575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ソプラノの母の歌声花ミモザ 亜子

2024年04月26日 | Weblog

ミモザというと可愛い黄色の小花の集合体が風にゆられてふわふわ揺れるイメージがあります。

3月から4月にかけて春の喜びを告げるかのように花開くミモザは幸福の象徴。成長も早く5メートルを超す程にもなり、花の時期は枝全体が黄色の雲のように霞んで綿菓子のようになるのだとか。そんなミモザに抱かれた白亜の洋館(コレは私の想像)から美しい歌声が聞こえてくる・・まるでおとぎ話のようではありませんか。泉さんからも春の感じがとてもするとコメントをいただきました。

 

 ところで、今回のお茶会句会の中で、3月8日「国際女性デー」のシンボルはミモザだと教えてもらいました。しなやかな順応性と優雅さで社会の荒波を渡る女性の生きざまを象徴する花でもあるのですね。この句をとられた須美さん、佐保子さん、千香子さん、皆さんご存じでソプラノの声に合うとの意見になるほどと思いました。

作者に句の背景をお聞きしたところ戦時中の話となり、お姉さまが憧れたという若い音楽教師がいたこと、彼の人から教えてもらった歌「流浪の民」を美しい声で母親と姉がふたりで歌っていたこと、あまりにその教師の名前を聞かされたため今でもフルネームで言えること(笑)など話がつきず、句座は大いに盛り上がりました。対面の句会ならではの楽しさですね。

ちなみに黄色のミモザの花言葉は「秘密の恋」

胸に秘めた思いを伝える花でプレゼントにも最適ということです。 郁子

 

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さみしさの色も加えて咲くすみれ  遅足

2024年04月25日 | Weblog

昨日はあいにくのお天気でしたが、半年ぶりに6名の参加で楽しくお茶会を催しました。句会の結果をもとにあれこれ感想を言い合いました。参加できなかった方のメールも披露させていただきあっという間に時間が過ぎました。今回は破調や概念を句にする難しさなど亜子さんからの的確なアドバイスで勉強になりました。

 千香子さんから「俳句を作るのにはやはり皆さんとの会話が大事だと思いました。なかなかうまく表現できないですが、まず継続とあきらめず、続けようと思っています。」というメールをいただきました。また秋に開催しますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、遅足さんのこの句。春の花は気持ちを明るくしてくれますが、このすみれは少しブルーな気持ちを呼び起こします。楚々と咲くかわいいすみれ。でもどこかほんの少しのさみしさや哀しみをたたえているようです。「さみしさの色も加えて」が遅足さんらしくて秀逸だと思いました。

容子さん:岩崎宏美の歌声が聞こえてきそうです。

能登さん:私も、すみれを詠みたかったのですが、うまくいかなかった。

 「さみしさの色を加えて」ですか。うまいですね。

 

 奥様の佐保子さんによると、遅足さんの体調も落ち着いておられるようで安心しました。でもきっと思うようにならないことも多いと思います。そんな悲しみやさみしさも花の中に感じる。そういった思いも感じ取ることができました。

自由句の

   たんぽぽは小さな怒りもっている

佐保子さんはこの句をご覧になって「はっとした」ということでしたが、ご本人、特に句意はないとのこと。でも幸せな黄色の中にも小さな怒りはあるのでしょう。

 

もう一句ご紹介します。

    片穂なく片想いすやフタリシズカ  竹葉

佐保子さんは「片穂」が少し気になるとおっしゃっていました。

最初、竹葉さんは

     

   亡き夫に片思いすヒトリシズカ

という句を作っておられました。でも訂正のメールが来ました。

「私が思い浮かべてたのはフタリシズカでした。日陰にひっそり咲いていました。まさにヒトリシズカの方がいい名前ですが、確かに大きな4枚の葉の中心に白い点々と粒状の花の着いた2本の花穂が出ていました。ヒトリシズカは昔育ててましたが、日向に赤茶色の新芽と花火状の花がスックと伸びる野草で、シズカの語感には合わない気がします。ので困ってしまいましたが、何とか作り替えました。」

