575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

炎天に足をもつもの持たぬもの   遅足

2010年06月30日 | Weblog
船団・南村ドクターの診断です。

「足をもつもの持たぬもの」は
チョット思わせぶりかもしれない。
しかし、意外なその語気の強さに、
森羅万象、夏の日盛り、燃えるような暑さには負けないぞ、
という気概を感じる。
(独断というか、印象批評になってしまったけれど)

   ありがとうございます。

 
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七月や「聖乃御代」を眺めつつ   朱露

2010年06月30日 | Weblog


      越前地酒「聖乃御代」二升入り菰被り。
      買うわけないし貰った覚えも全くなし。
      ヒジリノミヨに気を呑まれ側へ寄れぬ。
      私が居なくなったら誰が呑むのだろう。

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蓙で寝て敗戦の夏現われる     朱露

2010年06月30日 | Weblog

    暑い舗装道路にセーラーが倒れている。
    憲兵が二人うんざりして見つめている。
    セーラーがベンジョと叫んで垂れ流す。
    憲兵が私を見て恥ずかしそうに苦笑い。

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研ぎ師の技は冴えて  鳥野

2010年06月29日 | Weblog
包丁を新調したい人と、研いで欲しい人が折りよく出会って、それなら本場の「関」が手っ取り早い、と。
ついでに関近郊の温泉に一泊しょう、ということになり、市内の神明温泉に決めました。

手軽に市内でと選んだのに、そこは岐阜駅前からバスで2時間の旧板取村。福井県との県境近くでした。。
往路は直通でいいとしても、復路は刃物の関に出るのが大変。
地域バスを乗り継いで、一旦美濃市へ。そこからは長良川鉄道です。
連絡は悪く、運転本数は少ない。

マイカーだけが生命線の日常。地元で暮らす高齢者の苦労がしのばれます。

大回りはしたものの、目的は達成。文化財のような宿、行き届いたおもてなし、掛け流しの温泉、蛍、山菜料理・・・。
ようやく行き着いた「刃物会館」は品揃えがよく、研師の腕は冴え、さすが関の孫六の町でした。

  ・ 丹念に研がれしナイフで肉を切る束のま背なを過ぎる涼風

                         鳥野 



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トマトの味         愚

2010年06月28日 | Weblog
 トマトが好きだ。
 甘くもなく酸っぱくもなく、ただそれだけのものである。
 少年のころ夏になるとおやつはトマトだった。塩を振りかけてかじりつくとお腹が満たされた。スイカは、たまにしか口に入らなかったが、トマトはその時期母にたのべば何時でも食べられた。
 しかしその頃のトマトは皮が厚く、香りもきつかったと思う。

 今もどこかに行ってトマトを見かけるとついつい買ってしまう。
 確かにトマトの味や香りは薄くなったと思う。

  滝壺や冷やしトマトの一つ逃げ     草間 時彦

  楽しみの一つに朝のトマトもぐ     鈴木 花暎 
コメント (2)
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白鷺が水の眼をつつきけり   遅足

2010年06月28日 | Weblog
船団・星野ドクターの診断です。

水の眼が難解かもしれません。
水に映った白鷺自身の眼、
或いは水中の魚の眼、何かの水輪……。
けれども、白鷺がつついた所を
「水の眼」と断定したところに
この句の魅力があると思います。

静かな水面を白鷺がつついた。
作者はそこが「水の眼」だから、と言うのです。
そのように見ると、
白鷺の餌である魚を養っている湖(或いは池)
全体が一つの大きな生命体のように思われますね。

  (ありがとうございます)


        
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梅雨雲が切れて薄日の思わせ振り    朱露

2010年06月28日 | Weblog


     西の空は明るいが東の山は雲で見えない、
     と書いた途端に東の窓越しに朝日が差す。
     驚いて首を出すと雲の大群が東へ移動中。
     裏山で小綬鶏が「チョットコイ」と喚く。

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梅雨冷えや気落ちする種探しつつ    朱露

2010年06月27日 | Weblog


       しみじみ気落ちして梅雨冷えに浸りたい。
       気落ちの最たる原因は人間の悪意に限る。
       それも凄まじい悪意じゃなくセコい毒気。
       自分を含めニンゲンなるものが嫌になる。

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みごりごのみどりしたたるごとく抱く   遅足

2010年06月27日 | Weblog
船団の南村ドクターの診断です。

「み」「ご」「り」「た」「く」などの繰り返された語が
俳句定型に旨く収まっていて、
そのリズムが赤ん坊を抱くときの喜びを表している。

  (ありがとうございます。)

