575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

秋の鳥の投句が揃いました。

2024年11月19日 | Weblog

兼題「秋の鳥」

①      葬儀済みひときわ高く百舌鳥の声 

②      モズのオスキリリハードに眉ライン 

③      椋鳥の付かず離れぬ二羽はるか 

④      小鳥くるオカリナを吹く友の窓 

⑤      小鳥くる大きな空をつれてくる  

⑥      セキレイの立ち寄るコンビニ駐車場 

⑦      鶺鴒のリズムよき尾の石づたい 

⑧      鶫鳴く山家の夕食(ゆうげ)馳走かな 

⑨      鶉鳴く御吉兆(ごきっちょう)とは縁起良し 

⑩      鵯去りて全ての音や消えにけり 

⑪      かささぎの群れ飛ぶ白さDMZ 

⑫      薄目開く目白埋葬せりし午後 

⑬      髭を剃る退院の朝鳥渡る 

 

 

 

自由題

①      椋鳥や逢魔が時を群れ渡る 

②      瀬田川に浮くは言の葉月明り 

③      色葉散る伊達政宗のお膝元 

④      白光る墓地の小道を冬桜 

⑤      平和賞の被団協や葛の花 

⑥      妻の押す小春日和の車椅子 

⑦      挨拶の帽子はとれぬ木の葉髪 

⑧      秋麗や人生整理祖母の技 

⑨      金木犀灯りともせるごとく咲く 

⑩      キリン舎の餌の高さや空高く 

⑪      どんぐりを拾う八十路の童女かな 

⑫      青みかん昼餉の畦にころげでり 

⑬      冬暁頭撫で逝くなと祈る 

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運動会ビデオで追えば見知らぬ子  須美

2024年11月15日 | Weblog

メールで寄せられたコメントを紹介します。

能登さん:あるあるです。私、元カメラマンだったと言うのが恥ずかしくなるほど、 目の衰えが進行中です。

泉さん:子供の運動会では服装、背丈、髪型などほとんど同じで自分の子供をさがすのは大変。

童子さん:受ける!

生まれたときから動画があたりまえ。撮られ慣れているのか被写体の子どもの動きもとても自然で、歌や踊りなど主役級の演技を見せてくれます。最高のわが子の姿をおさめるために、運動会で親たちの場所とり合戦も盛んです。学校側の規制もあってプレッシャーもある中、「やっちまったな・・」という一句ですね。(笑)

 

 新蕎麦に誘われ蔵のある町へ  麗子

能登さん:その町のキャッチコピーに使えそうな句ですね。いただきます。

晴代さんと私もいただきました。晴代さんは食べ物の句がお好きときいていますので、私と同じく「新蕎麦」に魅かれたのだと思います

作者は岐阜県多治見市にある本町オリベストリートにいらしたそうです。古い商家や蔵が残る町並みは美濃焼の文化を感じる歴史ある独特の風情があります。焼き物に疎い私ですが、「織部」のイメージだけは浮かびます。確か人気のお蕎麦屋さんがありました。いつも大勢待っていて入店できず、この一句を胸に今度こそ新蕎麦をいただきたいです。  郁子

 

 

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秋の空仁徳陵の濠澄めり  千香子

2024年11月14日 | Weblog

堺市にある仁徳天皇陵。今は大山陵古墳というそうです。5世紀中ごろに築造されたという486メートルの日本最大の前方後円墳です。そのお濠はあまりにも大きすぎて中はよくわかりませんが、きっと秋になり水も澄んでいるのでしょう。秋の空の青。天皇陵の緑とお濠の水の色。目に見えるようでした。

晴代さんも「空も陵も大きな景ですね。」というコメントを下さいました。亜子さんも句会で「魂を5世紀に持っていかれるロマンあふれる句。想像の翼を広げてくれる。そしてラストの「澄めり」でぴしゃりと終わっているところもよい」と話されました。

余談ですが、実は私。この仁徳陵にあこがれてそのすぐ近くにあった大学を受験しました。JR阪和線「百舌鳥駅」を降りて古墳の横を歩きながら受験会場へ。その広大さと駅名を「モズ」と読むことを知りました。結果は見事撃沈でした(笑)あれから40年以上。大学は統合され今はもうありません。でももう一度ゆっくり行ってみたいです。

