575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

絵の見方 遅足

2010年01月31日 | Weblog
先日、奥さんが、愛知県小牧市のメナード美術館に行った時、
絵の見方、というメモをもらってきました。

最初にピカソの言葉が紹介されていました。
「小鳥のさえずりを聞くように絵を見る。
(何を言っているのかを理解しようとするのではなく
ただ静かに耳を傾けて美しい音色を楽しむ・・・気持ちで)」

絵の前に立つと、まず、なにが描いてあるんだろうか?
と思って形から意味を読み取ろうとします。
これは、ちょっと横に置いておいて、
まず、こころを空にして、絵の前に立って下さい、
ということでしょうか。

もう一つ、面白いと思ったのは、抽象と具象の考え方。
絵はすべて抽象と考えて下さい、とのこと。
抽象化された考え・思想・表現したいことを、
具体的な形を使って表現した作品を具象画、抽象的な形
(見たことのない形)を使って表現した作品を抽象画と呼ぶ。

メモを書かれたのは絵の先生とこと。
俳句の読みにも通ずる点がありそうです。

     

    栃木にいろいろ雨のたましいもいたり  

阿部完市の句です。
こういう句は、小鳥のさえずりを聞くように
句を声にだして読むといいかもしれません。
コトバ一つ一つ意味を探ろうとせずに、
音として楽しむ。

しばらくすると、自分に気になるコトバが
顔を見せてくれるかも。
意味が分かるという理解ではなく、
感じが伝わってくるかも知れません。

   
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ラブホテル前のいつもの焼芋屋     小浜杜子男

2010年01月31日 | Weblog
根岸の子規庵はJR鶯谷駅で降りて徒歩5分
立ち並ぶラブホテルに圧倒されつつ
子規庵が近くにあるのだと思うと、つい物珍しいくてキョロキョロしてしまう
辺りがこのように変貌するなど、子規は想像しなかっただろう
ラブホテルと焼芋屋の異質な組み合わせは実に痛快だ 蓼

★このところ、俳句情報をネットで楽しむことが多い。俳句プログやHPを覗いてまわるのである。今日の記事も俳句プログ「エロティシズムを詠む・・生命賛歌」http://ameblo.jp/asap1956/
にあった一文である。 (愚足)
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水鳥に水の扉をあけておく   遅足

2010年01月30日 | Weblog
船団の中谷仁美ドクターの診断です。

水の扉というのが、具体物であっても
観念的なものであっても美しい句だと思いました。
ただ、水鳥か水の扉、どちらかに
具体性を持たせた方が印象深い句になると思います。

ありがとうございます。

 鈴鴨に水の扉を開けておく

???


  
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福は内行方不明になりにけり   朱露

2010年01月30日 | Weblog


        福の割り当ては一家に一匹しかない。
        狭い家なのに何処に潜んでいるのか。
        向こうが名乗らないのでつい忘れる。
        鬼は叩き出したんだからまあいいか。

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靴のなかに    遅足

2010年01月29日 | Weblog
先日、奥さんが出かけようと玄関へ。
靴の足を突っ込もうとして・・・?

ヘンナ臭いが・・・

なんと、靴の中にウンコがポコン。

我家の猫はシツケをしなかったんですが、
ウンコとオシッコは、ちゃんと
決まったところで済ましていました。

旅行の時は、外に出しておくのですが、
ここのところ寒かったので、家のなかに。
数日間、家の中にいても、ウンコは大きな容器のなかに。
オシッコは浴室の排水口に。

お利巧な猫だと、カンシンしていました。

   

深夜、奥さんがトイレに立った時、
ウンコがしたくなって猫もついて行ったのは良いのですが、
そのまま玄関に閉じ込められてしまったようです。
ついに耐え切れず・・・
猫としては丁度いい大きさの穴だったようです。

そういえば猫の恋の季節ですね。

  恋猫の夫婦喧嘩のなか通る  遅

       

