次第に山に入るにつれて、山の素晴らしい彩りが嬉しい。山桜が緑の中に、自分の季節の存在感を強調するかのように目立つ。
突然前方に現れた冠雪の山。
能郷白山だと教えられた。
道は川に沿って、どんどん山間に入って行く。
この季節あんなに白い山が見えるのは、やはり、桜の季節も、関西辺りとかなり遅れているはずだ。
白い山を見ただけで、わくわくするような感じがする。
いよいよ淡墨桜の標識が表れた。
後３キロだ。
前に行った時は、退職した年だ。
ツアーに参加しての一人旅だった。
４月だと言うのに、雪のちらつく寒い日だった。
花は蕾で、支えの木だけが痛々しい感じだった記憶がある。
今回は、お天気上々。開花状況も、Sさんから最高と聞いていた。
もうすぐ、淡墨桜に逢えるのだ。
