575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

サングラス異境手前に寺の門    結宇

2014年05月31日 | Weblog

寺の門を前にいざ、サングラスを外すか?という心境を、と作者。
たしかに寺は異境。山門を前に、サングラスは、どうしよう?
と一瞬迷いますね。外すのがエチケット。

  サングラスはづし仏に詣でけり  安藤静紫

こんな句もあります。

  サングラス外してからが僧の顔  たかはしのぼる

無礼な人もいるんですね。

  サングラスはづさぬ見舞無礼なり  品川鈴子

サングラスのTPOは難しいです。    遅足
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こんな銅像が 麗

2014年05月31日 | Weblog
別府駅前です。
油屋熊八のブロンズ像がありました。
ピカピカのおじさん、とありました。別府観光の父とよばれる熊八さんは大の子供好きだったとか。
マントの裾に子供の姿が。
像の台には「旅人をねんごろにせよ」の文字がありました。
ここにも古くからのおもてなしの心がありました。
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紅唇に外反拇趾にサングラス   晴代

2014年05月30日 | Weblog
作者は、真っ赤な唇とサングラスに憧れたとのこと。

  サングラスかけて紅唇いよゝ燃ゆ   久保田万太郎

中七の「外反母趾」が違ったイメージを呼び込みます。
私には、美の追及が肉体を改造している句と読みました。
時代によって美の基準も様々。
纏足やコルセットは、肉体に苦痛を与えました。
ハイヒールも。
また、過剰に飾ったりする努力も・・・

美の神は、ある意味で、とても残酷です。 遅足


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薫風に 麗

2014年05月29日 | Weblog
大分県に来ています。空港に着くと
おんせん県の垂れ幕でいっぱいでした。
佐伯市はお相撲の嘉風関のふるさと。
駅前にのぼりがはためいていました。

薫風に力士ののぼり軽やかに 麗

明日は別府探訪。地獄めぐりします。
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サングラスかけて一筋昼の顔   麗子

2014年05月28日 | Weblog
サングラスをかけたタレント、タモリさんを詠んだ時事句。

さすがの長寿番組にも終わりが来ました。
スタート時には、サングラスをかけて失礼だ、という声もあったとか。
しかし、あのトークが時代にマッチしていたんでしょうね。
「面白くなければテレビじゃない」というフジテレビの看板番組に。

東日本大震災から時代の空気が変わりました。
面白いばかりの世の中ではなくなって行ったのでしょうか?
さすがのオバケ番組にも終わりの時が・・・ 

  サングラス冷んやりとした無関心   郁子

この句も、現在の日本の空気を詠んでいます。
サングラスのタレント、タモリさんの人気に秘密は
案外、ひんやりとした無関心を装ったところにあったかも・・・

  サングラスに己が素顔を見失う   小野沢邦彦

こんなことには、ならないように・・・  遅足

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雪形に会う  鳥野

2014年05月27日 | Weblog
雪形に会いたい、と願いながら、何故かその機会を
逃してきました。それが叶ったのです。
松本駅を出て北へ向かうと、すぐに常念岳の「常念
坊」のお出迎え。ほぼ大糸線沿いに安曇野、大町と
進むにつれ、まず爺ケ岳の「種まき爺さん」が、そ
して五竜岳の「武田菱」が、白馬岳の「代かき馬」
が、と次々に現れます。
名付けや呼び名は、人により場所により、それぞれ
なのも面白い。蝶、嫁さん、小馬、鶴首、鶏なども
いて、にぎやか。

山の紋章、といわれる雪形は、かつては農事の指針。
自然の暦として大切に伝承されてきました。
気象台や予報に、役目を渡したとしても、その
詩情の失われることはなく、「雪形ウオッチング」
というツアーも相変わらず人気なのです。今回、
マイカーで丁寧に案内してくれた友人に深謝。

 ・ 白馬岳の岩場に雪形すがすがし 健やかな
   夏を約せしが如

 ・ 山肌にくっきりと浮く白き馬 代掻け水張
   れ野良に出でよと
                  鳥野
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サングラス外して選ぶ京の菓子    えみ

2014年05月26日 | Weblog
和菓子は四季の移り変わりを映し出します。
五感で季節を感じさせてくれる京都の和菓子。
今は「水無月」の季節でしょうか。
ネーミング(言葉)からも美味しさが伝わってきます。

