575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

桐箱によそ行き顔のトマトかな  すみ

2019年07月31日 | Weblog

デパートで桐箱に入った高級トマトを見ました。
身近なトマトが何かよそよそしくみえましたと、作者。

包装の簡素化が叫ばれる昨今。
しかし、桐箱に入ると商品が高価に見え引き立つのは事実。
「すまし顔」とせず「よそ行き顔」としたことで贈答品。
難しいといわれる擬人化の成功例でしょう。
ところで、このトマト。
女性と感じるのは私だけでしょうか、と殿様。

きっと甘くておいしく、お値段もそれなりでしょうね。遅足

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少数派と知りしトマトの砂糖がけ   郁子

2019年07月30日 | Weblog

トマトといえば塩。指でつまんでパラパラと。
サラダにした時はマヨネーズでした。
そしてドレッシング。いずれも塩味です。

聞いたことはあります、トマトに砂糖をかける人。
おふくろの味が砂糖味だったのでしょうか。
酸っぱいトマトには砂糖は合う気がします。

あなたは塩派?砂糖派?
それとも両刀使い?
砂糖派の人が塩をかけて食べると・・・?
どうなんでしょう?
美味しく感ずるのでしょうか?  遅足
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ホバリング網掛けトマトつつきをり  千香子

2019年07月29日 | Weblog

家庭菜園での景でしょうか。
カラスがホバリングしながらトマトを突いています。
突かれないように網がかけてあるのですが。
じつに上手です。

  おとなりさんミニトマトもう食べごろよ  佐保子

これもお隣の家庭菜園を詠んだ句。
土と陽当りの良いお隣はもうトマトが食べごろに。
我が家ではまだまだ青いトマト。
はやくとらないと、カラスにやられますよ。

町内のゴミ出し日には早朝からカラスが集結。
中味が見えないように包んで、網がかけてありますが、
よく知っていますね。
しばらくすると道路に食べ残しが散乱しています。
町内でカラスと野良猫を飼っているようなものです。

                 遅足

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ひとかぶり身体にしみる赤トマト  幸泉

2019年07月28日 | Weblog

60年前、私が小学生の頃、母が暑い夏に農作業を。
腰をおろして一休み。
完熟トマトを汗をたらたらと流しながらかぶりつきました。
そして「やっと、生き返った気がする」と言っていた姿。
あざやかに思い出しましたと、作者。

「かぶりつく」。
口を大きくあけてくいつく。食物に、勢いよく食いつく。
このお二人もかぶりついた記憶を句に。 

  木の流しトマトがぶりし暑き昼  竹葉

  かぶりつく赤の誘惑トマトかな  亜子

完熟トマトの赤。かぶりつく白い歯。
それぞれのトマトの思い出・・・。

           

名古屋はいよいよ梅雨明け。酷暑が始まりそうです。
暑そうです。熱中症にご注意ですね。
最近の気象予報は「オオカミ少年」みたいと、と。
感ずるのは私だけかな?       
                  遅足
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「 津島祭礼図屏風 」16 〜 風俗画の価値 〜 竹中敬一

2019年07月27日 | Weblog

大英博物館蔵の津島天王祭屏風を寛文年間の古例として、八点ある同種の屏風絵

の中でも代表作と評価したのはアメリカの美術史家 ロバート シンガー氏でした。

シンガー氏はその論文の中で 「近世初頭から祭礼を屏風絵として描かれてきたものは、

数種類しかない 。祇園祭礼、賀茂競馬、豊國祭礼、日吉天王祭礼、住吉祭礼などで

ある 。これらの祭礼の大部分はいずれ畿内で行われるものであるが、都から離れた

地域での祭礼の屏風絵として代表的なものといえば、それは 津島祭礼図 であろう 。」

と言ってます 。

また、明治時代、「 津島祭礼図屏風 」など肉筆のものや版画の浮世絵を蒐集し、

3500点も大英博物館に譲渡したのもイギリスの医師 ウイリアム アンダーソン氏でした 。

このように、日本より浮世絵のように海外で評価された例はよくあることのようです 。

私が知っているのでは 、アメリカの美術品収集家ハーリー・パッカード氏 。

パツカード氏は先般、亡くなったドナルド・キーン氏と同じアメリカ海軍の日本語

学校で学び、日本美術史を研究 。進駐軍として来日しています 。

パツカード氏が早大に留学中、私たち美術史専攻の学生と一緒に奈良へ実習旅行に

行ったことを憶えています 。

その時 仏教美術などに造詣が深いのに皆んな驚いたものです 。

彼のような 「 目利き 」は、美術品に対する知識が豊富であるばかりでなく、鋭い

審美眼が備わっているのでしょう 。

パツカード氏の膨大なコレクションはメトロポリタン美術館に収められ ています。

( 彼は1991年 77歳で死去 )


