575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

令(せし)むべし民和(なご)やかに花見宴   能登

2019年04月30日 | Weblog

今日は平成最後の日です。明日5月1日から新元号の「令和」に。

「和」の文字が元号に使われるのは20回目。
これに対して「令」は初めてだそうです。

「令和」には、どんな願いが込められているのでしょう?
政府の説明では、令嬢・令息というように「令」は「美しく良い」という意味。
令和で「美しい調和」であると。
国民はいかなる時にも一致団結、それが美しい日本のあるべき姿、
という意味が込められているのでしょうか?

私の第一印象は必ずしも良いものではありませんでした。
「令」には「命令」の意味があり、令和の二文字は「和たらしむ」と読めます。
明治時代の五箇条の御誓文の「和をもって貴しとなす」の21世紀版か。

句は後者の解釈にたっているようです。
民は和やかに花見の宴を楽しむべし、と詠んでいます。

今日の平成天皇の退位。明日は令和天皇の即位と続きます。
改元にからんだ10連休のお祭りムードの漂う日本列島。

そして、その後には何が待っているのでしょう?
オリンピックから憲法改定なのでしょうか?
この政治的なショーを演出しているのは誰なのか?
そんなことを思わせる辛口の句です。

平和憲法を身をもって実践されてきた平成天皇・皇后のお二人。
ご苦労様でした、平成最後の日は朝から雨です。(遅足)
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落花せし幹黒々と風に立つ   竹葉

2019年04月29日 | Weblog

ソメイヨシノの樹齢は60年。しかし日本の在来の桜など樹齢2,000年といわれています。
動物の培養には限界があります。しかし樹木は接ぎ木をすれば命は永遠。
樹齢数百年の桜の木からすれば、ひと春の開花などきっと瞬時の出来事。
桜の色と対比するような黒い幹。堂々と風の中に立つ。
散った花など一夜の夢と言い放つ。老練な桜のつぶやきが聞こえるような重厚な句。
と、殿様。

すばらしい鑑賞ですね。

満開の桜がこんもりとした山のように、老木も若木も一緒に咲いていた後、
風で花落ちて 黒々とした幹が老身をさらしている様子です。
と作者。

下五の「風に立つ」が良いですね。遅足
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空見上げ令和とともに桜咲く   幸泉

2019年04月28日 | Weblog

ふと空を見上げると桜の花が咲いています。
新年号の名前を思い出します。
年号の変遷と桜の開花という時の流れを
同期させた自然なストーリーが秀逸。
ちなみにスマホやパソコンは元号とは無縁。
改元により西暦との変換表を利用する頻度が増えるでしょう、と殿様。

元号と空。これは時間と空間と読み替えることも出来そうです。
平成から令和へと世界が一新されます。
その新世界には桜が咲いている。

  ほのぼのと咲く花のよう新令和  狗子

平成もあと3日。10連休も始まってます。
学習院の小学校に通っている悠仁さまの机に刃物が・・・
ヘンな事件ですね。
新しい時代。花のように美しく平和でありますように。

今日28日は、サンフランシスコ講和条約が発効した日。
沖縄は日本から切り離され、米統治下に。
4月28日は沖縄にとっては「屈辱の日」なのです。(遅足)
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「 津島祭礼図屏風 」③ 宵祭り (大英博物館蔵) ~竹中敬一~

2019年04月27日 | Weblog


津島祭礼図屏風には金地の背景に旧暦6月14日の宵と その翌朝 ( 現在は7月

第4土曜とその翌日 )天王川で繰り広げられる川祭の情景が描かれています 。

天王祭は600年余りの歴史がありますが、この屏風絵は江戸時代前期 ( 17 世紀)

