季語だけを詠んでつくる一物仕立ての句。熱帯魚の動きを上手く表現している秀句と思いました。
須美さん:熱帯魚が近寄りパッと散る様子をおはじきになぞらえているところが面白い。
千香子さん:よく見ていると確かに、よったり離れたりしています
亜子さん:熱帯魚のすばやい身のこなしをおはじきにたとえたところがよい。
童子さん:熱帯魚の動きそのまんまの比喩が素晴らしい涼やかな句
私もいただきました。
ひらりという表現がどうかという意見もありましたが、おはじきのように弾かれていろんな角度に散る俊敏さと優雅さを上手く捉えています。
そして、「色」に注目の一物仕立て。
みずいろのひかりゆらして熱帯魚 遅足
能登さん:ひらがな表記が水の揺れを感じさせる。
晴代さん:みずいろのひかりが熱帯魚の色をひきたてているようです。
ひらがな使いの効果で幻想的な一句になっています。
水槽のみずがきらきらして熱帯魚を包むようでもあり、体のメタリックブルーの色がネオンのように光るのか。そもそも泳いでいるのか飛んでいるのか、自分の立ち位置までゆれてるように思いました。
子どもの頃、父に伴われてよく行った薄暗い金魚屋さんを思い出します。
異世界に紛れ込んだような錯覚、水槽のこちらとあちらを行き来できるような自由な想像力を育ててもらいました。
最近はどうも頭がカチカチ。。 郁子