和菓子を選ぶにはサングラスは外さねば、という小さな発見。
寺とサングラスとの取り合わせに似ています。
しかし、大きな発見ではありません。
小さな意外性、発見に、この句の魅力があるような気がします。
短詩型の俳句らしい一句です。

京都とサングラスの取り合わせにこんな句も。

  サングラスかけて京都の旅に出る  丸山友昇

            

「みょうがボチ」の季節がやってきました。
みょうがの葉でつつんだ餅菓子。
奥さんのふるさと、岐阜の味。
季節限定で、初夏を感じさせてくれます。

                   遅足



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サングラス美人美男の出来上がり   智恵

2014年05月25日 | Weblog
平安の世、お姫様は男性に顔を見られないようにしていたとか。
そんな深窓の姫君、垣根越しに覘く男性。
どんな女性か?想像力は、ますます女性を美人にしてゆきます。
隠す美学とでも言ったら良いでしょうか。

サングラスをかけると、目元が見えません。
見る人は、美しいほうに想像を働かせるようです。

  その男気になる素顔サングラス   亜子

しかしサングラスを外した結果は、おおむね・・・
こんな句もありmす。

  案の定太き声なりサングラス  藤田枕流

そういえば他の人に作曲を頼んで自分の曲として発表していた人。
なぜ、耳が悪いのにサングラスをかけていたのでしょうね。

                          遅足

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サングラスかけて心の鍵開ける    狗子

2014年05月24日 | Weblog
時代劇を見ていると、一段上に坐った殿様が
「面をあげよ」というシーンがあります。
目下の者が目上の人をみることは礼を失する、とされてきた日本。
子供の頃、相手の目をみるのは失礼と、教えられたような記憶も。

目を見て挨拶する欧米の影響もあって、日本人も変わってきました。
でも、初対面の時は、どこに目をやるのか?ちょっと迷うことも。

渡る世間は鬼ばかり、ではないですが、時には本心を隠す必要も。
そんな時、目元を隠してくれるサングラスは便利。

この句、サングラスをかけて「心の鍵を開ける」と言います。
普段、鍵をあけると、どんな心が顔を出するのでしょう?

    もひとりの私が居るサングラス  福田栄子

サングラスは隠された人格をあらわにしてしまうかも・・・

                        遅足


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5月句会の最終結果です。    遅足

2014年05月23日 | Weblog
句会には8人が参加。ごらんのような結果となりました。

題詠「サングラス」
①サングラスかけて心の鍵開ける(狗子)智恵・えみ・亜子・遅足・静荷・立雄
②サングラス美人美男の出来上がり(智恵)
③サングラス外して選ぶ京の菓子(えみ)智恵・結宇・佐保子・童子・狗子・晴代・郁子・亜子・すみ・麗子・遅足・静荷
④サングラスかけて一筋昼の顔(麗子)えみ
⑤サングラス冷んやりとした無関心(郁子)結宇・すみ・麗子
⑥紅唇に外反拇趾にサングラス(晴代)
⑦サングラス異境手前に寺の門(結宇)えみ・狗子
⑧あなただけ見ている私のサングラス(童子)能登・結宇・郁子
⑨その男気になる素顔サングラス(亜子)晴代
⑩ワルぶりし日々抽出しのサングラス(静荷)
⑪サングラスかけてあの世に旅立てり(佐保子)能登・狗子・郁子・亜子・遅足
⑫サングラス掛けてうとうと白昼夢(立雄)能登・童子
⑬幼子の手がのびてくるサングラス(遅足)佐保子・童子・すみ・麗子・静荷・立雄
⑭サングラス強面(こわもて)気取る優しい目(すみ)智恵・佐保子
⑮気弱でも強気になれるサングラス(能登)晴代・立雄

