575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

3月句会の最終結果です。 麗

2018年03月30日 | Weblog
7名の参加でした。満開の桜の中、楽しいさえずりが句会場からも聞こえました。
さて、来月からは投句の締切は第2金曜日(句会の前の週の金曜日)となります。二日ほど早くなりましたがどうぞよろしくお願いいたします。では、遅足さんに替わって結果をお知らせします。


題詠「囀り」
①囀りや野辺の地蔵のおつむから(立雄) 静荷・亜子・結宇・すみ・遅足・能登
②校庭の大樹揺らして囀れり(亜子)晴代・能登・麗子
③囀りの聞けぬ地球にならぬやう(佐保子)亜子
④転生と定めたる樹や囀れり(遅足)能登・麗子
⑤さえずりや透ける命をふと思う(えみ)静荷・狗子・郁子・佐保子・遅足・立雄
⑥吾が影に囀りの止むガラス越し(結宇)静荷・等・晴代・立雄
⑦さえずりや母なき庭に寄り添いて(麗子)結宇・えみ
⑧陽は跳ねて囀り木々にこそばゆし(郁子)亜子・すみ・佐保子・智恵・立雄・えみ
⑨赤や黄の子らの囀り春光る(等)結宇・佐保子・智恵
⑩囀りや山の深さと高さ知る(晴代)狗子・郁子・すみ
⑪囀りの不得手なオスや我に似て(能登)等・智恵・えみ
⑫囀りや袂袴の踊る街(すみ)等・郁子
⑬囀りや頭上に烏睥睨す(静荷)狗子・晴代・麗子
⑭さえずりの姿を見れば興も醒め(狗子)智恵

自由題
①菜の花の味わう頃や311(能登)
②花菜漬け友現れぬ手酌膳(すみ)等・晴代・郁子・結宇・智恵・能登・立雄・えみ
③雨の露地ぬけて匂へる沈丁花(佐保子)等・能登・えみ
④万両朱雀食い止す(サス)二月尽(結宇)狗子
⑤北窓を開けて実家の二階かな(麗子)静荷
⑥老婦人の墓に植えたる花馬酔木(郁子)
⑦砂浜は波の跡のみ桜貝(等)狗子・亜子・智恵・麗子
⑧ひらがながふわり浮かんで春の海(えみ)静荷・狗子・晴代・亜子・郁子・結宇・すみ・佐保子・遅足・麗子・立雄
⑨春昼や我が歌へば子も歌ふ(静荷)晴代・智恵・能登
⑩春窮の大地離れぬ雀かな(遅足)結宇・すみ
⑪道標の東も西も朧かな(亜子)遅足・麗子
⑫茎(くく)立って鉢は隅へと移されし(晴代)静荷・郁子・すみ・佐保子・立雄
⑬初めての小さな歩み青き踏む(狗子)等・亜子・佐保子・遅足・えみ
⑭一斉に親の餌を待つ燕の子(立雄)

来月は4月18日お題は「晩春」です。YWCA201号室です。春を惜しみましょう。麗子
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満開の桜の下での囀り句会   麗

2018年03月29日 | Weblog
昨日は3月というのに名古屋では夏日を記録しました。
栄周辺の桜も満開。7名の参加でしたが、にぎやかに囀りました。
安藤さま、おいしいマカロン、ご馳走さまでした。

