575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

映画行く二人日和や君うらら  長良

2006年02月28日 | Weblog
 きのう、映画「二人日和」を観ました。

 少し前、「博士の~数式」の記事がありましたが、これを上回るかな。

 地味ではあるが、落ち着いた色調、夫婦のあり方など問題提起は深い。

 「~あなたより一分でも一秒でも長生きして~」という科白が胸を刺す。
                           
 音楽がいい、エンディングは席を立たずに最後まで観ましょう。
 歌がなかなかよろしい。  
  


    やわらかき黄金かえりし二月尽  長良

            
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真面目に遊ぶこころだーーー         愚足

2006年02月27日 | Weblog
肩の力を抜こうと小沢昭一の「俳句武者修行」を読みました。彼はいうまでも無く、有名な素人俳句集団「東京やなぎ会」の中心メンバーでもあります。俳号は変哲。
 その変哲さんが「私の俳句が{本物}相手にどのくらい通用するか、ひょっとすると道場破りか、いや道場揺すりくらいには」と全国有名句会に挑戦した顚末記です。
 先ず最初は、鷹羽狩行の「狩」の句会に。自信作「寒紅や音羽屋夫人客と笑む」を引っさげて参加。ガックリの最下位。しかし狩行先生に「保険の外交と俳句は、突き放されたところから出発する」と励まされ奮起。
 この後、稲畑汀子主宰のほととぎす「時雨句会」、難解句に分け入ろうと金子兜太主宰の「海程」の面々との句会に挑戦。なとなど抱腹絶倒の武者修行記でした。
 この頃ちょつと難しそうな俳句の本を覗いて肩の凝る日々、久しぶりの遊びごころの気分に帰りました。 
 そういえば 昔師匠が「俳句は遊びだからね」とメールしてきたのを思い出しました。 
            
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石仏見つけた

2006年02月27日 | Weblog
石段を登っていたら
足元にこんなものを
見つけました。

  
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お経の音の力  

2006年02月26日 | Weblog
インドの人たちは音の力に敏感だったようで、
母音の力を次のように考えたそうです。

「あ」は明るい気分になる。
「い」は怒りを誘う。
「う」は思考をうながす。
「え」は猜疑心を誘う。
「お」は目に見えないものを信じる力を養う。

 おんかーかーかびさんまーういそわか

陀羅尼というお経のなかの一つだそうですが、
何回も口にすると、大きな気分になるそうです。
お経が音の持つ力を計算して作られているなんて!
そういえば、日本音楽の源流のひとつは声明でしたね。

    

俳句も暗誦している句は、音楽的な魅力を
持っているんでしょうね。

 「まわりみち極楽論」(玄侑宗久)から  遅足


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カチューシャの頬なでてゆく春の風  朱露

2006年02月25日 | Weblog

春はロシアに限る、行ったことないけどね。

アヤカチャンじゃ、悪いけど句にならない。

林檎の花ほころび川面に霞立ち君なき里・・

そう私なんかいなくても春はいいじゃんか!


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寒鯉の巌の如しいま動く  遅足

2006年02月24日 | Weblog
2月の初めに、京都の智積院に行きました。
三十三間堂の東側にある寺で、大須観音の本山です。
全国から若い男女の僧が修行に来ていました。
山側に墓地があり、志半ばに亡くなった
学僧達が葬られていました。

    

庭に氷の張った池があり、
大きな鯉がじっと春を待っています。
なかの一匹が、すうと浮き上がってきました。
その時、生れた句です。最初は、

 寒鯉の巌のごとく浮きにけり

でした。しかし句会では不評でした。

    

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海を出て小さくなりし初日かな  敬子

2006年02月24日 | Weblog
塔句会の敬子さんの句です。
この句を発句に半歌仙に挑戦しました。

  連句 「初日」

発句   海を出て小さくなりし初日かな  敬子
脇     丸いお餅を四角く切って    遅足
春    春場所の勝ち名乗り受け手刀を  久々
春     初出場のセンバツ健兒     長良
月    美濃紙をちぎり投げたる春の月  敬子
雑     墨絵のような山と川あり    遅足

雑    篝火にあぶり出されしドアのかげ 久々
雑     お詫びしてなお不信深まり   長良
恋    まみえしはうつつのことや朧なる 敬子
恋     親指の打つ文は踊りて     遅足
恋    朝露にしとどに濡れし袖しぼる  久々
雑     遠きふるさと今日も残業    長良
月    谷間の銀色なりし望の夜     敬子
秋     薄野に棲む狐一族       遅足
秋    秋祭り綿菓子だけがふくらみて  久々
雑     今生き生きと父母の恩     長良
花    花霞花ある森と知りそめし    敬子
春     春のこころは夢とさだめて   遅足