自由題
①くっきりと細すぎる眉夏きざす(狗子)えみ・亜子・静荷
②青もみじ蜘蛛の行方よ寺めぐり(結宇)智恵
③豆飯の匂ひや遠き夕餉卓(晴代)結宇・郁子
④平穏を祈りシャツ干す風五月(郁子)結宇・佐保子・晴代・亜子・麗子・立雄
⑤薫風が昭和の頁めくりおり(麗子)能登・童子・狗子・亜子・遅足・静荷・立雄
⑥ダイヤ婚「婦」唱「夫」随に沸く春宴(智恵)
⑦面倒な恋かも知れぬ桐の花(えみ)智恵・能登・結宇・佐保子・童子・すみ・遅足
⑧友の名を思ひ出したり花は葉に(静荷)えみ
⑨父の日の父の説教遠き山(立雄)えみ・童子・晴代
⑩石菖蒲(いしあやめ)栄枯盛衰国際化(佐保子)
⑪食パンの光やさしき五月かな(遅足)郁子
⑫ツバメ飛ぶ村に標識徐行せよ(童子)智恵・佐保子・狗子・晴代・郁子・すみ・麗子・静荷・立雄
⑬バラ香る思い出す事多くあり(すみ)
⑭大獲物くわえた蝮動かざり(能登)
⑮風止みし後の香りや蓮の花(亜子)能登・狗子・すみ・麗子・遅足

次回は6月18日(水)午後1時  東鮨
題詠は「夏服」です。
なお、夏服は洋服。夏衣は和服です。

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サングラス句会   麗

2014年05月22日 | Weblog
雨上がりに行われた昨日の句会。お題のサングラスを実際にかけての参加者はありませんでした(笑)

サングラスの持つイメージに引きづられた句が多かったような。サングラスをかけるとちょっと違った自分になれるのが不思議ですね。

では恒例の一言寸評です。

1,心の鍵を開けると気が大きくなる?話題の現代のヴエートーベンもかけていましたね。
2,確かに。サングラスをとるとそうでもない人が多いのはなぜ?
3,圧勝の一句。お見事でした。サングラスという外国から来たものと日本の伝統の和が見事に対比され秀逸。これぞ俳句の妙ですね。
4,先日終わった「笑っていいとも」のタモリさんのことを詠みました。お疲れさま。
5,現代を象徴する一句。「冷んやり」に賛否あり。
6,作者のあこがれだそうです。外反母趾はあるけれど、なかなか真っ赤な口紅とサングラスはかけられないそうです。モデルさんの様なおしゃれな女性を詠まれました。
7,お寺の門前でサングラスを外すという行為。異境がやや重い?
8,女性目線の一句。サングラスをかけた男性はきょろきょろと違う女性を見ているという矛盾。「私のサングラス」がいいですね。字余りに気づかないほど。
9,素顔を見てみたい。
10,なぜか捨てられないサングラスが抽出しに。たくさんある感じがしました。このワルは男か女か?
11,サングラスをかけてあの世へ。野坂昭如さんはもちろんご健在ですが、イメージ的には棺に入れるかも。
12,公園で実際に見た光景とのこと。ビーチサイドでもいいですね。
13,作者の心境の変化が見てとれます。幼子にとっていつもと違うサングラスは珍しくてしょうがないですよね。
個人的思い出を句にした作者の新境地。今後がますます楽しみに。
14,エグザイルのATSUSHIさんをイメージ。強面気取るを違う表現でできないかというアドバイスあり。
15,本当にサングラスは人格を変えますね。

今回の句会で学んだ一言。
「報告はいらない」。
ついつい17文字の中に自分の行動や思いをすべてをいれようとしがちですが、説明や報告を省きいかに物に託して表現するかが大切なことのようです。難しいけど面白いですね。

また声に出して披講するとき。作者の思いを理解して読む方法もあるとか。
来月はやってみようかな?
お題は夏服。もう半袖の季節ですね。麗
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5月句会の投句が集まりました。  遅足

2014年05月21日 | Weblog
ひさしぶりの雨の朝。庭の草木もしっとりと。
我が家の初夏の味、蚕豆、豌豆も収穫。
美味しい緑の味わいでした。

5月の題詠は「サングラス」です。
どの句に、今日の風が集まるのでしょうか?