ところで、津島天王祭屏風と同様、多くの群像が細かく描かれている屏風絵は「洛中

洛外図 」などかなりありますが、私がこのことでまず頭に浮かぶのは中国の名画、

清明上河図巻 です。

平成24年に東京国立博物館で、この北京 清明上河図が展示され話題になりました 。

今 その図録を見ています 。細長い巻き物に河が流れ、橋 、船 、人々が行き交う様子

などがびっしりと描かれています 。

中国 北宋時代 ( 日本の平安時代 ) 、都のあった汴京開封 ( べんけい かいほう )の

賑わいが生き生きと描かれており、思わず引き込まれます 。

天王祭屏風絵と同じように商店が立ち並び、食べ物を売る店、曲芸を見物する人々など

が見え 、構図も似ています 。


津島の天王祭屏風絵でも、ともすれば、類型化しがちな人々の顔の表情や仕草まで

細密描写で一人一人 個性豊かに表現しています。

細部にこだわりながら、天王川を挟んで全体としてまとまった構図となっています。

ただ、この屏風絵では彦火火出見尊 ( ひこほほでみのみこと ) 絵巻など平安時代の

絵巻物に見られるように雲や霞 ( かすみ )を描いて場面の転換や省略をはかる

大和絵の手法が取り入れられています。 つづく



「津島祭礼図屏風 」( 綴プロジェクト 高精細複製品より )



朝祭り( 左隻 )の津島5か村側に描かれた場面 。夫婦でうどん屋でも営んでいる
のでしょうか 。坊さんが無理やり誘われて困り顔 。路上で頭上に盆を載せて
売り歩く女性が2人 。その中味は津島名物 のお菓子 アカダという説もあります 。
屏風絵には金雲 が いたるところに出てきます 。金雲とは金箔 ( きんぱく )や
金泥 ( きんでい . ニカワをといた水に金粉をまぜたもの )で描かれた雲や霞の
こと 。場面転換などの時によく使われ、装飾的な効果があリます 。
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五回裏球児丸ごと塩トマト   麗子

2019年07月26日 | Weblog

暑い地方大会で塩分と水分を取っている姿。
球児達の姿が浮かびます、と幸泉さん。

夏の甲子園を彷彿とさせる元気な句。
「丸ごと」が句をダイナミックにしている印象。
ところで、夏の甲子園。
実は、A新聞が発行部数を伸ばすために始めた販促。
春はM新聞が柳の下を狙ったもの。
しかし、近年、夏の熱中症が多発し亡くなる方も急増。
炎天下でのスポーツは避けるべきと報じられています。
夏の屋外スポーツは、ドームなど屋内での開催に
シフトすべき時代を迎えた気がします、と殿様。

5・3・4・5と名詞が並び、リズムが生まれました。
下五の「塩トマト」も塩味の効いています。
夏の高校野球の大会、地方予選も決勝戦へ。
春夏連覇を目指した愛知の東邦高校。
残念ながら2回戦でも姿を消しています。(遅足)

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ケータイの言葉   麗

2019年07月25日 | Weblog
初めてケータイを持つという高齢の方のお供でケータイショップを訪れました。
公衆電話が少なくなり、タクシーを呼ぶのも大変ということでついに購入することを決意されました。それにしてもケータイ業界の言葉の難しさ。改めて専門用語の多さに驚きました。

パケット通信、データ増量、SMS、待ち受け画面、長押し、マナーモード、バイブ。アプリ。初めて聞く言葉ばかりだったようです。これがスマホとなるともっと操作上の言葉が増えて。。。てんてこ舞いになる気持ちよくわかりました。

