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『いくら言葉を尽くしてみても、言葉だけでこちらの思いを相手に本当に分かってもらうのは至難なことです。いわんや、こっちの思いどおりに相手を動かすことなど、できるものではありません。
私たちは、まったくの白紙の心で人の言うことを聞くことができないのです。自分の育った環境や経験によって、私たちの感じ方や考え方が決まってしまっているからです。ですから、まず心と心を通い合わせることを先にしなければならないのです。
「あの人は、本当に私の心を分かってくれる人だ」という信頼感が生まれると、あとは、多少言葉が足りなくても、少々強く言い放っても、素直に聞けるのです。佼成会の草創期の幹部さんと信者さんの関係は、まさにそれでした。
信頼感といっても、どこから見ても難癖のつけようがないといった完全さが必要なわけではありません。たとえば、いつも威厳をとりつくろっていた父親が思わず流した涙で、子どものかたくなな心が溶けてしまうこともあるのですね。どこか一か所が通じ合うと、人と人の心は一つに溶け合ってしまうのです。』
庭野日敬著『開祖随感』より
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