575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

涼しさや今田竜二のフェアウェー   朱露

2008年05月31日 | Weblog

    この五月 P G A 初優勝のナイスガイ。
    ゴルフは中々ナイスガイになれない。
    そんなの関係ねえというゴルファー。
    そういうお前も薄汚いヘボのくせに。 

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レッドロビン              草女

2008年05月30日 | Weblog
 その名の由来は分からないが、今年の春我が家の庭に10本のレッドロビン(直訳すれば赤いコマドリちゃん?)が植えられた。順調に根付いてはいるが、葉がぎっしり詰まった生垣になるにはまだまだ間がありそうだ。
 レットロビンは、カナメモチとオオカナメモチの交配種で、アメリカで作り出された。1980年発光の講談社園芸大百科事典には記載が無く、カナメモチのみであるから短期間で、かくも広がったのだ。家々の庭先や公園の至る所にその姿を見る事ができる。我が家の近くの若宮大通にもたくさん植えられている。
 五月の初めの頃が花期て゛白くて小さな花が集まって15cm位のまとまりになった集合花を見けることが出来る。一つ一つの花は野バラを連想させる。それもそのはず、レッドロビンはバラ科カナメモチ属の常緑小高木。
 幼い頃母親にアカメガシワと教えられたのはカナメモチ。扇の要を作るからその名の由来となったというのはやや眉唾物で、この木から扇の要を作ることは無いという。しかし材は固くて強いので車軸や鎌の柄としてよく使われていた。
 12月頃、赤い実を結ぶそうだ。レットロビンは名前の様にほぼ一年中赤いので
赤い実を見つけるのは難しいだろし、生垣として剪定されてしまうので花も実も見つけにくいというわけである。
 今年の初冬には、注意深く観察して赤い実を見つけようと思っている。

  燃え上がるレッドロビンの五月かな
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心をそろえる  麗

2008年05月29日 | Weblog
先日飛鳥に行った時、聖徳太子の生誕の地と言われる
橘寺を訪れました。
以前、仏像を紹介するテレビ番組でも取り上げられたこちらの如意輪観音像。
やさしいお顔で暖かいお姿でした。
一緒に行った友人と誰もいないお堂で話し込んでしまいましたが
そんな不作法な私たちを見守って下さるような。。。

さて、お堂の入り口に次のような張り紙がありました。

    「履き物をそろえれば心がそろう」

う~ん。納得。それ以来、玄関の靴を出来るだけそろえるようにしています。
このような小さな積み重ねが今の世の中には必要な気がします。
「心をそろえる」っていい言葉ですね。

       緑雨止み心の靴をそろえおり    麗
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蒲郡吟行の結果です。    遅足

2008年05月28日 | Weblog
蒲郡吟行の最終的な結果です。

① 竹島や青葉若葉に膨れおり(鳥野)愚・晴・麗・静・童・立
② 舟虫のことごとく出てさらに出る(狗)朱・遅・能
③ 竹島の女神の在す青葉闇(遅足)静・郁・能
④ 五月雨の上がりて島の緑かな(愚足)亜・鳥・朱
⑤ 竹島や潮騒遠き木下闇(鳥野)
⑥ 雲霽れて竹島笹竹竹の秋(静荷)狗
⑦ 夏の浜小さき島へと続く道(麗子)遅
⑧ 薫風やホテルの朝のクロワッサン(亜子)晴・鳥
⑨ 竹島や六月だもの雨の友(朱露)
⑩ 新緑の埋もれた絵馬に外国語(狗)静・能・立
⑪ ましぐらに湾を埋めたるヨットかな(遅足)麗
⑫ 御目見えは卯波の洗う島ほとり(晴代)亜・朱
⑬ 海見えて墓碑の群あり南吹く(愚足)鳥
⑭ 竹島やポテトチップス都鳥(朱露)遅・童
⑮ 島なれば固有種もあり木下闇(静荷)愚・晴・立
⑯ 竹島や往時茫々樟若葉(亜子)郁
⑰ 緑雨止み古き句友と再会す(麗)愚・狗・亜・童
⑱ 夏の風島より晴を連れてくる(晴代)麗・狗・郁
⑲ ラケット振る二の腕まぶし五月かな(立雄)

次回は6月18日(水)午後6時 安田屋です。
題詠は「短夜」です。

    

荻原俳句教室より

先回の宿題は「緑陰」と「夏の雲」

  緑陰や妻の朗読する「こころ」

一読して先生は、??と、いう顔をされました。

しかし危ういながらギリギリのところで
句として成立しているという診断でした。
夏目漱石の「こころ」は悲劇的なストーリー。
その「こころ」のマイナスを、緑陰と朗読というイメージが
救っているということでした。

