カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

しのびぐさ

2005年04月22日 | △ 旅 あれこれ ドライブ

鄙びた谷あいの道筋に駅舎のないプラットホームを目にした。
赤い電車1輌が、そこにあった。嘗ては、ここを走っていたのだろう。
プラットホームには、「谷汲」と書かれた看板(正しい呼び名があるのだろうが・・)がある。
揖斐大野から谷汲まで走っていた谷汲線の終着駅という。
開通当時から廃線まで、きっと多くの観音霊場参りの人や、村人に利用されてきたことだろう。


駅舎跡から右の方を見ると、錆びた赤茶色の線路がカーブして見える。
カーブの先は、もう取り外されているのだろう。
線路上もその周辺もよく整備されて雑草など生えていないのを見ると、廃線になった後も村人か、何かの団体によって、「ここにあった駅」を故郷の駅として大切にされているような思いが伝わってくる。
今年3月31日で谷汲線に繋がっていた、岐阜と揖斐大野間も廃線になってしまったと聞いた。
車利用で電車の乗車利用が少なくなってきているローカル線の憂き目がここにもあるのだと何か寂しい思いがする。
そんな世の中の推移を知らぬげに、桜は今年も花を咲かせ、これからも咲き続けていくに違いない。
駅舎も、線路も、「おもいでぐさ」として残されているのは、土地の人の心の温もりのようである。

コメント (6)
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