 

さて秋の空。お次は月夜の句です。

   今生か名月母に知らせけり  容子

美しい月を見ると吸い込まれていくような気持ちになります。そしてこの世は一体何なんだろうか。。。そんな気持ちにもなりますね。思わず離れているお母さんにこの美しき月を見せたくて声をかけられたのでしょう。

句会では上五の「今生か」の「か」の意味が気になるという声や、自分だけで見るにはもったいない、大切な人に知らせたくなる気持ちがよくわかる。心に染みるいい句だという講評でした。

作者の容子さんは「お母さんが来年中秋の名月を見られるか?」という思いがよぎったそうです。そして思わず電話したとのことでした。

美しい月を大切な人に知らせたくなる気持ち。それも月のパワーでしょうね。麗子

 

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二つ上の姉の病めるや秋の蝶  佐保子

2024年11月08日 | Weblog

朝の冷え込みが急に厳しくなりました。早朝に救急車のサイレンを聞くとドキリとします。温度差は身体に負担がかかりますね。

ところで親を看るのと違って、兄弟姉妹の病は堪えるものです。同じ環境で育ち、共に人生のステージや思い出を共有しているからでしょうか。

自分の足元が揺らぐような不安な気持ちになります。胸に迫る一句には、作者の状況を知る方もいらしてたくさんの票が入りました。二つ上というお姉さんとの関係がリアルで、いっそう切なさが伝わります。

私も二つ上の姉がいて、最近、気苦労が多いのかすっかり小さくなり、満身創痍で孫の世話をしています。竹葉さんも二つ上のお姉さんがいらっしゃるとのこと。。

姉を思う気持ちへの共感と同時に不思議なご縁を感じました。

 

さて「秋の蝶」問題です。

遅足さんから「蝶の秋」ではどうだろうという指摘があったそうです。

秋の蝶は、夏の盛りを過ぎて秋風が吹く中で見られることから、儚さや移ろいを感じさせる詩的なイメージを持つ季語です。この先冬を迎えるとどうなってしまうだろうという切なさもあり、姉の病と響きあいます。

蝶の秋 となると、少し違った味わいが出てきます。句会のときにはそこまで感じられませんでしたが、残りわずかな蝶の命を惜しむ感情が出るように思いました。華やかにひらひらしている蝶にも人生の秋というタームがあるということでしょうか。

「秋の蝶」「蝶の秋」  どのように思われるでしょうか。 郁子

 

 

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隣家より嬰の声して良夜かな  亜子

2024年11月07日 | Weblog

自由題でトップ賞になった亜子さんの秀句。

美しい夜。窓を開けるとお隣から赤ちゃんの泣き声が聞こえます。静かな夜に響きますがそれは生きている幸せな音です。句会では嬰の声と月の対比。未来ある暖かな声がよいと絶賛でした。

童子さんからも「赤ちゃんの声の感じ方が優しいですね。」とのコメントが届きました。

作者の亜子さんは、マンションの9階にお住まいです。以前、お隣に双子の男の赤ちゃん(ゆう君とこう君)が生まれベランダから泣き声が聞こえていたそうです。後年、お隣さん一家は引っ越されたのですが、なんと先日、成人し社会人になったゆう君に亜子さんは突然、街中で声をかけられたそうです。その日は折しも十五夜だったとのこと。こんなことがあるのですね!!

このエピソードに一同驚愕。小説以上の物語性。

亜子さんは「回想を現在形で詠む」という方法を教えて下さいました。

今年6月に93歳で亡くなられた俳人鷹羽狩行さんは「俳句は過去をも映し出す鏡」と常々おっしゃられたそうです。

どうしても現在のことだけに目を向けて俳句を作りがちですが、過去を現在に取り出して詠める広がりにまたまた可能性を感じました。

いつも貴重なアドバイスを下さる亜子さん。先日お元気に米寿をお迎えになりました。心からお祝い申し上げます。             麗子

 

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孫が子に子は親に訊く芋煮会 遅足

2024年11月01日 | Weblog

 

