575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

一日の色を加えて芙蓉散る     遅足

2013年09月30日 | Weblog
夕暮れ時、庭の雑草の上に・・・何?
よく見ると芙蓉の花でした。
この花は椿などと違って閉じてから散ります。
すぐには花と分からなかったわけです。

芙蓉は朝顔と同じ一日花。
この日を選んで咲いた花・・・
夕方には命を終える運命です。

周りの家より開花が遅く今が花盛り。
明日もまた花が咲き継いで・・・
しばらくは楽しめそう。




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大かまきり刈田の跡に主人(あるじ)かな  結宇

2013年09月29日 | Weblog
水田が青々としていた時は、螳螂の餌になる昆虫もいました。
稲刈りが終わって、すっきりした田には、一匹の螳螂が残されて・・・
ここの主であると言わんばかりの貌です。

刈田の跡は、言葉がダブっているという指摘が・・・

  大かまきり刈田の主の貌をして

カマキリの寿命は成虫になってからは数か月とのこと。
まれに冬を越えるツワモノもいるとか。
この大かまきりは冬を超えられるのでしょうか・・・

                     遅足

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蟷螂なら鏡の奥に飼っている  えみ

2013年09月28日 | Weblog
身の内に棲みついて、可愛いのです、と鳥野さん。
誰かを螳螂に喩えているのかも。ご主人のことを詠んだかな?と立雄さん。

写生ではなく心象風景。
読者は「螳螂」を様々に読み込んで楽しめます。
螳螂を、と言わずに、螳螂なら、と表現している。
そこに螳螂と作者の距離感がうかがえて面白く読みました。

                         遅足


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かまきりの両眼に世界はどう映る    麗子

2013年09月27日 | Weblog
目を詠んだのはこの一句。

注視のできる眼。昆虫には珍しい、と、鳥野さん。

かまきりが苦手な女性は多いでしょう。
でも向こうはもっと恐ろしいと思っているでしょう。
人間は恐竜みたいな感じかな?、作者。

研究によると、蝶は紫外線が見えるそうです。
我々とは違った世界が見えていることに。
この紫外線も色は蝶の翅にあり、雄はこの色で雌と認識。
追いかけていくそうです。
この時は、ほかのものには目もくれず・・・
食事をする時は花の色だけを見ているとか。

その時々の欲望にそって世界を見ているようです。
これって人間も同じですが・・・

さて、かまきりの目に映った世界は?食欲?恋?

   かまきりの両眼に世界は愛の色

下五を色々、考えてみるのも面白いですね。  遅足



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蟷螂や甘噛みもせず喰らひつく   亜子

2013年09月26日 | Weblog
かまきりといえば、あの食欲。口をとりあげて・・・4句。

⑧蟷螂や甘噛みもせず喰らひつく   亜子
「甘噛みもせず」が本能のままで蟷螂の本領発揮でしょうか?と麗子さん。

⑪かまきりの蝉押さへ込む愉悦かな   静荷
食事を、愉悦かな、と詠みました。食いしん坊ですね。

⑫蟷螂がガリガリガリと蜂齧る   能登
蟷螂の句は山道での実体験です。
山口誓子の同意句があり、迷いましたが、素直な驚きを表すことにしました、と作者。

カマキリのK音、ガリガリのG音、齧るのK音がコワーい感じですね。

⑩役目終え蟷螂めすに喰われけり   立雄

雌には、自分より小さくて動くものに飛びつくという習性があります。
その相手は雄も例外ではないようです。
一方、雄が雌を食べることはありません。
それでは自分の遺伝子を残すことが出来ないから。
雄がいくつもの雌と交尾をし、体力を使いすぎて餌になっている場合もあるとか。

                             遅足


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華麗なる翅拡げたり蟷螂が   佐保子

2013年09月25日 | Weblog
かまきりの翅に注目して・・・2句。

⑨華麗なる翅拡げたり蟷螂が   佐保子

螳螂の翅は実にきれいです。作者はレースの夜会服のようだと。

⑭かまきりの少し乱れる薄い羽  狗子

多くのカマキリは飛行が苦手だそうです。
雄は身体が小さく体重が軽いため、よく飛んで移動します。
雌は身体が頑強で重いために、雄のようには飛ばないそうです。
翅はもっぱら威嚇のために使用する、とのこと。

