575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

イチゴの言い分   鳥野

2013年12月31日 | Weblog
クリスマスが過ぎ、明日からはお正月。家族で仲
間で、楽しい集いが続きます。
そんな時の景物の一つが「イチゴ」
生クリームと重ねてショートケーキに、フルーツ
と取り合わせて、デコレーションケーキに。
純白と赤の取り合わせは、慶祝の色。その上に美
味絶妙とくれば、この時期堂々とテーブルの主役
です。

ところが、座り心地のよくない「イチゴ」。季語は、
あくまでも「夏」なのです。
出荷量、取引金額が、抜群といえども、その座は譲
れません。

クリスマスケーキ、聖菓など、相応しい季語を駆使
して、イチゴを偲ぶことに。

 ・ あれを買いこれを買いクリスマスケーキ買う

                   三村純也
 ・ 層見せて聖夜の菓子を切り分けつ
 
                   橋本多佳子

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冬枯れや彗星未知の振舞す    静荷

2013年12月30日 | Weblog
冬の夜空を余り見ませんが、何か遠い世界を想像します、と結宇さん。

冬の夜空は透き通って天体観測には最適。
話題となったアイソン彗星を詠んだ句でしょうか。
11月29日、太陽に接近しすぎて消えてしまいました。

身近な太陽系すら人知の及ばぬ世界です。
それを「未知の振舞す」と捉えました。
どこまでもどこまでも広大な宇宙。
その果てはどうなっているのでしょうね?

身近な人間の振舞も謎に満ちている、という声も。

                 遅足

今年もあと二日。
昨日、猫にやられたのか、傷ついた鳩が庭に。
今朝見たら庭の木蓮の枝にとまっています。
無事、年を越せるといいのですが。



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冬枯れや無人の駅の伝言板      亜子

2013年12月29日 | Weblog
なんと書かれていたのか。過疎の駅の旅情ほのぼの、と鳥野さん。
名残おしさを描いたところでしょうか。少し、心残して、と結宇さん。
冬枯れと伝言板という取り合わせの妙、と立雄さん。

映画のト書きのような句です。

  冬。無人になった駅に、伝言板が残されている。

そこには何かが書かれているのか?
短い俳句は何も答えてくれません。
どんなシーンにするのかは、読者にゆだねられています。
短歌なら七七の十四文字を付け加えることが出来ますが。
言わぬが花でしょうか。

俳句は「もの」に語らせる、というセオリーのお手本のような句ですね。

                         遅足


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サラマッポ。パアラム。        遅足

2013年12月29日 | Weblog
12月11日。

右舷に紀伊半島。左舷に四国。船は紀伊水道を北上。
7時ころに太陽の顔をみる。
昨日の時化は止み、波も静か。
冬の海上は寒い。一周440米の甲板をジョギングする人も。

航海の途中で何人かのご夫婦と顔見知りに。
そのなかの一組。豊田市で長年、家電の小売店を経営。
10年ほど前に思い切って廃業。
奥さんの故郷、富山市に転居。
以後、毎年のように飛鳥の旅を楽しんでいるとのこと。
「来年は来られるのかな?」と笑顔で。

多くの方は退職後の旅を楽しんでいらっしゃる様子。
もちろん中にはまだまだ現役。周囲の人には内緒という人も。
職業としては、お医者さんが多いとのこと。
総じて女性の方が元気で個性的でした。

一度、風邪を引きましたが、大事には至らず。
午前9時、大阪港に入港。下船。

すてきな奥さんと普通の夫の船旅は無事終了。
海遊館を見物して帰名しました。

お世話になったみなさん、サラマッポ。
パアラム(さようなら)。
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冬枯れの穂先ひかりをやわと受け   晴代

2013年12月28日 | Weblog
穂先のゆれる様が浮かびます、と結宇さん。

先日、東山の森へ散歩に出掛けました。
木々はすっかり葉を落とし、草は枯れて寂しい風景でした。
芒の原っぱには一面に白い穂・・・
光を受けて浮かんでいるように見えました。

作者の見たのは一面の狗尾草だったそうです。
冬枯れのなかに暖かさを発見した句ですね。

光を詠んだ句はいろいろ。
晴代さんは、穂が光を「受ける」と捉えました。

光を「ためる」「こぼす」
光と「あそぶ」
光が「洗う」「集う」

など、様々に光と遊べそうですね。
                     遅足

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波の穂の頭くだけて虹の立つ風神の子の駆けてゆくらん     遅足

2013年12月28日 | Weblog
12月10日。終日航海。

昨日の雨はあがり、朝から晴れ。船は横揺れ。

風速30米で強風警報。波の高さは3~4米。
船はうねりに揺れる。波がぶつかる音が船体に響く。
しぶきが甲板をうち、外出禁止。

日本は春と秋の前線。夏の台風。冬の北風。
四季、風の神に守られた国とは、船長さんのお話。
元寇のことを思い出す。

船が種子島の東を北上するに連れて気温は低下。
冬の日本に帰ってゆく。

夕食のドレスコードはフォーマル。
男性は、ダークスーツ、タキシード、紋付羽織など。
女性は、イブニングドレス、カクテルドレス、和服(留袖・訪問着)に。
女性の和服姿はなかなか良い。

