先日、名古屋の街中に住んでいる母が
今年は庭にうぐいすが来たと喜んでいました。
母が鶯に特別な気持ちを持っているのは、
大病を患った時、医者から「うぐいすが鳴くころには良くなりますよ」
と、言われ、言葉通りに回復したことも大きく関係しているようです。
最近では、余り声を聞かなくなっていたので、特に嬉しかったようです。
我病んで鶯を待つ西枕 子規
鶯の早春から鳴き始めるのを「初鳴き」。
これはアナウンサーがマイクの前で第一声を発する時にも使われます。
チャッチャッチャッという地鳴きは「笹鳴」といって、冬の季語。
また囀りから地鳴きに変わると、「老鶯」「鶯老いを鳴く」と言って
夏の季語だそうです。
鶯や餅に糞する縁のさき 芭蕉
鳴き声でなく、こんな鶯を詠んだ芭蕉さん、ちょっとへそ曲がりですね。
母は、春になるとよく里に帰っていましたが、90歳になって、
まだまだ寒いと、鶯が鳴いても帰るのを、先に延ばしています。
鶯や母にふるさと遠くなり 遅足