螳螂が飛び終わって翅をたたみます。うまくないようです。
着衣が乱れて、と詠みました。メスの螳螂ですね。

                       遅足

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どんぐりコロコロ

2013年09月24日 | Weblog
中秋の名月も、美しく過ぎ、実りの便りも届き
始めました。
やがて、野生動物たちが、お待ちかねの木の実
の季節です。

近年、里山や森が荒れ放題。命の糧を失った動
物が人の生活圏に出没し、有害動物などという
汚名で呼ばれたり。

木の実の中で、とりわけ親しいのは「どんぐり」
植物の分類では難しく、ブナ科コナラ属を中心
とした木の実の総称とのこと。

でもやっぱり、ドングリはドングリ。ポケット
の中や庭の片隅にポツンと忘れられて、何やら
耳を傾けている風情です。

  ・ ポケットのどんぐり何でも知りたがる

                  鳥野







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蟷螂の抗いて鎌風を受く    郁子

2013年09月23日 | Weblog
螳螂といえば鎌。鎌を詠んだ方は3人。

②蟷螂の抗いて鎌風を受く    郁子

「抗いて」と「風を受く」が好き。蟷螂にも五分の魂? と麗子さん。

作者にとって、螳螂は怖い存在ではなく、不器用な老人というイメージ。
ドンキホーテのように親しみと愛しさを感ずるものだそうです。
息を吹きかけてやると、鎌をあげて戦う姿勢を見せる。
そこがまた愛おしいとか。

④肉食系鎌ふりかざす子かまきり   すみ

こうして種は伝承されていきます、と鳥野さん。
今や肉食系は女子。この子かまきりはもしかして女子大生?と麗子さん。
そういえば、

  役目終え蟷螂めすに喰われけり  立雄

という句も・・・

⑬いぼむしり得意満面鎌が鳴る   智恵

いぼむしり、という別名が面白くて、いかにも自慢げな構え、から、と作者。

人間なら腕がなるというところを「鎌がなる」と言ったところが面白いという感想も。

鎌はその名の由来ともなっているように螳螂最大の特徴。
6本の脚のうち、前脚が鎌状に変化したもの。

「蟷螂の斧」と言いますが、カマキリの鎌のこと。
カマキリが鎌を振り上げて大きな車に向かってきたという「荘子」などの故事から。
はかない抵抗の喩えとされています。

句の背景には、この蟷螂の斧のニュアンスも隠されていますね。  遅足



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かまきりに出あいこわばる四肢と声  晴代

2013年09月22日 | Weblog
9月句会の題詠は「蟷螂」でした。
14句の内訳は、螳螂との遭遇を詠んだもの・・・2句。
鎌を詠んだもの・・・3句。翅に注目して・・・2句。
あの食欲、口をとりあげて・・・4句。目を・・1句。
その他が2句でした。
今回は、螳螂との遭遇を詠んだ句を取り上げます。


①かまきりに出あいこわばる四肢と声  晴代

昔、かまきりが飛んできて頭に・・・
周りの人たちが「かまきり!」と叫び、パニックに。
それ以来、かまきりには過剰なほど体が反応すると、作者。
こんな体験があっては、螳螂は恐怖の存在ですね。

⑦蟷螂や見らるるわれの縮みゆく  遅足

泣き虫だった私。土瓶敷が回って転がるだけでも泣き出したそうです。
きっと螳螂を見ても泣いたのだと思うのですが。
記憶をだどっていくと・・・
目の前に螳螂がいて、あの顔が大きくなっていく・・・
映画の一シーンのようなイメージが浮かび上がってきました。