では一言講評です

題詠「囀り」
①囀りや野辺の地蔵のおつむから

「おつむ」という言葉がほほえましいですね。のどかな野辺の風景が目に浮かびます。お地蔵さんは一つでしょうか?それとも5体くらい?色々想像できます。

②校庭の大樹揺らして囀れり

校庭の大樹のにぎやかな囀り。作者は戦後、地域に開かれていた校庭に入り大きな木を見たそうです。73年前の記憶を呼び起こして作られました。

③囀りの聞けぬ地球にならぬやう

現代社会に警鐘を鳴らす一句。囀りの隙間に潜む危機感を詠まれました。本当にそうですね。

④転生と定めたる樹や囀れり

「てんしょう」か「てんせい」か?そしてこの転生は我が身のことか、それとも生まれかわったら鳥になってこの樹木のもとで囀りたいか?命のめぐりを考えさせられる一句。

⑤さえずりや透ける命をふと思う

こちらも自分の命の行く末をふと考える一瞬。思索的になります。「透ける命」がはかないですね。


⑥吾が影に囀りの止むガラス越し

実景。静寂な一瞬。「囀り」が止まる一瞬をわかりやすい言葉で表現されました。


⑦さえずりや母なき庭に寄り添いて

入院中の母。庭を愛した母の留守を鳥がさえずって慰めてくれます。「母なき」が亡くなったと思わせるので「留守」などの表現が良いというアドバイスをいただきました。

⑧陽は跳ねて囀り木々にこそばゆし

擬人化の成功例。確かに木々もたくさんの小鳥が留まってさえずられたらこそばゆいことでしょう。


⑨赤や黄の子らの囀り春光る

かわいい子供達の囀りは比喩なので「春光る」という季語があっても季重なりにはなりません。

⑩囀りや山の深さと高さ知る

実際に山に入ってみると案外高いところまで囀りは聞こえるそうです。反響もして改めて山の深さ、高さを実感されました。


⑪囀りの不得手なオスや我に似て

鳥の囀りは求愛行動。不得手とおっしゃいますが。。。そんなことないと思います!
作者はもちろん男性です。

⑫囀りや袂袴の踊る街

たもと、はかまが卒業シーズンを表現。こちらの囀りは女子大生の比喩でしょうか?「踊る」は秋の季語なので「躍る」にすればという声もありました。

⑬囀りや頭上に烏睥睨す

あまり好まれない烏。近くで見ると本当にえらそうで見下されている感じがします。「睥睨」という言葉遣いが新鮮でした。

⑭さえずりの姿を見れば興も醒め

声はいいのに意外と地味な鳥の姿。電話で声だけ聞いていると会ってびっくり!!ということも??


いかがでしたでしょうか?
鳥たちの囀りに負けない575の会の囀り。またのぞいてくださいね。来月は「晩春」です。
この陽気ではもう夏かもしれませんね。ではごきげんよう。麗子

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3月の俳句が集まりました

2018年03月28日 | Weblog
今月の句が集まりました。
どの囀りが心に響くでしょうか?

題詠「囀り」
①囀りや野辺の地蔵のおつむから
②校庭の大樹揺らして囀れり
③囀りの聞けぬ地球にならぬやう
④転生と定めたる樹や囀れり
⑤さえずりや透ける命をふと思う
⑥吾が影に囀りの止むガラス越し
⑦さえずりや母なき庭に寄り添いて
⑧陽は跳ねて囀り木々にこそばゆし
⑨赤や黄の子らの囀り春光る
⑩囀りや山の深さと高さ知る
⑪囀りの不得手なオスや我に似て
⑫囀りや袂袴の踊る街
⑬囀りや頭上に烏睥睨す
⑭さえずりの姿を見れば興も醒め

自由題
①菜の花の味わう頃や311
②花菜漬け友現れぬ手酌膳
③雨の露地ぬけて匂へる沈丁花
④万両朱雀食い止す(サス)二月尽
⑤北窓を開けて実家の二階かな
⑥老婦人の墓に植えたる花馬酔木
⑦砂浜は波の跡のみ桜貝
⑧ひらがながふわり浮かんで春の海
⑨春昼や我が歌へば子も歌ふ
⑩春窮の大地離れぬ雀かな
⑪道標の東も西も朧かな
⑫茎(くく)立って鉢は隅へと移されし
⑬初めての小さな歩み青き踏む
⑭一斉に親の餌を待つ燕の子
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また春がきた  郁子

2018年03月23日 | Weblog
最近、花の咲く庭木の良さを再認識しています。
といっても
もっぱら近所の家の庭を眺めるばかり。
我が家のモクレンは今年も花を4つしかつけず、
細い枝ばかり天にむけて何本ものばしています。(笑)

花の名前はそれほど知りませんが
しだれ梅、モクレン、椿、沈丁花、レンギョウ、山茱萸・・・
このくらいはだんだんとわかってきました。
毎朝通る、散歩道で見かけるからです。

他人の家の庭を覗きながら、にやにやしながら歩く私は
きっと不審者でしょう。
でも勝手にその家の方と春をわけあって
満喫している穏やかな不審者なのです。

次はこの家のここに花が咲く!
角を曲がった垣根はもうすぐ新芽をつけて
一面真っ赤に染まる・・
この家の玄関脇の歌壇には
ホラ!やっぱりチューリップが青い頭でスタンバイだ。なんて具合に。