頃の作品と見られています。

津島神社発行の由緒書によりますと、天王祭は初夏 ( 現在は7月の第四日曜を中心

として )の三ヶ月間に亘る「神葭 ( みよし)神事」」( 海岸や川辺に群生するヨシに

人間の罪、穢れを託して様々な神事を行い、最後にそのヨシを流す )と

宵祭り、朝祭りの 「川祭り」に分けられるそうです。

〇 屏風絵の右隻( 対になっているものの右の屏風 )ー 宵祭り





川を挟んで向う側 、向島に鎮座する津島神社の鳥居が見えます。その手前の土手道

を急ぐ神官や見物人の姿があります。

天王川に架かる橋の上は槍を立て並べて厳重な警護 。

川には町方衆の一行が乗る船や 祭船に関わる人の乗る伴船など凡そ30艘が配列良く

描かれています。

画面上、一番目を引くのは矢張り、沢山の提灯を掲げた巻藁船 ( まきわらぶね )の5艘 。

大船二艘を結び合せ、その上に屋形を乗せて、真柱 ( まばしら )が中央に高く立って

います。

“ この柱に一年十二ヶ月を表す12の提灯、その下の半円径の提灯は1年365日を示す “

(「 津島市史 」昭和50年 刊 )とありますが、屏風を見て確認できるのは柱の提灯の数は

多くて6個、半円径の提灯も立体的ではないので、はっきりわかりませんが、とても

365個もあるようには見えません。

和ロウソクは江戸時代になってかなり普及しましたが、ぜいたくな高級品で使用できる

のは裕福な商人や武家に限られていたようです。

津島神社のある向島には詰め所や社家、武家の屋敷が見え、祭りを見物に敷き物に座って

いるのは、それら上流階級の家族や親族のようです。

それに比べて、天王川の手前は町民や農民など雑多な見物人であふれかえっています。

女歌舞伎やカラクリ、人形芝居などの見世物小屋 。その周りには、みたらし団子などを

売る飲食物の店が細かく描き込まれています。

眼を凝らして見ないとわからないような場面を出来るだけ多くクローズアップして

後にお伝えします。




写真は「津島祭礼図屏風 」( 大英博物館蔵 )
「 綴プロジェクト 」高精細複製品より
天王川を挟んで津島神社の鎮座する向島は社家や武家の屋敷があり
その一族が敷物に座って祭りを見物 。
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舌頭千転ら行新元号   静荷

2019年04月26日 | Weblog

舌頭(ぜっとう) に 千転(せんてん)する。
何度も何度も口ずさむこと。
弟子の一人向井去来の書き残した芭蕉の教え。
「句調はずんば舌頭に千転せよ」

作者は新元号「reiwa」を口ずさんでみました。
日本語には珍しい「ラ行」です。
舌頭に千転。ラ行を楽しんでいるようにも読めました。

近代以降、印刷技術が進み、本が手にしやすくなりました。
それとともに、読み方も音読から黙読へ変っていきました。
俳句も知らず知らずのうちに意味に比重がかかり
リズム、調べがおろそかにされるケースも。

俳句は意味ばかりではありません。調べも大切ですね。(遅足)
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ブライクコ&レイコ  志段味編   麗

2019年04月25日 | Weblog
今回のブラ旅は名古屋市守山区に出来たばかりの「しだみ古墳ミュージアム」です。
志段味古墳群の出土品や古墳時代の様子が展示されています。
近くには1700年前に作られたとされる「白鳥塚古墳」があります。愛知県で最も古い前方後円噴です。このあたりを治めた王のお墓と思われます。(写真はそこへの階段です。)
こんもりした噴丘の上に登れます。なんだか不思議な感覚。当時は古墳を石英で飾って白く輝いていたそうです。
このあたりはたくさんの古墳があるのですが、いづれも東谷山の方向に向かって建てられているのも不思議ですね。

愛知県は全国でも6番目に古墳が多いところだそうです。では一番多いのはどこでしょう?

それは兵庫県だそうです。そんな豆知識もミュージアムの展示で教えてもらえますよ。ミュージアムの外は整備され公園のようになっておりお散歩にはもってこいの場所です。古墳時代に思いをはせながら歩いて見て下さい。
古墳が大好きな私。郁子さんにはおつきあい頂きありがとうございました。


                古墳へと続く階段若葉風  麗
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指先に「令和」平和の蕾なり  郁子

2019年04月24日 | Weblog

作者は人差し指で令和と書いてみたのでしょう。
そして新しい年号の始まりを平和の蕾としています。
人差し指が筆となり歩むべき道を差し示す道標にもなっている感が絶妙。
令和という平和の蕾。
作者の願う花が咲くことを切に祈ります、と殿様。

