昨日の句会。兼題は「髪洗う」。男女の身体的感覚や精神性の違いが浮き堀りになって面白かったですね。髪は女の命?長い友達ですね。
では句会の講評をざっくりと。
1,青春まっさかりの娘さんが髪を洗ってドカドカと作者の書斎に現れたそう。奥様が髪を乾かす姿は見たことがないのに。
2,6月の沖縄の戦地。乙女たちはさぞや、髪を洗いたかったことでしょう。髪の洗える今の幸せ、平和のありがたさをかみしめる一句。
3,ギリシャ神話の絵画のよう。ニンフを見ているのは誰か。月がニンフを見ている。決してオオカミではありません。
4,70年前の怖い思いを今、なぜか夢に見ることが多いそうです。
5、小林古径の「髪」という絵画から。スマホで絵を鑑賞しました。髪をとかしてもらっているのでね。上半身は裸です。
6,父の日に髪を洗うお父さん。お子さんやお孫さんが来て下さるのでしょう。
7,「ととのいてゆく」がいいですね。覚悟を決めて嫁ぐ昔の婚礼事情。
8,この気持ち、よくわかります。すべてを洗い流してまた今日という新たな日に向かいます。
9,肉体的、精神的にも疲れた大仕事が終わったと解釈してくださいました。私の場合、去年の夏の手術のあとやっと髪が洗えた喜びを詠みました。私にとっての大仕事でした。
10,昔のご自分のことを詠まれたのでしょうか?
11,おそるおそる赤ちゃんをお風呂に入れるイクメンパパ。耳に水が入らないように思わず力が入ります。
12,淡い瑞々しい少女の初恋。「したたる」は初恋にも洗い髪にもかかるのでしょう。
13,キリスト教から親鸞の教えまで飛び出す宗教観あふれるユニークなしかし深い句。神様から見ると善人も悪人?地獄に行きたくないよ~。ぐつぐつの釜で髪を洗われるのか!
「顔を洗って出直して来い!」という表現がありますが、むしゃくしゃする時は髪を洗って仕切り直し。この皮膚感覚は女性特有のものだとわかり、平安の昔から苦労して髪を洗ってきた女性の性でしょうか?
シャワーやドライヤーのおかげで簡単に髪が洗えるようになった今の時代に感謝、感謝。
さあ、髪を洗って今日もリフレッシュしましょう。