575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

一本の辛夷の落花拾う朝   朱露

2007年03月31日 | Weblog

   猫額の庭で辛夷の花が散りまくるこの時、
   5時起床の私、片っ端から白い花を拾う。
   「白いクセにキタねえ花だ」とボヤいて。
   茶色化する姿が忍びないおセンチジジイ。

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折り紙・ブラボー   鳥野

2007年03月30日 | Weblog
パリのオペラ座で、団十郎さんらの大歌舞伎が上演中。演目は「勧進帳」ほか。
難解な所作もフランス人は理解できたらしく、「トレビアーン」。

女性の観客の1人はインタビューに答えて「衣装がまるでオリガミのように美しかった・・・」(中日新聞・24日)と言っていました。

歌舞伎に感激し、折り紙を連想する、なんと素敵な感性でしょう。

両方ともが日本を象徴する美であり、いずれ劣らぬ憧れであるらしい。

言われてみれば、折り紙は美しく、みやびな造形です。
平安時代の儀礼折紙に始まり、延々と受け継がれて、今では、目を見張るような、創作折り紙も生まれています。
外国にも「はばたき鳥」などの紙細工はあるにはあるものの、比べるのは無理。

当方は、鶴の一点張り。俳句では、折り紙や千代紙が、どのような季語を従えて登場するのでしょうか。


  ・ ザラ紙を対角線より折りゆきて鶴となるころ色冴えはじむ    鳥野
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桃の花  麗

2007年03月29日 | Weblog
桜の花に目が行くこの頃ですが当地は桃の産地。
ピンク色のつぼみがふくらみ日当たりのいいところでは桃の花が咲き始めました。
桜ははかなくちょっと淋しい気持ちにもなりますが
桃の花は陽気でその明るさが大好きです。

春。
新しいことが始まったり環境が変わったり、
不安な気持ちを抱くことが多いのですがいつも桃の花に励まされています。

       新しきこと始まるや桃の花   麗
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蝶々   遅足

2007年03月28日 | Weblog
蝶といえば春の季語。
初蝶は、3月入って初めてみかける蝶のことで、
モンシロチョウや黄蝶など小型なものが多い。

 初蝶来(く)何色と問ふ黄と答ふ  虚子

誰に答えたのでしょうね。
書いてないから自由に想像できます。
夏になれば、やや大型で鮮やかな柄の蝶が増えます、「夏の蝶」
秋は「秋の蝶」、そして「冬の蝶」、寒さにじっとしている様子は「凍蝶」
俳人は一年中、蝶から目を離すことなく、楽しんでいるようです。

日本には230種類ほどの蝶が生息しており、
台風などで迷子になって日本にやってくる蝶もいるとか。
アサギマダラという蝶は秋に海を渡って東南アジアまで旅をします。
(写真はアサギマダラ・八ヶ岳山麓です)

やはり春を告げるように現れる初蝶には心ひかれるものがあります。

 初蝶や連れは寡黙な夫がよし  国見敏子

先日、庭の一隅からモンシロチョウが飛び立ちました。
初蝶です!
しかし、目の前で、あっという間に、ヒヨドリに食べられてしまいました。
白い羽が一枚、静かに散っていきました。

胡蝶の故事を思い出しました。
ある男、胡蝶になった夢を見ました。
夢で胡蝶になっていたのか、胡蝶が夢を見ていたのか?
というもの。

 初蝶のなお飛んでいる夢の中  遅足



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ひと滴ごとの点滴春きざす   江本絵門

2007年03月27日 | Weblog

中日俳壇に江本さんの句が載っていました。
一滴一滴と落ちる点滴液。
病気は、少しづつ快方に向かっている。
春きざす、という季語がよく効いています。

この句は「ひと滴ごと」というフレーズがとても良いと思います。

                     遅足
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ミモザ              草女

2007年03月27日 | Weblog
 最近、花屋さんで「ミモザ」として売られている植物がある。
 今花盛りで(写真)少し気をつけて見ると、家の庭や公園に結構咲いている。大変鮮やかな黄色がこんもりした花だからすぐ分かる。葉は細かく銀緑色でこれも美しい。しかし、これは植物学的にはミモザでなくて「アカシア」である。
 一方、ニセアカシアまたはハリエンジュと言われている白い藤のような房の花をつける樹を「アカシア」と呼ぶことも多くて混乱している。
 花屋さんはそんな混乱を避けるためか、「ミモザ」と称してアカシア類のアサアカシア、ギンヨウアカシア、サンカクバアカシア等の花を売っている。
 本当の「Mimosa」はマメ科オジギソウ属の植物の学名である。いっぽう「アカシア類」はマメ科アカシア属の植物である。花一つだけを取り出してみると、オジギソウとアカシアはよく似ている。しかし、私としては疑問の残る名称である。
 さて、アカシアであるがオーストラリア原産でオーストラリアの国の花になっていて、熱帯地方に広く分布している。わが国では気温の関係で関東以西でないと育たない。が痩せた土地を肥やし、成長が早く花も葉も美しいので植樹に利用されている。
 この辺りでは定光寺緑地の南側の緑地に数種類のアカシアが植えられている。戦後荒廃した山を回復させるために導入されたものだ。
 人々は植物の特性を生かして利用してきた。が、植物側から見ると、そうした人間の営みのおかげで分布を拡げる事が出来たのだと思う。
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お魚俳句のクイズで一杯       愚足