子どもも巣立ち、進学・入学・入試などのイベントからも遠ざかった今、
季節のめぐりを教えてくれるのは
こういった自然界のお花のサイクルです。


若い頃は、鍵ひとつでセキュリティが守れ、
お掃除も簡単なマンション暮らしがいいと思いましたが
やはり、お庭のある暮らしはいいですね。
ところが
我が家の庭木は、このあと咲くはずの
こでまりも雪やなぎも
なぜかまばらで苦戦しています。愛情不足でしょうか。

      また会えた手抜かりのない春を咲く  郁




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人生のさえずり  麗

2018年03月22日 | Weblog
お彼岸の中日に東京では思わぬ雪、東海地方も寒い雨の一日でした。
我が家の隣には公園があって毎年この時期、ウグイスの鳴き声が聞こえます。

「ほーほへきょ」とちょっと下手な鳴き声ですが、日ごと上手になり。でも今朝は聞こえて来ません。冬に逆もどりして小鳥たちもとまどっているかも知れません。
明日からは少し春らしくなるでしょうか?

3月は母の緊急入院から始まり、私もひどい風邪でダウン。やっと元気になりました。来週は句会です。
また楽しくさえずりましょう。

母の日記から

          物忘れどんどんどん物忘れ    如月

誤嚥性肺炎で点滴だけで絶飲食が続いています。でも熱も下がり、会話はできるようになりました。
夢うつつかいろんなことを急におしゃべりし始めました。
母のさえずりはとまらないようです。人生の晩年を見せてくれている母。早く点滴が抜けるといいな。

          
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若狭の海幸山幸絵巻 ⑥ ~山幸彦を竜宮に導いた老人とは~竹中敬一

2018年03月21日 | Weblog

平安時代末期に描かれた「彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)絵巻」で展開される
海幸山幸神話の中から、弟の山幸彦が、兄の海幸彦の釣り針を海に失ってしまった
ことに対して、兄は「 どうしても、元の釣り針が欲しい」と言い張る。
弟の山幸彦が泣き悲しんでいるところへ、一人の翁(おきな・老人)が現れるという
場面を取り上げてみます。

絵巻物にある詞書(ことばがき・説明文) は、若狭彦姫神社に伝わる「秘密縁起」の
記述と殆ど同じで、私は「秘密縁起」の方が先にあったと考えていますので、
「秘密縁起」をもとに、引用してみます。
小松茂美氏による訳文を更に私が現代語訳したものです。

「弟の山幸彦が釣り針を失って、途方に暮れながら、泣く泣く海辺を歩いていると、
薄い黄色の直垂(ひたたれ・上衣とハカマからなる衣服)を着た一人の浦人(うらびと)が
簀(あじか)というザルのようなものを杖にかけ、肩に担って現れた。」
「秘密縁起」に出てくる「浦人」。絵巻物の詞書では「翁」「古事記」では「塩椎神」
(しほつちのかみ)、「日本書紀」では「塩土老翁」(しほつつのをじ) 又は「塩筒老翁」
(しほつつのおじ)となっています。

江戸中期の国学者、本居宣長(もとおりのりなが)は、その著「古事記伝」の中で
「塩椎神は一種の神の名のあらずして物をよく知る人をいう。」としています。
浦人にしろ、翁にしろ、「漁の経験が豊富で、潮の流れや気象のことにも詳しい老人」と、
いうことになります。

若狭彦姫神社に伝わる「秘密縁起」が いつ頃 成立したものなのか、専門家でも
よくわからないと言います。私は海幸山幸神話を中心に伝えている「秘密縁起」は、
「古事記」「日本書紀」が完成する前に、若狭地方に昔から口伝えで語られてきた
物語をもとに、いつの時代かに脚色したものではないか、と思っています。
ここからは、その痕跡を求めて、空想を交えてお伝えします。痕跡は私の生まれ故郷 、
若狭の内外海(うちとみ)半島の小さな浦に残っています。


写真は「彦火火出見尊絵巻」(明通寺 蔵) を筆者がエンピツで模写。
山幸彦が兄の釣り針をなくして、浜辺で困りはてている所へ、竹籠を棒に背をった
老人が現れる場面。老人はこのカゴに山幸彦を乗せて竜宮へと誘う。

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白梅のつぼみは紅を隠しをり  狗子

2018年03月20日 | Weblog

道端にある梅の木でしょうか。蕾が膨らんできました。
白梅かと思っていたら紅梅でした。
蕾だけでは花の色は分かりません。
紅を隠すという表現が詩を生みだしています。

             

隠すといえば国会で問題となっている財務省の文書「改竄」。
マスコミでの表現がふたつに分かれています。
改竄か?書き換えか?

