お昼前の時刻であるが地下街は、明かりが美しい夜の雰囲気である。
ここまで来ると、赤い観覧車の見えるのは阪急32番街であることを思い出した。
デパートの大きいウインドウの中は、童話の世界で子供は勿論、ばぁちゃんも見ていると楽しくなってくる。
それぞれのウインドーの広場の前に立ち止まっている情景は、始めてこの時期にここを通り掛った時と変わりがない。
今日は24日、明日はクリスマス。その日が過ぎると今度はどんな世界が展開するのだろうか。そんなことを考えながら人ごみにもまれながら歩くのにも少し慣れた。
32番街 空庭ダイニングというネーミング25日まで、すっかりクリスマスのおもてなしレストランが、27階から31階までの各お店で、魅力的なメニューがショーウインドウにも並んでいた。
丁度お昼時だったので、お店の前に順番待ちの人の列があったり、待ち椅子に座ったりしてなかなか目当ての店には辿り着けなかった。
しかも、並んでいる人を尻目にして、ちょっとお店に入って、観覧車が見えるかどうかを確かめるという、言語道断の行動をするのだから、我ながらよくそこまで拘ったものだと、今思うと赤面してしまう。
食の好みもあるし、ボリュームもあるので、結局赤い観覧車の上のアングルのようにだけ見える窓際の席に座ることができた。29階だった。
師走の雰囲気につられて、晴れ間の多い日だからと出かけてきた、大阪北の町並みを眼下にして、遠く生駒山かしらとずいぶん久しぶりの賑わいを楽しんだ。
夜までいたら、沢山のイルミネーションのエリアのあることは、ネットで調べてはいたが、都会の夜はどうも苦手になってきている。
日暮れの早い冬至の暗い空が、都会の明かりの中では感じられない。
最後に電車に乗るために南へ出た。
法善寺横町で、お不動さんにお参りして帰ってきた。苔むしたお不動さんは、年の瀬の寒さにびくともしない厳しさで、願いを受け止めてくださるような気がした。