どうかな?甘い点数のようです。

  真っ白なうそかまことか夏の雲

思わず笑ってしまったので良いのでは、という診断。
語呂合わせがイヤミになっていないのでOKだそうです。

   

緑陰や無心のひとり我が道よ

俳句を始めたばかりの方の句です。先生はもとの句のコトバに忠実に

  緑陰の道を無心にひとり行く

と直されました。
こうすると風景がキチンと見えてきます。
俳句が読み手に伝わるようにするためには、
風景がキチンと見えることが大切だなと改めて感じました。

次回の宿題は「木下闇」と「夏の空」です。




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スイカの季節到来    鳥野

2008年05月27日 | Weblog
「スイカが秋の季語なんて、納得できないよ」
よく聞く不満です。

店頭にスイカが並べば夏の到来。果肉のあの赤こそ、夏の景物。「そうでしょ」と念を押されても、俳句しどろもどろのワタシめには答えようもありません。

8月初旬が立秋の陰暦によれば、秋の果物になるのでしょうか。

先ずは、と手持ちの歳時記で調べることに。

 ☆ <日本大歳時記> 水原秋櫻子・加藤楸邨・山本健吉監修、講談社

  「秋」 青柳志解樹による注・・西瓜は普通秋の部に分類されるが、現実には夏のものである


 ☆ <季語早引き辞典> 宗田安正監修、学研

  「夏」 従来は初秋だが、の注あり

 ☆ <新編・歳時記> 水原秋櫻子編、大泉書店

  「晩夏」

 ☆ <角川俳句大歳時記> 執筆者多数、角川書店

  「秋」 今では夏のうちから出荷され夏のものという印象が強い、と解説付き。

 ますます混乱。どちらも正解ということでしょうか。
 それとも、やっぱり「秋」で決まり。
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蒲郡吟行句会の結果   遅足

2008年05月26日 | Weblog
575の会としては初めての吟行。
記念すべき日は、2008年5月25日、場所は、蒲郡。
蒲郡といえば竹島。やはり島の句が多く詠まれました。

立雄さんが、直前で都合がつかず欠席されたため、9人でした。
短時間の吟行でしたが、日頃の精進もあって良い句が出来ました。
昼食を楽しみながらの句会。
だんだん舌もなめらかに。
「も」は日本文化の一大特色であるという、
朱露さんのお話はとても面白かったです。
忌憚のない批評は、料理を美味しくする調味料。
立雄さんたちの選句はまだですが、とりあえずの結果です。

    
   
① 竹島や青葉若葉に膨れおり(鳥野)愚・晴・麗・静
② 舟虫のことごとく出てさらに出る(狗)朱・遅
③ 竹島の女神の在す青葉闇(遅足)静
④ 五月雨の上がりて島の緑かな(愚足)亜・鳥
⑤ 竹島や潮騒遠き木下闇(鳥野)
⑥ 雲霽れて竹島笹竹竹の秋(静荷)朱・狗
⑦ 夏の浜小さき島へと続く道(麗子)遅
⑧ 薫風やホテルの朝のクロワッサン(亜子)晴・鳥
⑨ 竹島や六月だもの雨の友(朱露)
⑩ 新緑の埋もれた絵馬に外国語(狗)静
⑪ ましぐらに湾を埋めたるヨットかな(遅足)麗
⑫ 御目見えは卯波の洗う島ほとり(晴代)亜
⑬ 海見えて墓碑の群あり南吹く(愚足)鳥
⑭ 竹島やポテトチップス都鳥(朱露)遅
⑮ 島なれば固有種もあり木下闇(静荷)愚・晴
⑯ 竹島や往時茫々樟若葉(亜子)
⑰ 緑雨止み古き句友と再会す(麗)愚・狗・亜
⑱ 夏の風島より晴を連れてくる(晴代)朱・麗・狗
⑲ ラケット振る二の腕まぶし五月かな(立雄)

   句会の始まるころはのち


次回は6月18日(水)午後6時 安田屋です。
題詠は「短夜」です。


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緑雨止み吟行の浜笑い声         愚足

2008年05月25日 | Weblog
 575の会初の吟行会が蒲郡竹島ホテルで行われ旧交・親交を温めつつ盛会のうちに終わりました。
 朱路さんの名批評は冴え渡り、一同笑いのうちにもよき勉強が出来ました。

★早速、記念写真をお送りします。拡大にはタイトルのクリックでお願いします。
 余り拡大したく・・方もありましょうが。
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今日は吟行、蒲郡案内再び          ぐ

