575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

透きとほる月のひかりのそそぐ音  郁子

2021年09月30日 | Weblog
作者の郁子さんは月明りの下、眠るのがお好きだそうです。美しい月光。月のひかりのそそぐ音。そのひかりの音が聞こえて来るようです。なんとロマンティックで美しい音でしょうか。実際に音はするはずもないのですが、私たち人間の脳にはその音を感知する力がそなわっています。「透きとほる」も素敵です。
皆様からのコメントです。

殿様:9月の題詠「音」が拡がりを持たせるのでしょう。
素晴らしい句が多く悩みました。
そうした中でこの句に惹かれたのは調べにあるのでしょう。
波打つような分散和音から始まるドビッシーの「月の光」。
俳句にすればまさにこの句。

竹葉さん:「透きとおる」とひらがなが多いのが柔らかい音を連想させてくれます。
能登さん:月のひかりのそそぐ音ですか。まいりました。透 月 音の漢字とそれ以外のひらがなの配置もお洒落です。

      ★★★
桐生悠々さんの本「抵抗の新聞人 桐生悠々」を読ませていただいています。
悠々さんの墓地の石碑には「蟋蟀は鳴き続けたり嵐の夜」という悠々さんの句が刻まれているそうです。悠々さんの没後80年。お孫さんはこんなにも美しい俳句を詠まれています。麗子
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終電車 まぎれ乗りこむ 虫の声 <殿>

2021年09月29日 | Weblog


渋谷から二子玉川へと抜ける田園都市線。横浜の長津田駅でJR横浜線と交差します。明治初期、八王子周辺で養蚕された絹糸は横浜線を使い横浜港から輸出されました。そのため、長津田駅の近くには繭倉庫が散見されます。絹の道の起点とされた長津田駅。渋谷行きの最終電車に虫の声がのりこみます。<殿>
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「抵抗の新聞人 桐生悠々」を読んで  竹中敬一

2021年09月28日 | Weblog
この度、桐生悠々のお孫さん旧姓、桐生郁子さんから岩波文庫「抵抗の新聞人 桐生悠々」の復刻版を送っていただきました。

私が名古屋の民放局の制作部にいた昭和50年代、かっての上司で当時、報道部長だった下島光男氏(故人)から
ある雑誌に載せた桐生悠々の評伝のコピーを頂いたのを思い出します。
これを読んで初めて悠々のことを知りました。下島部長は信州の出身で、悠々の生き様に共鳴していたのでしょう。
しばらくして、下島部長は私のところへ来て”オィ、桐生悠々のお孫さんが女性アナに採用されたゾ”とやや興奮気味に言ったのを覚えています。
      
            ※

昭和55年に刊行された岩波新書「抵抗の新聞人 桐生悠々」は
作家の井手孫六が緻密な調査、取材によって「言論の自由」を訴えた評伝で、感銘を受けました。
今回の復刻版では、新たに桐生悠々の五男、昭男氏(桐生郁子さんの父)が書き残した
「私にとっての[親子関係]」と、ジャーナリスト青木理氏の解説が掲載されています。
私は特に桐生昭男氏の父親像について書かれた達意な文章に心惹かれます。
巻頭は68歳になる老父(桐生悠々)と14歳の少年(昭男)が伊勢湾に注ぐ名古屋の庄内川河口で
楽しくハゼ釣りをしているという記述からはじまります。

昭和16年8月初旬の頃、太平洋戦争が始まる3ヶ月前のことです。
その時、悠々は喉頭癌が進行して、食べるものも喉を通らないほどの状態でしたが、可愛い息子に誘われて出かけたといいます。
「父は、このハゼ釣りの日から約1か月弱の9月10日未明、波乱の生涯を閉じたのだった。」
息子の昭男氏が父のことで、おぼろげに思い出すのは6歳の頃だったそうです。
「信州のある地方紙で論説記者をしていた父親が、ある日、会社から上履(スリッパ)を風呂敷包みに忍ばせるように持ち帰った時から始まる。
そして、母親は上履を見つけて、声をあげて泣き崩れたのを、私は傍で呆然と眺めていた。」

