575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

予想  麗

2006年11月30日 | Weblog
明日12月1日、恒例の新語・流行語大賞が発表されます。
候補に挙がった60語をつらつら眺めて私なりに予想してみました。

入賞しそうなのは
新庄劇場、イナバウワー、エロカッコイイ、東京タワー、品格
といったところでしょうか?
毎年政治がらみも必ず受賞するので「美しい国」「再チャレンジ」
も入るかな?
ズバリ!大賞は

          「格差社会」

でいかがでしょう?

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落葉路    

2006年11月29日 | Weblog


今朝、メール便で素晴らしい写真が届きました。
愚足さんからです。
多分、自宅近くの公園だと思います。

この公園、昔は刑務所でした。
小学校の頃、ランニングはこの刑務所を一周。
高い塀の周りを息を切らせて走ったものです。
ランニングは苦手でした。
一度だけ、門の中を覗いたことがあります。
友達のお父さんが看守さんで、なかに住んでいたのかな?

名古屋市が大きくなって刑務所も引越しました。
あとは立派な公園に。
愚足さんと通った小学校は今も健在です。

                     遅足
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短日の人みな前を見て歩く  遅足

2006年11月28日 | Weblog

中京大学の俳句講座より。


この句は、奥村晃作という人の

  次々に走り過ぎ行く自動車の運転する人みな前を向く

を、パクッたものです。

先生の診断を、私なりに解釈して紹介します。
中七・下五のパクリは良いですが、短日はダメです。
日が短くなれば、みな忙しく歩く。
そういう風景は、多くの人がすでに持っているイメージです。
ある意味の発見がありません。
短日を生かすなら、セカセカと歩くなかに、
ふっと後を振り返るような景を捉えたほうが良いでしょう。
また、中七・下五を生かすのなら、短日ではなく、
たとえば、立冬のようなある一日の景に絞った方が。

先生からは、例えば、上五を立冬のようにある一日に
絞ったらとのお話しでした。

 立冬の人みな前を見て歩く

なるほど!
では、これはどうでしょうか?

 短日の人また前を見て歩く  遅足

やはりイマイチかな?



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仮葬儀・紺屋・たかり              愚足

2006年11月27日 | Weblog
 句会のお題「北風」を調べていて久しぶりに「虎落笛」に再会した。
 
 「冬の烈しい風が柵や竹垣などに吹き当って出す笛のような音」とある。

 一度聴いてみたいものと思うと同時に、「虎落=もがり」の意味が気になって辞書をひいてみた。
 ①その昔、死者を本葬するまでの間の仮葬しておく事、またはそうした場所(もがりば)の囲いの事。
 ②戦場・城塞などに作られた防衛柵の事。虎防止の柵とも。
 ③紺屋などで染物を干すために立てた竹や木の支柱の事。
 ④ゆすり・たかりの手合(もがり者)の事。(人を通さないための縄=もがり縄)
  動詞=もがる。(ゆすり、たかる。)
 時代が下るほどに、意味が下落したようですが、それなりに一貫した物は感じます。本当にしみじみ「もがり笛」を聴いてみたいものですが、ゆすり・たかりは遠慮したい物です。
               
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月も見て我はこの世をかしく哉   辞世の句

2006年11月26日 | Weblog
先日、北陸を旅した時、カーナビが教えてくたのが聖興寺。
まあ、行ってみようと、案内に任せて行くと、
松任市の真ん中、旧北国街道(千代尼通り)にありました。
近くには、千代屋といううどん屋さん。千代酒を売る酒屋さん。
「あさがお」という名のスーパーなどがありました。
千代尼とは、加賀の千代女。
朝顔の句で有名な俳人です。

写真は境内にあった千代尼塚。

 月も見て我はこの世をかしく哉

という辞世の句が残されていました。
かしく、ってどういう意味なんでしょうか?

