四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

芭蕉さんの楽しき二週間

2011-05-24 17:09:49 | 俳句
 芭蕉翁と曽良の「おくのほそ道」の旅は、日光から那須の野越えで栃木県大田原市黒羽(くろばね)に到着、陽暦に換算した5月21日からナント2週間も滞在されました。江戸初期の当時は大関藩1万9千石の城下で家老の若き兄と高禄の弟の武士が大喜びでおもてなしをされました。ふたりとも俳句をたしなむ兄弟でした。都会の斬新な俳風を大いに歓迎したし、新緑の爽快な時節でもあり13泊もされております。おくのほそ道の旅で最も長い逗留地で、次いで山形尾花沢10泊、酒田と金沢とが9泊です。
 源平合戦の四国屋島で舟に揺れる扇を馬から射落とした那須与一が祈願を凝らした八幡宮や江戸で坐禅の先生だった仏頂和尚が庵を結んで修行された雲巌寺などを巡っています。城下の若者たちも翁たちに同道したそうで、ピクニックみたいな感じがします。
 写真は翁をもてなされた家老の邸宅跡で、ここで若葉風の中の句会や蕉風の指導に過ごされたのでした。なんとも麗しき師弟関係ですよね。食うのが精一杯の時代に異次元の時を過ごされたのです。

 ●啄木(きつつき)も庵(いお)はやぶらず夏木立  芭蕉
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