悠々は昭和8年(1933)、信濃毎日新聞の論説記者だった時、
「関東防空大演習を嗤(わらふ)」という社説を載せて、軍関係者の反発を受けて退社。家族と名古屋に移り住みます。

この度の復刻版で大演習の記述を読んでみて、
悠々の言っていることは、至極、当然のことのように思われます。
その要旨は、
  いくら大演習を行っても、実際にはさほど役立たないだろう。
  日本の航空機を総動員しても、敵機をすべて撃ち落とすことは不可能で、
  攻撃を免れた敵機が落とす爆弾で木造家屋の多い東京は一挙に焦土と化すだろう。
  空爆したものの勝利であり、空爆されたものの負けである。
  だから、この空爆に先立って、これを迎撃すること。
  これが防空戦の第一義でなくてはいけない。
その通りです。この発言の12年後、東京大空襲で現実のもとなりました。

この発言がもとで、一家は住み慣れた信州から、かって新愛知新聞(現・中日新聞)の主筆を務めたことのある名古屋へ移りましたが、
11人の子供を抱え生活はさぞかし大変だったことでしょう。
個人雑誌「他山の石」を発行して「友人や知人に押し付けるようにスタート」。
有力な支援者に実業家の松永安左衛門、名古屋新聞(現・中日新聞)社長の与良松三郎、名古屋大学医学部教授の勝沼精蔵(文化勲章受賞者)らがいました。
最初のうちは時局批判が好評で雑誌は売れたようですが、
相次ぐ出版警察からの差し押さえや発禁にあって、桐生一家の生活は困窮を極めるようになります。
東大出身の言論人、悠々は
「不慣れな肉体労働でもって庭を耕し、鑑賞樹木を伐採して野菜を栽培した。
  そして、父は手近な蛋白源を求めて日課のように”川魚釣り”に出かけた。」
昭男さんは毎日のように学校から帰るとカバンを放り投げて、父と釣りに出かけたそうです。
親子の”ハゼ釣り”は生活のためでもあったのです。

「抵抗の新聞人 桐生悠々」の著者、井手孫六は悠々を「言いたいこと」と「言わねばならないこと」との弁別を、
論説記者たる己れにきびしく課した人と評しています。桐生悠々の思想は右でも左でもなく
「言わなければいけない」真実をどんな妨害があろうとペンで伝えた言論人だったと思います。
翻って今日、一強政権下、メディアも巧妙な言論圧力に忖度して、
「言わなければいけない」ことを伝えていないように思います。
桐生悠々に学ぶべしです。
                 竹中敬一

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秋されて さるぼぼ眠る 飛騨の宿 <殿>

2021年09月26日 | Weblog


*秋されて 秋が深まり *さるぼぼ 飛騨の民芸品で猿をイマージュした玩具。 荘川の山小屋を修理。しかし、業者の手違いで電気が使えません。仕方なく高山の中心街に宿をとりました。今秋は高山祭もコロナにより中止とか。陣屋やニノ町辺りに人影もなく閑散としています。今夜は宿の「さるぼぼ」と眠ります。
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歌舞伎町 聖女になれぬ 秋夕焼 <殿>

2021年09月25日 | Weblog


コロナ禍の秋。某航空会社の知人も失職。「聖女にはなれない」とのメールあり。歌舞伎町でバイトを始めたとの由。新宿の空に夕日が沈みます。<殿>
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朴の葉の錆ゆく音に秋気満つ  殿

2021年09月24日 | Weblog
朴の葉の変化を「錆ゆく」と表現して「音」を想像させました。
高得点のこの句に寄せられた選句コメントです。


泉さん: 秋になり、葉の色も変わって さみしさも感じる
紅さん:朴の葉が静かな山に落ちる音。錆ゆくという表現が、心に残ります
亜子さん:朴の葉は大きくその葉擦れの音なのか、あるいは落ちる音でしょうか?
  朴落葉だと冬の季語になってしまいますが、「錆ゆく音」という表現が独特で朴の葉に似あいます
須美さん:鯖ゆく音が朴の葉によく合っている