2008年05月25日 | Weblog
★以前にこのブログで、紹介した蒲郡観光案内を再録します。これ以外にもいろいろあり、特に三ヶ根山ドライブウエイは見晴らしは最高だし、途中の慰霊碑や墓地群も見所です。

 「蒲郡海辺の文学館」                           蒲郡市は、「海の眺めは蒲郡」と鉄道唱歌に歌われた景勝地で、とくに本市のシンボル「竹島」とその周辺の海岸は東海地方屈指の保養地として多くの人々に親しまれてきました。 とりわけ、明治末期に、名古屋の実業家・滝信四郎氏により竹島海岸に建てられた料理旅館「常磐館」からの眺めは格別なもので、大正・昭和期にわたり多くの文人たちに愛されました。 大正11年、菊池寛の作品「火華」にはじめて常磐館が取り上げられた後、志賀直哉、谷崎潤一郎、山本有三、川端康成、井上靖など文人たちにより、常磐館そして蒲郡の海や竹島の素朴な美しさが作品の中に描写されました。以来、「蒲郡の常磐館」は、全国にその名をとどろかせました。
 しかしながら、名声を高めた常磐館は、建物の老朽化と世相の移り変わりに対応できなくなり、惜しまれつつも廃業となって、昭和57年に取り壊しとなりました。常磐館がなくなって久しく年月を経ましたが、市民そして常磐館を愛した人々の心の中には、今も存在しています。そうした、「常磐館への強い想い」、いわゆる「常磐館文化」を、後世にいつまでも継承していくために、この「海辺の文学記念館」は建設されました。当館は、常磐館にまつわる文化的・歴史的価値を少しでもよみがえらせ、蒲郡市に文化振興の拠点となるよう、常磐館があった同じ地に建てられています。

 「竹島」

長さ387メートルの橋で陸地と結ばれている蒲郡のシンボル「竹島」。
「詳細」
周囲620メートル、総面積19,000平方メートルの小島ながら、これまでの調査で65科238種の高等植物の自生が確認されており、暖帯林特有の照葉広葉樹におおわれている様相は、対岸のクロマツ林とは景観を全く異にしています。
このような例は東海地方では他になく、島全体が国の天然記念物に指定されています。
島の中央部には、日本七弁財天のひとつであり、開運・安産・縁結びの神としても知られる「八百富神社」があります。島の周囲には30分程で廻れる遊歩道があり、海と島の両方の景色が楽しめます。
4月上旬から6月下旬には竹島海岸で潮干狩も楽しめます。

「八百富神社」
竹島内にある八百富神社は藤原俊成卿が三河の国司として在任中、琵琶湖の竹生島より勧請しました。 開運、安産、縁結びの神として古くより広く世に知られています。三河雀という書には、江ノ島、竹生島、厳島などと共に日本七弁天の中に挙げられています。

「宇賀神社」
竹島の階段を昇ると最初に到着するのが宇賀神社です。この神社の御祭神は食物を主宰し給う神様です。海嘯のため一時郡内国府村(今の豊川市国府町)に遷座されましたが、享保十年(1725)七月国府村及び竹島の神主、同時に「竹島に帰りたい」という霊夢を見、この竹島にお帰りになられたと伝えられています。

「大黒神社
当社を竹島に祭ったのは、何時の世であったか詳らかではありませんが、祭神である大国主命は商売繁盛の神として一般庶民に広く信仰されています。

「千歳神社」
蒲郡を開拓した藤原俊成を祭神としてまつっているのが千歳神社です。藤原俊成は、平安歌人として多くの功績を残された方で、現在は学問の神様として信仰されています。

「八大龍神社」
当社は、蒲郡を開拓した藤原俊成卿の夢に「永く竹島に遷りて諸人に幸福を与えん」との御信託があり、海底に索があって引上げ奉り、此処に祭ったとの言い伝えであります。雨乞に霊験著しき神様として、遠近に知られています。


「海賓館マリンセンターハウス 」

海賓館マリンセンターハウスは、過去二度にわたるアメリカズカップ日本チームのベースキャンプ基地のあった跡地に隣接し、ニッポンチャレンジの挑戦の足跡が紹介された展示室、オープンラウンジを伴ったシーフード喫茶室などが設けられています。また、平成17年4月からアンテナショップ「夢織人」が藍染の和風小物やインテリア製品などを販売しています。

この建物は、昭和2年に建てられた市内にあった旧医院の建物を解体し、保存のために移築したもので、市内の昭和初期の洋風建築様式を後世に伝えながら、この港湾区域で計画されている海際のリクリエーション施設のシンボル的な役割を果たす建築物となるように建築されました。




