575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

寒明けて開かずの箱を開けてみる     麗子

2012年02月29日 | Weblog
一読して気になる、開かずの箱。
一体、何がしまってあるのでしょうか?
具体的なモノではなく、こころの隅にしまってある秘密でしょうか?

寒が明け、空気もゆるんできた今日。
開かずの箱のことが気になってきました。
開けてみようか・・・・

秘密めいた句ですが、A音が明るい調べを作り出しています。
箱のことは、あまり詮索せずに、句を楽しむ方がよいのかも。

                       遅足



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春雨や人も車も土も木も     朱露

2012年02月29日 | Weblog
    朝七時二階から雨の下界を見下ろす。
    多米へ来て三十数年経ってしまった。
    奈良時代の寺と私の家しかなかった、
    というのは嘘だけど心理的には本当。

              


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寒明けて酒冷やで飲む心意気   朱露

2012年02月28日 | Weblog
身にも心にも沁みる銘酒、コップ酒がお似合い、と鳥野さん。

三河に住む朱露さん。さらに細かく言えば、昔の「穂」の国の住人。
穂といえば稲穂。お酒もなかなか美味しいとのこと。
お好みは、奥三河の銘酒・蓬莱泉かな?

血圧の高い冬場、お酒は良いんでしょうか?
まったく飲めない私には、判断しようがありません。
健康に注意して飲んで下さい。
                      遅足

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血圧が上がりたがりて春寒し    朱露

2012年02月28日 | Weblog
     原因不明の本態性高血圧症と診断。
     この世に原因不明なものなどない。
     自己診断では朝から頭へ来るから。
     何故来るのかそんなこと言えるか!



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寒牡丹それぞれ   鳥野

2012年02月27日 | Weblog
旧聞です。
まだ、季が冬だったころの、ある句の集まりで、

 ① 寒牡丹この寒いのに咲かされて

という句が、出されました。

かなりの点が入つたのですが、下五を「咲きたがる」にしては、という
アドバイスがありました。つまり

 ② 寒牡丹この寒いのに咲きたがる

となります。

二つの句とも、言い得て妙。秀句です。

その上にそれぞれの、説明を聞いて、作品の奥深さに打たれました。

①の句は、ある有名な庭園の牡丹を見ての句。丹念に手入れされ、寒さを避けて、
あでやかに咲き、見ごろを迎えました。

②の句は、寒風と低温に耐えて、凛然と咲いた野生児を見ています。

二つの花の生い立ちや性格までを見据えて、十七文字で表現するという俳句。
その力を改めて知らされました。








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便りには旅への誘い寒明けり   静荷

2012年02月27日 | Weblog
電話からメールへと時代は便利になってきましたが、
やはり手紙を頂くのは嬉しいものです。
どんな用件の便りだったのでしょうね。
込み入ったものだったのでしょうか?
まるで、「寒」のように、なかなか氷解しない問題でしょうか?
でも、そんなに複雑ではなさそうです。
一件落着したら、一緒に旅に行きませんか?
最後に、追伸のように旅の誘い。
作者は、そんな旅の誘いに心弾ませているようです。

                      遅足

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朝倉川鷺鯉狙い山笑う    朱露

2012年02月27日 | Weblog
  豊橋多米の山裾を四季を通じて歩く。
  川幅数米の急流だがドラマが隠れる。
  白鷺の夫婦が一匹の黒鯉を集中攻撃。
  人間の老夫婦は唯呆然と眺めるだけ。

             



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寒明けの色にステンドグラスあり  遅足

2012年02月26日 | Weblog
寒明けの街には、さまざまな色がある。
それは、まるでステンドグラスのような鮮やかさ。
実際のステンドグラスを詠んだのではなく
街の色を詠んだ、という晴代さん。
 
句を超えた読み。ありがとうございます。
その読みに近づくには・・・

  寒明けにステンドグラスの色ありぬ   遅足

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春暁や団地プレハブ寝静まる    朱露

2012年02月26日 | Weblog
    早起きの老人は毎朝上の風景を見る。
    プレハブは組み立て工法による住宅。
    団地を知らない人は現代人ではない。
    私ら夫婦は子供が居ない頃現代人だ。

              


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寒明けの口許ゆるむ野の仏    亜子

2012年02月25日 | Weblog
何時も無表情な野仏様も春をお待ち兼ねでした、と鳥野さん。
実際、石仏の口許がゆるむことはないでしょう。
しかし、そう感ずる確信のようなものがあります。

人間は目とともに脳でものを見ているそうです。
とくに言葉を手にしたことから、その世界は大きく広がってきました。

俳句を詠むという作業は、言葉で世界を見る、と言い換えても
そんなに間違っていません。

この句の魅力は、寒明け、という言葉が持っている魔力でしょうか?

