ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「三匹のおっさん」を読む

2017-08-09 16:29:08 | 読む
「種物図鑑」「阪急電車」
…と書くと、あっ、有川浩の小説だ、と分かる人は多いことだろうなあ。
最初は、「ひろし」だと思ったが、「ひろ」と読ませるペンネームで、女性だと分かったのは、「植物図鑑」を読んでからだった。
その後、「阪急電車」で、各駅での連作短編の物語を楽しく読んだ。
この2作を読んで、読後感のさわやかな小説っていいなあと思ったのだった。

本屋を見て回っていたら、そのさわやかな小説を書く人の作品に、「三匹のおっさん」なる作品があるというのを見つけた。

購入する気になったのは、主人公として最初に出てくる人物が、ゼネコンを60歳で定年退職したキヨ(清田清一)だったからだ。
彼を中心として、同い年の仲間がシゲとノリという人物が出てくる。
だから、自分と同じ年齢の3人が、どう活躍するのか知りたくて、本を買ったという訳である。
キヨは道場もやっていた剣道の達人で、シゲは柔道、ノリは電気工と得意技がある。
自警団を作って活躍する場面もある。
連作短編となっており、毎回の活躍が楽しい。
この3人が得意技を生かすのも面白いのだが、キヨのやんちゃな孫・祐希とノリの娘・早苗の高校生の恋愛感情の進行も面白い。
なんてことはない、勧善懲悪と恋愛と家族の絆と、様々なものが楽しめるのだ。
女性作家の有川さんが、60歳男性や高校生男子の心情もうまく描いているものだなあと、感心したりもする。

そんな訳で、この本にすっかりはまってしまった。
もうすでに、ラジオやテレビでドラマ化されたこともあるという。
肩の凝らない、楽しい作品だ。
続編「三匹のおっさん ふたたび」も楽しむことにしよう。


「ジジイと呼ぶな。おっさんと呼べ。」
いいセリフだなあ、と同年齢の私は思うぞ。
コメント (2)
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