575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

友去りて一句を残す青山河  遅足

2006年12月31日 | Weblog
みなさんの今年の一句、楽しく読ませていただきました。
2年前から、一年間に詠んだ句のなかから
50句前後を選び出すことにしました。
案外、自分の好みが分かったりして面白いので
みなさんにも、とお願いしました。

私の一句です。
今年は大切な句友の長良さんを送りました。
そんな気持ちを、なんとか句に、とつくったものです。
句としての完成度などは不満が残っています。
でも今年の一句を選ぶとすれば、この句です。

       

皆さん、いろいろお世話になりました。
よいお年を。来年もゆっくりと行きましょう。




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今日も吉弁当の玉子焼きの出来   郁子

2006年12月31日 | Weblog

わが尾張旭の地区では中学まで給食なので、
長女の高校進学に合わせて弁当つくりが始まり、
まもなく弁当暦1年。まだまだ手際悪いです。
毎朝同じことのくりかえしなのに、
なぜに玉子焼きは毎回出来がちがうのだろうと・・・

これはもう説明できない非科学的なものが
働いているのではなかろうかと思ってしまう。

   

そういえば、自称「霊感がつよい」長女が、
三年前この家に引っ越してきたときに「この家には何かがいる」と言い、
拾ってきた黒猫も、ときどき、あらぬほうを見て目で追う様子。
これじゃあ「おばけやしき」じゃないのと落ち込んだときもあったけど、
今ではなかなかスリルがあって楽しい。

   

要するに、「気」の持ち具合。
良い「気」が良い「運」や「風」を呼ぶ。
玉子焼きもしかり。

「今日は吉?」ではなく「今日も吉」という気持ちで
2007年を送りたいものです。
このところ弱気なので自省の念もこめて。

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空蝉やぷっつり静かな一分間  能登

2006年12月31日 | Weblog
 今年の夏、藤田湘子の句作のノウハウ本に、偶然出会って
 
 その通りに作ってみた句です。
 ①季語+②修飾語+③体言 の形式
 ①と②、③は、つきすぎないこと
 ②は③のみを修飾して、①は修飾しないこと
 切れ字を使うこと

 このようなワク組みで作りました。

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昔居た青木ヶ原の冬隠り  朱露

2006年12月30日 | Weblog

    
    
 青木ヶ原は富士山北西にある大樹海。
 外から数回見たが、懐かしくて困る。
 猿の頃の血が騒いで、入りたくなる。
 そういう人類がたくさん入ったまま。




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新しい年もよろしく       鳥野

2006年12月29日 | Weblog
松田宗匠からの伝言で今年の一句を、とのこと。

この一年間に詠んだものの中から、自信の一句をということでしょうか。
困っちゃうなー。

思いがけず迷い込んだ俳句の世界。荻原教室に週1句、575の会に月2句のノルマで四苦八苦です。

短歌から77を取ればいいでしょ、なんていう生易しいものではない。
まだナァーンも解っちゃいません。

  冬うらら亀万年の貌をして

今年はボチボチやってきました、来年もまた、という願望をこめて。




   
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何事か桜に祈る母がいて   麗

2006年12月28日 | Weblog
今年1年の句を振り返って、この桜の句を選びました。
実家には一本の桜の木があります。樹齢50年くらいでしょうか。
随分大きくなっています。
母はこの桜を愛し、「どこにも花見に行かなくても
我が家の桜が一番」と言っています。
そんな母は家族の健康やら孫のことやらいろいろ
桜に祈っているようです。

句会では特攻隊の母の様子と感じてくれた方もいました。
来たる年も平和でありますよう。。
皆様よいお年をお迎え下さい。麗
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土起こす春の空気をいれながら  童子

2006年12月27日 | Weblog
今年の一句です。

いつかの、啓蟄や母の使いし鍬置かれの続編です。
休んでは働き、働いては休む。
健康に堅実に生きたいと願ってつくった。
のかな。

今年はチョットきつい一年でした。
出席率は低いし、投句も少ない。。。反省!!