中野徴住職(77)は辞世の句を「人生の終わりを迎え社会に感謝して詠んだ」と解釈する。ぼん悩が消え、月の光のような静かな境地に至った状況を指す『月愛三昧(がつあいざんまい)』という仏教用語があるが、中野住職は「死を前にした千代女は、まさに月愛三昧だったはず」と静かに手を合わせた。(北陸中日新聞より)

古語辞典をひくと、①痩せ衰える ②炊くという意味がありますが。
②でしょうか?

千代女といえば、この句。

 朝顔につるべ取られてもらい水

なお、朝顔につるべ取られてもらい水
であった句、35歳の時に一字直し

 朝顔やつるべ取られてもらい水

としたそうです。
               (遅足)

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冬晴れや国民眠る新幹線  朱露

2006年11月25日 | Weblog

   朝の新幹線に乗ったら皆寝ている。
   「寝ている場合か!」と思うんだ。
   降りる駅に近づくと起きる不思議。
   一億総タヌキ寝入り、じゃんかよ。


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パッチコクな (鳥野)

2006年11月24日 | Weblog
小学5,6年生くらいの男の子が、口諍いをしていました。

「パッチこくな」
その場では、なにを言っているのか分かりませんでした。
分りますか?

正しくは、「嘘っぱちを言うな」のパッチだそです。

若者も子どもたちも、新しい略語を生み出す特技の持ち主。ついていけません。

本題。ある短詩系の講座で、言葉の省略について、質疑応答がありました。
字数を節約するために、つい遣いたくなる略語は、どこまで許容されるのか。

校廊、病廊、は作品に見られます。意味は分るものの良しとはしない。では機窓は?。
車窓があるのだから、飛行機の窓を、そう言いたいが、できれば遣いたくない、というのが結論でした。

ところに最近、

   冬三日月ひたと機窓に深空航く  富安風生

の句を歳時記に見て、俳句の場合の言葉の略し方が、分らなくなりました。

景のよく現された佳い句だと、思います。やっぱり遣い方かな。


  
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万太郎  麗

2006年11月23日 | Weblog
久保田万太郎の俳句がある雑誌に紹介されていました。
ユニークな俳句が多いのですね。

    一句二句三句四句五句枯野の句(どこまで行くの?)


食べ物の句も多いそうです。

    ゆく春や鼻の大きなロシア人(ロシア料理店で作ったそう)
    パンにバタたっぷりつけて春惜む(バターと伸ばさないところがいいですね)

勤労感謝の日。私も一句。

    勤労に感謝し食す赤ワイン



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冬の虹

2006年11月23日 | Weblog


先日、近江の佐川美術館に行った時に見た虹です。

歳時記にも冬の虹はあります。
冬の暖かい雨の後、思いがけず虹のかかることがあります。
まれに見る虹で鮮明です。

 片足を琵琶湖において冬の虹  遅足


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仏御前の滝

2006年11月22日 | Weblog

福井県の九頭竜川の川岸を走っていたら
「仏御前の滝」という看板が目に入りました。
車を止めて、急な坂道を登ること10分。
見事な滝が現れました。

仏御前は、平清盛の寵愛を受けた白拍子。
同じ白拍子の祇王の紹介でした。
ところが、祇王は清盛の寵を失い、
尼となって嵯峨野の往生院に隠れ住みます。
これを知った仏御前も、祇王の後を追って
往生院で髪を落とします。
往生院は、いまの祇王寺です。

仏御前は、越前の仏原栃沢の生まれとされ、
この滝で髪を洗ったと言い伝えられています。
その仏原も、今はダムの底となっていました。
諸行無常。

帰り道、振り返ると黄葉の奥の滝はすっかり日陰に。


 日かげれば仏御前の滝遠し  遅足


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映画と俳句   遅足

2006年11月21日 | Weblog
俳句の基本的な方法は2つ。
一物仕立てと取り合わせ。

 いきながら一つに凍る海鼠かな

 菊の香やならには古き仏たち

いずれも芭蕉の句で、海鼠の句が一物仕立て、菊の香が取り合わせ。
俳句の命である発見という点についていえば、
一物仕立ては、詠まれたことに発見があり、
取り合わせは、取り合わせることによって発見が生まれることでしょうか。

     