私もいただきましました。
「錆ゆく」の響きが「寂びゆく」にも通じ、「音」がそれぞれの耳に
というか胸の奥底まで伝わってくるようで魅かれます。
ただ、ここまでで十分秋の気配を感じられるので、下五の 秋気満つ がもったいないような気も・・
具体的な何かがもうひとつ加わるとさらに魅力が増すように思いました。

    
朝夕とめっきり涼しく肌寒さも感じるようになりました。
夏の疲れが出る頃。いろいろ気をつけたり考えることも増えそうで思わぬ怪我につながることもありそうです。
気をつけましょう。 郁子
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白秋や墨磨る音の清らかさ  麗子

2021年09月23日 | Weblog
 亡き祖父は高校の書道の先生でした。「心がざわざわする時は墨を磨りなさい」とよく言っていました。私は一年に一回、この9月に墨を磨ります。宮内庁の歌会始に詠進歌を提出するためです。必ず毛筆で書かなければなりません。(ちなみに今年のお題は「窓」です。) 毎年、苦労するのですが墨を磨る度に祖父のことを思い出します。  最初は「白秋や墨磨る音の軽やかさ」としたのですが、祖父のことを思い出し「清らかさ」にしてみました。でも、もう少し他の表現があったのではと思っています。白秋という季語と墨の黒を対比させてみました。思いがけず多くの票を頂きありがとうございました。 頂いたコメントです。 竹葉さん: 爽やかな秋、正座して墨を磨る映像が浮びます。 能登さん:静謐な水墨画のような景色。素敵です。 紅さん:静寂の中、墨を磨る音。そんなところに身を置いてみたいと思います。 郁子さん:墨を磨る規則正しいリズムに、身の引きしまる思い。季語と良く響きあっています。 千香子さん:白と墨の黒が墨絵を連想し、すがすがしい秋の気配を感じました。                ★★★ 私の9月は色々と騒動があり、実はまだ墨を磨れていません。なんと、一昨日は足をねん挫し、「ぐきっ」という嫌な音が体の中から聞こえました。墨を磨り心を静めます。麗子
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9月・音句会  結果発表です!

2021年09月22日 | Weblog

兼題 テーマ「音」

  1. ブザー鳴る急ぐ看護師長き夜や (須美)能登 結宇
  2. 朴の葉の 錆ゆく音に 秋気満つ (殿)泉 佐保子 紅 亜子 須美 郁子 
  3. 8月15日音より先に機影消ゆ (結宇)
  4. 車椅子になりて一年虫すだく (佐保子)等 結宇 千香子 晴代 亜子
  5. 亡き夫の釘打つ音や秋晴れて (亜子)竹葉 遅足 結宇 麗子
  6. 西瓜をはじく音のいふ甘さかな (千香子)泉 須美
  7. 秋の庭 水琴窟の 音微か (紅)佐保子
  8. 白秋や墨磨る音の清らかさ (麗子)竹葉 能登 遅足 佐保子 紅 千香子 郁子
  9. 吾が耳に虫は鳴かずや蚯蚓鳴く (等)晴代
  10. ころころと音の聞こえぬ芋の露 (能登)泉 晴代 亜子
  11. 葉鶏頭声は通れど無音の家 (晴代)千香子 須美
  12. 透きとほる月のひかりのそそぐ音 (郁子)殿 竹葉 能登 遅足 麗子
  13. 秋の色帰りを告げる音さみし (泉)
  14. 桜紅葉過去しゃらららと巻き戻し (竹葉)殿 等 郁子
  15. 十月は開くと青い音がする (遅足)殿 紅 麗子

 