改竄というと隠そうという意図がはっきりします。
書き換えではそうしたニュアンスが薄くなります。
このスタンスの違いは、報道する姿勢にも関わってきます。

改竄された文書には決裁の印をおした表紙があるはず、と
指摘していたのが佐藤優さん。外務省の元官僚です。
この決済印の押された表紙が公表されなかったということは
本当の犯人に追及が及ぶのを防ごうという意志が感じられます。

雨です。桜がもう咲こう、もう咲こうと・・・待っています。

                  遅足

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中日歌壇 連続!

2018年03月19日 | Weblog
今朝の中日新聞、中日歌壇にありました!
宗匠の一首

   青空を深く憎みて渡りゆく大白鳥の鋼(はがね)の翼


島田修三選
{評}
  大白鳥の渡りの情景。「青空を深く憎みて」と歌う発想に意表を衝かれ、
     一首から謎めいた不思議な余情が生まれる。


「謎めいた不思議な余情」・・

読み手にいろいろな想いを喚起させてしまうのが宗匠の魅力ですね。

NHKの朝ドラ「花子とアン」が再放送されています。
そこで{想像の翼}を広げて窮地を切り抜けていく主人公が描かれています。
子どもたちの自由で楽しい想像の翼を守ってあげたいものです。郁  
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ポッケで鳴る鈴ほどの「ぽっ」梅の花   郁子

2018年03月18日 | Weblog

小さな子供のポケットでしょうか。鈴のような音がします。
それに、梅の開花の様子を結び付けました。
二つのイメージを結び付けているのが「ぽっ」という音です。

では「ぽっ」と鳴ったのは、なんでしょう?

キャンディーのCMだったと思いますが、
小梅ちゃんを思い出しました。
少女が頬を赤らめて「ぽっ」という吹き出し。
恋の始まりを暗示したCMです。

この句も、なにかの始まりを暗示しているのでしょうか。
とても不思議で魅力的な句です。
言葉でしか表現できないファンタジーの世界です

                   遅足



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遠来の客のもてなし梅香る  すみ

2018年03月17日 | Weblog

遠くから訪ねてくれた人。
再会のおもてなしに梅の花を飾りました。

あるいはお客をむかえた時、梅が満開。
期せずして、おもてなしとなったとも読めます。

いずれにせよ、梅の花でなく、香りという下五から、
作者と客人との関わり、その人柄なども想像されます。
ちょっと改まった客人だったのかも知れませんね。

                 遅足

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若狭の海幸山幸絵巻 ⑤~中世の漁労生活~竹中敬一

2018年03月16日 | Weblog

「彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)絵巻」は、海幸山幸神話を題材にして、
平安時代末期(12世紀後半)に描かれています。若狭の明通寺に伝わるその模写を
見ても、平安時代の公家の風俗や暮らしぶりがうかがえます。

まず、絵巻物の巻頭は、海辺近にある兄の海幸彦の館(やかた) で、兄弟が
向き合っている場面から始まります。弟の山幸彦が兄の海幸彦に釣り針を貸して
ほしいと頼んでいるところです。
物語の内容は神話の世界ですが、兄弟がかぶっている烏帽子(えぼし)や衣装など
平安時代の公家の姿が描かれています。

絵巻物では、兄弟のいる館に続いて、海辺の様子が出てきます。そこでは、平安
時代末期の漁民の生活ぶりを垣間見ることができ、興味深いものがあります。
この絵巻物に出てくる漁具類は私が昭和20年代まで過ごした若狭の内外海(うちとみ)
半島の浦々ではよく見かけたものばかりです。
松の木に立て掛けられた大きなタモ。その隣には、舟を漕ぐ時に使う櫂(かい)。
櫓(ろ)は地面に置かれています。右の松には、夜の漁に使う漁具が見えます。
松の枝に篝火(かがりび)を焚(た)くための鉄製の籠が吊り下げられています。
そのすぐ脇には、松の枝に長い棒が立て掛けてあり、棒の先にはヤスが見えます。
三本に分かれた金突(かなつき)です。これで海中にいる魚を突き刺して捕らえます。