 私もネットで二つの花を見てみました。確かにヒトリシズカは白いブラシ状の花が一本伸び、フタリシズカは二本の白い花穂が寄り添っていました。それが片穂がないというのは悲しい様子。それを片想いと表現されたところがいいと思いました。いずれにしても亡きご主人さまを思慕する句。日記のようにご自身の気持ちを俳句にするというのは俳句の醍醐味だという感想が昨日のお茶会でも聞かれました。やはり対面だと一方通行ではなく色々と話が盛り上がりました。ありがとうございました。  麗子

 

 

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時止り持って行かれる花吹雪  能登

2024年04月19日 | Weblog

この桜は観光地の銘木かそれとも思い出の光景でしょうか。カメラマンでもある作者ですからファインダー越しであったかもしれませんね。

一瞬とも永遠とも思える息をのむほどの花吹雪が目の前にあったのだと思います。

竹葉さん: 「時止まり」とは体も心も動かなくなるということで、また「持っていかれる」とは心が奪われるということですよね。花吹雪の動きのある情景に惹き付けられる強さを上手く詠んでいると思います。

泉さん: 桜も終わりに近づき花吹雪、時間もいっしょに持っていかれそう。

遅足さん、佐保子さんもとられました。

 

もう一句、桜の句で高得点だったのが

 花見ずともよいと答える母がおり  容子

 

(母の病院付き添いの帰りに「桜満開だから鶴舞公園寄ろうか」と誘ったところ、体調が悪かったようで、「いい」と拒絶され哀しかったことを

そのまま句にしました:容子)

実は私もこの春、まったく同じ体験をしました。作者の気持ちがストレートに伝わりました。

能登さん: こう言われたらどうしよう・・・つらいですね。

亜子さん: 異色の桜の句。桜をめでるのではなく、もう桜を見なくてもいいと言われる母上の言葉にはどんな経過があるのか。もういっぱい見たからか、あるいはそれ以外の何かか?花の句でこのような句を詠まれたことに心魅かれる。

竹葉さん:「お母さん、桜満開よ!見に行こうか?」に対して答えるお母様の心情を計ってる娘、もう十分見てきたからか、いい思い出があるからなのか、体がきついから見たいけど遠慮しとくのかすねてるのか。。。花見に対して後ろ向きの句は少ないと思いますが、私もそのうち言いそうで面白いと思いました。あの年夫と私はこれでもかという程沢山の桜を見に行きそれが彼の最後の桜でした。だからあまり見ない方が次の年があるのかも知れません。

 

竹葉さんの読みも素敵です。いろんな思いを想起させる桜はやはり特別なものなのでしょうね。

遅咲きだった今年の桜も蕊降る頃となり、青々とした若葉が光り出しました。  郁子

 

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子を乗せて急ぐ自転車花の朝  麗子

2024年04月18日 | Weblog

「春の花」句会いかがでしたでしょうか?さくら、スミレ、フタリシズカ、藤、ミモザ、蒲公英、れんげ、菜種、フリージアと色んな花が咲き乱れ、咲き競いました。また、24日開催のお茶会で色々お話できるのを楽しみにしています。

私のこの句は、朝の実景です。保育園に送るお子さんを乗せたママチャリ。お母さんが一生懸命ペダルをこいでいました。まだ送り迎えにも慣れていない四月初め。桜は満開でも見る余裕もない感じで、思わず「がんばれ~」と心の中でエールを送りました。そんな働くお母さんへの応援句です。選句していただきありがとうございました。いただいたコメントです。

竹葉さん:なぜ急ぐのか?最初は子供を保育園に預けてさっさと花見をしたいから、と思ったのですが、そんな深読みはしなくても、仕事に行くのに朝は急ぐものですね。急いでいても朝の桜の咲く下を自転車で駆ける気持ち良さを「花の朝」の季語から感じ取れました。