船内の映画館で、映画「ミッドナイト・イン・パリ」を観る。

早く就寝。オヤスミナサイ。
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冬枯れや受け入れること教えられ   麗子

2013年12月27日 | Weblog
新緑から夏の緑、秋の紅葉から冬へ。
草木は枯れ果てて、やがて土にかえります。寂しい風景です。

しかし冬枯れの庭をよく見ると・・・
植物は冬芽を育てて、春への準備を終えています。
草木はきびしい冬を受け入れているのです。

人生にも冬はあります。冬枯れの景気を見ていると・・・
受け入れようという気持ちになりました。

俳句には、気持ちをストレートに表現するものと、
景色に心を託す詠み方があります。

草木が冬を受け入れている姿を描くと
どんな句になるのでしょうね。

                     遅足

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風強く波白く立つ海峡に激しき雨の橋は架かれり    遅足

2013年12月27日 | Weblog
12月9日。

目覚めると、左舷に奄美大島、右舷に加計呂麻島。
狭い海峡を船はゆっくりと進んでいる。
午前8時半、古仁屋沖に投錨。

11階のラウンジで、町長さんたちが歓迎のセレモニー。
古仁屋ではマグロの養殖が盛ん。
まるまる一匹を調理して歓迎します、と挨拶。

本船のテンダー・ボートで上陸する人も多い。
午後の加計呂麻島観光に備えて自重。
ところが昼近くなって風、雨ともに強まる。
船長さんの判断で加計呂麻島観光は中止に。
一歩も上陸することはなかった。

加計呂麻島は、昔、大日本帝国海軍の基地があったところ。
作家の島尾敏雄の小説の舞台にも。
また寅さんシリーズの最終作のロケ地。
残念。

午後4時半 抜錨。大阪港へ。 
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クリスマスの思い出  麗

2013年12月26日 | Weblog
昨日はクリスマスでした。
子供の頃、クリスマスの朝、我が家ではなぜか家の外にあるものおきにプレゼントが届くのでした。普通は枕元かツリーの下ですよね。
寒い冬の朝、兄と早起きして物置にでかけてお菓子のいっぱい詰まった「クリスマスブーツ」を見つけ「あった~あった」と二人で大声で喜んでいたことを思い出します。以前、そのことをブログに書いたら朱露さんが「キリストが物置に置くプレゼント」という俳句を作ってくれました。

さて、私のうちには10歳くらいまでサンタさんが来てくれていました。そのころはもう引っ越しをしていて物置はなかったのですが毎年何かのプレゼントとサンタさんからのお手紙がついていました。
ある年、私は「ピアノが欲しい」と毎晩サンタさんにお願いしていました。ピアノのお稽古に通い始めたのですがそのころうちは家が狭くてオルガンしかなかったのです。

そしてクリスマスの朝目覚めると。。。枕元にはなんと!!ピアノ曲のレコードが置いてありました。そしてサンタさんからの手紙によると「ピアノは重くて運べないのでレコードにしました」とのこと。その手紙の文字がなんだか母親の字ににているなあと気づいたころからなぜかサンタさんは来てくれなくなってしまいました。

それでもそんな風にいつまでもサンタクロースの存在を信じられていた私は幸せだったと思います。当時の我が家のクリスマスツリーは30センチくらいの小さなもの。今のように華やかなものではなくて飾り付けも地味でした。雪に見立てて綿を乗せるというしろものでした。それでもイヴの夜は家族そろって父親が買って来たケーキを食べて嬉しかったものです。

その後大学時代は80年代のバブル全盛期。クリスマスはカップルのものになり、家族や一人で過ごしてはいけないような浮ついた雰囲気もありました。あの盛り上がりは一体なんだったのでしょうか?

あれから30年。48才になった今はすっかり落ち着き、チキンは焼き鳥へ、シャンパンは焼酎に変わってしまいました。ケーキもホールでなくショートケーキでいいとなってしまい、今年はついにあと片づけが面倒になってクリスマスツリーを出さなかったのです。
クリスマスの過ごし方って本当に年齢によってかわって来ますが、一年の感謝を込めて親しい人の顔を思い浮かべてプレゼントを選ぶという気持ちだけは忘れないようにしたいと思います。
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古戦場は戦争の悲劇を伝える歴史的遺産?    遅足

2013年12月25日 | Weblog
「長久手市民は戦争の悲劇を後世に伝えるため、
古戦場を歴史的遺産として大切にしてきました。」

古戦場とは秀吉と家康・信雄の連合軍が戦った
小牧・長久手の合戦。

この文章を読んで違和感はあるでしょうか?