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昔裸足下駄靴草履全部無し    朱露

2010年06月26日 | Weblog


      昭和二十年の夏は裸足で暮らした。
      米兵どもが菓子を投げ拾って食う。
      日本人の大人どもが見つめている。
      六十五年前の横須賀の夏の思い出。

        (裸足が夏の季語)
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籐椅子で沈思黙考寝そびれる     朱露

2010年06月26日 | Weblog

    貧乏所帯に何故籐椅子があるか知らぬ。
    女房に聞けば分るだろうが聞く気なし。
    聞けば「天地創造」から語られるので。
    何故自分が此処に居るのか怪しくなる。

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ヤマビル 草女

2010年06月25日 | Weblog
 6月20日、草木探訪は郡上市の東殿山(とうどさん)で行われた。市役所の裏山で標高578mであるが、出発点が220mの標高であるから、たいしたことはない。
 梅雨の最中だから、雨の対策はバッチリ、虫よけのスプレーや痒みとめも用意した。今にも降り出しそうなであったが、私達は元気に出発した。しかし、ルンルンな気分はすぐにもう帰りたい気分に変わった。仲間の一人がヒルに襲われたからだ。
 幼い頃、田螺とりが好きであったし、採るのも上手であったが、ヒルがとても苦手で噛まれれば大騒ぎして、姉に取ってもらうまで一歩も動くことができなかった。
 草木探訪で以前熊野古道に行ったときの仲間の一人がヒルに襲われたことがある。その時の講師の話では血が止まらないとか、無理に引き剥がすとヒルの顎が皮膚に残り後がたいへんとか、地上から襲うだけではなく木の上からも襲うという怖いことばかり。幼い頃の思いでと重なりすっかりヒル恐怖症になった。以来ヒル情報があれば準備を怠らないようにしていたのに、今回は全くの無防備、恐怖のうえに恐怖が重なった。気が付けば左足首の辺りがむずかゆく、ズボンが血に染まっている。叫びだしたいのを堪え必死でヒルを剥がした。少し冷静さを取り戻して思えば、被害は左のみ。
その朝右足首が痛くしっかり湿布がはってある。ヒルは湿布の匂いが嫌いらしい。
やっと安全な場所に辿り着き左にも湿布を貼り、以後噛まれることはなかったが、恐怖はきえない。私も含めて5,6人は植物観察を投げ捨てて一目散に下山した。

  それから2日たっても元気がでない。噛まれたのは3か所で後遺症があるわけではないのに、なんにもしたくないのだ。

 「ヤマヒル研究会」というホームページ覗き、ヒルの顎が皮膚に残るだの頭上から襲うだのは伝説であり、どのように対処すればよいか、またヒルの生息地も詳しく載っている。それほど怖がる必要はないことが分かったが、どこへも行きたくない気持ちはまだあり、元気がでない。
 ヒルは鹿などの大型動物に付いて移動し、生息地域をひろげる。鹿がいる処にはヒルがいると思っていい。猟友会の人々の高齢化も鹿が増えている一因だそうだ。現在、愛知県には鳳来山だけにヒルがいる。海上の森にはいないが、いずれはやって来るかもしれない。覚悟をしておこうと思っている。
 因みに幼い頃に水田にいたのはチスイヒルで淡水域に生息し、魚などから吸血する。今回のヒルがはヤマビルで林の湿った処で生活している。
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断捨離    麗

2010年06月24日 | Weblog
先日テレビのワイドショーで「断捨離」(だんしゃり)という言葉を知りました。
ヨガの精神で、物への執着を捨て今の自分にいらないものは
思い切って捨てるという考えを指すそうです。

以前句会でも物を捨てると思い出も忘れてしまうという
遅足さんのありがたい言葉に救われた覚えもありますが
やはり物がいつの間にか増えてしまっています。
思い切って「断捨離」の
言葉に乗せられていらない物をゴミにだしました。

いつもの収集日よりゴミの量が多い気がしました。
皆触発されたかな?まだ使えるけど捨てるというのは
いつか罰があたりそうでついついしまい込んでしまうのですが
整理するおちょっとすっきりした気持ちにもなりました。

梅雨時に断捨離。
新たな消費を作る作戦だったりして。。。
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棋譜並べ時の過ぎゆくまま崩す    朱露

2010年06月23日 | Weblog

       この句は季語になじまないので無季。
       時の過ぎゆくままは、カサブランカ。
       バーグマンとボガートの大人の悲恋。
       十代の時と先日観たので無駄だった。

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梅雨湿り黄色人種寝苦しく    朱露

2010年06月23日 | Weblog

   中国・朝鮮半島・日本独特の雨期、
   と「角川文庫版歳時記」にもある。
   この梅雨が黄色人種の根性を作る、
   というようなことは書いてないが。

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