郁子さん:新学期の活気が感じられる。花降りしきる中ペダルをがんがん踏んで子どもを幼稚園に送り届けるのでしょう。そのあとお母さん?もしくはお父さんはお仕事に向かうのでしょうね。スピード感と明るさに満ちている。

亜子さん:◎桜の句の中で生活感のある一句。毎日の生活の中での桜を詠んだところが好感が持てる。

     ★★★

ありがとうございました。「子を乗せて保育園への花の道」という句も考えたのですが、やはり「自転車」という言葉を入れました。「ママチャリ」でもよかったかも知れませんね。

今年の桜は入学式まで持ってよかったです。桜三昧の日々を送れました。麗子

 

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四月句会「春の花」結果発表!

2024年04月17日 | Weblog

2024年4月「春の花」

  1. さくらさくらさくらに埋もれ人の笑む (佐保子)麗子 能登 晴代
  2. 子を乗せて急ぐ自転車花の朝 (麗子)竹葉 晴代 郁子 千香子 亜子 須美
  3. 時止り持って行かれる花吹雪 (能登)竹葉 遅足 佐保子 郁子 泉
  4. 花見ずともよいと答える母がおり (容子)竹葉 能登 郁子 亜子 須美
  5. さみしさの色も加えて咲くすみれ (遅足)麗子 能登 容子
  6. 片穂なく片想いすやフタリシズカ (竹葉)麗子
  7. 藤咲くや水たっぷりと洗い物 (晴代)遅足
  8. ソプラノの母の歌声花ミモザ (亜子)佐保子 千香子 須美 泉
  9. 目の高さ変えて蒲公英そこかしこ (郁子)遅足 晴代 泉
  10. れんげ畑土曜日の学童保育 (千香子)容子
  11. 菜種梅雨足ふみならす蕾かな (泉)
  12. フリージア主亡き庭になお香り (須美)佐保子 容子 千香子 亜子

自由題

  1. たんぽぽは小さな怒りもっている(遅足)
  2. 白煙る底なし空や春憂う (竹葉)
  3. ビル街を墨絵仕立てに春の雨 (晴代)麗子 佐保子 容子 千香子 亜子 須美
  4. 水鳥の飛び立つしぶき風光る (亜子)能登 晴代 泉
  5. 春星や入り江の波の子守歌 (郁子)麗子 遅足 容子 千香子 須美 泉
  6. 黄蝶三つもつれもつれつ高みさし (佐保子)麗子 遅足 郁子
  7. 子ども食堂の土曜日土筆かな (千香子)竹葉 遅足
  8. 仏生会ガザの地に正義はありや (能登)容子 千香子 亜子
  9. 納骨の日取り決まりて落花かな (麗子)竹葉 能登 佐保子 亜子 須美 泉
  10. ランドセルスキップの子ら山笑う (泉)竹葉 能登 晴代 郁子
  11. 公魚揚げ細き指にて子等つまむ (須美)郁子
  12. チューリップ植えたる人の数咲いて (容子)佐保子 晴代

 

トップ賞は

  兼題  麗子さん

  自由題  晴代さん 麗子さん 郁子 

麗子さんは兼題、自由題ともにトップです!

おめでとうございます  

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「春の花」の句が揃いました。

2024年04月16日 | Weblog

春の花が咲き競いました。どの花がお好きですか?

兼題「春の花」

①      さくらさくらさくらに埋もれ人の笑む 

②      子を乗せて急ぐ自転車花の朝 

③      時止り持って行かれる花吹雪 

④      花見ずともよいと答える母がおり 

⑤      さみしさの色も加えて咲くすみれ 

⑥      片穂なく片想いすやフタリシズカ 

⑦      藤咲くや水たっぷりと洗い物 

⑧      ソプラノの母の歌声花ミモザ 

⑨      目の高さ変えて蒲公英そこかしこ 

⑩      れんげ畑土曜日の学童保育 

⑪      菜種梅雨足ふみならす蕾かな 

⑫      フリージア主亡き庭になお香り 

 

