575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

11月の投句 兼題「霜」

2005年11月30日 | Weblog
一人2句。20句が集まりました。

霜降りて無言の大地生まれたり   
霜降りる遠き母への贈り物      
満月に火星の寄りて霜の声     
遠吠えの止みて地を這う霜の声  
頬赤き子等の走りぬ冬田道   
寝床からイヨッと起きて霜柱     
柿たわわ村はひっそり昼下り    
霜晴れや鶏冠争い立ちにけり   
霜柱俺関東のアナウンサー    
初霜やひそかに下る老いの坂   
履き初めのシューズは軽し霜の音 
子の肌の熱さなつかし霜夜かな   
銀杏の葉踏まぬように自転車ゆく
冬晴れや塔清らかにそびえ立つ  
落ち葉踏む足は十本孤独げに    
ひとつぶのひかり霜月祭かな    
真鶴や烏賊釣り舟に鳴く烏賊の   
あけびづる聖夜飾りを作らむか    
初霜やようよう成りし逆上がり    
霜解けて血の滲みたる羽毛かな 

    

  どの句がお好きでしょうか?
  575の会以外の方も選句してみて下さい。
  差し支えなければ、コメント欄へ。

           
柿たわわ村はひっそり秋の暮の句の
秋の暮は、昼下りの間違いでした。
ごめんなさい。

            遅足

  
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Qちゃんの復活おもうひつじの穂   長良

2005年11月30日 | Weblog
 先日20日、Qちゃんこと高橋尚子が2年間のブランクを克服し、
復活優勝した。

 初冬の田圃を見渡すと、すでに刈り取られた稲の株から生える
ひこばえ(穭=ひつじ)に穂が実り、頭を垂れている姿を見受ける
ことが出来る。
 私にはこの姿が何故かQちゃんに重なる。

 三重の”みずき” 愛知の”真央”さんなど、ご当地の比較的
若い女性のバイタリティーに感服している。


    旅芝居千秋楽に時雨けり   長良

                    

 
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連句 脇 雪見障子に酌み交わす友  久々

2005年11月29日 | Weblog
連句  南天の巻

発句  南天や京の小路を踏み迷う  遅足
脇    雪見障子に酌み交わす友   久々

 道を間違えて辿り着いたのは、
 雪見障子のある和風の部屋。
 待っていたのは旧友。
 一杯やりながら、久々に友と。
 優雅な脇ですね。

    

 次は雑。季節に関わりなく
 いわば、人事の575です。
 長良さんの出番です。
               (遅)

 
 
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連句をはじめましょう。

2005年11月28日 | Weblog
また、連句を始めたいと思います。
発句は、僭越ながら遅足の句で。

発句  南天や京の小路を踏み迷う  遅足

前回と同じ、久々さん、長良さんと3人で、
3句目までスタートします。
飛び入り歓迎です。コメント欄を使って、付けて下さい。
一応、捌き役は、遅足ということで。

脇は久々さんにお願いします。
南天が冬の季語なので、冬。
続いて、3句目は雑です。

  先日、京都に行ってきました。
  ちょっと小寒い日でしたが、
  足にまかせて東山界隈を歩きました。
  丸山公園あたりには、平安時代、
  尾張氏のお寺があったそうです。
  そこから小路に迷い込みました。
  袋小路の行き止まりには、
  道元禅師荼毘の地という立て札が。
  京の奥は深いです。
    その時の一句です。  
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うずくまる薬の下の寒さ哉          丈草

2005年11月28日 | Weblog
 この句の意味が分からなくて、久しぶりに芥川の「枯野抄」を読みました。
 というのも、芭蕉は病床で弟子の伽の句の中から「丈草出来たり」と、この一句のみを褒めたと言う事ですが、私には句の意味もましてや良さもさっぱり分からなかったからです。
 結果、懐かしい芥川の臭いは嗅ぐ事が出来たのですが、句の理解は出来ませんでした。どなたか句の解釈をしてください。
 因みにこの句の載っていた歳時記で山本健吉氏は、「個を超えた真実を、丈草のこの一句に見ることが出来る」と申しておられました。
                            愚 足 
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はらっぱのドカンは空を飛んできた  遅足

2005年11月27日 | Weblog
朱露さん句、愚足さんのコメントに
触発されました。

子供達が空飛ぶ土管が好きなのは
きっと土管が空を飛んできたから。
土管が、一方にしか穴がなかったら
あんなに人気はなかったんじゃないかな?
両方の穴から見える見慣れた風景も
異国のように感じられました。

          
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575の会  兼題 「霜」

2005年11月27日 | Weblog
30日の575の会の兼題は「霜」です。

荻原先生が中心になって開かれている
ねじまき句会、という川柳の会での
題詠が、これまた、霜でした。

 声が好きだったと気づく霜の朝

 霜になる途中の声で電話来る

 知らぬ間に霜が無口になっている

俳人、川柳作家、歌人という様々な
人たちが参加している句会。
先生のおっしゃるように、
霜という言葉に対するスタンスが
微妙に違っています。とくに

霜になる途中の声、という表現はびっくり。
私には絶対出来ません。

どの句がどのジャンルの作者か?
考えて見て下さい。
              遅足



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おお昂我が青春という土管  朱露

2005年11月26日 | Weblog
スバルと土管は、まさに天文学的に遠い。
「おお昂」と見上げるのが気恥ずかしく、
土管を出入りして終わる。
土管はドカンという音でもあり、
退かんという意味でもある。

 
    