                        遅足

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如月の茶菓子コンビニで少し買う     朱露

2012年02月24日 | Weblog
    如月の読みはキサラギで陰暦の二月。
    「生更ぎ」のことで草木の更生の意。
    醤油センベイと飴とチョコで三百円。
    戦争中の子だからこれで立派に更生。

             



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寒明けの不順の合間陽(ひ)の優し   立雄

2012年02月24日 | Weblog
亜子さんが句会で指摘されていたように、
今年は、寒明け以降、天候が不順。
天候不順は、野菜の高騰など、生活のさまざまな面に影響します。
寒の戻りというよりも、寒さは明けていなかったかのようです。
梅の開花も、例年より、大幅に遅れて、ようやく近所で一輪開花。

そんな中、短い時間でも、お日様が射せば、温か。
優しい日差しに感謝です。
作者は、最近、ほとんど目が見えないとのこと。
温かな日差しを感じた喜びは一入だと思います。

我が家の椿もようやく本格的に開花。
ヒヨドリが空中にホバリングして蜜を吸っています。   遅足

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くらげの戦略   麗

2012年02月23日 | Weblog
くらげの戦略?と思った方も多いでしょう。
これは昨日郁子さんと見に行った日本画家、堀文子展の一枚の絵のタイトル名ですが
いつか俳句にも使ってみたい言葉となりました。

以前テレビのインタビュー番組で堀さんのことを知り、絵もさることながらその言葉の使い方や行き方に興味を持ちました。

くらげは無為無策を装いながら実は何億年も生き続けている恐るべき戦略家だと堀さんは捉えています。
生命の根元を追求しその神秘性や繊細さを描き続ける94歳の現役日本画家は、現在も一人でお住まいでその行き方は軟弱な私に喝を入れてくれる存在です。
色使いもビビッドで切り絵も心を明るく照らしてくれます。
常に好奇心の赴くままに行動するそのパワーと自然や生物の前にひれ伏す謙虚さがステキです。

堀文子展は長久手にある名都美術館で3月4日まで開催されています。

     漂っているだけじゃないくらげたち   麗
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春雨や電線垂れて山隠れ    朱露

2012年02月23日 | Weblog
    東の多米連山が全く見えない大雨。
    目の前はプレハブ住宅と後の団地。
    北を見れば県道を疾走する車の群。
    今日は忙しかったっけと自問自答。

              



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神の住む谷・上高地への誘い 能登

2012年02月22日 | Weblog
 先日、上高地に行ってきました。
 夏の上高地は昨年も、一昨年も行き
ましたが冬は実に30年ぶりでした。
30年前、厳冬期の上高地を撮影する
ために、旧釜トンネルを数回往復しま
した。その時に比べると、今の新釜ト
ンネルはまるでハイウェイのトンネル
のようでした。当時の釜トンは暗くて
(真っ暗)凍結していて、怖い穴でし
た。氷床で転んで足を痛めたこともあ
りました。
 ところが、30年ぶりの上高地はす
っかり、優しくなっていました。積雪
も随分少なくなっていました。今回の
「スノートレッキング・ツアー」のガ
イドさんも、近年の積雪の減少を語っ
ていました。そして、なにより、驚い
たのは、このようなツアーが頻繁に行
われ、私のようなヨボヨボの中高年が
厳冬期の上高地を歩いていると言うこ
とでした。
 この現象の善悪は別にして、上高地
の佇まいは、今のヨボヨボな私をも充
分に圧倒してくれました。
 「トンネルを抜けると、神が住む谷
がある」と30年前に実感したことが、
今も変わらずに在ったのです。
 今は誰もが行くことができる神の住
む谷へ、ぜひ行ってみてください。
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