走り出したら 降り出したよ 雨
こんなに細い こんなに細かいものなら 何も気にはならない
吹きつけてきた 雨
前よりも 顔に体にビシビシ当たる
負けてたまるか こんな雨に
雷鳴れば怖いけど ただの雨なら負けたくない
負けたくないだと ならこれではどうだ と言わんばかりに
空は落とす雨粒を大きく激しくする
降るなら降れ
おいらは負けない
走り続ける
郊外につながる道を走る
歩道を走っているのに、車道をスピード上げて走る車が 水しぶきをかけて 逃げていく
待て この野郎 とその後ろを追いかけても
あかんべえをするように しぶきをさらに散らして車は逃げていく
こんなどしゃぶり雨の中 雨具も着ずに走るなんて なんて物好きな
ドライバーたちはそう思って見ているのかもしれない
正面からも そんな物好き人が走って来る
校外にトレーニングに出かけた女子高生か
淡々と軽い足取りで 濡れた歩道にピッチを刻み 通り過ぎて行った
その正確さに その軽快さに 鍛えている若さを感じ うらやましくなる
でもね
このおっさんも 自分なりに 今を楽しみながら鍛えているんだ
そうでないと こんな雨の中 走ったりしないよね
潟の水辺を走る
水鳥たちはいいよね 雨に濡れても
もともと濡れても 平気だもんね 水鳥だから
近くの木陰には やどる人影
水鳥と違って 濡れたら困る 濡れたくない気持ち丸見え
全身ぐっしょりの走る私を見る目は 少し大きく見開かれた
再び舗道を行くと 合羽の集団が 雨に叩かれながらまるで気にしないかのように作業を続けている
照られようが 降られようが
目の前の作業が終わらなければ 仕事は終わらない
黙々と作業を続ける背中に 雨には負けぬ 仕事のプライドが見えた
道の向かい側の歩道から はしゃいだ声が
自転車の一団5台の主たちは 透けて見えるほどびしょびしょになった白い学生シャツの男子中学生
雨具に身を包むより 笑いながら仲間と雨に打たれることの方がはるかに大切な時代だ
おどけた声と笑い合う声が 交差しながら 遠ざかって行った
雨中のRUN
頭から靴の先まですべてひとたび濡れてしまえば
あとは気にすることはない
いつもよりも違ったものが見える風景が楽しい
いつもよりも違った感覚になれるのが楽しい
そして思う
ああ 生きてるなあ
こんなに細い こんなに細かいものなら 何も気にはならない
吹きつけてきた 雨
前よりも 顔に体にビシビシ当たる
負けてたまるか こんな雨に
雷鳴れば怖いけど ただの雨なら負けたくない
負けたくないだと ならこれではどうだ と言わんばかりに
空は落とす雨粒を大きく激しくする
降るなら降れ
おいらは負けない
走り続ける
郊外につながる道を走る
歩道を走っているのに、車道をスピード上げて走る車が 水しぶきをかけて 逃げていく
待て この野郎 とその後ろを追いかけても
あかんべえをするように しぶきをさらに散らして車は逃げていく
こんなどしゃぶり雨の中 雨具も着ずに走るなんて なんて物好きな
ドライバーたちはそう思って見ているのかもしれない
正面からも そんな物好き人が走って来る
校外にトレーニングに出かけた女子高生か
淡々と軽い足取りで 濡れた歩道にピッチを刻み 通り過ぎて行った
その正確さに その軽快さに 鍛えている若さを感じ うらやましくなる
でもね
このおっさんも 自分なりに 今を楽しみながら鍛えているんだ
そうでないと こんな雨の中 走ったりしないよね
潟の水辺を走る
水鳥たちはいいよね 雨に濡れても
もともと濡れても 平気だもんね 水鳥だから
近くの木陰には やどる人影
水鳥と違って 濡れたら困る 濡れたくない気持ち丸見え
全身ぐっしょりの走る私を見る目は 少し大きく見開かれた
再び舗道を行くと 合羽の集団が 雨に叩かれながらまるで気にしないかのように作業を続けている
照られようが 降られようが
目の前の作業が終わらなければ 仕事は終わらない
黙々と作業を続ける背中に 雨には負けぬ 仕事のプライドが見えた
道の向かい側の歩道から はしゃいだ声が
自転車の一団5台の主たちは 透けて見えるほどびしょびしょになった白い学生シャツの男子中学生
雨具に身を包むより 笑いながら仲間と雨に打たれることの方がはるかに大切な時代だ
おどけた声と笑い合う声が 交差しながら 遠ざかって行った
雨中のRUN
頭から靴の先まですべてひとたび濡れてしまえば
あとは気にすることはない
いつもよりも違ったものが見える風景が楽しい
いつもよりも違った感覚になれるのが楽しい
そして思う
ああ 生きてるなあ