 

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湯湯婆や女蹴飛ばす地獄まで  朱露

2006年12月26日 | Weblog


 ユタンポの漢字がユーユーババーで錯乱?
 いくら何でもユタンポに失礼じゃないか。
 錯乱のまま熟睡したので、足が火ぶくれ!
 足蹴にしたつもりの湯湯婆が抱きついた!

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枇杷の花               草女

2006年12月25日 | Weblog
  そしてまたいつものあなた枇杷の花      遅足

 枇杷の花がいい。枇杷の花だからこそ幾星霜を経て、今は穏やかに、しかも凛として年の暮れを迎えている夫婦の姿が浮かんでくる。
 花は11月から翌年の1月にかけて、直径1㎝、花弁五枚の白色。それが長さ
10~20cmの円錐の花序(花の集合体)を作る。そして寒さ対策なのだろう花序の内外に褐色の綿毛を密生させる。そして寒中に芳香を放ち、虫を誘い受粉する。この時期、虫にとっても貴重な食料となる。
 ところで枇杷はバラ科ビワ属。中国と日本が原産地だが、現在食べられている物は江戸時代に中国から伝わった物。
 枇杷はもう一つ薬草としての顔を持つ。「本草和名」という昔の本に「比波」と記され正倉院の御物の中にも薬草として残されている。薬効は利尿・健胃・清涼剤
に利用され、風呂に入れると肌を滑らかにするという。
 枇杷の花の句は、冬咲く地味な様子から淋しいものが多い。

 枇杷咲いて長き留守なる館かな       松本たかし
 病む妻に嘘いくつ言ふ枇杷の花       能村登四郎
 たそがれや匂となって枇杷の花       神埼  忠
  
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それぞれの夫婦

2006年12月24日 | Weblog

先日の句会で夫婦を詠んだ句が2句ありました。

 厨房に夫入りきたる歳の暮   亜子

 冬日和妻縫いぐるみの犬を買う 朱露

亜子さんのご主人(なんと言ったらいいか?)は
だし巻き作りの名人。
毎年、年末になると、腕を振るわれるといいます。

朱露さんの句は、冬日和という季語が
じつによく効いています。
夫婦の年輪を感じさせる句です。

私も夫婦のことを句に詠めるように
と、思いますが・・・ 
                  遅足
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寒鰤を一本抱え都入り   朱露

2006年12月23日 | Weblog


     相模灘の寒鰤を手土産に下宿入り。
     半世紀以上前の東京都品川区大崎。
     寿司屋で下ろしてもらい片身進呈。
     我が生涯最高の晴れやかな思い出。
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北風に命を・・・

2006年12月22日 | Weblog
575の会12月の句会は、11人が出席し、和気藹々でした。
投句はいずれも個性豊かで、趣深く、お互いがいい勉強をさせていただきました。

そのなかの「ここならば北風の骨ひろえそう」の句。

私には、さっぱり理解できず、景も浮かびません。作者の意図を伺っても、やっぱり”難解句”として通過してしまいました。

ところが夜半、じっくりと読み返してみて、身に沁みる想いが迫ってきました。

ああそうなんだ、作者は北風に命をみていたんだ。そして風の終末を悼んでいたんだ、と。

 こがらしを詠んで、秀作とされているのは山口誓子の、「海に出て木枯らし帰るところなし」
 この句は、特攻隊員を追悼する想いが込められいるとも、言われています。

 よく、比較されるのが池西言水の「凩の果てはありけり海の音」。こちらも風に命を見ているのだと思います。

あーあ、北へ行きたいなー。
オホーツクの波に流してきた夫の骨が、北風に乗ってあの浜へ戻っているかも知れません。
そこは、以久科原生花園の砂丘の麓、知床連山が遠望できる砂浜です。
小清水の原生花園から東へ20キロ余、草丈の高い悪路をひたすら海へ向かってハンドルを切り、やっと行き着いた静寂の地。二人だけで小半日、山と海を見ていた大切な処です。

