2023年も半分が過ぎました。戦争と疫病とを3年を越えて引きずり、混沌模糊とした暮らしでした。せめてわたしの俳句で憂さ晴らしをお願いします。
春隣追ひ抜いてゆくピンヒール
ひと掴み増やしてくるる和布売
うすら陽に散り侘助の六つ五つ
金屏風わたしに動く雛の目
高階の妻へ手を振る花の中
花ぐもり卓に『夫の後始末』
吹かれてはさざ波となる落花かな
帰り道つつじの坂は発火点
手びねりの碗の和えもの春惜しむ
予備校も塾もぶきつちよ四月くる
われに動く生簀の鯒(こち)の目玉かな
結露にのこるへのへのもへじあたたかし
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