575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

大寒や経読む息の揃いたる   能登

2011年01月31日 | Weblog
福井県小浜市の小さな禅寺。
寒中の修業、お堂のなかに並んだ僧たち。
なかには外国人の僧も。
一心に般若心経を詠む。

カメラは横から僧たちの姿を撮影。
みごとに白い息が揃っている。
カメラマン・能登さんのショット。

修業だから暖房など全くない僧堂のなか。
窓の外には雪が降っていたかも・・・

この後、修業僧たちは素足に草鞋履きで托鉢に出る。
凛とした空気が伝わってきます。

                 遅足

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春寒し読むぞ周平文庫本    朱露

2011年01月31日 | Weblog
           藤沢周平は28年前70才で他界。
           手元に乱読未読の文庫本が70冊。
           誰を読んでも藤沢周平の本を思う。
           残りの時間を全部使って悔いなし。

                    


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蜜柑剥くなかに怒れる十二人   遅足

2011年01月30日 | Weblog
船団・朝倉ドクターの診断です。

〈子の嘘のみづみづしさよみかんむく  赤松子〉
みかんとは、何かをしながら食す(もちろん剥きながら)
ものなのでしょう、きっと。
「こたつにみかん」は、それを端的に表しているに違いありません。
赤松氏の、幼い子どもへの愛あるまなざしも、まことに共感しますが、
ちょっとした数の人たちが怒っている景も圧巻です。
このような、パワーがみなぎっている句も、大変良いです。
それに、逆に、読者の怒りが冷めていきそうです。

ありがとうございます。



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大寒や十二神将眉上がる   狗子

2011年01月30日 | Weblog
十二神将(じゅうにしんしょう)は、仏教の神々で、
薬師如来を信仰する者を守る武神。
奈良の新薬師寺の等身大の十二神将像が有名。

神像は、みな、仏法を妨げるものに対する威嚇のために
眉を吊り上げています。
大寒の厳しさに、その眉が一段と吊り上った。

人間ばかりでなく、神々もこの寒さに耐えている。
そこに着眼し、眉上がる、捉えてところが素晴らしい。

今日も寒い。名古屋は雪がちらついています。

                  遅足



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ルリビタキ                       草女

2011年01月29日 | Weblog
オオリリ、コルリ、ルリビタキ。この3種が我が国で見られる「青い鳥」の代表であ
る。オオルリ、コルリは夏鳥であるが、ルリビタキは平地で越冬するので今がウオッ
チングの時期。町中の公園にも姿を見せる。1月13日名城公園バードウオッチングに
参加したとき、リーダーが「今日のメインはルリビタキです。」と自信たっぷり言う 海上の森でも平和公園でも見たが、ここでは記憶がない。グリーンプラザを右に少し行
くと、メイン花壇と通路の間に小高い空間がある。ツツジの生垣の前に正月用と思わ
れる寄せ植えの真ん中に直径3センチほどの棒が立ててあり、カメラマンが2人いた。
ミルワーム(ゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫で小鳥や小動物の餌として売られてい
る)を棒の上に置くとウグイスがやってきた。カメラマンのお目当てはルリビタキのみで
あるらしくウグイスが入り込んだ生垣を蹴って、再びミルワームを置く。ルリビタキ
が来たが、シャッターを押す間もないほどの時間でミルワームを食べてしまう。しかし
よく懐いていて何度も来て私達はしっかりウオッチングすることができた。

 野鳥を写真に撮るとき餌を置くことはよくある。全くなにもしないで野鳥を撮影す
ることはとても難しい。けれどここ名城公園は驚くほど猫が多い。それもどの猫も
艶々の毛並みをしている。あんなに無警戒にででくるウグイスやルリビタキを見ていると
本当に心配。

 ルリビタキはヒタキと名前にあるが、ツグミ科の留鳥または漂鳥で1500mぐらいの
亜高山地帯で繁殖する。青いのは雄の成鳥で雌や若い鳥はオリーブ色かかった褐色で
尾羽のみ青い。雄だって全身青いわけではなく、脇腹に橙黄色の羽毛がある。また腹と
眉班は白い。幸福の青い鳥ではないが、会えると嬉しくなる。

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百歳の書体鋭どき賀状かな   清水

2011年01月29日 | Weblog
1月の塔句会で最高点を取った句だそうです。
百歳になっても黒々とした墨で、新年の挨拶。
その書体を鋭い、と表現したところに感服しました。

百歳の方の生き方まで偲ばれる句です。

もう一句。

  はや三日誰も来ぬ年墨を磨る   清水

これは、ちょっと寂しい句。
以前は、あれほど賑やかだったお正月。
今年はもう3日なのに・・・

でも、こんな時こそ、と墨を摺って
新年の思いを自分に言い聞かそうとするのか?
はたまた、遠くの人に便りを書こうとするのか?

墨を摺りながら考えを確かめる。
下五が効いていますね。

私など習字の道具が一切ありませんから。
こうはいかないです。
道具というものが持っている意味を考えさせられます。

                 遅足


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大寒の御幣白白境内社   晴代

2011年01月29日 | Weblog
境内に鎮座する本社ではなく、
摂社や末社を境内社というそうです。

氏子のみなさんが、本社の神様だけには満足できず、
別のご利益を得ようと、いろんな所から勧請した神様。
私が初詣に出かける伊勝神社にも、境内社があります。

秋葉さんが多いには、昔は火事が怖かったからでしょうか。

境内社も、お正月には御幣が新しくなります。
大寒のころに、真っ白な御幣が飾られている。

大寒に、白という色の取り合わせ。
着眼点が面白いと思います。

作者は、ちょっと皮肉な眼で見ているようです。
末社など、新年に間に合わず、後回しになったのかもと・・・

                  遅足


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きさらぎの朝日ぶつかる唐紙へ     朱露

2011年01月29日 | Weblog
先程まで月と金星が側に居たけど?!
如月(きさらぎ)は着更着ではない。
草木が生えることを意味するらしい。
今の私は「着更着状態」ではあるが。