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俳句のリズム

2005年11月25日 | Weblog
膝毛布かけて人力三之町

塔句会の句です。
作者が高山の三之町に旅行した時の句。

膝に毛布をかけて
人力車で
高山三之町を廻った。

散文で書くとこうなり、意味も伝わります。
しかし俳句として、575のカタチとなると、
散文にはない何かが伝わってきます。
言葉の音としての力が表に現れてきます。

Hという暖かな音を持つ上五 
Jという力を感じさせる音 
KとSという軽やかなリズミカルな音 

これの音が人力車に乗って町を走っている
感覚を生みだしているようです。
575という定型が持つ力かも知れません。

ある人が「皆、どうしてこういう句をもっと選ばないの?」と。
この方はアナウンサー。選句の前にいつも詠んで下さいます。

はい!これから取らせていただきます。
                      
                  遅足

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墨壷の糸真一文字秋極む   絵門

2005年11月24日 | Weblog
昨日の塔句会で人気の高かった句です。

作者の家の近くで、新築工事が始まり、
上五中七(すみつぼのいとまいちもじ)
を得たのは夏の頃でした。
さて季語は・・・
秋極む、として一句がなったとのこと。

句会に出す句は、会食のテーブルにならべる
自慢料理のようなもの。
まさに旬の味。
料理人の腕のさえた見事な一句でした。

        遅足

  
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お行儀など結果が全てガムを噛む   長良

2005年11月23日 | Weblog
 去る20日、ロッテの優勝パレードがあった。
ニュースで見る限り、関係者はガムを噛んではいなかった。
 
 ガムなどを噛むと緊張をやわらげリラックスして、本来の力が出る?とか…。

 大リーグではクチャクチャと噛んでいる姿が目立つ、それなりの効用があるのだろう。

 関係者は親会社の広告塔?ならば噛むのも致し方ないのかな。
 お行儀と効用と宣伝、なんだか複雑な気がする。

 イチローや松井選手が噛んでいたらファンはどう思うかな。


    勤労を感謝はすれど虚しさも

                     
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再び 古池や蛙飛び込む水のおと

2005年11月22日 | Weblog
長良さんから「古池に蛙は飛び込んだか」を借りて読みました。
著者は長谷川櫂さん。ポイントは次のようなことかと。

「古池に蛙が飛び込んで水の音がした」
と、誰もが信じて疑わない芭蕉の句は、本当は
「蛙が水に飛び込む音を聞いて心の中に古池の幻が浮かんだ」
という句である。

切れ字の「や」を勘案して、散文に直すと、

 蛙が水に飛び込む音が聞こえる

 古池がある

と、あります。
音が古池のイメージを呼び起こした句となる。
なるほど!と感心しました。

         


しかし、句そのものは、

 古池がある

 蛙が水に飛び込む音が聞こえる

この順番に書かれています。
私は、古池に蛙が飛び込んだと読み、
水面に残る波紋をイメージしてきました。

        

俳句って迷宮みたい! 遅足






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「逆選句」・・・されたら超怖ーい。        愚足

2005年11月21日 | Weblog
 小林恭二著「俳句という遊び」(岩波新書)を読んでいて、「逆選句」というのを知りました。
 有名俳人の句会記録の楽しい本ですが、その句会で「正選句」だけでなく「逆選句」もすると言うルールを知りました。つまり、良い句を一句正選+1点、ダメと思う句を一句逆選句として-1点していました。
 それぞれ 被講の時理由を述べるのでしょうが、つらいですよね。下記は「金」というお題で作った句です。正選・逆選を一つずつ選んでみては。
 出席者は飯田龍太・三橋敏雄・高橋睦郎・安井浩司・坪内稔典・小澤實・田中裕明・岸本尚毅・小林恭二氏です。

  1 筍で儲けし銭やちよと遊ぶ        岸本   ++
  2 そのなかの金(くろがね)の鯉の先頭に  小澤   -
  3 すかんぽや雨たのしめる金盥       小澤   ++
  4 山国の甲州金ぞ春の闇          三橋   -
  5 金運の乏しささらさら葉桜は       坪内   --
  6 木蓮や銭はかならず道に落つ       安井   +++
  7 菊根分けつつ銭金の話など        飯田   +-
  8 大虻に足を吸はせて金満家        田中   ---
  9 生きているように蝶見せ金気水      田中   +-

 いかがですか? 逆選するのは超たのしいし、されたら・・・
 答えは近日中に「コメント」で。    
  
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鯖ずしの花折峠越えにけり   遅足

2005年11月21日 | Weblog
先日、京都の紅葉を見物に行ってきました。
帰りは大原から鯖街道を北へ。
途中峠をトンネルで越え?、また峠に。
花折(はなおれ)峠という名でした。
優雅な名前ですね。
ここで昼食。お店の名も「花折」。
鯖ずしを頼みました。

   

お腹一杯。美味しかった。

  鯖街道京まで遠ても十八里

お店の箸袋に書いてあったものです。
お値段は1560円でした。




  
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菊人形解かるる修羅場匂いけり  朝倉和江

2005年11月20日 | Weblog
朝倉和江句集より。

菊人形を詠った句は多いと思いますが、
解体作業を詠んだ句に初めて出会いました。
展示会が終り、菊人形が壊されていきます。
菊はまだその命を全うしていない。
それが無残にも処理されていく。
菊の命は匂いとなって作者になにかを訴えているのかも。

作者は華道の先生だそうです。

処理といえば、鳥インフルエンザの疑いで
大量に処理されていく命たち。
人間という大量殺戮動物の来世は
明るくなさそうですね。

           遅足



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