簡単スマホというものも出ていますが、やはり高齢者には操作が難しいと思いました。シンプルな、電話をかけるだけのそして、契約ももう少しわかりやすい形だといいのですが。そして通話料金も固定電話並みにもっと安くして欲しいです。
若い人にはなんてことない言葉遣いも高齢者には聞き取りにくく難しいもの。
契約に際しては、運転免許証がないと保険証に住民票の二つが必要なことも解りました。

ケータイとインターネットが世の中を変えたとよく言われますが、人生100年時代に即したケータイ電話も必要だと思います。高齢者のための優しいケータイの開発を望みます。

ややこしい契約を済ませ、ハンドバッグから新しいケータイを取り出す姿、素敵でした。早速、練習のためにご主人に電話されました。早く慣れて、これからの生活が少しでも快適になりますように。

          新しい言葉溢れる酷暑かな  麗
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障がい児トマト六つにうまく切れ  紅

2019年07月24日 | Weblog

トマトを6等分に切る。健常者に簡単なこと。
しかし、ある障がい児には難関でした。
なんとか、トマトを6等分することに成功。
その時、訪れた幸せの情景を句にしました、と作者。


情景描写のみ。しかし、障がい児の喜びが伝わります。
作り手の感動を句が伝え詠み手も感動する。
この感覚が俳句の醍醐味なのでしょう。
なお「障がい児」自治体で表記が異なります。
愛知はいまだ「障害児」と表記。
「害」という一文字の持つ意味。
差別なき社会を切に望みます、と殿さま。

          

オリンピックまでちょうど一年。
梅雨のあけたような青い空。強い日差し。
来年、大丈夫でしょうか?
どこかヘンですね。こんな夏にやるなんて・・・
よく経済は、犬が尻尾を振っているんじゃなくて
尻尾が犬を振り回していると言われますが、
オリンピックも似た構造なんでしょうか? 遅足



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廃村に紅一点のトマト生る  殿

2019年07月23日 | Weblog

誰もいないのに 紅いトマト。
さみしさなど感じます、と幸泉さん。

作者の注釈です。
東京都奥多摩の廃村。命なきモノトーンの感。
しかし、ぽつんと赤き色。歩みよると熟したトマト。
自然に還ろうとしている廃村の紅一点です。

廃村というと頭のなかには色のない廃屋のイメージ。
それに赤という鮮烈な色の取り合わせの見事さ。
色彩感覚の豊かな良い句ですね。遅足
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あじさいに斬首を待てる色のあり   遅足

2019年07月22日 | Weblog

参院選挙は自民・公明・維新の改憲三党の勝利。
改憲に必要3分の2を超えることだけは避けられました。
9条は首の皮一枚で残った感じです。

わずか数議席の差、転向する議員さんも出てきそう。
でも取りあえずはホッとしました。

今度の選挙で山本太郎さんの運動を見たかったけれど・・・
この人が風を呼ぶ男だったのに。
テレビが無視に近い扱いでもインターネットの時代、
あれだけの票をあつめたのは立派。
時代は変りつつあるのでしょうね。



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お久しぶりです。朱露さん!  遅足

2019年07月21日 | Weblog

わが大先輩の朱露さんのうわさが聞こえてきました。
殿さまから、こんなメールが。


ところで、すでに鬼籍に入られた方だそうですが、
575の会の「草柳氏」を師とする女性からフェイスブックを
通じコンタクトがありました。
落語もされるので、俳句の注釈を小咄にして連句としました。
興味があればご一読ください。

「打ち水や 縁<えにし>になれと 小町待つ」

 暑い夏の打ち水。
 涼し気な夏の風物詩でございます。
 ところで、木場の若衆。
 深川で有名な小町に恋慕。
 小町に打ち水を故意に掛け、縁にしようと待ち構えます。
 さて、小町がやってまいります。
 若衆。ここぞとばかりに打ち水を放ちます。
 「失礼しやした」と若衆。
 すると小町「いいえ、恋<故意>だとわかっております」

朱露さんのお得意は「鰍沢」だったと記憶していますが、
殿さまの小噺に喜んでいることでしょう。

           

朱露さんを師とあおぐ女性の方からも句が。

「夏寄席や 亡き人集う 楽屋口」

ここ数年、会長はじめ三名が鬼籍に入られました。
今週は句会も開かれます。
亡き会長により始まった句会。
その遺志を継ぎ長く続けていきたいと思います。

            