この句は新元号発表の記者会見で手話通訳の方の手の動きに注目。
「令和」が蕾のように感じられたことから詠まれました。
手話に「平和」という表現があったわけではありません。

私は、この「平和の蕾」という言葉に新鮮な驚きを感じました。
平和は守るものと思っていましたが、育てるものでもあるのですね。
赤ん坊を育てるにはとても手がかかります。
それと同じように、ある時はそれ以上に心を配って。
平和の蕾を育てていかなくては、と教えられた句です。(遅足)
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中日歌壇!!!

2019年04月23日 | Weblog
今朝の中日新聞、中日歌壇に
宗匠の歌が掲載されています。

なんと島田修三先生、トップ選です!

 窓越しに桜を散らしゆく雨をわが補聴器がひとり聴きいる

{評}短かった盛りも過ぎ、桜の花が雨に散っている。
   その花を見るでもなく、雨音をひとり聴く。しかも
   補聴器が聴くと歌う。機智的発想もいいが、むしろ
   放心したような孤独感が余情となる。

おめでとうございます。
そのこと、その場面を飾ることなく写しとるだけで
情感がわきあがるということですね。
すばらしいです。おめでとうございます。郁子


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日記帳令和の文字を書いてみる  麗子

2019年04月22日 | Weblog

元号は空気のような存在。普段、気にすることはありません。
それが変わる。新しい元号になります。しかも「令和」なじみのない言葉。
戸惑いを感ずるのは作者だけではありません。

作者は日記帳に「令和」と書いてみました。新元号への違和感。
そして、それに慣れていかなくては、という気持ちからでしょうか。

年号の数え方は二通りあります。
一つは、西暦のように歴史上のある出来事を起点とするもの。
もうひとつが元号。こちらは皇帝など君主の即位によってリセットされます。

元号は、君主は空間だけでなく、時間をも支配する、という考えに基づいています。
朝鮮・日本・ベトナムなどは中国にならって元号を持っていましたが、
今では日本だけです。世界でもおそらく唯一の国だそうです。

作者が令和と書いてみたのは日記帳です。
日記帳は毎日の出来事を記録するいわば個人の歴史書。
この歴史を空気のように支配しているのが元号なんです。
上五の「日記帳」は、この句に深い意味を与えているのでは?(遅足)
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飛花落花荘川桜は白の闇  等

2019年04月21日 | Weblog

飛花落花。桜の花が盛りを過ぎて散ること。
よく似た季語に花吹雪がありますが、
吹雪のように花びらがいっせいに舞い散ること。
作者は一斉に散る桜の花にこころを奪われています。
桜は荘川桜。
日差しも傾き夕暮れが近づいてくる頃でしょうか。
目の前が白一色に。
それは闇のように感じられました。
「白の闇」をどう読み取ったら良いのでしょうか?
ヒントは「荘川桜」にあるようです。

荘川桜(しょうかわざくら)は、岐阜県高山市荘川町(旧荘川村)の
御母衣ダムの湖岸に咲く2本のエドヒガンの古木。
樹齢はおよそ500年、淡いピンク色の花とごつごつした幹が特徴です。

敗戦後まもないころのお話。
日本復興のため、国策として電源開発の必要性が叫ばれ、
開発計画の白羽の矢が立ったが、庄川最上流の荘川村でした。
東洋一といわれたロックフィルダムが完成すれば、
荘川村内の中野全域と白川村の一部が湖底に沈むことになり、
先祖伝来の土地を奪われる村民は強く反対しました。

国のためという電発総裁・高碕達之助氏の説得の前についに建設に合意。
ダムは昭和36年に完成しました。

湖底に沈む運命にあった2本の桜。
何度も村を訪れていた高碕達之助氏は、この桜を救おうと決心。
湖岸に移植させました。昭和35年のことでした。
一時は枯死してしまうのでは、と心配された「荘川桜」ですが、
見事によみがえり、毎年美しい花を咲かせています。
湖底に沈んだ村の人たちが年に一回、この花の下で再会。
(そんなニュース、最近では見かけませんが・・・)