小川の近くで、魚を料理している男がいます。ビクに入った魚を一匹ずつマナイタの
上でさばいて、臓物を取り出し、天日干しにしています。この魚はどうやら甘鯛
(あまだい)のようです。全体に赤みをおびています。ひょっとすると、今も京料理で
珍重される若狭ぐじ(甘鯛)かもしれないと、思っています。

魚を干す簀の子の上には、一本の矢が置かれています。どうして、ここにあるのか
わからなかったのですが、民俗学者の宮本常一氏によると、「 魚をねらう鳥獣の
おどしであろう。漁師は同時に狩人も兼ねていた。」としています。

木戸の横には、網が干してありますが、これは定置網の一種で魚の通り路に網を張って、
その網の目にかかった魚を捕らえる素朴な漁法です。

若狭の内外海(うちとみ)半島、田烏(たがらす)に伝わる秦文書(はたもんじょ)には
鎌倉時代、すでに「はまち網」「飛び魚網」「アジ網」などが出てきます。いずれも、
小規模な定置網のようですが、魚の種類によって網の目の粗いものから細かいものまで、
様々な漁網があったようです。
弘安元年(1278)の記述の中で 初めて「大網」といって、今の大敷網(おおしきあみ)の
原型になるような、大がかりな定置網を使用したことが出てきます。


写真は海幸彦の館近くの砂浜。魚を料理する男の姿など この絵巻が描かれた平安時代の
風俗が見られますが、漁具類は昭和の頃まで使われていたものと殆ど同じです。
「彦火火出見尊絵巻」(明通寺 蔵)を筆者がエンピツで模写。
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狭き庭に出現したるはトイレなり 作業に欠かせぬものでありしか

2018年03月15日 | Weblog
家のリフォームが始まりました。
朝一番の作業は庭の一角に簡易トイレを設置すること。
その後、大工さんがやってきて、まず、階段に手すりを。
同時に、外では外壁のリフォームのために足場を組む音が。

今日はお天気にも恵まれて順調な滑りだしです。
これから一か月余り、どんなことが行われていくのか?
時々、ご報告します。
                 遅足
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「囀り」句会ちかづく。

2018年03月14日 | Weblog

このところの陽気でもう朱木蓮が咲きはじめました。
桜の開花も早くなりそうです。
スズメが巣作りを始め、囀りも聞こえてきます。

囀りとは、繁殖期をむかえた鳥の雄の鳴き声のこと。
ライバルの雄に縄張りを知らせたり、雌に求愛する鳴き声で、
地鳴きとは違って美しい旋律を奏でます。

囀りには幾つかのパターンがあるようです。
ジュウシマツの囀りには、複数の組み合わせがあり
伝えようとする意味も違ってくるとか。
人間の言葉と同じ働きをしているという研究も。
恋の歌を詠っているのは人間だけではないんですね。

今月の句会は28日(水)午後1時20分 YWCAです。

  旧姓の大学ノート囀れり   遅足

  
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梅花皮(かいらぎ)や指温める春の亭  結宇

2018年03月13日 | Weblog

「梅」という宿題に「梅花皮」という答え。
指温める春の亭、とありますから、どうも
お茶席のことらしいとしか分かりません。
そこでインターネットで検索。

かいらぎ、はサメの背の中央部分の皮のこと。
梅の花の形をしたつぶつぶの突起があり、
刀の鞘などの装飾に使われてきました。
そこから、高台が、さめはだのようになった
茶碗のことを「かいらぎ」と呼ぶように。

茶碗は一番重要なお茶の道具ですが、なかでも
「井戸茶碗」が一番とされてきました。
その井戸茶碗の見どころが「かいらぎ」とのこと。

作者は、かいらぎの茶碗でお茶を頂き、
その良さを指の温かさで感じたのでしょうか。

                遅足

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中日歌壇!

2018年03月12日 | Weblog
今朝の中日歌壇で見つけました。
小島ゆかり選で宗匠の一首


  天窓のように小さな春の庭おおいぬのふぐりの星座がひらく

     {評}その名に反して、青いやさしい小花をつけるオオイヌノフグリ
        天窓と星座、見事な構成の一首

  おめでとうございます!!    郁
  
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