11月です。ようやく季節の体感をともなうようになりました。鍋物、煮物が恋しくなります。今日は良い句ながらいまひとつ票の伸びなかった三句をとりあげます。

 孫が子に子は親に訊く芋煮会 遅足

芋煮会とは、山形県や宮城県など東北地方の各地で行われる行事で、河川敷などの野外にグループで集まり、里芋を使った鍋料理などを作って食べる秋の風物詩です。

孫が子に、子が親にきいたことは何か?など考えるととれずという意見、芋煮会の由縁ではないかなど想像したりしました。年長者亜子さんは、これは家族の語らいの様子を描く作者ならではの独特の表現なので、内容はどうでもいいのよ。わいわいがやがやにぎやかということよ。皆、なるほど~。作者の狙いどおりだったでしょうね。

 

 緑いろ青といふ母芋を煮る  童子

こちらもちょっぴり???  選句された方は

「緑色を青と言ってしまうお母さんっていいですよね。」「信号機も緑だけど「あお」っていいますもんね」と共感されていました。童子さんならではのお母さんのお人柄の説明は解るようで解らないような。。一度聞いてみたいです。

 

おしまいに

 里芋の囲炉裏を囲む報恩講  能登

「報恩講」を辞書で調べました。

報恩講(ほうおんこう)とは、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人のご命日をご縁として、営まれる法要(行事)のことです。

ありがたいお説教をききながら、囲炉裏では芋がコトコトしている景は、湯気や香りまで浮かびなかなかの風情を感じました。

ところが亜子さんから季語が三つと指摘。「里芋は秋 囲炉裏は冬 報恩講も冬」 

「報恩講まで言ってしまったのが少し残念」とのことでした。 なるほど~(皆がメモ)

 

亜子さん:最近の575全体に言えることですが、もう少し季語を大切に。大事にして考えてほしい

久しぶりの秋の対面句会 まだまだ勉強が足りないなと思うと同時に多くの収穫がありました。郁子

 

 

 

 

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里芋の小鉢の照りでまず一杯  容子

2024年10月31日 | Weblog

お酒がお好きな容子さんならではのおいしそうな幸せな句です。居酒屋の突き出しの里芋で一杯。「小鉢の照り」がいいですね~。

能登さん:飲兵衛の私としては取らざるを得ない同感句。

晴代さん:小鉢の照りが美味しさをひきたてているようです。

泉さん:秋になると日本酒が美味しい。まして里芋の煮物との取り合わせは最高!

10月の句会では、亜子さんから、日本酒なら「まず一献」の方がいいのでは?というアドバイスがありました。

もう一句。とってもおいしそうな句。

   里芋とツナの炊き込みごはんかな  亜子

亜子さんがお勤めをされていた頃、今は亡き夫君が、夕ご飯を作って待っていてくれたそうです。帰宅すると、玄関のドアからおいしいそうな炊き込みご飯の香りがして来たことを詠まれました。

食べ物の思い出は幸せです。その香りが何年経っても色んな事を思い出させてくれます。私も以前、亜子さんのお宅に伺った時、ご主人様にとってもおいしいだしまき卵を作っていただいたことを懐かしく思い出しました。 ごちそうさまでした。

                    麗子

 

 

 

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取りわける箸を逃げゆく里芋よ  晴代

2024年10月25日 | Weblog

日常のなんということもない一場面を切り取り、魅力的な一句に仕立て上げる作者にはいつも脱帽です。

 泉さん:ぬるぬるしている里芋、お箸を使うのが上手くない人は大変。

里芋のぬめり取りの方法として下茹でしたり塩でもんだりするやりかたもありますが、普通の家庭料理ではそこまで丁寧に下処理なく煮っころがしになるケースが多いですね。あのぬめり成分には、消化管の粘膜を保護したり、脳細胞を活性化させて、免疫力を高める効果があると言われているので栄養という点からもそのままがいいかもしれません。

句会では、逃げゆくという擬人化がいいですねという意見がありました。つるつる滑って取りにくい里芋さんは「食べられてなるものか」と必死で逃げ回っているのでしょうか。作者の穏やかな暮らし、くすっと笑える温かい食卓風景が浮かびます。

 

 七輪の芋田楽や父の味  佐保子

こちらもまた美味しそうな里芋です。

 能登さん:美味しそう。いい趣味をお持ちのお父さんですね。

 