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夏寒し深夜ラジオの人間学   朱露

2008年05月24日 | Weblog
  
   民放のお笑いNHK心の時代の対談。
   午前三時から五時まで寝る暇がない。
    芸人と勤め人の気合いに耳を傾ける。
   芸人の方が電波の先に敏感、何故だ。



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春蘭               草女

2008年05月23日 | Weblog
 今年の海上の森は春蘭の当たり年である。今までになくたくさんの春蘭に出会えてとても嬉しかった。
 少し乾燥して、落ち葉がふかふかしているような雑木林に生えるラン科シュンラン属の多年草。観賞用として栽培されているお馴染みの植物であるが、自生している花には素朴な美しさがある。
 花茎根元から立ち、数枚の薄紫の膜のような鱗片に包まれている。花の色は黄色から緑色で真ん中の唇弁には赤紫色の斑点がある。この斑点故に別名をホクロと言い、江戸時代まではもっぱら「ホクロ」と呼ばれていたらしい。また、天井部の部屋の仕切りの「欄間」は、蘭の香りが隣の部屋まで届かせる仕組みと言う意味でそう呼ばれていたと言う。日本の春蘭にはそのような香りは無いが、別種の中国産の春蘭は強く香るそうである。
 今では数を減らしているシュンランであるが、昔の人々はシュンランの花を食用として活用した。天ぷらにしたり、塩漬けにして蘭茶として親しんだ。
 現代人にとっては何とも贅沢なことである。一度、蘭茶を飲んでみたいと切望しているが、森の花を摘む気にはなれない。
 花はやがて3から4cmくらいの楕円形の実になる。その中には1mmにも満たない種子が万単位で入っている。
 やがて、森のシュンランが何十倍にも増えたらその時は、少しお裾分けしてもらって「蘭茶」を作ってみたいと思っている。

   春蘭や山の音とは風の音       八染藍子
   春蘭や秩父の奥のどんづまり     江口千樹
   春蘭の花とりしつる雲の中      飯田蛇笏
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青虫   麗

2008年05月22日 | Weblog
植木鉢に植えた柑橘系の葉っぱにアゲハチョウの幼虫が7匹もついていて
青虫なりました。
ところが、食欲旺盛な彼らは葉っぱを食べ尽くし、一枚も葉っぱがなくなってしまいました。
青虫はさなぎになることもなく、飢え死にしてしまうのかと思いきや、食料がないとわかるとどこかに移動していくようです。
彼らはどうやって食べられる葉っぱを認知するのでしょうか。

近くに彼らの好きそうな植物はありません。食料を求めて長い旅路に出たのでしょう。
こんな昆虫の世界でも生き抜くことは難しいのですね。

            新緑や青虫たちの長き旅   麗
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かもしか!!   遅足

2008年05月21日 | Weblog
先日、八ヶ岳の唐沢鉱泉まで車で行きました。
温泉には入らなかったのですが、
散策をしていたら、かもしかに出会いました。
草の芽を一心に食べていて、こちらには無頓着。
丸々と太った美味しそうな姿!

10米ほどまで近づくと、顔をこちらに。
しかし食べることは止めません。
それ以上近づくこともなく、さようなら!
こういうのを、お互いに干渉しない関係って、
いうのかな?

   

さて、荻原俳句教室より
今回の宿題は「新緑」と「虹」

  うたたねの妻のみどりを風わたる

(緑、緑さす、いずれも、新緑と同じ季語です。)
うたたね、を除いて、緑、妻、風、と美しすぎる。
読者には、パステル調の絵のようで、明確なイメージが伝わらない。
妻のみどり、という言い方も、
みどりが妻の属性になってしまう。
みどりの妻、新緑の妻、のほうが良い。

  新緑の妻のうたたね風わたる

としたほうが、良いのでは。

愛妻俳句で、注意しないといけないのは、
愛しているという自意識を詠ったものになりやすいこと。
愛情を持って、作者しか知らない妻の人となりを
観察した句を詠むことは、
新しい領域を開拓することになるでしょう。

なるほど・・・難しそう。

   