      

  
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「汲む」  麗

2006年02月23日 | Weblog
19日、詩人の茨木のり子さんが亡くなられました。
79才。一人暮らしで、訪ねて来た親戚の人が発見されたそうです。
茨木さんの詩で一番好きなのは、「汲む」。
その中で

「あらゆる仕事、すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと・・・」

と、いうくだりがあります。

この詩は、私が仕事に悩んでいるときに友人が送って
くれた詩集の中にありました。
「大人になっても、どぎまぎしたっていいんだな」と
いうフレーズにどれだけ励まされたことか。

心配性の私が初めてことばの持つパワーに触れた瞬間でした。
ご冥福をお祈りします。

   
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湖北の白鳥

2006年02月22日 | Weblog
愚足さんから湖北の写真が届きました。
転載します。
           遅足
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逆上がり春の五体の悲鳴かな  朱露

2006年02月22日 | Weblog

言うまでもなく老人だが、自覚は、ある。

酒を飲み世を呪い、NHKその他毒吐く。

昼間、誰もいない公園の鉄棒で逆上がり。

メダルに見放された絶望を、共々味わう。

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常神(つねがみ)はケータイ無用春の凪  長良

2006年02月22日 | Weblog
 福井県・若狭町常神へ一泊の旅をしました。
 
 民宿でお刺身をたらふく頂きました。 

 ここはケータイが使えなかった。不便なような
 優雅?なような、複雑な気持ち。       

 おだやかな人情、平和な海これがいいのです。
           


   コンビニもケータイなくも生けること   長良
 
                       
























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伊吹山

2006年02月21日 | Weblog
先日、伊吹山の見える山東町(米原市)に行きました。
まだ、畑や田には、雪が残っていました。
目的は三島池。鴨の池です。
マガモ、コガモなど数種類の鴨が泳いでいました。

鴨は冬の季語。
真鴨、小鴨は季語。軽鴨は季語ではないそうです。
他に、鴨の声。鴨の陣。

 海暮れて鴨の声ほのかに白し  芭蕉

春の季語として、
春の鴨。帰る鴨。名残の鴨。いまはの鴨。残る鴨。

子供の頃は一列になって北へ帰る鴨の姿が見られましたが、
今は、川鵜の出勤・帰宅風景ですね。

                  遅足


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会釈して北陸道に入りにけり    阿部完市

2006年02月20日 | Weblog
 池田さんつづきなのですが、彼女が俳句に飛び込んだのは、阿部完市氏の句集に感動したからだそうです。そこで彼の句を読んでみると、上記の句が推奨されていました。                                  推奨しているのは小野裕三というひとなのですが、この句が「俳句は完結してはならぬが、完結感を具有していなければならぬ」と言う阿部氏の俳句観をよく発揮した良い作品であると述べていました。
 阿部氏の言わんとすることは、ぼんやりとは理解できるのですが、この句がよく発揮された句とは言い難いのではないかと思い提起句としてみました。彼の数句。

   ローソクもってみんなはなれてゆきむほん

   栃木にいろいろ雨のたましいもいたり

   少年来る無心に充分に刺すために

   あんなところに一等賞の風が吹く

   木にのぼりあざやかあざやかアフリカなど          愚足
                       
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茄子焼いて冷やしてたましいの話  池田澄子

2006年02月19日 | Weblog
池田澄子さんの句集「たましいの話」の中の一句です。
この他に、こんな句が目に留まりました。


邪馬台国がどこにあろうと流行性感冒(はやりかぜ)

落椿あれっと言ったように赤

人生の要するに暑くてならぬ

万病のもとなる月の雫かな

花に嵐ねむりぐすりを二分の一


「どこにあろうと」「あれっと言った」のような
口語表現の使い方が、面白いと思いました。


           遅足



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愁いつつ噛むニンニクの醤油漬け  朱露

2006年02月18日 | Weblog

心の師蕪村の「愁ひつつ丘に登れば花茨」パクる。

師が知れば十八世紀の関西弁でドヅカレるだろう。

胸ふたぐと、丘に登らずこいつを噛み、酒を飲む。

ニンニクの醤油漬けだけ噛むバカがいるか、バカ。


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