ソ連映画の巨匠・エイゼンシュタインは、制作技法として
モンタージュ理論を唱えたことで有名です。
モンタージュ理論とは、映画のカットとカットを組み合わせることによって
新しい意味や美を作り出す技法のことで、
代表作に、ロシア革命を題材にした戦艦ポチョムキンがあります。
彼は日本文化にも関心を持っていました。
俳句からモンタージュ技法を学んだと言われています。
彼がモンタージュ的な俳句としたのは

 かれ枝に烏のとまりけり秋の暮  芭蕉
 名月や畳の上に松の影      其角
 夕風や水青鷺の脛をうつ     蕪村
 明け方や城をとりまく鴨の声   許六

いずれも取り合わせの句です。

     

かれ枝に烏のとまりけり秋の暮  芭蕉

この句の読み方。
① 枯れ枝に烏が止まっているのを見て、秋の暮れだなあと思った。
② 秋の夕暮れ。気が付いてみると、枯れ枝に烏が止まっている。

どちらなんでしょうね?
① はズーム・バック ②はズーム・インの手法ですが。

長谷川櫂さんの読みは、一億人の俳句入門(長谷川櫂)に。

       



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俳句クイズ ③           愚足

2006年11月20日 | Weblog
 俳句・川柳「穴埋めクイズ」です。( )に最適な言葉を入れてください。
  
 ① かぶと虫死んだ( )になっている     大山竹二

 ② 大方の虫は( )に生きて死ぬ        時実新子

 ※正解はともかくコメントでの答えを互いに楽しみたいと思います。

  
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凧きのふの空のありどころ  蕪村

2006年11月19日 | Weblog

同じ蕪村の句
 古里や月はむかしのありどころ

とは、微妙にニュアンスの違った句です。
どうも気になって仕方ない句のひとつです。
目の前に上がっている凧と昨日の空。
とくに、昨日の空のありどころ、という表現。

NHK俳句に出演していた写真家の方が
奥の細道を歩いた体験から、
芭蕉はきっと素晴らしい写真家に
なっただろうと話していました。
ここで、今、シャッターを切ろうと思う一瞬。
それは俳句が生れる一瞬に似ているのでは?と。

一瞬を映す。
それは失われてゆくものへの思いであるとも。

失われゆくものへの思い。
そう思って蕪村の句を読むと、目の前にある凧。
その凧に失われた昨日を見ている、と素直に読めました。


たしかに俳句はいろいろあるジャンルのなかで
一番、写真に近いようです。
写真は匂いも音も映すことが出来るとも。
うーん!音が聞こえ、匂うような俳句をつくらねば。

              遅足

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冬の蜘蛛名はベルナール姓ビュッフェ  朱露

2006年11月18日 | Weblog


     蜘蛛「ビュッフェ?聞いたことねえな」。
     ビュッフェ笑う「冬の蜘蛛トレビヤン」。
     そうだよ自殺してしまったので「冬」だ。
     虚空に直線を織る者、蜘蛛とビュッフェ。


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季語は手ごわい    鳥野

2006年11月17日 | Weblog
先日、可憐な乙女椿の写真が届きました。
ところが、椿は春の季語、詠むならば冬椿か雪椿とするのが、約束事とか。
でも、この可愛らしさは、乙女椿ならではのもの。ならばやっぱり春まで待って、ということでしょうか。

さて、蕎麦について。蕎麦という単体では、歳時記には見当たらず、新蕎麦、蕎麦とろは秋、蕎麦掻き、蕎麦湯は冬とあります。
したがって「蕎麦茹でる」は無季なのか。

空気の乾燥した初冬の夕、ざる蕎麦が食べたーィのに。


季重なり、についてもよく解りません。
兼題として季語が選ばれる場合、たとえば11月の句会の「霜月」。

愚作では、霜月と葱が重なって、これはペケ。

名句とされているのは。

  霜月の晦日よ京の薄氷  言水

  霜月や日ごとにうとき菊畑  虚子

  霜月や壷に活けたる枝みかん  島村元

なさけないことに、本当に解らないのです。
来月の題は「北風」 またまた悩んじゃいます。




   

   

 
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