恒例の句会の感想、麗子さんにかわって報告します。
最高気温36度、熱中症危険という残暑の中の句会。
冷房の効いた部屋で7人の出席でした。
題詠「抱」
①眠れぬ夜母の子宮に抱かれる(麗子)どこかドキッとする句です。
②野仏のひしと抱き合ふ野分かな(亜子)いつも抱き合っていますが・・・
③嬰児(やや)昼寝何の疑惑も抱かずに(静荷)疑う力がつくと智恵も。
④傷心を今年も抱き原爆忌(立雄)詠みついていくべきテーマ。
⑤稲妻に抱かれてゆく聖母かな(遅足)キリストを抱く聖母。その聖母を抱く者は?
⑥南瓜抱く草生ひ茂る大地より(佐保子)的確な写生の一句。
⑦抱く手に児の爪たてる昼寝起き(結宇)どんな夢をみていたのでしょうか?
⑧神を抱く私の胸の小さな秋(えみ)祈る私の胸に小さな秋が・・・
⑨ほおずきの鉢抱く人の泣きぼくろ(晴代)ほくろには、どんな物語が?
⑩庭隅に闇を抱えて百合一輪(郁子)闇が百合を浮かび上がらせて、百合が闇を抱く。
⑪流星群触れ合う肩をそっと抱き(能登)星がその命を終え、地上に恋が。
⑫夏終わる抱き癖ついて帰る孫(すみ)抱っこの好きなおばあちゃん子の誕生。
⑬老兵は抱くものなし敗戦忌(狗子)戦争体験ののこしたこころの空洞・・・
自由題
①炎天にどよめく歓喜逆転打(立雄)高校野球の醍醐味。
②酔芙蓉飛行機雲のほぐれゆく(遅足)夕方の静かな時間のなかに。
③烏賊釣火三艘並ぶ対馬沖(佐保子)夜の海に漁師たちの生業。
④生(あ)れて間もなきに蟷螂斧持上(もた)ぐ(静荷)生れたら、もう100%の螳螂。
⑤夏服の老いの背中や戦争展(亜子)麻服の似合う男性の背中。
⑥ギヤマンに白海老装へ(ヨソヘ)夏座敷(結宇)富山の海の幸。至福の時間。
⑦四つ折りの角に詰まっている残暑(えみ)こんなところにも残暑が。
⑧鳳仙花はぜほろ苦き安堵なす(晴代)人生に数ある決断の時。こんなところか・・・。
⑨秋暑し過去と未来が交錯す(麗子)今をどう生きるのか?様々な思いが。
⑩新涼の犬の散歩はアンダンテ(郁子)涼しさに犬も人も元気を回復。
⑪天の川人間はずっと殺し合う(能登)人間の愚かしさ。じっと見つめる天の川。
⑫青柿や葉か実か迷う繁りかな(すみ)今年の柿の出来や如何に?
⑬宿題は残っているぞ法師蝉(狗子)思いだすのは自由研究の宿題。