蛇も大嫌いでした。草むらでガサガサと音がすると心臓がドキドキ。
螳螂は早く卒業しましたが、蛇は時間がかかりました。
今は恐怖心が消え、なんともないのですが。

なぜ螳螂や蛇は嫌われたり、恐れられたりするのか?
最初に怖いものという観念がなければ、
不思議な存在ということはあっても、怖いとは感じないはずでは・・・

恐怖心は人から人へと遺伝子情報のように受け継がれていくのかも・・・

                         遅足

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蟷螂や美濃一国の国主たる    遅足

2013年09月21日 | Weblog
能の敦盛を観ました。
謡で習ったので、一度、舞台を観たいと思っていました。
とても良い舞台でした。

能を初めて観た時は、なぜこんなにテンポがゆっくりなのか・・・
昔の人だって退屈じゃないのか?と、思いました。
世阿弥の時代はもっと上演時間が短かったと聞き、さらに不思議に。
上演時間は長くなっていったことになります。なぜ?

理由は、観客である武家たちが、ゆったりとした時間を楽しんだためとか。
私たちはこんなに時間をたっぷり持っているというメッセージとのこと。

そうした楽しみ方が納得できるようになったのは、ごく最近のこと。
定年退職して時間を持て余すようになってからです。
平和がもたらした豊かさなのでしょうか・・・

明治以降、西洋に追いつくために時を惜しんで働いてきた日本人。
そろそろ身の回りを見直す時代になったのかも。




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駆け落ちをしそうに男女望の月      遅足

2013年09月20日 | Weblog
昨夜は名月。奥さんと近くの大学構内を散歩。
まだ時間が早かっため、月は低く、木の間隠れに。
水に映る月を探して図書館の前の池に。
まだ赤みの残った月が水に揺れて・・・

望遠鏡を使った観月会も。

構内の暗がりには動かぬ男女の影も・・・

なかなかロマンチックな月夜でした。

         

「駈け落ち」とは?
もともとは、戦場などで武士が姿をくらますこと。
重税を嫌って農民が逃げ出すことでもあったそうです。
平和になって意味が広がったのでしょうか?

今はもう死語ですね。
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9月句会の最終結果です。     遅足

2013年09月19日 | Weblog
秋晴れの一日。
9月句会には8人が集まりました。結果です。


題詠「蟷螂」
①かまきりに出あいこわばる四肢と声(晴代)狗子・結宇
②蟷螂の抗いて鎌風を受く(郁子)麗子・遅足・結宇・えみ・亜子
③蟷螂なら鏡の奥に飼っている(えみ)鳥野・静荷・遅足・晴代・立雄
④肉食系鎌ふりかざす子かまきり(すみ)鳥野・麗子・能登・郁子
⑤大かまきり刈田の跡に主人(あるじ)かな(結宇)智恵・狗子・郁子
⑥かまきりの両眼に世界はどう映る(麗子)鳥野・佐保子・立雄
⑦蟷螂や見らるるわれの縮みゆく(遅足)結宇・すみ・亜子・立雄
⑧蟷螂や甘噛みもせず喰らひつく(亜子)麗子・能登・智恵・佐保子・郁子・すみ・晴代
⑨華麗なる翅拡げたり蟷螂が(佐保子)結宇
⑩役目終え蟷螂めすに喰われけり(立雄)能登
⑪かまきりの蝉押さへ込む愉悦かな(静荷)智恵・佐保子・遅足・亜子
⑫蟷螂がガリガリガリと蜂齧る(能登)えみ
⑬いぼむしり得意満面鎌が鳴る(智恵)静荷・すみ
⑭かまきりの少し乱れる薄い羽(狗子)静荷・晴代・えみ