「虹」

  虹の橋わたって虹のふるさとへ
  虹消えて虹のふるさと残りけり

前の句はダメ。虹の橋をわたる、という言い回しは
すでに手垢がついてしまっている。
渡らないほうが良い。
あとの句のほうが、ずっと良い。

たしかに、最初の句は、アタマでつくった句ですね。
なかなかアタマでつくる欠点を克服できないなあ。

次回の宿題は「緑陰」「夏の雲」です。




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愛馬の碑    鳥野

2008年05月20日 | Weblog
先日、三ヶ根山へ連れて行って貰いました。
A級戦犯の碑があるということで、避けてきた場所です。

しかしそこには、フィリピンで亡くなった兵士を慰霊する広大な墓苑が隣り合い、平和を希求する誓いが充ちていました。

そのなかに、愛馬の碑が2基。捜せばもっとあったでしょう。

平和であれば馬は農耕に運搬にと、大切な働き手。家族同様に愛されていた日々を、徴発令一枚で引き裂かれ、まるで物の如くに、戦場に送られたといいます。

冷酷な上層部とは別に、兵と馬との間には、濃密な愛情が生まれ、逸話もたくさん残されています。

水上勉氏の「醍醐の櫻」、伊藤正起氏の「木曽馬とともに」、伊藤桂一氏の「軍馬のこと」などに克明です。

 ・ 馬あわれわれに添いきて頸を寄す飢えきびしきか汝もさみしきか 伊藤桂一
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二輪草           愚足

2008年05月19日 | Weblog
 少し古いことになるが

「 呼んで呼ばれて寄り添って・・・
 喧嘩したって
 背中あわせのぬくもりが
 かようふたりは ふたりは二輪草」

という無条件に甘い夫婦演歌に「二輪草」というのがあり、川中美幸が歌って久々の四十万枚突破した。素直で歌いやすく酔っ払った夫婦がカラオケで歌うには最適な曲である。

 さて問題は題名の「二輪草」である。
 今月の初めに伊吹山三合目を連れ合いと訪れたらあちこちに白い花が群生している。可愛い花なので名前を聞くと「ニリンソウ」だと言う。「へえーこれが二輪草」かとまじまじと観察した。すると 二輪のもあるが一輪や三輪もある。
 「二輪でないものもたくさんあるけど、ほんとに二輪草なの?」と聞くと次のような講義があった。
 
 「ニリンソウ」はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、平地では三から四月、山地では五から六月に開花し。仲間にはイチリンソウもあればサンリンソウという仲間もある。
 イチリンソウは本当に一輪しか花を付けないが、他の二つは名前通りでないので、花の数で見分けるのは難しい。ではどうして見分けるか?
二輪草は葉柄がなく、葉に白い点々がある。三輪草の花は一番小さく全体に毛があり、標高の高いところに生える。
 また驚いたことに花弁に見えるのは鍔が変化したもので、特にニリンソウでは先祖返りして緑色の花を見つけることがある。でもその確率は四葉のクローバーと同じくらいなのだが、以前上高地で見つけたときは嬉しかったと言う。

 以上が講義であるが、ニリンソウの学名はAnemone Flaccida と言いAnemoneはアネモネ・・ギリシャ語で「風」。Flaccidaは「柔らかな」という意味だそうで
 二輪草は「柔らかな風」ということになる。

 ギリシャの野にも可憐な白い花が揺れていたのであろう、伊吹の五月、背中合わせの温もりに、しばし二輪草のゆれるのを眺めていたのである。

  伊吹晴れ柔らかき風二輪草
  風渡り背中合わせの二輪草
  エーゲより吹き来る風や二輪草
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西行の歌   遅足

2008年05月18日 | Weblog
西行の風景(桑子敏雄・著)を読んでみました。
日本人の生死観に大きな影響を与えた人のようです。

   


願わくは花の下にて春死なん
    その如月の望月のころ

桜の花の咲く空間で、満月の光のさす時間に、死にたい。
多くの日本人の願望の表現ともなっている歌。
空間と時間がはっきりと示されて揺るぎない。
西行が大和言葉によって作り上げた風景。
なぜ、この風景が日本人の心の風景の一つになったのか?

時代は武士の台頭する乱世の始まる頃、
西行は、そんな時代に生まれた。
貴族の世が大きく揺らぎ始めたばかりでなく、
末世と意識され、思想、文化でも転換期。

西行は、この危機を乗り越えるために
日本古来の神々の世界と、外来の仏教を統一したいという
大きな願いを立てた。
しかも仏教という深い普遍的な真理を、
大和言葉という、ローカルな浅い言葉によって表現するという。

西行にとって、歌は真理(仏教)の表現。
願わくは・・・の歌。
桜は日本の神道。
月は仏教を、それぞれ意味している。


西行はローカルな大和言葉の歌によって、
真理を表現することに挑戦、成功したのである。
そして、その願い通りに死を迎えた。
そう理解されたから、西行は当時の人々に多大な影響を与え、
それは今日の我々にまで及んでいる。
 
    

ただ、仏教は男女差別の考えを持っていたのか、
女性には、男性ほどには大きな影響を与えなかったような気もします。

    




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