   
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松枯れ         草女

2010年01月29日 | Weblog
 キャベツ畑の中の道路から左に折れ、国民休暇村伊良湖へ行こうとしていた。「なに、これ!」 当たり一面の松が立ち枯れ、黒い幹ばかりになっている。山火事に遭ったのか、この黒い帯は違う場所にも続いている。美しい松林に囲まれていたはずなのに、この異様な有様にただ驚いて、フロントに尋ねると松くい虫との答え。海上の森にも被害に遭った松はあるが、火事の後のように一面の松が立ち枯れているということはない。これが恋路が浜の方へ広がっていけば、サシバなどが渡る前の餌の補給、休憩の場所がなくなるだろうと心配になる。食事の時も職員を捕まえては質問する。3年前には始まっていて、県が対策に当たっているが、畑が近いので薬剤の空中散布ができないことが分かった。

 マツノザイセンチュウは長さ1㎜位の線虫(ミミズを透明にしたようなもの)で北アメリカから入った生物でマツノゴマダラカミキリを利用して元気のよい松にとりつく。
 これにとりつかれと、材の中で水が流れなくなり木は枯れる。愛知県松くい虫被害対策連絡協議会のホームページに、詳しい説明がある。興味関心があれば見てほしい。 
http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000005/5726/kyougikaisiryou.pdf
 
 ここ休暇村周辺の被害はとても酷く、お金がないとか、農家と折り合いがつかないなどと言っている暇はない。ぐずぐずしていれば、松はどんどん被害をうけ、防砂林の役目をしないから、生活の上でも被害が広がるし、生物への影響も心配される。

 翌朝、写真を撮るために中に入ると見た眼には死んでいる松林であるが、たくさんの野鳥がいた。アカゲラ、ツグミ、ホオジロ、アオジ、ジョウビタキ、カワラヒワ、メジロ、ヒヨドリ等40分の間につぎつぎと姿を現した。少し救われた感がしたが、早く、手を打ってほしい。

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雨戸開け烏轟く余寒かな    朱露

2010年01月28日 | Weblog


       私の部屋の雨戸を開けるのは朝五時。
       空も山も人家もぐっすり眠っている。
       所が烏どもが一斉に喚く、臆病者め。
       毎朝同じ事が起きる法則が分からぬ。

        (なお、「余寒」は「春」になります。)

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渋滞の先頭に出る去年今年   遅足

2010年01月27日 | Weblog
船団の小西雅子ドクターの診断です。

 「先頭に出る」がとても良いと思いました。
何の渋滞かという説明はありませんが
多くの人は想像できると思います。
晴れ晴れとした様子が手に取るようです。
「出る」と「去年今年」の間に
微妙な隙間があって好感がもてました。
「去年今年貫く棒の如きもの」(虚子)

ありがとうございます。
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囲碁も句も半端なままに日脚伸ぶ    朱露

2010年01月27日 | Weblog


      碁と句は圧倒的に運動不足で体に悪い。
      そこで凸凹四人組を結成しゴルフ強行。
      ゴルフの大欠点は面白いが金が要る事。
      仕方なく独り碁独り俳句を独り寂しく。

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サルくん脱走   鳥野

2010年01月26日 | Weblog
おサルさんがまた騒動を起こしました。
上野動物園の猿山から脱走し、5時間近く逃げ回ったあげく、飲食店の地下階段で捕獲されたというもの。

このサル君、北限に生きるニホンザルで、国の天然記念物。下北半島のむつ市脇野沢の静寂な里山から、大都市へ拉致されて、どんなに怖かったことか。

絶滅の恐れのある動物の指定を受けて保護されていた北のサルが、住民の生活に侵入するからと、いまや有害鳥獣。漁業専業から農業へ。住み分けが混乱し、その上、自然林も激減して、サルは猿智恵を駆使せざるを得ないのでしょう。