2007年03月26日 | Weblog
 遅足さんの鰆のお話しに刺激されて、旬で美味しいお魚の俳句クイズを皿に盛りました。
 ツマミにしていただければ幸いです。

 次の句の○○○に当てはまる魚を選択語からお入れください。

 ① 瀬戸内の空青ければ○○○打つ          磯貝碧蹄館
 ② ぢぢばばら○○○曇を今もかな          千葉 仁
 ③ 子どもにも釣れているなり花○○○        森 澄雄
 ④ ○○○の子己が濁りにかくれけり         五十崎古郷
 ⑤ 海荒れて膳に上るは○○○かな          高浜虚子
 ⑥ こまごまと串にし○○○焼けるかな        野村喜舟
 ⑦ 吸い物も○○○さしみも○○○哉         正岡子規
 ⑧ 藍凝って銀を生ずる○○○かな          松根東洋城
 ⑨ 凍○○○千畳なすを競り尽くす          鷹羽狩行
 ⑩ 道さむく量りこぼしの○○○踏む         阿波野青畝

  ア鱸   イ鮪   ウ鰹   エ鰊   オ鰆   カ鰯

  キ鯰   ク鰍(かじか)   ケ魦(いさざ)   コ魚成(うぐい)

 ヒント・・・キ、ク。ケ、コは淡水魚。オは昨日の遅足さんの投稿。 
       魚の季は、エ、オ、コは春です。 ケは昔琵琶湖などで大量にとれました。


       face_yoka/}
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小肥りと細見の二人鰆焼く   若山鈴子

2007年03月25日 | Weblog

鰆は文字通り春が旬。
鰆は、そのスリムな胴体から「狭腹」という意味だそうです。
産卵のために日本沿岸や瀬戸内海にやってくるそうです。
出世魚で、関西では、さしご→やなぎ→さわら、と、名前が変わります。
しかし、この時期は産卵を前にしていているので、
脂の乗りは、いま一つ、秋から冬に獲れた寒鰆のほうが美味しいとか。
漢字で鰆と書くと、いかにも春といった感じがしますね。

 一匹の鰆を以ってもてなさん  虚子

こういわれると春をまるごとプレゼントされたみたい。

句は八事福祉会館の俳句の会で出会ったもの。
老いのふたり暮らし。ご主人は88歳。魚好き。
買い物も一緒で、鰆を買った。
ご主人はこの日は、鰆を焼くために、厨房に入ったそうです。


以前は日本の近海でも、沢山獲れましたが、
いまでは東シナ海が主な漁場となっているといいます。
我が家では西京漬けの鰆がよく食卓にのぼります。
たまには一人で夕食の支度も。

 妻遠くある空の下鰆焼く  遅足


さて春を呼ぶ魚は多いですが、歳時記にある「春告魚」

                                 (遅足)






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草の芽や人の子何が何とやら   朱露

2007年03月24日 | Weblog


   草の芽の未来ははっきりしているけど、
   人の子は、特に日本の子はどうなるの?
   何が何して何とやらと虎造風にうなる。
   タミフルを飲まされて飛び降りる子供!

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お花見はいつ     鳥野

2007年03月23日 | Weblog
ようやく、サクラが咲きます。
気まぐれな天候にもてあそばれて、右往左往。いいかげんにしてよね、のサクラでした。

花と言えば即ち櫻、というほどに愛されているこの花。詩歌や句に数知れず登場しています。

かっては国策に引きずり出されて、若櫻、同期の桜、櫻に錨、などと勇者のシンボルにされたことも。
再びの、あんな時代はマッピラです。

   みどりごのてのひらさくらじめりかな  野中亮介

   谷川の音天にある櫻かな  石原八束

     ・ これ以上咲く術なしとさくらばな飛翔の容ととのえて待つ

     ・ 見の限りの桜の色のただなかに白き道生る風とおるらし
                                 
                                 鳥野
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うぐいす

2007年03月23日 | Weblog

先日、名古屋の街中に住んでいる母が
今年は庭にうぐいすが来たと喜んでいました。
母が鶯に特別な気持ちを持っているのは、
大病を患った時、医者から「うぐいすが鳴くころには良くなりますよ」
と、言われ、言葉通りに回復したことも大きく関係しているようです。
最近では、余り声を聞かなくなっていたので、特に嬉しかったようです。