朱露さんはアナウンサー。私はディレクター。
幾つかのテレビの番組でご一緒しました。
吉田神社の手筒花火の奉納を取材したことも。
あれは天狗連のみなさんに出演をお願いしましたね。
そちらではもう句会をひらいていますか?
私が行ったら入れて下さい。
こちらでは今日、参院選挙の投票日。
明日の日本のありかたが変わるかも・・・・遅足


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「 津島祭礼図屏風 」15 〜 再び成立年代について 〜 竹中敬一

2019年07月20日 | Weblog


アメリカの美術史家 ロバート シンガー氏は大英博物館蔵の「津島祭礼図屏風 」の

制作年代について、江戸時代初期の寛永年間( 1624 〜 1644 )の作品としています 。

屏風に描かれた景観が寛文年間のものとする根拠について、シンガー氏の論文から

十分、読み取れませんが、文献から幾つか拾ってみました 。

〇 昭和50年代、津島市教育委員会の稗田 豊 氏 ( 故人 )が「津島市史 ⑸ 」に掲載した

「津島祭りについて 」の記述から

「 寛文十八年文書 」などから「 寛文十二年 ( 1672 ) には、芝居小屋一、小屋掛

二十軒がかけられ、呉服屋、扇子屋など、辻々には多くの市場が立って大変な

賑わいを見たようだ 。」

また、「延享四年( 1747 ) の津島の大火により、多くの道具類も類焼し、まもなく

復興したものの、幕府の倹約令などと相まって、以前ほどの豪華さも失われてきて

いた 。」


また、地元の津島市、愛西市の関係者に聞いた話や文献からまとめてみました 。

〇 津島五ヶ村 ( 今市場・筏場・米之座・ 下構・堤下 )の楽車五艘が出揃ったのは

江戸前期慶長年間で 、それ以前は今市場・筏場・下構の三艘が楽車舟で米之座・

堤下の楽車は陸路だったことがわかっていて、屏風絵は江戸時代になってからのもの

であろう 。

〇 大英博物館蔵の津島天王祭屏風の宵祭の場面 。

画面 向かって右側に天王橋が描かれています 。

この橋は江戸中期の宝暦10年 ( 1760 )に取り払われているため、少なくとも

それ以前に描かれたものであろう 。

〇 宵祭の画面下に描かれている女歌舞伎は江戸時初期の寛永6 年 ( 1629 )に禁止

されている 。

〇 朝祭の画面 向かって左端に小さな社 ( やしろ )が 見える。寛永13年 ( 1640 )頃に

建てられ新宮 (しみや )と呼ばれて、参詣客も多かったが、まもなく事情があつて

取り壊されている 。

更に、厄介なのが天王橋にしろ新宮にしろ、すでに失われていたが、後で追想して

描かれたのかもしれない という考えも出てきます。復元表現の手法です 。

いずれにしても、江戸時代前期であろうとされますが、まだはっきりと制作年代は

確定しているわけではありません 。 つづく


写真は「 津島祭礼図屏風 」( 大英博物館蔵 )
   「 綴プロジェクト 」高精細複製品より

朝祭り左端に描かれた小さな社 ( やしろ ) 。寛永13年 ( 1640 )頃に建てられ
新宮 ( しみや )と呼ばれ参詣人も多かったが、まもなく、事情があって取り壊
されています 。
この場面から屏風絵が寛永年間とする根拠の一つとする見方もあリます 。


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7月句会の結果です。

2019年07月19日 | Weblog
7月句会はごらんの結果となりました。あまり身近な素材のトマト。
詩的に昇華させるのに成功した句、成功しなかった句。
なかなか苦労があったようです。私は失敗しました。遅足