自由題

  1. ひつじ雲 群消えゆきて 宇宙見ゆ (殿)泉 竹葉 遅足 結宇 紅 亜子 須美
  2. 萩碗に指温まれば虫の声 (結宇)能登 千香子 晴代 亜子
  3. 赤トンボ水平に飛ぶ雨上り(佐保子)泉 麗子
  4. 「もう秋」と婆の指さす赤とんぼ (等)殿
  5. 音もなく秋蝶ひらり舞い降りる (麗子)
  6. 新涼や常より軽き花鋏 (亜子)遅足 佐保子 結宇 千香子 麗子 須美
  7. 調律師葉月の雨の過多をいふ (千香子)殿 等 紅 晴代 郁子
  8. 己書<おのれしょ>に 放つ夜長の カタルシス (紅)竹葉 佐保子
  9. 新生姜真白き肌に紅をさす (須美)殿 竹葉 能登 紅 亜子 郁子
  10. 空の色我が色に染む秋あかね (能登)結宇
  11. 秋冷や博多人形影の濃き (晴代)遅足 佐保子 等 郁子
  12. 秋高し鳩の鳴き音に歩を合わせ (郁子)須美
  13. 夕陽浴びかがやくススキ伊吹山 (泉)千香子 晴代 麗子
  14. 秋の夕はぐれ烏や森を背に (竹葉)泉
  15. 秋の航蒼き悲鳴を残しつつ (遅足)能登

     

「音」句会はいかがでしたか?

トップ賞は兼題 麗子さん  自由題は 殿さまでした  

おめでとうございます!!

 

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音句会の投句が集まりました。

2021年09月21日 | Weblog

色んな音が聞こえて来ました。音なき音も、かそけき音も。皆さんはどの音がお好きでしょうか?結果は明日発表します。

 

2021,9月「音」

①      ブザー鳴る急ぐ看護師長き夜や 

②      朴の葉の 錆ゆく音に 秋気満つ 

③      8月15日音より先に機影消ゆ 

④      車椅子になりて一年虫すだく 

⑤      亡き夫の釘打つ音や秋晴れて 

⑥      西瓜をはじく音のいふ甘さかな 

⑦      秋の庭 水琴窟の 音微か 

⑧      白秋や墨磨る音の清らかさ 

⑨      吾が耳に虫は鳴かずや蚯蚓鳴く 

⑩      ころころと音の聞こえぬ芋の露 

⑪      葉鶏頭声は通れど無音の家 

⑫      透きとほる月のひかりのそそぐ音 

⑬      秋の色帰りを告げる音さみし 

⑭      桜紅葉過去しゃらららと巻き戻し 

⑮      十月は開くと青い音がする 

 

 

 自由題

①      ひつじ雲 群消えゆきて 宇宙見ゆ 

②      萩碗に指温まれば虫の声 

③      赤トンボ水平に飛ぶ雨上り

④      「もう秋」と婆の指さす赤とんぼ 

⑤      音もなく秋蝶ひらり舞い降りる 

⑥      新涼や常より軽き花鋏 

⑦      調律師葉月の雨の過多をいふ 

⑧      己書<おのれしょ>に 放つ夜長の カタルシス 

⑨      新生姜真白き肌に紅をさす 

⑩      空の色我が色に染む秋あかね 

⑪      秋冷や博多人形影の濃き 

⑫      秋高し鳩の鳴き音に歩を合わせ 

⑬      夕陽浴びかがやくススキ伊吹山 

⑭      秋の夕はぐれ烏や森を背に 

⑮      秋の航蒼き悲鳴を残しつつ 

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山小屋に 迫る静けさ 秋の闇 <殿>

2021年09月19日 | Weblog

高山市荘川からクルマで1時間ほどの白水湖には天然温泉が自噴しています。流入する温泉成分のため湖水は美しいエメラルドグリーン。硫黄の匂いが強く湖に魚はいません。白水湖畔の山小屋や露店風呂は雪が降れば閉鎖となります。しかし、トヨタが施設の運営に参入。いまではインターネットも繋がりランタンもLEDとなりました。白水湖は平瀬という集落まで徒歩3時間の秘境。山の日没は早く闇が迫ります。静けさがより増した感。<殿>

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突然の 別離告げられ 秋驟雨 <殿>

2021年09月18日 | Weblog

学生たちの多くは奨学金を利用しています。しかし、コロナ禍によりアルバイト先の飲食店が倒産。電気を止められ蝋燭で暮らしていたと話す女子大生。休学届けを出し長野の実家へ戻るとの由。突然の出来事に言葉を失います。<殿>

