575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

朝凉やジャズ・バッハ鳴る多米の里     朱露

2012年05月31日 | Weblog
   スィングル・シンガーズのコーラスで聴く。
   軍歌と浪花節を聞かなくなって七十年近い。
   広沢虎造の「森の石松」はまだ真似できる。
   真似してみても何のことだか分からないか。



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聴く映画   麗

2012年05月31日 | Weblog
先日、郁子さんと、中島みゆきのライブ映像を映画館で見る「歌旅」に行ってきました。
前回の句会の帰り道、中島みゆきの「糸」という歌詞がすごいというお話をして下さり
一緒に見に行くことに。。。

中島みゆきといえば「時代」やプロジェクトXのテーマ「地上の星」などの有名な曲は知っていましたが
「糸」は知らずにいました。震災の年の去年、人との絆や出会い、別れを歌ったこの曲は、再び脚光を浴びる曲になったようです。

「縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれない」

全編、う~んとうなってしまうライブでした。できればすべての曲を歌詞つきで見たかったです。

たとえば、「昔から雨が降ってくる」という曲。

「昔、大きな恐竜も 昔、小さな恐竜も 同じ空を見あげたろうか 同じ雨にうなだれたのだろうか あの雨が降ってくる 昔から降ってくる」

これを聴いた郁子さんは
前回の平泉の俳句

「ひかりどう時を自在に花吹雪」

で私が言いたかったことはこれだと納得されていました。

魂のこもったライブに翻弄された私たち。
感想は「中島みゆきはただ者ではない」ということでした。
歌詞も歌声も深すぎる。。。。

中島みゆきさんに俳句を作ってもらいたいです。
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ふるさとの新茶のみやげ封を切る    麗子

2012年05月30日 | Weblog
ふるさとはご主人のふるさと。愛知県の西尾市。
全国有数の抹茶の産地です。

日本の抹茶の始まりは、禅僧が中国から持ち帰ったことから。
西尾のお茶の歴史も古く、禅寺の僧・聖一国師が、
最初の茶種をまいてからとか。13世紀のことです。
本格的な生産は、明治に入ってから。
よい抹茶が出来るのは、一つは地質。もう一つが湿度。
矢作川に沿って、適当な湿度が茶畑一帯を覆っていることが
西尾茶の美味しさの秘密だそうです。

そういえば、愛知県は、茶の盛んな土地柄。
昭和の頃までは、田で茶を楽しむ姿が見られたそうです。

おみやげに頂いたふるさとの新茶。
きっと毎年頂いているのでしょう。
封を切ると、あの香りが・・・。
家族の絆を感ずる幸せなひと時です。

  ふるさとの名前の新茶封を切る

とすると、ふるさとが少し強調されるかも知れません。

                  遅足


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多米全山雲に隠れて夏の朝    朱露

2012年05月30日 | Weblog
      下の町から見たらここも雲の中。
      夏とは言え寒いので冬物を着る。
      人の気配はなく動かない車だけ。
      午前五時起きているのは私一人。


  
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隊商路が今に  鳥野

2012年05月29日 | Weblog

セントレアの駐機場でひときわ目立つ、美しい尾翼。アラブ首長国連合エティハド航空の機です。

このごろ話題いっぱいのアラブ。

そして、地中海や紅海を隔てて対峙するアフリカ大陸。旱魃と飢えに苦しんでいる国も少なくありません。

刻々情勢が伝えられるアラブの諸国、54もの独立国があるアフリカ。なのにいずれも、国名やその位置さえ、正確には知らないままに過ごしていることに気が付きました。

そこで改めて開いた「世界地図」(国際地学協会刊)。アラビア半島もアフリカも広大です。
そのうち、ふと目に留まったのが、アフリカの中央部に細々と、そして延々と続く赤いライン。

凡例によれば<隊商路>。 驚きました。そして夢が広がりました。
地中海沿岸諸国とアフリカとの交易。8世紀から16世紀後半まで、時には1万頭を
越えるラクダのキャランバンが内陸へ。その行路が今に記されていたのです。

赤い線の上に、ヒトコブラクダの強靭な体躯とやさしい眼差しが浮かんできました。

  ・ サハラ砂漠の地図に延々細き線 隊商路とぞ ラクダ顕ちくる

                        鳥野

  

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ふり入れる玉の滴に新茶力   郁子

2012年05月28日 | Weblog
最初読んだ時、「新茶力」という言葉にちょっと違和感がありました。
しかし広告のキャッチフレーズみたいで面白いという声も。
広告は次々に人目をひくコピーを繰り出してきますね。
俳句も、そうした新しいコトバに敏感でなければ・・・
コトバのアンテナが錆びついているようです。

最後の一滴までしぼるように振り入れる玉露。
その一粒、一粒に、新茶のパワーが。
ふり入れる、という強いコトバが、新茶力とよく釣り合っています。

お茶を日本で普及させたのが、お坊さん。
当初は、薬として飲まれていたとか。
現代でも、やせ薬としての効用がPRされていますが、
多くのひとにとっては、こころをリフレッシュさせるパワーでしょうか?