 我病んで鶯を待つ西枕  子規

鶯の早春から鳴き始めるのを「初鳴き」。
これはアナウンサーがマイクの前で第一声を発する時にも使われます。
チャッチャッチャッという地鳴きは「笹鳴」といって、冬の季語。
また囀りから地鳴きに変わると、「老鶯」「鶯老いを鳴く」と言って
夏の季語だそうです。

 鶯や餅に糞する縁のさき 芭蕉

鳴き声でなく、こんな鶯を詠んだ芭蕉さん、ちょっとへそ曲がりですね。

    

母は、春になるとよく里に帰っていましたが、90歳になって、
まだまだ寒いと、鶯が鳴いても帰るのを、先に延ばしています。

 鶯や母にふるさと遠くなり  遅足





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海を越えて   麗

2007年03月22日 | Weblog
週末に2泊で台湾へ行って来ました。世界一高い101階建ての高層ビルや
おしゃれなブランドが入ったショッピングモールと開発は進んでいますが
日本より格差が広がっている気がしました。

夜市というのがあり、そこは地元の台湾パワー爆発。
食べ物を売る屋台が軒を連ね
縁日と物産展をごちゃまぜにしたお店が延々続き、まっすぐ歩けません。

また玉市というものもあり週末に高架下で開かれます。その物量に愕然。
台湾で玉というとひすいを指すそうでお守りとして持つ人が多いとか。
でもまさに玉石混交でどんなものがいいのかよくわかりませんでした。

年配の男性ドライバーの方の日本語のうまさに複雑な思いを感じました。

        海を越え今なお残る言葉あり   麗

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京都の春は寒い  遅足

2007年03月21日 | Weblog
今日はお彼岸。
俳句では「彼岸」といえば、春の彼岸のことだそうです。
(秋は秋彼岸)

お彼岸といえば正岡子規の句

 毎年よ彼岸の入に寒いのは

先週、京都に行ってきましたが、18日がその彼岸の入り。
朝、雨にまじって雪が・・・
比叡山から東山にかけて雪化粧でした。寒かった。

  

京都の春は寒いと感じたのは私ばかりではありません。
あの夏目漱石もそうでした。
明治40年の3月の今頃。
下鴨神社の糺の森近くに宿泊した漱石。
朝の冷え込みがよほど身にこたえたらしく
「京都はよくよく人を寒がらせる所だと思う」
と、書き残しています。

 旅に寒し春を時雨れの京にして  漱石

旅の終わりに詠んだ句です。
(俳句で歩く京都・坪内稔典より)

下鴨神社には母親と連れ立った卒業生の姿。
また写真の糺の森は、ちゃんと春の気配。

 

雪も止み、太陽が顔を見せました。
鴨川を下って五条橋まで、ゆっくり歩きました。

 ここからは春の川なり五条橋  遅足



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サクラバハンノキの花        草女

2007年03月20日 | Weblog
 海上の森を万博会場にという計画が持ち上がったとき、反対運動の主要因の一つがこのサクラバハンノキのの存在だった。
 カバノキ科ハンノキ属の樹木で湿地などにまれに生え、見つけることは困難と図鑑にある。ところが海上のもりにはかなり多くあって、丁度今は花の時季。
 穂になって垂れているのが雄花、紫赤色で四五個固まって付いているのが雌花。派手な花ではないが、早春に咲くので目立つ。
 さて海上の森は万博のおかげですっかり有名になった。が 森として安定していた時代は少なかったようだ。森の木々は古い時代から燃料として使われてきたし、戦時中にはほとんどの木が伐採された。しかし戦後生きるのも困難であった時代に人々は森の復興を計った。土地を肥やし成長の速いヤシャブシ等ハンノキ属の樹木が植えられた。サクラバハンノキがその時の一つなのか、自然発生なのかは分かっていない。
 森の価値について原生林が良くて、手が入っている森は価値が低いと言う人がいるが、そんな評価基準は私には無い。海上の森を歩くと実に様々な植物に出会う。
 木も草も豊富である。従って昆虫も鳥も多い。またイノシシ、キツネ、タヌキ、リス、ウサギ、ムササビが生息している。
 いわゆるお花畑はないが、色々な花にも巡り会える。人々が植えた植物は一部であとは森が再生したのだ。鳥や虫、風などの力を借りてこんな豊かな植生を作り上げるなんて植物の力ってすごい。海上の森を歩く度にそう思っている。

※写真はサクラバハンノキの花
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京都 花灯路

2007年03月20日 | Weblog

京都に行ってきました。
写真は「花灯路」のイベントのひとつ。
円山公園にあったもので、大学生の作品です。
貼り付けてあるのは、レモン。
一番の人気作品でした。

この花灯路は、今年で5年目だそうですが、
新たな京の冬の風物詩として、結構、観光客が来ていました。
花灯路なんて上手な命名ですね。

                   遅足





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