このエピソードから何を読み取るのか?
それによって白い闇の感じ方が違うのかも知れません。(遅足)

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「 津島祭礼図屏風 」② 牛頭 (ごづ )天王 ~竹中敬一~

2019年04月20日 | Weblog

 

津島天王祭 ( つしま てんのうまつり ) は愛知県津島市の津島神社に伝わる祭礼 。

私の記憶では毎年夏 、天王川に提灯を掲げた豪華なマキワラ船が浮かぶお祭り

程度の知識しかありませんでした 。

今回、屏風絵を見せて頂いたのを機会に、まず、津島神社のことについて調べてみました 。

社伝によると、創始時代 ( 540 )は「 津島社 」と呼ばれ、スサノオの命をお祭りしていた 。

( ところが、延喜式神名帳( 927年 成立 ) の尾張海部郡八座の中に津島社は載っていない。

このことを巡って、八座の中で唯一、所在不明の國玉神社を津島社とする説 。

神仏習合がすでに行われていたため神名帳には載らなかつたとする説がある)

いずれにしても、平安時代初期、神仏習合によって、御祭神がスサノオの命の本地

( ほんじ )とされる 「 牛頭 ( ごづ ) 天王 」になり、社名も「 津島牛頭天王社 」に 。

しかし、明治の神仏分離により、社名も現在の 「 津島神社 」になり、スサノオの命を

御祭神としています。

牛頭天王はインドの神で祇園精舎 ( 釈迦とその弟子のための僧坊 )の守護神で、とくに

疫病を退治する神 。

京都祇園の八坂神社の御祭神も同じで、最初はスサノオの命でしたが、中世には牛頭天王 。

夏場の疫病が流行る時期に、この神の霊験を讃えるために行われるのが祇園祭だそうです 。

八坂神社より東で有名なのが津島牛頭天王社と云われ、津島神社を勧請して建てた分霊社

や末社は凡そ3000社もあるということです 。

分霊社で多いのが東京の77社、埼玉の87社、福島の73社、宮城の40社などとなっています。

各地の檀家を廻って祈祷や守り札の配布の便宜をはかる御師 ( おし )の存在は伊勢神宮や

熊野神社の御師が知られていますが、津島御師も少なくとも室町時代から活動していた

ようです。御師は全て社家と社家の子弟、社家に従属する一部の者に限られていて、遠く

からの檀家が津島へ天王祭を見に来たり参詣する際はそれぞれの自宅に宿泊させています。

津島は 中世より湊町として栄えました。

尾張名所図会 ( 江戸末 から明治初めにかけて刊行 )には

「 津島の里は尾西第一の大邑 ( 大きな町 )にして、縦横の町並み五十餘街、

商家農工 軒を並べ、萬物 一として足らざる事なく、しかのみならず美濃路・伊勢路への

舟行、日毎に絶ゆる事なければ、諸国の旅客ここにつどひて、繁昌 大方ならず 。

實 ( げ )に一都會ともいふべし 。」とあります。

津島天王祭には、織田信長・豊臣秀吉・尾張徳川家が何度も見物に来た記録が残っています 。

天王祭 ( てんのうまつり ) は裕福な津島の町方衆の財力にも支えられて、

ますます豪華絢爛となり、日本三大川祭の一つに数えられるようになったのでした 。

( 参考にした主な資料は 「 津島市史 ⑸ 」津島市教育委員会   昭和 50年刊 ・津島神社社務所発行 「 全国天王総本社 津島神社 」より )

写真は愛知県津島市に鎮座する津島神社 。 かっては、牛頭 ( ごづ ) 天王社と呼ばれていた 。

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4月句会の結果です。

2019年04月19日 | Weblog

 当日は幸泉さんが出席した下さいました。また竹葉さんが初めて投句してしてくださいました。

ありがとうございます。

ご覧のような結果となりました。

 

