575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

空真青(まさお)ルーキー投げむ東風を背に   結宇

2012年03月31日 | Weblog
真っ青に晴れ上がった空を背にすっくと立つルーキー。
「投げむ」の「む」は、推量。
今まさに、ルーキーが東風を味方に、剛速球を投げようとしている、と。
一枚の絵のように鮮やかな一句。
剛速球の軌跡が目に浮かびます。

今朝は朝から雨。
名古屋の桜は昨日、開花したそうです。
いよいよ春本番ですね。

甲子園も春の熱戦が繰り広げられています。
愛知代表の名電高校がベスト・エイト進出。
今日の相手は強敵です。

雨で明日に順延でしょうか?
勝利の風を味方につけるは、どちらか・・・

                    遅足


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春雨や若い夫婦の時差勤務    朱露

2012年03月31日 | Weblog
   道路向こうにプレハブが六軒建った。
   十二人の若い夫婦が共働きしている。
   自動車は十二台で殆ど黄色ナンバー。
   土曜の今朝三台しかないのは何故だ。

             



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東風吹いて匂へる明日の門(かど)に立つ  郁子

2012年03月30日 | Weblog
私の句は分かりやすいと思います。
「東風」は、卒業式の校門。
明るい明日がきますようにと、郁子さん。

我が子の卒業を祝う母の心。
卒業にあたって、いろいろな事が思い出されたことでしょう。
母と子で意見の衝突もあったことなども・・・
やっと、という思いと、あっという間だったという思い。
大人になったわが子への思い。
匂える明日、という表現が、たおやかで良いですね。 遅足



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やっと。。。麗

2012年03月29日 | Weblog
やっと、名古屋にも春が来ましたね。
これでダウンコートもクリーニングに出せるかな?
昨日、私のお薦めお花見スポットの春日井の落合公園に桜の様子を見に行きました。
まだつぼみは固そうでしたがどうやら来週には咲きそうですね。


やっと、つながりでもう一つ。
昨日やっと歳時記を購入しました。
この間の句会で遅足さんがご紹介下さった「いちばんわかりやすい俳句歳時記」(辻桃子・安倍元気著 主婦の友社)です。

575の句会に参加して17年。今頃と!?と怒られそうでがやっと買いました。
新旧の季語が7000。江戸の名句から最新のものまでお手本になる例句が満載です。
読みものとして楽しめそうです。
山笑うという季語は知っていましたが「山覚める」という季語もあるのですね。
歳時記を手に入れ、私のマンネリ俳句に変化がでることを期待して下さい。

    歳時記やレタスの俳句引いてみる   麗
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目を閉じて浴びるがごとく東風の波    智恵

2012年03月29日 | Weblog
東風を波と捉えたところが面白い句です。

古今集のなかの紀貫之の歌。

  さくら花ちりぬるかぜのなごりには 水なきそらに浪ぞたちける

この歌を本歌取りしているのかも知れませんね。

風に向かって目を閉じる。まなぶたに東風の風が。
まるで、波の飛沫をあびているようです。

和歌は視覚的な表現。句は触覚的。
肌で感ずるところに違いがありますね。  
あるいは男性と女性の違いかも・・・・   遅足



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黐辛夷アブストラクト春日の出     朱露

2012年03月29日 | Weblog
   猫額の庭に黐(モチ)と辛夷(コブシ)。
   まだ葉を落したままの大木を眺める日々。
   私はこんなに複雑な男じゃないぞと呟く。
   道路向こうに建ったプレハブ住宅たちよ。

              



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春めいてキリンプチ缶目覚ましに    朱露

2012年03月28日 | Weblog
  「プチ」はフランス語で「小さい」のこと。
  麦焼酎「下町のナポレオン」は大分県から。
  清酒「蓬莱泉」は奥三河北設楽の関谷醸造。
  私がコンニチあるのはこの人たちのお陰だ。

       突然のち



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原発を脱いで帰っていらっしゃい  笹田かなえ

2012年03月28日 | Weblog
高校の教科書(2013年度)に、福島原発事故にふれたものは
わずか7%だったという記事が、今朝の中日に載っていました。

ヒロシマ、ナガサキに続くフクシマ。
福島を普通名詞にしてしまった事故ついて教科書がとりあげないとは、
安全神話を支えていたものの一つが教育界でもあったことを、
改めて教えてくれるニュースです。

家に帰ってくる時は、原発を脱いでから、というこの川柳。
主語は誰なのか?奥さん?あるいは国家、と読むことも可能。
なかなか意味が深いですね。
                       遅足




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東風に揺れ炎となりし辛夷かな   朱露

2012年03月28日 | Weblog
東風に揺れている辛夷の花。
花が揺れている様子を、炎のように、と形容したのでしょうか?
ある日は、夕焼けの中で揺れている辛夷なのでしょうか?

