ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

全日本卓球選手権 男女とも五輪内定者を破って初優勝、お見事!

2020-01-19 21:55:58 | スポーツ
全日本卓球選手権。
ベスト4に残った顔ぶれを見て、男子は張本智和、女子は伊藤美誠の、東京五輪出場内定者が順調に優勝するだろうと予想した人が多かったのではないだろうか。
しかし、そうはならなかったのが今年の全日本だった。

まず、女子だが、昨日の友は今日の敵(?)。
前日に女子ダブルスを制した2人、伊藤美誠と早田ひなの対決となった準決勝。
私は、3連覇を目指す伊藤に勝てるのは、早田しかいないだろうと、思っていた。
しかし、最後に勝つのは伊藤だと思っていたのも事実だった。
早田ひなの努力は、みごとにその予想を裏切ってくれた。
立ち上がりの2ゲームを、コートを広く使った積極的な攻撃で、早田がリードを奪った。
だが、集中力を高めた伊藤が2ゲームを取り返す。
第5ゲームは、12-10のジュースで早田が奪取した。
それでも次のゲームを伊藤があっさり取り返して、ついに最終ゲームへ。
そして、早田が効果的な攻撃を繰り出して伊藤の焦りを誘い、勝利をつかんだ。
去年の準決勝もこの顔合わせだったが、伊藤が4-0で勝っていた。
今回は、もっと強くなっている伊藤に対して、早田がそれを上回る粘りと攻撃を繰り広げた。
伊藤の3連覇を拒む見事な勝利であった。

決勝は、伊藤同様に五輪内定の石川佳純。
準決勝でカットマンの橋本に苦しみながらも、勝機を逃さなかった石川。
それに対して、早田は、やはり懐の広い両ハンド攻撃とパワーある攻撃で対抗した。
第4ゲームこそ石川に取られたが、あとは手の打ちようがないと言ってもいいほどの集中力と攻撃力、時には粘りを発揮し、4-1で早田は石川を下した。

自らも五輪を目指していたが、届かなかった早田。
しかし、その無念さにもめげず、悔しさを力に変えて五輪内定者の2人を破って見事に優勝した。
優勝した感涙にむせぶ早田の姿を見て、こちらももらい泣きしてしまった。
辛い時期を乗り越えて、よく栄冠をつかんだ。
非常に立派だと思った。
これからの活躍がますます楽しみになった。

男子の準決勝は、インターハイ王者の戸上が、2歳年下の張本に襲いかかった。
第1ゲームこそ張本が先取したが、続く3ゲームを戸上が奪った。
鋭いバックハンド、豪快なスマッシュは、張本をしのいでいた。
これは戸上の勝ちだと思ったが、今年世界で様々な経験を積んだ張本が巻き返す。
ボールへの強弱のつけ方、コースのつき方などに工夫を加え、盛り返した。
3-3で迎えた最終ゲーム。
結局、あと1点が届かず、戸上は惜しい試合を落とした。

決勝は、張本と高校3年生宇田幸矢の対戦となった。
宇田も張本も、エリートアカデミーの選手。
日本の強化策が実ってきているという証となった対決。
互いをよく知る一戦となって、これまたすばらしい試合となった。
カウンター、コーナーを突く鋭い攻撃、見事なブロック、ラリーの応酬…。
これが、高校3年生と1年生の試合か!?
明らかに国際試合のレベルの高いラリーの様相であった。
リオオリンピックでの水谷と許昕の試合を思い出した。
試合は、第5ゲームで宇田がマッチポイントを握った。
2本差で、宇田には2回のチャンスがあったが、張本がさすがに王者の底力を見せて、なんとジュースに持ち込み、逆転してこのゲームをものにした。
次のゲームも張本の勢いは止まらず、やはり張本かと思った。
ところが、最終ゲームになって、宇田も勢いを取り戻した。
すばらしいラリーが多かったが、宇田がリードして終盤へ。
ついに1点差で迎えた場面、最後のポイントを取ったのは宇田だった。

男子も、五輪内定者を倒して新しい王者が誕生した。
宇田や戸上は、張本よりも2歳年上のせいか、パワーで上回っていた。
今まで、10代男子は張本だけが頭抜けているように思っていたが、そうではないことがはっきり示された大会だった。

男子も女子も、宇田、早田と初優勝であった。
世界ランクで上位の2人が五輪に内定するというそのことばかりが言われていた。
ランク上位者が五輪参加資格を得ようとあくせく戦っている間に、他の人たちが彼らを倒すほどの力をつけてきていたわけだ。
内定者たちが本当に一番強いのか?
今ではもう全日本の王者たちの方が強いのではないのか?
などという疑問を投げかける結果となったように思える。


それにしても、期待に違わぬ好試合の連続だった。
おかげで、今日は、午前10時から午後5時すぎまで、ずっとテレビに釘付けだった。
若い選手たちが次々に台頭してくる。
これからの日本卓球の活躍が、すごく楽しみだ。
コメント
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