鳳仙花という兼題で、奇しくもお父さんのことが二句詠まれました。
母よりなぜか父が出て来る不思議。まず遅足さんのこの句。「父にも恋の物語」というフレーズに魅かれました。
これが「母にも恋の物語」ならなんとなくなまめかしい感じがしますが、無骨な父にも若き日に恋があったのだと聞くとなぜかホッとするような。。。鳳仙花という兼題で父が出てくるところが斬新でした。
能登さん:父という字に恋の字は遠い存在だと、何となく思ってしまっていました。 しかし、自らに置き換えて見ると、そうでもない。 それぞれに、それぞれの人生がある。当たり前の気付きでした。
千香子さん:この父にも 炎を燃やす 恋があったのかと 思うだけでワクワクします 鳳仙花ではなく カサブランカ 、ブーゲンビリア 、マリーゴールド の方が良いのだろうか あるいは フジバカマ カラスウリ 紫式部の方が良いだろうかと あれこれ想像する きっかけを与えてくれました。
★★★
詳しい句の背景はわかりませんが、赤い鳳仙花と若き日の燃える恋との取り合わせは「季語が動かない」感じのような気がします。
鳳仙花父似の声と言い合いを 晴代
こちらは父に似た声の存在。兄弟か、あるいは叔父さんか、はたまた全くの他人の声か。
私にはなんとなく兄弟のような気がしました。どんないさかいがあったのでしょうか?
鳳仙花がちょっと語気を荒くしてしていまったかも知れませんね。
泉さん:弾ける音が父似ということが興味深い。
言い合いになった光景からもう一句。
売り言葉に買い言葉むなし鳳仙花 容子
これも親しい人との口喧嘩のような気がします。言ったあとの後悔が目に浮かびます。
千香子さん:売り言が買い言葉 。あるある と思い選びました。
ついつい 言わなくてもいいのにポンポンと種がはじけるように 言ってしまう。
★★★
あんなこと言わねばよかった鳳仙花
と言った感じでしょうか?8月最後の日となりました。穏やかな一日でありますように。
麗子