蒸した里芋を七輪で炙り、田楽みそをつけて食べる芋田楽。味噌も手づくりの秘伝のあじでしょうか。作者佐保子さんは急な発熱でいらっしゃいませんでしたが、お父さまご自慢の芋田楽は有名と伺いました。

世間には、それほど料理にマメではなくとも七輪、土鍋となるとはりきるお父さんはいらっしゃいますね(笑)腕まくりして「アレつくるぞ」と七輪に火をおこし、子どもたちを集めてとっておきの芋田楽をふるまうお父さん。羨望の眼差しの中、ちょっとしたヒーローになる瞬間です。まさに思い出の父の味ですね。フーフーアチチ 賑やかな家族の笑い声も聞こえそうです。

二句ともに、里芋をとおして、周りの情景や人間像まで浮かび上がらせる良句だと思いました。

 

 

私の父の味は つぶれたアンパン

料理ではありませんが、夜勤がえりの父が茶封筒にいれて持って帰る夜食のアンパンです。不器用な父らしくいつも脇にはさんでもってくるので、帰るまでにつぶれてしまうのですがこれが結構美味しい。今でもアンパンは最初につぶしてしまう癖があります。  郁子

 

 

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里芋や面取り終えてすまし顔  須美

2024年10月24日 | Weblog

作者の須美さん

「煮っ転がしなど庶民的な感じのする里芋ですが、料亭で出てくるきちんと面取りをされた里芋は急にすまして見えます」とのことでした。特に購入したおせちの里芋煮はまさにすまし顔。

里芋を調理する際の面取り。ちょっと面倒ですが、そのひと手間で美しい姿になります。里芋のちょこんと座った顔はまさに色白で美しいと思いました。

句会でも面取りをした里芋に目をつけたところ、そして「すまし顔」と表現したところがよいと評価されました。

童子さんからも、

「『イモ』と田舎者など垢抜けないことを揶揄しますが、一皮剥けばお上品なります。」とのコメントが届きました。」

もう一句。里芋の皮を剥く際の拙句。

    里芋の土の香りや天地剥く  麗子

晴代さんから「土の香りと天地剥くが響きあってますね。」とコメントいただきました。ありがとうございました。

 

綿取りまで行かなくても、私はまず里芋の上下を落とすので「天地剥く」としました。でも、剥き方ではなく、土の香りから大地と空へと思いが飛躍していると取って下さった方もいました。このあたりが作者の意図より壮大な解釈となり嬉しい限りです。これが、対面句会の楽しさですね。麗子

 

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「おー芋か」あの声何処ひとり膳  竹葉

2024年10月18日 | Weblog

今句会に一番遠方の千葉からいらした竹葉さんの秀句です。

こちらもたくさんの票が集まりました。

メール句会でおなじみの竹葉さんとはほとんどの方が初対面でしたが、旧知の間柄であったような和やかな会となり、とても楽しいひとときでした。

今回は出席叶わなかった方の選句コメントも届きました。

 能登さん:しみじみとした予感。良い句ですね。

 童子さん:こちらまで「あの声」が聞こえてきそう。切ない句ですがその人の声は作者の中にしっかりと生きているんですね

句座を囲んだメンバーからも「 」が効いていて味わいのある句だと絶賛でした。

(どうも亡くなった夫の句をつくると評判がいいようで・・ )

とおっしゃる竹葉さんですが、少し照れもあるのでしょうね。

 夫よ見よ切り過ぎ梅の咲き誇り  竹葉

昨年四月にトップ賞となったこの句も印象に残っています。

何気ない日常のやりとりが、日を追うごとに鮮明になり、その繰り返しが亡き人の存在を不動のものにします。その方が永遠に生きるという証なのでしょうね。

 

 

今回の兼題「里芋」のために、里芋料理をずいぶんいただきました。

 里芋やぬるねばもちりほくころん

  オノマトペで遊んでみました。 郁子

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里芋や育児日記に足の型  千香子

2024年10月17日 | Weblog

 昨日は半年ぶりに東洋軒で7名の句会が行われました。遠方、千葉から初参加の竹葉さん。そして15年ぶり?の容子さんも参加してくださり大変楽しい時間を過ごすことが出来ました。佐保子さんが急な発熱で参加できなくて残念でしたが、あっと言う間に2時間半が経過していました。