長久手市が核兵器廃絶を目指す「平和首長会議」に加盟。
非核平和都市宣言を作成、議会に図ったところ・・・
この議員さんから異論が続出。
「400年前のいくさと現代の戦争では次元が違う」など。

市は原案を取り下げて文案を再検討することに。

今朝の中日新聞の小さな記事です。

関ヶ原の古戦場へも行ったことがあります。
しかしそこで戦争の悲劇を感ずることはありません。
議員さんたちの違和感もよく分かります。

再び、しかしです。それで良いのでしょうか?
市はどんな文案にするのでしょうか?




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常夏の光差し込む雲間より束の間覘く眼ありけり    遅足

2013年12月25日 | Weblog
12月8日、 終日航海。
 
曇り。風速5米、波の高さ2米。少し揺れる。
船内放送で船長の朝の挨拶とお話を聞く。
入港する時に街にお尻を向けるのは失礼という考えもあるとのこと。
飛鳥の船長さんは緊急事態に一番よく対処できる様に停泊。
つまり一番早く出港できる態勢で。

廊下に出るとメイドさんと挨拶。
マガンダン・ンマガ・ッポ(おはようございます)。
挨拶をかわすうちにお互いの笑顔が深まる。

午前は「姿勢と呼吸」について健康セミナー。
姿勢が悪いので聞きに行く。
猫背は呼吸にも悪影響とのこと。
背筋を伸ばす。
昼食。

  十二月八日のなめこ卸し蕎麦右舷に渡名喜島は過ぎゆく

午後は、内館牧子さんの講演を聞く。
「横審の魔女と呼ばれて」という演題。
審議委員になって大学に入学、相撲を勉強。
神事・伝統文化・興行・スポーツの4つの側面があり、
伝統をどう守っていくのか?
難しい決断を迫られることもあるとか。

夜はりんけんバンドのショー。

ちょっと揺れている。揺り籠と思って就寝。
  
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冬枯れの明るい山道ひとりゆく   能登

2013年12月24日 | Weblog
冬枯れという上五のさみしさを
明るい山道という中八が裏切ってゆく。
この句の魅力は、この辺にありそうです。

万緑だった山も、木の葉が落ち空が広く明るくなります。
しかし、どこか寂しい山道をひとり歩いていく人。

同じ作者の句。
 
  桐一葉宣告余命残し逝く

親しい知人が亡くなられました。
山道をゆくのは、この方の後ろ姿かも知れません。

                      遅足

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陸にある漁船の下に日差し避け男二人が泡盛を酌む   遅足

2013年12月24日 | Weblog
12月7日。
曇り。午後、雨の予報。

奥さんは西表島のツアーへ。
船内をぶらぶら。メイドさんは船室の掃除・整頓。
船首の甲板ではフィリッピン人の男性2人がパソコンを操作。
ふるさとにメールを送っているのだろうか・・・

岸壁には、海上保安庁の巡視船「よなくに」と「はてるま」が停泊。
尖閣列島をめぐる中国船との神経戦の疲れを癒しているのだろうか?
本土のテレビからは、尖閣の様子が消えていったが、
沖縄のテレビではきちんと報道されているとのこと。

  一面のトップに秘密保護法案成立と八重山毎日新聞

お茶を飲みに寄った食堂に置いてあった新聞。
「視野は世界、視点は郷土」という編集方針とのこと。
飛鳥の入港の記事も。市長さんの表敬訪問。乗客は700人と。

漁港から街の市場に回る。記念にミンサー織を買う。  
ミンサー織の模様には、■が5つと、4つ。
「いつの」の「世」がかけてあり、
いつの世までも末永く、という願いを込めたものとか。

午後5時、石垣島出港。

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12月1日から9日の間に新しい記事があります。

2013年12月23日 | Weblog
私が留守にしていた12月の上旬に新しい投稿があります。
麗子さんのものです。なかなか面白い記事です。
是非、ご覧になって下さい。          遅足
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師弟の句が並んで   鳥野

2013年12月23日 | Weblog
阿蘇は情熱の山。長径20キロという、世界最大級の
カルデラを抱き、マグマは流動を続けています。

何時噴火するのか、有毒ガスを吹き上げるのか。警戒
レベルを5段階に分けて、監視は厳重。
阿蘇へと「やまなみハイウェイ」を走っている間にも、
防災訓練中の車列に出会いました。

幸いこの日は中岳のロープウェイも動いていて、火口
近くまで立ち入り可。それでも吹き上げるガスは不気
味で、早々に大観峰へ向かいました。

徳富蘇峰の命名、というこの展望地は阿蘇五岳は勿論、
外輪山の勇姿から、九重の山並みも一望。釈迦涅槃に
譬えられる五岳の景は一際くっきり。
頭のあたりか、根子岳の稜線が面白い。

付近には、歌碑、句碑、文学碑も数多で、なかでも師
弟の句を石の一面に刻んだ碑は珍しいものと見ました。

 ・ コスモス寒く阿蘇は暮れずある  荻原井泉水

 ・ すすきのひかりさえぎるものなし 種田山頭火
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