あそこは、彼の墓所。北の果てへ送ったつもりが、戻されて、誰かに拾われたりして。・・・ウフフッ、それもまたよきかな、です。

     オホーツクの波にゆだねし夫の骨氷結の時玻璃とならんか

                                                                     鳥野
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今日は冬至です。

2006年12月22日 | Weblog

明日から日が長くなりますが、
寒さはこれからが本番です。

八事の句会での冬至の句です。

 恵まれて柚子湯さまさま命かな  玉木孝男

 血圧もいと穏やかに柚子の風呂  古賀晶子

そういえば今年の言葉は「命」でしたね。

 古暦まだ過去未来繋ぎゐて  中嶋英子

これも良い句ですね。感心しました。

                   遅足
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12月の句会の結果です。

2006年12月21日 | Weblog
題詠「北風」

北風に押されて電飾ハンティング(静荷)晴・麗
北風にサッチモドレミファジャズるかな(朱露)鳥・静・遅
北風の街に募金の子ら立てり(亜子)童・龍
北風と今朝も颯爽あの女将(立雄)童
北風の窓打つ音や午前二時(龍次)能・郁・亜・遅
北風が魔法をかける吹きだまり(麗子)晴・郁・立・亜・龍・遅
ここならば北風の骨ひろえそう(遅足)朱・立・麗
北風の色攫いゆく欅道(鳥野)静・郁・愚・亜
北風や包む母の手安堵の手(郁子)能・童
北風やない袖ふれぬ昨日今日(晴代)能・龍
北風やまん丸の鳩寄り添いて(能登)朱・鳥・静・愚・麗
北風に列島の灯ら揺らぎけり(愚足)立
北風につとあご上げて天青し(童子)朱・鳥・晴・愚・草

   
自由題

散紅葉被きて座(おわ)す崩(く)え仏(鳥野)静・郁・立・愚
厨房に夫入りきたる歳の暮(亜子)朱・童
しぐるるや身を寄せ合える道祖神(静荷)能・龍
街灯に昨日を残し冬の朝(晴代)童・静・亜・遅
今日も吉弁当の玉子焼きの出来(郁子)朱・遅・麗
朝霜や護摩焚く僧の顔赤し(立雄)能
そしてまたいつものあなた枇杷の花(遅足)朱・鳥・晴・愚・草・亜
煤払う弥勒菩薩のうす笑い(龍次)鳥・郁・立・麗
あれこれと髪細くなり十二月(童子)能・愚・亜・龍・遅
原点はどこかと風に聞いてみる(麗子)晴
冬日和妻縫いぐるみの犬を買う(朱露)童・鳥・麗
幼子は地を跳ぶ凧に振り向かず(愚足)晴・立・龍
冥府より我を招くや虎落笛(能登)静・郁

番外
猫の耳片方クルリとまわりけり(童子)

  今回は選句した人が分かるようにしてみました。
  なお、草は「草女」さんです。
  次回は投句もいかがですか?


次回は1月17日(水)午後6時 安田屋
題は「寒」です。

          

  なお、選句した人を出す場合は、本来、事前に
  確認すべきものですが、ちょっと大変なので省略しました。
  間違いがあったら連絡をお願いします。

                     遅足

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また来年笑顔で終える句会かな  麗

2006年12月21日 | Weblog
昨日は2006年の最後の句会でした。
1年の経過するのはとても早くて毎月
俳句を作ることでなんとか季節を体感している次第です。

さて「北風」。

童子さんの 「北風につとあご上げて天高し」

困難に負けじと立ち向かう凛とした美しさが感じられました。
久しぶりに句会に顔を出してくれた童子さん。なんだか男前?の
大人の女性になった感じがしました。

遅足さんの 「そしてまたいつものあなた枇杷の花」

物語が始まるような遅足さんらしい句ですが、
この「いつものあなた」とは一体誰でしょう?

健全な日常生活を送るためには「いつかのあなた」では
いけないと亜子さんの鋭い指摘。
でも「そしてまたいつかのあなた」に続くのは何の花になるのか、
ぜひ続編を期待しています。

長良さんを亡くし淋しくなった575の会でしたが
後半新しい句友が増えて、諸先輩方に
新しい言葉もいっぱい教わりました。(EX.崩れ仏)
皆様に感謝です!
来年もどうぞよろしくお願いします。麗

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