 題詠

①飛花落花荘川桜は白の闇(等)竹葉・すみ・千香子・郁子

②日記帳令和の文字を書いてみる(麗子)遅足・亜子・静荷

③木々芽吹き「令和」時代へ進水す(晴代)智恵・等・麗子

④指先に「令和」平和の蕾なり(郁子)殿・麗子

⑤令(せし)むべし民和(なご)やかに花見宴(能登)智恵・静荷・千香子

⑥舌頭千転ら行新元号(静荷)能登・遅足・亜子

⑦戦なき令和の世なれ草青む(亜子)佐保子・幸泉・等・静荷・狗子・郁子

⑧人もはやをらぬ地球の花吹雪(佐保子)能登・竹葉・幸泉・晴代・麗子・狗子

⑨空見上げ令和とともに桜咲く(幸泉)殿

⑩父の忌のかなしさを解く落花かな(遅足)能登・佐保子・すみ

⑪落花せし幹黒々と風に立つ(竹葉)殿・幸泉・すみ・遅足・等・千香子・晴代

⑫花の塵築地のつづく札所かな(千香子)佐保子・晴代

⑬潭月や落花流水都落ち(殿)竹葉・狗子

⑭百ニ歳令和記憶し安堵の春(すみ)智恵・郁子

⑮ほのぼのと咲く花のよう新令和(狗子)亜子

 

   自由題

①大潮は受難の日々や浅蜊貝(能登)殿・晴代・亜子・静荷・狗子

②ペンギンや桜のプール力泳す(すみ)能登・遅足・千香子

③悲しみは吐く息ばかり落花かな(郁子)竹葉・麗子・静荷

④はしゃぐ声のしてしゃぼん玉階下より(晴代)智恵・佐保子・すみ・遅足・等・麗子・郁子

⑤戦国の石垣に舞う落花かな(麗子)幸泉・等・千香子

⑥水の輪は花の数だけ飛花落花(等)能登・殿・千香子・静荷・亜子

⑦花冷えや駅弁の紐うすみどり(狗子)智恵・能登・佐保子・竹葉・幸泉・すみ・遅足・等・晴代・麗子・郁子

⑧冥土かな闇に浮かびし山桜(殿)狗子

⑨青春譜ギターとうたふ花見かな(千香子)晴代

⑩時かわり万葉の里春が来る(幸泉)智恵・殿

⑪新設の保育所目立つ春の町(佐保子)郁子

⑫うららかや鏡のなかの探し物(遅足)亜子・狗子

⑬杖すてて細腕組むやニリンソウ(竹葉)佐保子・すみ

⑭改元や桜蕊(さくらしべ)降るお堀端(亜子)竹葉・幸泉

⑮宅配便走る暮れかぬる春の日(静荷)

 

次回は5月15日(水)午後1時20分 愛知芸文センター12階

題詠は「蛙」です。(遅足)

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落花の中の令和句会   麗

2019年04月18日 | Weblog

思わぬ雨となった昨日の句会。お題は新元号発表にちなんで「令和」あるいは「落花」でした。

幸泉さんが初めて句会に顔を出して下さいました。また、竹葉さんからの初めての投句もありました。どうぞよろしくお願いいたします。

ではどこよりも早い「令和」句会。一言講評です。

 

題詠「令和」あるいは「落花」

①飛花落花荘川桜は白の闇

光を遮るような見事な落花。白でも闇を感じます。荘川桜との取り合わせが絶妙。

②日記帳令和の文字を書いてみる

その日の日記に「令和」と言う文字を初めて書いてみました。書くと言う行為に共感を感じるという声がありました。

③木々芽吹き「令和」時代へ進水す

次の天皇陛下は水の研究をされているということで敢えて「進水」という船出の言葉を選ばれました。季語もきちんと盛り込まれました。

④指先に「令和」平和の蕾なり

令和発表の時、手話通訳の方の手が蕾が花咲くように動いたとのこと。令和という平和の蕾が咲きますように。

⑤令(せし)むべし民和(なご)やかに花見宴

発表の頃、なごやかに花見の宴が開かれていました。「令しむべし」に何かありそう?