自由題

①      たんぽぽは小さな怒りもっている

②      白煙る底なし空や春憂う 

③      ビル街を墨絵仕立てに春の雨 

④      水鳥の飛び立つしぶき風光る 

⑤      春星や入り江の波の子守歌 

⑥      黄蝶三つもつれもつれつ高みさし 

⑦      子ども食堂の土曜日土筆かな 

⑧      仏生会ガザの地に正義はありや 

⑨      納骨の日取り決まりて落花かな 

⑩      ランドセルスキップの子ら山笑う 

⑪      公魚揚げ細き指にて子等つまむ 

⑫      チューリップ植えたる人の数咲いて 

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風光る前掛け新た地蔵様  千香子

2024年04月12日 | Weblog

お地蔵様を見かけると何とはなしに手を合わせます。するとふわっと温かい気持ちがこみあげます。いつもお花が挿してあって、手縫いのちゃんちゃんこや前掛けが着せてあり、寒いときは毛糸のお帽子が被せてあったりとお世話をされる方の気持ちを感じられるからかもしれません。   

この句へのコメントです。

能登さん:地蔵様のうれしそうな顔まで想像できます。 

晴代さん:お地蔵さまも新年度ですね。

竹葉さん、佐保子さんもとられました。明るさを増す光の中で、作者の気持ちもとても清々しくなったことでしょう。

 

そしてこの季節、ちょっと笑ってしまうこの句

 春遠出三日すぎての足疲れ  晴代

泉さん:  冬の間、出掛けずにいたが春になり旅に出たが、久しぶりに続けて歩いて疲れた様子。

 私もいただきました。テニスがお得意で身体を動かすことがお好きな泉さんは実感がないかもしれませんが

運動不足の私は「これはいったいいつの筋肉痛?」と実際の運動日との時差がどんどん広がってきており、まさに実感でした。

 

遅咲きだった今年の桜、待ちかねていただけに遠出をされたかたも多いかもしれません。

今週末も好天の行楽日和となりそうです。

三日すぎての足疲れ。。  滑稽であると同時に真理があると思いました。  郁子

 

 

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詰襟にひとひら着地牡丹雪  竹葉

2024年04月11日 | Weblog

卒業シーズンのワンシーン。私には高校時代の恋の句に思えました。好きな人の制服姿の肩に着地する牡丹雪。片思いのせつなさが伝わってきましたが、作者の竹葉さんは恋の句だと気づかずに作られたそうです。

竹葉さんのコメントです。

「今回牡丹雪の句を作って、初めて牡丹雪が春の句だと知りました。3月8日にこちらでは牡丹雪が降り、その時、本当に見たこともないくらい大きな1片が降り、それで何か詠めないかと考えてました。見た訳では無く、春の卒業式の黒い学生服(やっぱり女性のセーラーは思い浮かばず)を着たあの人の肩に触るようにひとひら降りて、これからのやや厳しい未来への励ましの感じになればいいなあ、と思ってました。」

どうやら若い学生への激励の句だったようですが、心の奥にはきっと思い出の彼がいたはずです。

容子さん:あっという間に消えます。

須美さん:ひとひら着地が好き。黒い詰襟に白い牡丹雪が美しい。

    ★★★

 本当に映画のワンシーンのようですね。初恋の句として掲載したいです。

それでも恋する乙女は、やはり花より団子でしょうか?続いてご紹介するのは佐保子さんの

    加賀土産うまし「はぶたえつぶあん子」   

お土産にいただいたのでしょう。大地震で加賀を応援したい気持ちとおいしい羽二重餅。その中につぶあんまで!!人の名前のように思える「はぶたえつぶあん子」。書くだけでお腹が空いて来ました。食べ物の俳句は幸せな気持ちになります。麗子

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春愁を蹴散らす鍵盤ガーシュイン  容子

2024年04月05日 | Weblog

ガーシュインと聞いて思い出すのは、ラプソディ・イン・ブルー♪です。

漫画原作のドラマ「のだめカンタービレ」のおかげで、クラシックに疎い私でもかろうじてメロディの一部を口ずさむことができます。軽快に打ち鳴らす鍵盤に憂いも飛んでいくかと思わせます。