自由題  
①白々と嘘ぶくプレゼン秋暑し(麗子)鳥野・静荷・能登・亜子
②ちょんちょんと水輪をつくり蜻蛉の尾(晴代)静荷・狗子・すみ・立雄
③秋の空生きるに値すること問ふ(郁子)えみ
④ララバイの静かに通る秋の空(えみ)
⑤秋の昼空どこまでも深き青(すみ)晴代
⑥裏庭と籠の鈴虫競い鳴く(立雄)智恵・佐保子・結宇・亜子
⑦鵜篝の眠りてもなほ闇に燃え(静荷)能登・佐保子・遅足・狗子・立雄
⑧断捨離のはかどらぬまま処暑となり(亜子)麗子・静荷・能登・すみ
⑨虫の音を聴く虫の名を知らぬまま(佐保子)鳥野・麗子・狗子・亜子・立雄
⑩手のあそぶままに散りゆく秋桜(遅足)結宇・郁子・晴代・えみ
⑪さるすべり風に上下の寺の屋根(結宇)鳥野・麗子・智恵・佐保子・郁子・すみ・晴代・えみ
⑫喘ぎつつ手を伸ばす先竜胆の青(能登)
⑬機上人謝意伴いぬ高曇り(智恵)結宇
⑭玉砂利に落ち蝉もあり秋に風(狗子)智恵・遅足・郁子

次回は10月16日(水)午後1時 東鮓
題詠は「古酒」です。

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9月句会の投句が集まりました。     遅足

2013年09月18日 | Weblog
今回の題詠は「蟷螂」です。
以前は、よく庭で見かけました。枝に産み付けられた卵も。
しかし最近は姿をあまり見せてくれません。
螳螂にも住みにくい環境になってるのでしょうね。残念です。

題詠「蟷螂」
①かまきりに出あいこわばる四肢と声
②蟷螂の抗いて鎌風を受く
③蟷螂なら鏡の奥に飼っている
④肉食系鎌ふりかざす子かまきり
⑤大かまきり刈田の跡に主人(あるじ)かな
⑥かまきりの両眼に世界はどう映る
⑦蟷螂や見らるるわれの縮みゆく
⑧蟷螂や甘噛みもせず喰らひつく
⑨華麗なる翅拡げたり蟷螂が
⑩役目終え蟷螂めすに喰われけり
⑪かまきりの蝉押さへ込む愉悦かな
⑫蟷螂がガリガリガリと蜂齧る
⑬いぼむしり得意満面鎌が鳴る
⑭かまきりの少し乱れる薄い羽

自由題  
①白々と嘘ぶくプレゼン秋暑し
②ちょんちょんと水輪をつくり蜻蛉の尾
③秋の空生きるに値すること問ふ
④ララバイの静かに通る秋の空
⑤秋の昼空どこまでも深き青
⑥裏庭と籠の鈴虫競い鳴く
⑦鵜篝の眠りてもなほ闇に燃え
⑧断捨離のはかどらぬまま処暑となり
⑨虫の音を聴く虫の名を知らぬまま
⑩手のあそぶままに散りゆく秋桜
⑪さるすべり風に上下の寺の屋根
⑫喘ぎつつ手を伸ばす先竜胆の青
⑬機上人謝意伴いぬ高曇り
⑭玉砂利に落ち蝉もあり秋に風





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乙女座だって   鳥野

2013年09月17日 | Weblog
不確実な将来、運と不運の巡り合わせ。人知の及ばない
所を何とかして、と、「占い」が大流行り。
中でも、格好いいのが星座占い。マスコミまでが、真剣
に取り上げたりして、運がどうの、性格がどうの。

先ず生年月日を12の星座に振り分けますが、それがな
んと、80歳超の、ワタシめが「乙女座」というのです。

乙女座は一等星のスピカが主星。別名を真珠星と言われ
るほどに、清純な星なのです。

手に麦の穂を持って、農業の女神とも、天秤をもって、
正義の女神とも。
いずれにしても、面映ゆいこと。ネコも笑っています。

 ・ 遥かなるスピカの配信捉えしか猫は小耳を
   空に立ており
                 鳥野
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台風が豊橋付近に上陸      遅足

2013年09月16日 | Weblog
朝、目を覚ましたら風も雨も強く・・・
テレビをつけたら、台風が接近していました。
京都や福井が大雨・・・嵐山の渡月橋も洪水に洗われて・・・
8時前に愛知県の豊橋に上陸。

豊橋には小学校まで住んでいたので、知人も。
雨台風だから大丈夫だと思いますが。心配です。

           のち

青空になってきました。ほっとしています。
みなさん無事でありますように。



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