作者の意図は少し違っているようで、こう述べています。

家の二階、南窓の外に辛夷がある。
辛夷の大枝、小枝は一斉に東へ向っている。
しかも、枝は、滑らかな直線ではなく、不規則な曲線なので、
「めらめら」と燃える炎を思わせるのです。

辛夷の木そのものを炎と感じていたのですね。
作者には、なにか燃え上げるモノがあったのでしょうね。

                       遅足



 
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鷹匠の住んだ町   鳥野

2012年03月27日 | Weblog
我が住まいの近く、名古屋城の北西に「鷹匠(じょう)町」と呼ばれる一角がありました。
改正で、味気ない「城西」に大括りされたものの、かっては、そのまま由緒を伝える町名でした。

鷹狩りの歴史は古く、奈良時代まで遡り、大伴家持や橘奈良麻呂も好んだようです。

猛禽の鷹を使い、狩をするのは日本に限らず、世界の各地で行われています。
現在も11ヶ国ではユネスコの無形文化財に指定されていると、聞きます。

わが国では、ことに戦国時代の武将に愛されて、飼育し調教する係りは、鷹匠として厚遇されていました。
江戸時代には、大名の特権だった鷹狩りも、今では自由となり、その伝統は研究者や愛好家に引き継がれています。

そんな謂れを思いながら、界隈を歩いていると、小さな軒灯に「鷹匠町」の文字が。
幻想だったのかも。

  ・ 春灯し鷹匠町はこの辺り  鳥野

コメント (1)
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山笑う車と人は寝静まる    朱露

2012年03月26日 | Weblog
  「山笑う」は春だがこの山は年中笑う。
  年よりで角が取れて低いので怖くない。
  多米の山々は私と同じだし長年の友だ。
  此処へ来なければ私の方は死んでいる。



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聖戰といふもおろかやかひやぐら    八田木枯

2012年03月26日 | Weblog
今朝の新聞を読んでいたら、八田木枯さんの死亡記事が。
先月だったと思いますが、NHK俳句のなかで
今月の俳人として紹介されたばかりです。
津市の出身で、87歳だったそうです。

この世代の方は、戦争体験者、そんな句を選んでみました。

 聖戰といふもおろかやかひやぐら

かひやぐらは、蜃気楼のこと、春の季語です。
そういえば「聖戦」と言っていたんですね。
国民を戦争に動員するには大義名分が不可欠です。
今はイスラム戦士たちが使っています。

 戰争にゆく玉葱を道連れに

戦争はすべてのモノを動員する総力戦でした。

 國の爲奥齒で噛みし梅干よ

お国のためと、小国民まで歯を食いしばって耐えました。

 國に恩賣りしことあり蠅叩く

そして想定外の敗戦。国の恩を売ったという回顧は
痛烈な皮肉かも知れません。

 とほのきし昭和の夏や深轍

戦争も遠い昔に・・・

 戰争が來ぬうち雛を仕舞ひませう

次の戦争の臭いを感じていたのでしょうか。
再び戦争に加担しないように。残された我々の責務ですね。

                      遅足



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春寒や新聞碁打つ飽きるまで     朱露

2012年03月26日 | Weblog
    勝負が終わった記録を「総譜」と言う。
    この束から一枚抜いて飽きるまで打つ。
    日本棋院の入段試験を大昔受けてみた。
    無論有段者だが人と打ったことがない。

              


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春めくや縁側で飲むカプチーノ   竹内克子

2012年03月25日 | Weblog
塔句会の句集から。

カプチーノは、エスプレッソに砂糖を入れ、
ホイップ・クリームを浮かべたもので、
イタリア風のコーヒーだそうです。
ちょっとおシャレな飲み物ですね。

縁側は日本家屋そのもの。室内でも屋外でもない空間。
そんな縁側で飲むカプチーノ。
日本家屋を使った喫茶店でしょうか?
イタリアと日本との取り合わせが面白く感じられます。
春めく、という季語も良く効いています。

飲んでいるのは、モチロン女性・・・
一人なのか、二人なのか?
二人なら、女友達か?男友達か?

春らしい幸福感に満ちた句。
ちらっと顔を見せた永遠を捉えた一句とも。

                   遅足


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春の雲二階の窓の前を往く    朱露

2012年03月25日 | Weblog
    東の多米山脈が窓の左手から正面に。
    雲たちは西から来て多米山脈に向う。
    三十年見ていて飽きないとは如何に。
    七十年付合っていて飽きないと同じ。

             


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