題詠「トマト」

①廃村に紅一点のトマト生る(殿)幸泉・結宇・紅・すみ・遅足・静荷
②障がい児トマト六つにうまく切れ(紅)殿・狗子・晴代・亜子・千香子
③トマトもいで虫垂炎のオペの跡(結宇)
④トマト生り注連飾りたる伊勢への路(等)
⑤五回裏球児丸ごと塩トマト(麗子)幸泉・結宇・殿・佐保子・竹葉・すみ・遅足・狗子・晴代・亜子・等
⑥おとなりさんミニトマトもう食べごろよ(佐保子)能登・郁子
⑦かぶりつく赤の誘惑トマトかな(亜子)竹葉・千香子
⑧美を競うフルーツトマトよりあまく(遅足)
⑨ひとかぶり身体にしみる赤トマト(幸泉)
⑩木の流しトマトがぶりし暑き昼(竹葉)
⑪焼跡のトマト豊作敗戦日(静荷)能登・幸泉・結宇・佐保子・紅・すみ・遅足・亜子・等・千香子・郁子
⑫馳走膳ピカピカトマトの肌に露(能登)竹葉
⑬高湿度冷やしトマトの茶うけにす(晴代)
⑭ホバリング網掛けトマトつつきをり(千香子)晴代・麗子・等
⑮少数派と知りしトマトの砂糖がけ(郁子)狗子
⑯桐箱によそ行き顔のトマトかな(すみ)能登・殿・紅・麗子・静荷
⑰クラス会初恋の人ミニトマト(狗子)佐保子・麗子・静荷・郁子


自由題

①笑みて頁めくるがごとく水を撒く(郁子)佐保子・すみ
②桃李撮りメールくれる子柿若葉(千香子)
③黒南風やペタペタ不快足の裏(能登)
④光る泡まといつ沈む桶の桃(晴代)能登・結宇・佐保子・紅・すみ・遅足・狗子・亜子・静荷・千香子・郁子
⑤叢を分け捩花の咲きのぼる(佐保子)能登・千香子・郁子
⑥星の子の跳んで銀河の水たまり(遅足)能登・殿・紅・晴代・麗子・亜子・静荷・等・千香子
⑦右折せば仏法僧の啼く山へ(静荷)狗子・麗子
⑧梅雨晴れや弾(はず)む路上の弾き語り(亜子)幸泉・静荷
⑨梅雨晴れ間屋根神様も機嫌よし(麗子)
⑩シャワー浴ぶ排水口の呻き声(すみ)遅足・等
⑪梅雨の宿(しゅく)旅籠人なく猫一匹(等)
⑫おはようさん腹ぺこメダカ勢ぞろい(竹葉)すみ
⑬つばめ過る(よぎる)水屋の窓の行方かな(結宇)竹葉
⑭ミニトマトほうばるほほの愛らしさ(幸泉)
⑮皺深く小さき母の手梅を干す(紅)幸泉・結宇・殿・狗子・晴代
⑯夏の酔い憶いの海へ舟を漕ぐ(殿)竹葉・紅
⑰夏みかん目から青春ほとばしる(狗子)幸泉・結宇・佐保子・竹葉・遅足・晴代・麗子・亜子・等・郁子

次回は8月21日(水)午後1時20分 愛知芸文センター12階
題詠は「鬼灯」です。

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トマト句会   麗

2019年07月18日 | Weblog

梅雨の晴れ間となった昨日、トマト句会が開催されました。
身近にある野菜過ぎて作るのに時間がかかる難題でした。

今回の遅足主宰からの金言は

1,共感の持てる発見であること。
2,言葉で絵を描く。
3、回想句に要注意!

このあたりが選句のポイントになった感じでした。ではどんな発見があったのか見て行きましょう。


題詠「トマト」

①廃村に紅一点のトマト生る

映像が目に見えるようです。やや、散文的という指摘がありました。「廃村や」と切れにしてはというコメントも。

②障がい児トマト六つにうまく切れ

包丁の切れ味をためすくらいトマトを切るのは難しいです。しかも、障がいを持つお子さんなら尚更です。「障がい児」という言葉が強すぎるという声も。

③トマトもいで虫垂炎のオペの跡

トマトの種は虫垂炎になる?それはスイカでは?手術した苦い夏の思い出でしょうか?