⑥舌頭千転ら行新元号

元号に「ら行」が選ばれました。何度も口にしてみました。芭蕉のことば「句ととのはずんば舌頭に千転せよ」からの巧妙な一句。

⑦戦なき令和の世なれ草青む

戦争のない時代を切実に願う作者の一句。一旦戦争になれば「草青む」どころではなくなるのですから。

⑧人もはやをらぬ地球の花吹雪

人類の絶滅を暗示するかのようなSF映画のような一句。人はいなくなっても桜は舞います。花見の後の静けさと詠んだ方も。

⑨空見上げ令和とともに桜咲く

元号の変遷と桜の開花を同期させました。まだかまだかとそわそわと落ち着かない感じも似ていました。

⑩父の忌のかなしさを解く落花かな

満開の桜のなんとも言えない息苦しさも、落花で少しほぐれます。亡き父上様は桜の季節に亡くなられたそうです。

⑪落花せし幹黒々と風に立つ

満開の時は花にばかり目が行きますが、桜の幹は本当に黒いです。新緑のエネルギーを秘めて風に立っています。

⑫花の塵築地のつづく札所かな

「つきじ」ではありません。「「ついじ」です。失礼しました。土塀の続く重要文化財のお寺。「花の塵」も素敵な季語ですね。

⑬潭月や落花流水都落ち

平家物語を彷彿とさせる一句。水面に映る月に桜の花が流れ落ちていきます。「都落ち」がやや?

⑭百ニ歳令和記憶し安堵の春

四つの時代をお元気にお過ごしです。令和と記憶し、一同安堵します。

⑮ほのぼのと咲く花のよう新令和

やさしい調べの一句。「新」が惜しい!

 

いかがでしたでしょうか?

新しい時代が平和で穏やかでありますように。今日伊勢神宮は両陛下が退位のご挨拶に。本当にお疲れさまでございました。

自由題では狗子さんの

     花冷えや駅弁の紐うすみどり

が圧勝でした。豊橋の駅弁食べたくなりました。

次回は5月15日(水)午後1時20分 愛知芸文センター12階

題詠は「蛙」です。どんな鳴き声が聞こえるでしょうか?麗

 

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四月句会の投句が集まりました。  遅足

2019年04月17日 | Weblog

今回の題詠は新元号「令和」あるいは「落花」です。

 どちらも良い句が集りました。 さて春の風をうけて先頭を走るのは?

   題詠

①飛花落花荘川桜は白の闇

②日記帳令和の文字を書いてみる

③木々芽吹き「令和」時代へ進水す

④指先に「令和」平和の蕾なり

⑤令(せし)むべし民和(なご)やかに花見宴

⑥舌頭千転ら行新元号

⑦戦なき令和の世なれ草青む

⑧人もはやをらぬ地球の花吹雪

⑨空見上げ令和とともに桜咲く

⑩父の忌のかなしさを解く落花かな

⑪落花せし幹黒々と風に立つ

⑫花の塵築地のつづく札所かな

⑬潭月や落花流水都落ち

⑭百ニ歳令和記憶し安堵の春

⑮ほのぼのと咲く花のよう新令和

  自由題

①大潮は受難の日々や浅蜊貝

②ペンギンや桜のプール力泳す

③悲しみは吐く息ばかり落花かな

④はしゃぐ声のしてしゃぼん玉階下より

⑤戦国の石垣に舞う落花かな

⑥水の輪は花の数だけ飛花落花

⑦花冷えや駅弁の紐うすみどり

⑧冥土かな闇に浮かびし山桜

⑨青春譜ギターとうたふ花見かな

⑩時かわり万葉の里春が来る

⑪新設の保育所目立つ春の町

⑫うららかや鏡のなかの探し物

⑬杖すてて細腕組むやニリンソウ

⑭改元や桜蕊(さくらしべ)降るお堀端

⑮宅配便走る暮れかぬる春の日

 

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またも!中日歌壇

2019年04月16日 | Weblog

 

 「翡翠を見てきし夜の妻ならん的へまっすく言葉飛び来る」

宗匠の短歌が連続入選です。

今度は小島ゆかり先生の選です。

  {評}「翡翠」はヒスイではなくカワセミ。高速でまっすぐに飛んで、
     水中の獲物を捕る。発想が斬新で美しい  

 

おめでとうございます!!

的に突き刺さった言葉とは
どんな一言だったのでしょうか。今度教えてください。郁子

 

 

 

 

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