         



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着ぶくれて周五郎読む文庫本 朱露

2011年01月28日 | Weblog
      徒然なるままに本を整理していた。 
      数十年「積んどく」の山本周五郎。
      「樅の木は残った」が残ってない。
      「酒みずく語ることなし」を読む。

              


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大寒や銭湯に行く下駄の音  亜子

2011年01月28日 | Weblog
銭湯。懐かしい。
子どもの頃に父に連れられていったのが最初。
多分、家の風呂が壊れたためだったと思う。
広い浴槽がうれしくて、泳いだ。
石鹸箱にタオルをかぶせて、泡立てて遊んだ。
大人の裸にも興味津々だった。
刺青をした人もいたりして。

その銭湯、どんどん減って、今は家の近くに一軒もない。
替わって登場したのがスーパー銭湯。
お年寄りの天国のようなところだった。
今はどうなんだろう?

下駄を履いて行くのは、やはり下町の銭湯。
一人だろうか?小走りに行く女下駄?男下駄?
それとも二人?
神田川の世界・・・
大寒では、湯冷めして風邪も引きそう。

作者は、家の中で、下駄の音を耳にした。
音は、昔のことを思い出させてくれる。
亜子さんは、どんなことを思い出したのだろう?
それとも現実の下駄の音かも・・・

                  遅足


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決めかねて一月既に半ば過ぎ    朱露

2011年01月27日 | Weblog
            例えば「十時まで起きていよう」、
            としたのだがこれが絶望的なのだ。
            二十年越しの悲願なのだがダメだ。
            私コンニチアルハ早寝ノオ陰ナリ。

                    

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大寒の折目就職情報誌  遅足

2011年01月27日 | Weblog
遅足さんが初句会の皆の「大寒」の句を一つずつ紹介して下さっているので
僭越ながらご本人の句は私から。。。

超就職氷河期と言われる今年。
寒風吹きすさぶ中リクルート姿の大学生を見かけます。
パンストにはき慣れないヒールの足下が寒そうです。
20年前は4年生の夏から就職活動解禁でしたが今は1年の前倒し。
暑い時も大変ですが大寒の就職活動とは!

昨今の就職活動を「就活」と呼ぶことにも抵抗のある私ですが、最近の就職活動は
パソコンやケータイがないと企業からのいち早い面接情報が得られないとのこと。
朝起きてまず膨大なメールチェックから始まるようです。
このインターネットによる就職活動が大学生を疲弊させているような気もします。

この俳句のように情報誌を見て興味のある会社のページを折り曲げるというのは
もしかしたら大学生ではないかもしれません。でも雇用状況の厳しさが大寒とともに身にしみます。
現代の世相俳句です。
一体、春が来るのはいつでしょうか?

ちなみに本を折り曲げることを
英語でdog-earというそうです。
(折り曲げたページが犬の耳のように見えるから)

麗子
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大寒やかくも背丈が縮むとは  立雄

2011年01月26日 | Weblog
寒い時は、身が縮みます。そして加齢によっても。
一体、何センチ縮むのか?

亜子さんのご主人は背丈のある美丈夫、3センチ。
静荷さんも3センチ。
どうも加齢によって3センチくらい縮むようです。

作者も背の高い美丈夫。
若い頃は、家の鴨居まで指一本が入ったそうです。
それが指三本になったそうです。

それにしても、大寒やかくも・・・という感慨。
俳句ならではのペーソスですね。

遅足
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ネコの領域   鳥野

2011年01月25日 | Weblog
「もうすぐ人間の言葉を話すようになる」と期待していた矢先、逝ってしまった猫2匹。
22年の共棲みでした。もうまる一年になります。

そんな時に出会った『ネコの進化』というカルチャー。ねこはいつかトラになる?の副題がついていました。

「いつかは人になる」とはありませんでいたが、寂しさまぎれに受講を始めました。

講師は動物科学の権威、今泉忠明先生。お話は滅法面白く、あっという間にカリキュラムは後2回で終りです。

今回はイエネコの暮らしぶりの進化について。適応することの力に驚かされました。

なかでも、ネコならではの叡智といえるのは、テリトリー。

待ち伏せの方法で獲物をとり、群れをつくらず常に単独行動。
径500メートルほどを暮らしの領域とし、さらに広くて緩やかな猟の縄張りを持ちます。
よく知られたネコの集会などで、お互いの存在を確認し合い、イザコザは避けています。
縄張りを持てば、無益な争いをしなくても済む。
ネコは平和主義者なのです。

 ・ ベランダは猫の領域 逝きし後も野生の風のわずか吹きおり

                         鳥野
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大寒の日暮石焼芋の声   静荷

2011年01月25日 | Weblog

物売りの声、テープとはいえ、ココロを温めてくれます。
とくに大寒の日暮れに聞えてくる人の声はあたたかい。
石焼芋のホカホカのイメージもココロを温めてくれます。

町を歩きながら物を売る姿は、ほとんど消えてしまいました。
石焼芋と、物干し竿(そういえば最近聞きませんが)
新しいところでは灯油くらいです。
子どもの頃はお豆腐売り、そう、ラーメンのチャルメラ・・・

石の温かさで長い時間をかけるから、
石焼芋は美味しいのだそうです。
たしかに美味しい。もう少し安いといいなあ・・・

                   遅足

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