④トマト生り注連飾りたる伊勢への路

確かに伊勢の町には一年中注連縄が飾ってありますよね。トマトとの結びつきにやや共感得られず。

⑤五回裏球児丸ごと塩トマト

グランド整備をする「五回裏」が発見でした。塩分水分補給の時間です。

⑥おとなりさんミニトマトもう食べごろよ

口語調がこの句の決め手です。

⑦かぶりつく赤の誘惑トマトかな

「赤の誘惑」がこの句のポイントです。

⑧美を競うフルーツトマトより甘く

どんどん甘くなるトマト。水分を控えると甘さが増すそうです。ダイエットと通じるものがありますがやや共感得られず。

⑨ひとかぶり身体にしみる赤トマト

中七を具体的にした方が発見があるのでは?実感はありますが。

⑩木の流しトマトがぶりし暑き昼

「暑き昼」にもう一工夫欲しいとの声あり。

⑪焼跡のトマト豊作敗戦日

これからの日本に何か明るい希望が欲しかったという作者。もう戦争は終わりトマトだけは赤く熟れていました。お見事!

⑫馳走膳ピカピカトマトの肌に露

「ピカピカ」にかわるオノマトペが何かあれば。

⑬高湿度冷やしトマトの茶うけにす

「高湿度」を何か違う言葉で。

⑭ホバリング網掛けトマトつつきをり

この句の発見は「ホバリング」です。烏やひよどりと言わなくても鳥との攻防戦がわかります。

⑮少数派と知りしトマトの砂糖がけ

個人的な思い出を大多数に共感させる難しさ。

⑯桐箱によそ行き顔のトマトかな

「よそ行き顔」が発見でした。桐箱に入ったトマト。さぞやお高いことでしょう。

⑰クラス会初恋の人ミニトマト

三段切れ。初恋の人とかわいいミニトマトがうまく響きあう感じがしました。実情は60年ぶりに会った初恋の人が、今は野菜を作っていたという落ちでした。

いかがでしたでしょうか?意外に難しいお題でした。

ちなみに久保田万太郎の俳句。

    梅雨冷えのサラダのトマト赤きかな

でした。季重なり。トマトは赤いもの!と夏井先生に指摘されそうです(笑)
俳句ってやっぱり難しいですね~。

来月はお盆も終わり、一息つく頃の開催です。

8月21日(水)午後1時20分 愛知芸文センター12階でお待ちしています。
題詠は「鬼灯」です。どんな鬼灯が競い合うでしょうか?言葉で絵を描いて見ましょう。麗

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6月句会の投句があつまりました。  遅足

2019年07月17日 | Weblog
題詠は「トマト」です。さまざまなトマト。
まっかなトマト山盛りです。
どのトマトに人気があるのでしょうか?


題詠「トマト」

①廃村に紅一点のトマト生る
②障がい児トマト六つにうまく切れ
③トマトもいで虫垂炎のオペの跡
④トマト生り注連飾りたる伊勢への路
⑤五回裏球児丸ごと塩トマト
⑥おとなりさんミニトマトもう食べごろよ
⑦かぶりつく赤の誘惑トマトかな
⑧美を競うフルーツトマトより赤く
⑨ひとかぶり身体にしみる赤トマト
⑩木の流しトマトがぶりし暑き昼
⑪焼跡のトマト豊作敗戦日
⑫馳走膳ピカピカトマトの肌に露
⑬高湿度冷やしトマトの茶うけにす
⑭ホバリング網掛けトマトつつきをり
⑮少数派と知りしトマトの砂糖がけ
⑯桐箱によそ行き顔のトマトかな
⑰クラス会初恋の人ミニトマト


自由題

①笑みて頁めくるがごとく水を撒く
②桃李撮りメールくれる子柿若葉
③黒南風やペタペタ不快足の裏
④光る泡まといつ沈む桶の桃
⑤叢を分け捩花の咲きのぼる
⑥星の子の跳んで銀河の水たまり
⑦右折せば仏法僧の啼く山へ
⑧梅雨晴れや弾(はず)む路上の弾き語り
⑨梅雨晴れ間屋根神様も機嫌よし
⑩シャワー浴ぶ排水口の呻き声
⑪梅雨の宿(しゅく)旅籠人なく猫一匹
⑫おはようさん腹ぺこメダカ勢ぞろい
⑬つばめ過る(よぎる)水屋の窓の行方かな
⑭ミニトマトほうばるほほの愛らしさ
⑮皺深く小さき母の手梅を干す
⑯夏の酔い憶いの海へ舟を漕ぐ
⑰夏みかん目から青春ほとばしる

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