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部屋の隅ぽつと気配す盆の蜘蛛  竹葉

2021年09月17日 | Weblog

この句の良さは ぽつと気配す ではないでしょうか

須美さん:ぽつと気配すが面白い

この「ぽつ」から想像する様子として

 ・突然に現れたがそれほど驚いたわけでもない

 ・もうずっとそこにいたのにふと存在がクローズアップされた

 ・ちいさいものである 寂しげでもある・・など思い浮かびます。

オノマトペというのでしょうか、単純な音の配列で多くを語る面白さです。

 

作者はいつも独特の表現で、句の世界を肌感覚で広げてくださるので

私など共感のツボにはまることしばしばです。

今月の句。兼題「音」も揃ってきました。

耳からはいる音だけでなく五感で感じる音もありそうで、

「ぽっ」などもその類でしょうか。発表が楽しみです。

 

この句を選んだ等さんは

「盆」と「蜘蛛」は季重なりになります。「蜘蛛のゐて」位で如何ですかと提案されました。

確かに「盆」は秋 「蜘蛛」は夏の季語になりますが

蜘蛛がいたのがお盆であるというところに作者の句意があるかもしれません。

亡くなったかたが姿を変えて ぽっと現れたとか。。

皆さんはどのように思われますか?  郁子

 

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蓮の実の弾けて次の世を生きる  麗子

2021年09月16日 | Weblog

先日、愛西市に行った時に買って来た蓮の花。花びらの落ちた蓮の台(うてな)も買って来ました。しばらく眺めたあと枯れてしまいましたが、中から20粒もの蓮の実が取れました。いつか植えて育ててみたいと思っています。美しい花を咲かせたあとまた泥の中に弾け次の世を生きていく。命の連綿とした継承に心動かされた一瞬でした。

頂いたコメントです。

泉さん:秋になると種子を落とす。毎年 引き継がれていく感じがする。

能登さん:コロナの世も早くリセットして、次の世に更新したい。

 人間より遥かに永い歴史を生き抜いてきた蓮に、「あたふたするんじゃない」と叱られるかも知れませんね。

紅さん:蓮の実が弾け、飛び落ち新しい命となる。作者の死生観に触れます。

                    ★★★

ありがとうございました。コロナで動きが規制されストレスのたまる日々。植物のたくましさを見習わねばと思います。それでもどこか行きたくて街の小さな美術館を訪れました。稲沢市の荻巣記念美術館と美浜町の杉本美術館です。どちらも空いていてゆっくりと絵画に向き合えました。小さな芸術の秋でした。麗子

 

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澄みはじめ 冷涼翔ける 秋の空 <殿>

2021年09月12日 | Weblog

ひるがの高原にある友人の牧場カフェにいます。飼育しているのは牛の親子とヤギたち。私は学生時代に八ヶ岳の牧場でアルバイトをしていました。仕事はジャジー牛の世話。牧場の仕事は重労働で動物好きでないと長続きしません。ところで、牧畜には購入した配合飼料を与えるのが簡単。しかし、新鮮な牧草を刈り取りロール状に乾燥させた飼料を与えると濃厚で深みのある牛乳となります。ひるがの高原の標高は約1,000m。気温16度。澄みはじめる冷涼な空。本格的な秋も近いようです。<殿>

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英文詩 まるめる舌に 秋夜過ぐ <殿>

2021年09月11日 | Weblog

俳句は17文字による日本語の定型詩。英文にも全14行からなり音読すると美しい調べが生まれる「ソネット」があります。ソネットは13世紀のイタリアの詩人「ペトラルカ」が創始者といわれ、英国に伝わりソネットによる英文詩が作られるようになりました。特にシェイクスピアのソネットは音韻に富み「シェイクスピア・ソネット」と呼称。シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」にもソネットの手法が用いられています。英国の友人によるとシェークスピアの英文詩を音読すると涙が流れるほど美しいとの由。言語の相違はあっても音読の美しさに東西の違いはないようです。<殿>

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