか。
  バタピーを噛むしかすることがない。


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中風を逃れまくって冬至かな   朱露

2007年12月22日 | Weblog

     冬至に柚子湯と粥と南瓜で中風を。
     「チュウフウ」は老人の半身不随。
     昔、ヨイヨイと言ってからかった。
     この罪万死に値するがまだ死ねぬ。


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クリスマスフラワー       草女

2007年12月20日 | Weblog
 クリスマスになくてはならない「あの花」にこのクリスマスフラワーや和名の猩猩(ショウジョウ)木が使われる事はほとんどなく専らポインセチアが使われている。
 この季節花売り場は多くのポインセチアで彩られ、人々をクリスマスに駆り立てる。和名の猩猩木は花の赤い色から名づけられたというのに最近では赤だけはなくピンク、クリーム、縞模様のものまである。(猩猩は中国の伝説上の動物。またそれを題材にした各種の芸能における演目。さらにそこから転じて、大酒家や赤いものを指すこともある。)
 色づく部分は苞で花は中央に集まって咲いているが花弁もなく地味で目立たない。しかし、花が咲かないと苞は色づかない。
 日が短くなって花芽をつける短日植物であるから、ちょうどクリスマスの頃開花する。この植物はメキシコ山地原産のトウダイグサ科の常緑低木である。原産地では高さ5mになるという。非耐寒性なので日本の冬を越す事は難しく、私たちはクリスマスが終わるとポインセチアも終わらせてしまう。
 ポインセチアほど苞の部分は大きくないが、そっくりな形の猩猩草(ショウジョウソウ)という一年草がある。ポインセチアと同じトウダイグサ科の北アメリカ原産の植物で観賞用に栽培されている。
 海上の森への道路沿いの家の植え込みの中で咲いている。気をつけて見ていると毎年場所が少しずつ違うので、こぼれた種で勝手に咲いているらしい。こちらの方がポインセチアより強靭で、姿も野趣に富んでいる。
 さて、トウダイグサ科の植物は、枝や葉を傷つけると白い乳液を出す。この液に毒性がある。口へ入れてはもちろんいけないし、皮膚に付くと水ぶくれや炎症を起こすので注意したい。
 余談だがポインセチアの名はアメリカ合衆国のメキシコ公使としてメキシコシティーに駐在しこの植物を最初に発見したポインセット氏の名前に因んでつけられた。

家具替えて序でにポインセチア買う       高田風人子
  点眼も日常となりポインセチア         金子兜太
  新刊書並ぶ丸善ポインセチア          山本華子

※写真は猩猩草です。
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12月句会の結果です。   遅足

2007年12月20日 | Weblog
題詠

①年の瀬やああ平成の施薬院(朱露)愚・亜
②煤逃げの飯食ふ早さ雨もやひ(静荷)狗
③何かしら忘れしままに年暮るる(立雄)能・麗・鳥・遅・晴・愚・亜
④銭こぼれ年末ジャンボの列乱す(狗)能・遅・立・静・愚
⑤電飾の消え裸木の天を刺す(愚足)静
⑥加速度に絡め取られて年の暮れ(麗子)鳥・晴・狗・郁
⑦年の瀬やレジ打つひとの付け睫毛(亜子)朱・麗・鳥・遅・晴・郁
⑧おのおのの昭和肴に年忘れ(晴代)朱・能・麗・立・静・亜
⑨年の瀬や犬と共食ホームレス(能登)
⑩あれもこれもハタキ倍速年の暮れ(郁子)朱
⑪あの世にも年の瀬の音星走る(遅足)立・狗・郁


自由題

①校庭につむじ風舞う師走かな(愚足)鳥
②鹿の影落葉に淡し荷(にない)茶屋(静荷)遅・愚・狗
③擦り傷に風呂の湯の滲む師走かな(亜子)鳥・静・愚・郁
④蜜柑投げどこまで落ちれば海へ着く(朱露)麗・遅・晴・郁
⑤漉きたての水したたりて紙清し (能登)鳥・立・晴・静・亜
⑥霧晴れて富士一望の湯槽(ゆぶね)かな(立雄)能・麗・亜
⑦城昏れて旧街道の冬木立(狗)立・晴
⑧風花を目で追うあなた薄化粧(郁子)朱・能・立・亜
⑨期すること五年連用日記買ふ(晴)朱・能・麗・遅・愚・狗
⑩ひときわにほこりが目立つ冬日和(麗子)朱
⑪雪女郎白の剥落して止まず(遅足)静・狗・郁

番外 ホンモノと説明の要る歳暮かな(能登)

   

次回は1月23日(水) 午後6時 安田屋
題詠は「新年」、新年に関する季語なら、どれでもOKです。


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忘年句会   麗

2007年12月20日 | Weblog
久しぶりの句会出席。今年一年を締めくくる句会で
改めておしゃべりの楽しさを実感できました。

     年の瀬やレジ打つ人の付け睫毛  

亜子さんの秀句は師走のレジで長い列ができている時の一こま。
この付け睫毛をどうとらえるかで盛り上がりました。
レジの仕事が終わってからの予定があるのでしょうか?
顔を上げるまもなく黙々とレジを打つ女性の睫毛だけが動く。

句会のあと隣のホテルでお茶をしたとき
郁子さんが最近の若い子は「付け睫毛」といわずに
「エクステ」というのだと教えて下さいました。
エクステンションを短くしてエクステ。
亜子さんが目を丸くされていたのが印象的でした。

ところで静荷さんが、最近は17文字でも多く感じ
12文字で十分と言われたことに何故か納得してしまいました。

    年の瀬や17文字を持て余し  麗
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