題詠「サングラス」
①サングラスかけて心の鍵開ける
②サングラス美人美男の出来上がり
③サングラス外して選ぶ京の菓子
④サングラスかけて一筋昼の顔
⑤サングラス冷んやりとした無関心
⑥紅唇に外反拇趾にサングラス
⑦サングラス異境手前に寺の門
⑧あなただけ見ている私のサングラス
⑨その男気になる素顔サングラス
⑩ワルぶりし日々抽出しのサングラス
⑪サングラスかけてあの世に旅立てり
⑫サングラス掛けてうとうと白昼夢
⑬幼子の手がのびてくるサングラス
⑭サングラス強面(こわもて)気取る優しい目
⑮気弱でも強気になれるサングラス

自由題
①くっきりと細すぎる眉夏きざす
②青もみじ蜘蛛の行方よ寺めぐり
③豆飯の匂ひや遠き夕餉卓
④平穏を祈りシャツ干す風五月
⑤薫風が昭和の頁めくりおり
⑥ダイヤ婚「婦」唱「夫」随に沸く春宴
⑦面倒な恋かも知れぬ桐の花
⑧友の名を思ひ出したり花は葉に
⑨父の日の父の説教遠き山
⑩石菖蒲(いしあやめ)栄枯盛衰国際化
⑪食パンの光やさしき五月かな
⑫ツバメ飛ぶ村に標識徐行せよ
⑬バラ香る思い出す事多くあり
⑭大獲物くわえた蝮動かざり
⑮風止みし後の香りや蓮の花


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なんと、律儀な    鳥野

2014年05月20日 | Weblog
殺風景なマンション生活、せめてもの息抜きにと、
観葉植物の鉢などを、少しばかり。

なかに、その律儀さに感動の一鉢があります。
もう5年程になるでしょうか。
近くの名城公園フラワープラザで開催された頒布
会で、何気なく買ったもの。
「エバーフレッシュ」の名札が付いていました。

調べてみると、合歓の種類でした。

うちへ来たその時から、夜は葉を合わせて眠り、
朝には目覚めの規則正しい繰り返し。
夜更かし、朝寝も度々の家主への警告みたいです。

今では背丈も伸びて、葉が茂り、緑も生き生き。
「肥料は不要」のアドバイスもあって、もっぱら
水だけ。なのに、この生命力。ほとほと感心して
います。

 ・ 眠りから醒めて物思う昼の合歓  鳥野


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外国の兵は眠れり花は葉に   遅足

2014年05月19日 | Weblog
名古屋市の平和公園は、戦災からの復興計画にそって建設されたもの。
市内の300近い寺院の墓地を全て東部の丘陵地へ移転、
余裕の出来た土地で、道路や公園をつくろうという遠大な計画。

およそ20万基の墓が10年をかけて移転。
一面の墓地公園が出現しました。

そのなかにロシア人兵士の墓があるというので訪ねてみました。
案内図など見当たらないので、こちらか?あちらか?と
散歩がてらに歩き回りました。

とあるバス停の近くに、ちょっと変わった雰囲気の墓地を発見。
陸軍墓地です。
たしかに一角にロシア人兵士の墓が。15基。ひっそりと。
お隣には、ドイツ人兵士のお墓も。

日露戦争で抑留されたロシア人捕虜の墓と、
第一次世界対戦でのドイツ人捕虜のものでした。

日露戦争では7万人余の捕虜が収容されていたとのこと。
名古屋でも4000人近いロシア人がいたといいます。
このうち15人が死亡。そのまま忘れられていました。

1990年、シベリアでの抑留生活を送った日本人が
慰霊碑を発見、碑文から15人の捕虜が葬られていることが判明。
その後の調査によって15人全員の階級と名前が明らかに。

こんな所にも戦争の記憶が残っているんですね。
写真はドイツ兵のお墓です。

参考・戦争を考えるための遺跡④陸軍墓地ロシア人兵士の墓(金子 力)


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きれいな言葉と綺麗な女性には要注意

2014年05月18日 | Weblog
伊藤一彦先生のお話の続きです。
きれいな言葉と綺麗な女性には要注意。
たとえば、こんな句。(先生の例は短歌でしたが)

  春昼のさみしき貌の玉手箱

「さみしき」は使わないほうが良い。
「きれいな言葉と綺麗な女性には要注意です」と。

形容詞で「さみしき」と説明しない。
その代わりに対象をよく見る。
その具体を示すことによって、「さみしさ」を表現する。
形容詞を使わずに形容詞を感じてもらう。
言い切ってしまってはダメ。
短い詩形だから、余情を残すことによって歌や句を大きく。

もう一つ。一番大切なこと。
それは詠む対象が喜ぶように、と。
相手が人間であったもモノであっても。
たとえば、上記の句なら「玉手箱」が
喜ぶような句をつくるように、と。
そんなこと考えたこともありませんでした。
ありがとうございました。

                    遅足


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