沖縄本島の最北端、辺戸岬。ここに沢木欣一さんの句碑が。
沢木さんは社会派と言われ、代表句は
塩田に百日筋目つけ通し
です。昭和43年、復帰前の沖縄に一か月余り滞在。
5年後に「沖縄吟遊集」という句集を発表しています。
みやらび、とは沖縄の言葉で乙女のこと。自解によれば、
海の白波は乙女の歯にたぐえられ、美人の形容になっている。
健康な美的感覚。沖縄の月は明るい。月下の波の穂の鮮やかな白さ。
句集には、この他
鎮魂へなぎさを素足にて歩み
月光に魚泳ぐ見ゆ盆の海
など、沖縄戦で亡くなった多くの沖縄の人々への鎮魂歌も。
句碑は、大石林山に向かって建てられていました。
この山は、沖縄の創世神話に関わる聖地とされています。
天帝から下界に島をつくるように命じられたアマミクの神。
国頭(やんばる)に降りてみると、島はまだ波の下。
そこで、天帝から土と石と草と木をもらって、島建てを。
まず、国頭をつくったと伝えられています。
写真は句碑のある辺戸岬から見た大石林山です。 遅足