中七の蹴散らすに共感するコメントが多く寄せられました。

能登さん:「けちらす」がいいですね。

晴代さん: 蹴散らすがガーシュインにぴったり。

千香子さん: 蹴散らすが効果的だと思いました

亜子さん:「蹴散らす」がフォルテとかフォルテシモを連想させる。ガーシュインはアメリカの作曲家。「ポーギーとベス」という歌劇を思い出しアメリカの黒人差別に立ち向かうエネルギーを感じました。

泉さん:  春になればいろんなことがあり気がふさぐことがある。それを吹き飛ばすような音楽!

 私もいただきました。春愁にガーシュインの意外な取り合わせがよいですね。

 

取り合わせと言えばもう一句。カタカナのきいた句がありました。

 蟇穴を出てガウディの塔仰ぎ  亜子

容子さん: 現地で感じたのでしょうか。確かに穴から出てきて見上げる‥そんな印象です。

麗子さん: 名古屋市美術館でガウディ展をやっていました。作者はおでかけになったのでしょうか?啓蟄を過ぎ人間も蟇蛙も外に出て来ます。蛙がガウディーの塔を仰ぐというのは実際にはないでしょうが、滑稽な洒落た一句だと思いました。春の喜びが感じられます。

千香子さん: 今ガウデイ展が開かれているとき、蟇がびっくりしているのを想像しました。

「蟇穴を出る」 春の季語としてトライするには上級者でなければと思わせます。ガウディとのバランスが絶妙で滑稽味も感じる秀句です。

ところで作者は5年前、同じく春の季語である「亀鳴く」の題詠の提案者でした。(2019/3句会)

「亀はあまり聞かないし、面白そうね!」と選ばれたのを覚えています。好奇心旺盛の作者は、ガウディ展も初日に行らっしゃったとか。。先日、亜子さん麗子さんと三人でお茶をいただく機会がありました。おふたりともガウディには詳しく、信仰心の厚さや亡くなったエピソードなどで大いに盛り上がりました。

私は初めて聞く興味深い話に まさに穴を出た蟇蛙。サグラダファミリアも完成間近です。 郁子

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下萌や平城宮の都跡  麗子

2024年04月04日 | Weblog

今回初めて「下萌」という季語を使ってみました。早春の大地から草の芽が萌え出すこと。

2月下旬、父の49日法要のあと奈良に立ち寄りました。710年に都となった平城京。唐の長安をモデルにして設計され、南北5㎞、東西6㎞。都の中央北端1㎞四方が政治の中心となる平城宮です。広大な原っぱが広がりその真ん中を近鉄奈良線の線路が走っています。何もなかった平城宮跡でしたが、今は朱雀門、大極殿、大極門などが復元され新しい施設もでき始めています。それでも広い原っぱはまだまだ残っており足元を見ると早春の草が萌え始めていました。都らしい壮大な門も目を引きますが、何もない大地の下にたくさんの歴史が埋もれていると思うと不思議な感覚でした。そんな景色を詠みました。

頂いたコメントです。

竹葉さん:夜バスから見た平城宮跡は朱雀門(?)前が広々としてましたが、そこが草地だったかなーと想像させられました。下萌はこれから発展する明るさがあって平城宮にあってる気がします。

晴代さん:「都跡」は気になりますが、、、丹朱門なんていかがでしょうか。

亜子さん:「下萌」が平城宮のあたりにぴったり合う。遷都1300年祭の時に大極殿が復元され訪れたことがある。今は広大な原っぱだが、往時の繁栄がしのばれ平城京の図面が頭の中に浮かんだ。

泉さん:早春の感じがする。

      ★★★

ありがとうございました。晴代さんのおっしゃる通り「都跡」は私も陳腐かと思いましたが遷都され何もなくなった感じを詠みたくて。。。もう少し考えてみます。平城宮の空は広かったです。ありがとうございました。  麗子

 

 

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