亜子さんから的確なアドバイスも多々あり、やはり対面句会ならではの解釈もあり、とても勉強になりました。来年はもう少し集まれる回数を増やせればと思っています。

 さて、見事トップ賞に選ばれた千香子さんの秀句。里芋と育児日記という取り合わせの妙。里芋の形がかわいい赤ちゃんの足型に似ているという見事な発想です。明るく愛情深い句に心が和みました。かつての生まれたての赤ちゃんの足型を思い出して胸が熱くなった方も。。。またコロコロと小さな子芋がついている様子が赤ちゃんの足に見えたという方もいました。

育児日記を見返す時のなんとも言えない気持ちが想像できるすばらしい句でした。

千香子さん!おいしそうな句でなくてもお見事なトップ賞でしたね。おめでとうございました。     麗子

 

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結果発表!

2024年10月16日 | Weblog

2024年10月兼題「里芋」

  1. 里芋の小鉢の照りでまず一杯  (容子)能登 晴代 麗子 泉
  2. 里芋や面取り終えてすまし顔 (須美)佐保子 麗子 容子 童子 亜子
  3. 里芋の土の香りや天地剥く (麗子)遅足 晴代 郁子 千香子 容子 
  4. 孫が子に子は親に訊く芋煮会 (遅足)
  5. 里芋や育児日記に足の型 (千香子)遅足 佐保子 竹葉 郁子 晴代 童子 須美
  6. 七輪の芋田楽や父の味 (佐保子)能登 千香子
  7. 緑いろ青といふ母芋を煮る (童子)容子 須美
  8. 取りわける箸を逃げゆく里芋よ(晴代)佐保子 竹葉 郁子 泉
  9. 「おー芋か」あの声何処ひとり膳 (竹葉)遅足 能登 千香子 童子 須美 亜子
  10. 里芋の囲炉裏を囲む報恩講 (能登)
  11. 里芋とツナの炊き込みごはんかな (亜子)
  12. ゴシゴシと籠の中の里芋つるつるに (泉)亜子
  13. 里芋や ぬるねばもちりほくころん (郁子)竹葉 麗子 泉

 

自由題

  1. 秋の空仁徳陵の濠澄めり (千香子)晴代 麗子 亜子
  2. 隣家より嬰の声して良夜かな (亜子)佐保子 千香子 郁子 麗子 容子 童子 須美
  3. 運動会ビデオで追えば見知らぬ子(須美)遅足 能登 童子 泉
  4. 二つ上の姉の病めるや秋の蝶  (佐保子)遅足 竹葉 千香子郁子 容子 童子
  5. 草の原よこぎる裾にゐのこづち (晴代)遅足 泉
  6. 大根菜や間引きす農婦はふくよか (童子)
  7. 今生の幸せ染みる秋なすび (竹葉)佐保子 須美 泉
  8. 今生か名月母に知らせけり (容子)能登 千香子 麗子 須美 亜子
  9. 新蕎麦に誘われ蔵のある町へ (麗子)能登 晴代 郁子
  10. 銀杏や祖父江を臭い(におい)黄にそめる (泉)竹葉
  11. グラッセなる義母のプライド丹波栗 (郁子)容子
  12. なゐの地の心を折りし秋出水 (能登)佐保子 竹葉 晴代 亜子

 

トップ賞は千香子さん、自由題は亜子さんでした。おめでとうございました!!

 

 

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里芋句会の句が揃いました。

2024年10月15日 | Weblog

2024年10月兼題「里芋」

①      里芋の小鉢の照りでまず一杯  

②      里芋や面取り終えてすまし顔 

③      里芋の土の香りや天地剥く 

④      孫が子に子は親に訊く芋煮会 

⑤      里芋や育児日記に足の型 

⑥      七輪の芋田楽や父の味 

⑦      緑いろ青といふ母芋を煮る 

⑧      取りわける箸を逃げゆく里芋よ 

⑨      「おー芋か」あの声何処ひとり膳 

⑩      里芋の囲炉裏を囲む報恩講 

⑪      里芋とツナの炊き込みごはんかな 

⑫      ゴシゴシと籠の中の里芋つるつるに 

⑬      里芋や ぬるねばもちりほくころん 

 

