ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

伯母の命日 ~あの味はもうかえってこない~

2021-12-08 20:15:37 | 生き方
12月8日。
太平洋戦争開戦の日。
ジョン・レノンの命日。
だけど、自分にとって一番大きいのは、父方の伯母の命日ということ。
子どものころ、同居したりわが家の隣に住んだりしたりしていたので、完全に家族の一人であった。
もう亡くなってからは、15年たってしまった。
お世話になった思いが大きいので、毎年、命日あるいは前後に墓参りをしている。
今年も、墓参りをしてきた。



10年前にも、ここに書いていたが、お世話になったことの多くに、食べ物について思い出が多い。
伯母が亡くなってから、食べられなくなった味がいくつもある。

春は、ぜんまいの煮物。
ぜんまいにも一緒に煮た野菜とに味がよくしみていて、うまかった。
夏の、なす漬け。
あのしょっぱさ。
ご飯が何杯もお代わりできた。
秋の、食用菊の味噌漬け。
味噌の味がよくしみて、菊の独特の癖のある味が消えて、ご飯が進んだ。
冬は、身欠きニシンの煮付け。
身が少し硬くなるけれど、歯ごたえもあって、醬油味でうまかった。

いずれも、昔ながらの食べ物で、昔ながらの味付けだった。
その味は、伯母独特の味付けだったから、うちの母も真似できなかった。
むしろ、そのうまさをおすそ分けしてもらっていただくことが、何よりの選択だったりした。

今だって、ぜんまいも、なすも、菊も、ニシンも、ちゃんと存在する。
でも、あのおいしかった味というのは、再生できない。

墓参りをしながら、伯母の思い出をたどっていくと、そんな味の思い出につながっていった。
本当にお世話になりました。
ありがとうね、伯母さん。


コメント
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