裁かれねばならぬのは、はたして誰。

わが師、青井史がズーラシアで詠んだ秀歌を思い出しました。

 ・ 人間こそ検証さるべし増殖し地球を蝕みはじめて二世紀

 ・ 夕焼けの天地の間のズーラシア擬似密林にけものの声なし

 ・ 天の階あらば逃れよ金糸猴日本の荒星こよひ間近し

 ・ 夕暮れを猿かホァエー寒いと鳴く来てよとは鳴かぬその声透る






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ラフに消えたボール探して春近し   朱露

2010年01月25日 | Weblog

      豊川平尾カントリーを歩く凸凹四人組。
      同じ顔触れで一年中野山を歩きまわる。
      話すタネは尽きているので黙々と歩く。
      七十半ばを過ぎて死ぬまで生きるのだ。

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薄氷        愚足

2010年01月25日 | Weblog
 来月の句会のお題「余寒」「春寒」を歳時記で調べていたら、「薄氷」というのがあった。
 氷が張るなどということは、私の小学生時代には当たり前のことで、学校の行き帰りに路に張った氷を踏みつけて割ったし、防火用水の氷を割ったり、プールに張った氷を割りに行って危うくプールに落ちかけた友達もいた。
 「初氷」は十二月で大切に割って触って、しばらく観賞したものだ。
 しかし、春になって張った「薄氷」にはそれほどの愛着もなく、急の寒さに驚いただけだった。

  薄氷手にする程のこともなく   ぐ

しかし、この季語にはいい句がありました。

  薄氷の裏を舐めては金魚沈む  西東三鬼
  薄氷の風に吹かるる重さかな  田の上豊作
  うすらひの上やうすうす水流れ 辻 桃子
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妓王寺と書けばなまめく牡丹雪  智照尼

2010年01月24日 | Weblog
先日、嵯峨野の祇王寺へ行ってきました。
さすがの祇王寺も、冬の平日とあって、
人影はほとんどありません。

仏間には祇王、祇女の姉妹、母刀自、清盛、仏御前の
5人の木像が安置されていました。
(祇王と仏御前のお話は平家物語で有名なので省略)

部屋の柱に俳句を記した色紙がありました。

 幻想は青き影引き夏の星  智照尼

とありました。
星座といえば、単なる星の集まりですが、
昔の人は、そこに熊やさそりをイメージ。
さまざまな物語を読み取っていました。
幻想の物語・・・
夏の星に幻想の青い影を見る・・・
作者の半生を見ているのでしょうか?

智照尼とは、瀬戸内寂聴さんの『女徳』のモデルともなった、
高岡智照尼さんのこと。
12歳で花柳界に入り、芸子、愛人生活、映画女優、自殺未遂と、
波乱の人生を送った庵主さん。

智照尼さんは俳人でもあり、パンフレットには
四季の句が紹介してありました。
冬の句です。

  妓王寺と書けばなまめく牡丹雪

雪こそ降ってきませんでしたが、小雨の降る寒い日でした。

                  (遅足)



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愕然とビュッフェに気付く冬の居間   朱露

2010年01月24日 | Weblog

        「立食」のことじゃなくフランスの画家の絵。
        「二つのテーブル」という絵が掛かっている。
        テレビは民主党小沢幹事長の検察の事情聴取。
        奇妙な事が起きないと見えるものも見えない。 

  
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寒牡丹?冬牡丹?    遅足

2010年01月23日 | Weblog
名古屋市東区の徳川園で牡丹がみごとな花を咲かせています。
寒牡丹でしょうか?冬牡丹でしょうか?
調べてみました。

牡丹は、もともとは初夏の花。
寒牡丹は二季咲き性の品種で、
六月頃にできたつぼみを切り、八月に葉を切ります。
そして、秋に二回目のつぼみを出させて
冬に咲かせたもの。

冬牡丹は、春咲きの品種を促成栽培して
冬に咲かせたものだそうです。

品種ではなく開花・観賞時期によって分類する場合もあり、
寒の時期、つまり二十四節気の、
小寒から立春の前日までに咲いているものを寒牡丹、
それ以外の冬期に咲いているものを冬牡丹とする分け方です。
俳句では、この分類にしたがっているようです。

  石畳たれか躓く冬牡丹   遅
   



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