自由題

①      秋の空仁徳陵の濠澄めり 

②      隣家より嬰の声して良夜かな 

③      運動会ビデオで追えば見知らぬ子

④      二つ上の姉の病めるや秋の蝶  

⑤      草の原よこぎる裾にゐのこづち 

⑥      大根菜や間引きす農婦はふくよか 

⑦      今生の幸せ染みる秋なすび 

⑧      今生か名月母に知らせけり 

⑨      新蕎麦に誘われ蔵のある町へ 

⑩      銀杏や祖父江を臭い(におい)黄にそめる 

⑪      グラッセなる義母のプライド丹波栗 

⑫      なゐの地の心を折りし秋出水 

 

今月は半年ぶりの対面句会です。結果をお楽しみに!

 

 

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狭き庭花野となりぬ日暮れ時  佐保子

2024年10月11日 | Weblog

花の名前に疎い私ですが、秋の草花が咲き乱れる野原「花野」という響きに憧れがあり、一度題材にしてみたい季語です。

夏の暑さに手つかずとなっていた庭が夕方の水やりで生気を取り戻す頃はホッと一息つける至福の時間です。気づけば、庭のあちこちに秋の気配・・季節が進んだことを肌で感じたと受け取りました。

 須美さん:狭い庭が花野となるというのが面白い

「植物は裏切らない」と句会でどなたかがおっしゃったことを思い出します。静かに寄り添って、ありのままを受けとめてくれます。

癒されて穏やかになった瞳には美しい花野が広がっていたことでしょう。ポエムの舞い降りた瞬間ですね。

 

 高架下の壁打ちの音夕茜  

高速道路の高架下でひとりテニスの壁打ち練習をしている学生を詠んでみました。空は茜色。

「花野」と同じく「夕茜」という言葉を一度使ってみたく作った私の拙句です。

おもかげや泣きながはらの夕茜  石牟礼道子

この句がとても印象に残っていたのですが、夕茜は季語ではないと指摘を受けました。植物の茜なら秋になります。

私の場合は勝手に空の色としていました。勉強になります。

 (高架下の壁打ちの音秋夕焼け) なら句意に沿っていたかもしれません。

 

 

10月の対面句会。楽しみです。

おおいに語り合って句座を盛り上げたいですね。郁子

 

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何かせむ我生まれし日は獺祭忌  容子

2024年10月10日 | Weblog

獺祭忌は子規忌、糸瓜忌とも言います。明治35年9月19日に36歳で亡くなった正岡子規。松山中学で学んだ後、上京。「獺祭書屋俳話」で俳句の独立を説き俳句の革新に着手しました。そこから来ているのでしょう。

作者の容子さんは、その子規が亡くなった日がお誕生日なのですね。俳句をたしなむ身としてあやかりたい。あるいは何かに挑戦したいと思われたのでしょう。中七の字余りが少し気になりましたが、忌日の「獺祭忌」にチャレンジしたところがすばらしいと思いました。「我生まれしは」としても意味は通じると思いました。

能登さん:獺祭忌が誕生日とは。頑張ってといいたくなりますが、どうでしょうか。

千香子:私の誕生日はどうかなと調べたら、ゴーリキーの生まれた日とありました。

       ★★★

調べてみると、秋の忌日の季語はたくさんあります。西鶴忌、定家忌、賢治忌、蛇笏忌、去来忌、白秋忌などなど。私はこれまでこの忌日を入れた俳句を作ったことがないのでいつか容子さんのようにチャレンジしたいと思いました。誕生日に俳句を作るというのを恒例化してもいいですね。

 もう一句。誕生の俳句。

    秋の児や一姫二太郎三茄子  遅足

遅足さんのこの俳句を見た時思わずくすっと笑ってしまいました。

「一姫二太郎」に続けて「三茄子」を持って来たところがユニークでした。初夢の吉兆の「一富士二鷹三茄子」との合わせ技ですね!三番目の子が茄子ではかわいそうな気もしましたが秋生まれの子として許せるかなと。

今日は蒼天です。秋晴れが続きそうで嬉しいです。よい一日をお過ごしください。麗子

 

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