                         遅足



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夏暁や多米の山見る者一人    朱露

2012年05月28日 | Weblog
    夏暁は「ナツアケ」で字の通りの意味。
    東のこの山脈がなければ住む筈はない。
    狭い所で東だ西だと言うのもヤボだが。
    多米山麓が私が住める西の東端になる。



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岡谷・平福寺の牡丹     遅足      

2012年05月27日 | Weblog
先日、再び、塩尻峠へ行きました。
塩尻と岡谷の境界となっている峠。
幕末には、皇女・和宮が江戸に下った道。
今回は和宮のあとを追って、旧中山道を岡谷へ下ってみました。
最初は急な下り。駕籠や輿に乗った人も、なかで転がりそうです。
坂を下りると石舟馬頭観音。旅人が渇いた喉を潤した水飲み場。
やわらかくて美味しい水でした。

さらに行くと、平福寺というお寺が。牡丹の花が満開でした。
「おひぎりさま」と呼ばれるお地蔵様が祀られています。
「日を限って一心に願掛けすれば、きっと願いを聞き届けてくださる」
とのこと。
毎月二十三日が縁日で、明治から昭和初期には、岡谷の製糸業を
支えた女工さんたちで賑わったそうです。

若い女工さんたちは、どんな願掛けをしたのでしょう・・・
中山道は、ここから和田峠、碓氷峠を越えて江戸へ・・・
和宮の旅は、まだまだ続いたのですね。

ふいに郭公の鳴き声が聞こえてきました。
近くにある神社の森からでした。
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秋葉路や新茶が香る虎造節    朱露

2012年05月27日 | Weblog
秋葉山(あきはさん)は、遠州にある山。
火防(ひぶせ)の神を祀る秋葉神社があり、
神社への参拝の道が秋葉路です。この辺りは茶の産地です。

虎造と言えば、一世を風靡した浪曲師。一番人気は、清水次郎長伝。
旅ゆけば駿河の国に茶の香り・・・
というフレーズは、今も記憶しています。
なかでも、森の石松を題材にした『石松三十石船』は有名で、
「寿司を食いねえ」「馬鹿は死ななきゃなおらない」などは、
流行語のもなりました。

石松は遠州の生まれ。
以前、朱露さんに連れられて石松のお墓へ。
そんなことも思い出しました。

若い世代には浪曲って??と、聞いたことがなかったそうです。
時代が変れば仕方のないことですが・・・寂しい思いも。

なお、秋葉路、という上五の「秋」の力が強く作用しすぎるのが
ちょっと気になりました。

                     遅足
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京都(みやこ)より新茶なじみの隷書文字   結宇

2012年05月26日 | Weblog
隷書は、古く、篆書の次に現れた文字とか。
中国では、すでに使われることもなく、
21世紀の日本でも絶滅してしまったと思っていました。
ところが、日本銀行発行のお札の文字に使われてます、とのこと。
よくよく見れば「日本銀行券・千円」と隷書文字で。

隷書は漢の時代からとか。紙が普及する以前、竹簡や木簡に、
墨で文字を書いていましたが、その際に、書きやすい書体だとのこと。
今、三国志を見ていますが、曹操や劉備が手にしてるのが竹簡です。

この句、新茶を詠むのに「隷書」という文字に着目した
ところが面白いと思いました。
なお、京都とかいて「みやこ」と読ませるのには、
どんな意図があるのでしょう?ちょっと?でした。

                       遅足
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夏の山一人麓で起きている    朱露

2012年05月25日 | Weblog
   多米山麓の四季を通じて朝五時に起床。
   山の神は私が起きているのを先刻承知。
   五十数年の実績があるので別に驚かぬ。
   ここで言う山の神は女房のことだけど。


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山法師夏の日の出に花白く    朱露

2012年05月25日 | Weblog
    ヤマボウシはミズキ科の落葉高木。
    四季の彼を三十数年見たが飽きぬ。
    西隣のコブシとモチの樹も同じく。
    結局飽きるものなど一つもなしか。


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桐の花   麗

2012年05月24日 | Weblog
前回の句会で

能登さんの「路地の奥むらさきに染め桐咲けり」という俳句がありました。

桐の花を見たことがない私はスマホで検索。

昨日、久しぶりに東山植物園に行きました。
元園長さんのご案内に浴し幸運の一日でした。

そこで大きな桐の木を発見。確かに「紫」ではなく「むらさき」というひらがながピッタリの
花でした。スマホではわからなかったかわいらしい形をした花でした。やはり自分の目で見ることが大切ですね♪

園内のたけのこ、タラ、みょうが、梅と食べられる植物にばかりに目が行ってしまいましたが
東山は昔、御殿山と呼ばれ殿様の鷹狩りが行われていたそうです。
狩りの途中に水を飲むためか古井戸もありました。(立ち入り禁止区域です)

広大な植物園。今はバラが満開です。
すべてを制覇するのは難しく年間パスポートを買ってしまいました。
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草むしり無念無想と親の仇     朱露

2012年05月23日 | Weblog
   草むしりは夏の季語に見えるが無季。
   無念無想と親の仇は矛盾そのものだ。
   二人とも病気で死んだので仇はない。
   事を始める気合いが「親の仇」デス。



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余祝の金環  鳥野

2012年05月22日 | Weblog
奇跡が起きました。
不安定なこの頃の気象に、半ば諦めていた金環日食。
その壮大な天体ショーに、これ以上は望めな情景で遭遇できました。

次第に進む太陽の食。集まっていた子ども達の「つながれ、つながれ」の掛け声。
そして、バンザイ。環の完成です。

右側は細く細く、左側はやや肉厚で、まさに指輪のかたちでした。

万葉集の掉尾、家持は雪を、吉事(よごと)の余祝と詠っていますが、空に描かれた
金環は、余祝の輪。平和と安定への期待がふくらみます。

  ・ 明け空に太陽の環がくっきりと浮きて吉事を約すがに美し

                        鳥野


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