初夏の陽気に誘われて連休中に深川の芭蕉庵等を巡って来ました。
先ずは仙台深川の海辺橋南詰めの「採荼(と)庵」で芭蕉像に初対面しました。庵らしからぬ部屋のない障子の中は覗くことも出来ない作りでした。ただ、道に面して穏やかな顔の等身大の芭蕉の坐像がありました。採荼庵は芭蕉の弟子の一人杉山杉風の庵室で、芭蕉庵を引き払ってしばらくそこにいてから奥の細道の旅へ出発した所です。
次は、そこから清澄庭園の脇を通り隅田川に注ぐ小名木川に架かる万年橋を渡ったすぐの住宅地に赤い幟が沢山立つ「芭蕉稲荷神社」がありました。ここは芭蕉遺愛の蛙の石が1919年台風の津波の後に出た場所で、この辺りが芭蕉庵のあった所とされ「芭蕉庵跡」の石碑がありました。また「古池や。。」の句を詠んだ地で立派な句碑がありましたが、芭蕉とお稲荷さんの幟が合わない感じがしました。一時人々が芭蕉を神格化してそこを芭蕉稲荷神社にしたそうです。芭蕉庵にしてはあまりに狭いので、江東区は芭蕉記念館と別館を別に建てました。別館とは稲荷神社のすぐ近くの隅田川を見下ろす高台にあり「芭蕉庵史跡展望庭園」というこじんまりした場所で、芭蕉像や句碑一つ
「川上とこの川下や月の友」
やや小さい池と説明文がいくつがありました。芭蕉像は隅田川の向こうの都内の高層ビルを望む良い景色を昼間は見つめ、夕方向きを変えるそうです。
その後、近くの芭蕉記念館に行きました。なかなか趣のある門を抜けると狭いながら沢山の木が植わった庭があり、芭蕉が詠んだ句に出てくるヤマボウシやカエデなど色々な木が植えられ間に句碑もいくつかあり、鵯がよく鳴いていて癒されました。館内は丁度「芭蕉の肖像について」という特別展の最中で、2階に掛け軸やケースに様々な肖像画が展示されていました。大体は弟子が描き、帽子と和服の老人の姿で、中には頭髪のないのもありました。また芭蕉稲荷神社の場所で発見されたという石の蛙もありました。割合大きく黒ぽいものでした。
記念館から駅への帰り道、住宅のそこかしこに1m程の植物の芭蕉が家の前などに他の植物の鉢と並べてありまた。江東区がいかに力を入れ、住民も俳人芭蕉を盛り立てているかを知って芭蕉の偉大さを学ばないといけないと思わせられた良い1日でした。 竹葉